non title.9

本日は所用で留守にするので携帯から更新します(´ω`*)。久々過ぎて内容飛んでるかも知れませんがw


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『私ね、死ぬのは恐くないよ。』
『フェイトちゃんがそういう事言うからわたしはいつも心配なのっ!』
『あはは、でも…大丈夫。私強いから。』
『知ってるけど、そういうこと言うのダメ!』
『ふふっ、間違ってもなのはを置いていったりなんてしないから大丈夫だよ。』



───── そこで目を覚ます。



彼女の夢を見たときは決まって残された、とある手紙を読むのが私の習慣で。机の引き出しに大切にしまわれた「なのはへ」と書かれた古い便箋を見つめながら、私はほんの一言だけ呟いた。



「…………嘘つき。」



貴女は私を置いていったよ、フェイトちゃん。それが私の為だなんて思わないで。


















『non title. 9』




















「はぁー………。」


───気が重い。私、フェイト・テスタロッサは気が重い朝を迎えていた。

今日も、なのは達はお仕事でいなくて、私1人が残された状態だ。別にそれは良いんだ。仕事の邪魔はしたくないし、割と自由だし………いや、そうでもないかも知れない。だってこの敷地内から出れないんだから。

とにかく、問題は学校に行かなきゃいけないって事だった。数日前までなら、学校も冒険気分で楽しかったけれど……問題はあの子達だ。なのはのファンの子達に、どうやら私は敵視されているみたいだからね。先日の事を思い出して、さらに気が重った。



『ちょっとなのはさんに特別扱いされてるからって調子に乗るなよ。』



特別扱い。………やぱりされてるんだろうか?それは嬉しい事だけど、問題なのはそこじゃない。


『魔法が使えないくせに此処に居ても邪魔になるだけだよ?』



魔法が使えないくせに。邪魔。この連語がどうしてもこの上なく気を重くさせる。こっちの世界に来てからというもの、特にクアットロ先生も来ないし(来ても困るけど)とても平和だと思う。まぁ、苛めっぽいものにはあってるけれど。私、いつまでもここに居て良いんだろうか?私の世界は大丈夫なのだろうか。学校とか。



「あー、考えるより先に学校行かなくちゃ……IDカード落すなんて、最悪……。」


実は先日学校に行った際にIDカードを落としてきたらしく、なのはのところに連絡が来ていたらしい。「とってこようか?」なんてなのはは言ってくれたけどそんな事なのはに頼めないし何より頼みたくない。ただでさえ助けて貰ってる身なんだしそんなことくらいはせめて自分でしたいから断ったのだった。……まぁ、あの子達に会わなければ良いんだしね。うん。




そうして、私は学校へと重い足取りを進めたのだった。








──────が。




どうしてか。どうしても、そういうときに限ってそういう事が起こるわけで。会いたくない時に会ってしまうのが理というか。通った道が悪かったというか。




「君、まだここに居たんだね。」


さほど狭くない、寧ろ広い学校のはずなのにどうしてか私は運悪く、見つかってしまったわけで。待ち伏せでもされていたかのように、人気の少ない廊下でばったりと遭遇してしまった。彼らに。わざわざ人気の無いところを通ったのに、これじゃあ意味がない。寧ろこの道を通ったのは失敗だったと言える。


「………残念ながら、ね。」


力なく苦笑して、「この間IDを落としたみたいで」と言うと鼻で笑うようにして彼ら、彼女達がヒソヒソとささめく。耳に障る、嫌な雰囲気の音に眉を潜めながら兎に角その人垣から出ようとして。


「───もうIDも必要ないんじゃないかな?」
「ぇ?」




────キィン



咄嗟に、眼前に迫ってきた緑色の光を無意識の魔力で防いだ。訓練の賜物か否、一瞬でバリアを貼ることが出来たらしく私は「自分が攻撃された」ということよりも「防御が出来た」事に大きく驚いていた。ともあれ急に攻撃(しかも顔面狙い)なんて如何なものかと口を開きかけて、言葉は失われた。痛みと、拘束感に。


「────ぅ、ぐ」



両手を鎖状の何かに拘束され、膝を折る。

明らかに。それは、見るも簡単な弱いもの苛めであり、リンチでもあった。それが何て魔法かも、技なのかも知らない。ただ分かるのは、これから自分が何をされるか、だった。廊下に膝立ちと言う、そんな格好で。両手を拘束する鎖の先は何処に繋がっているのか…という疑問に意識をとられて、数人に見下ろされる威圧感と、それから自分を見る彼、彼女達の嫌な笑みに眉を顰めた。この人たちは、こうして何度も「誰か」をリンチしているのだろう、とすぐに理解した。それと同時に不快感が胃を圧迫する。─────なのはのファンだと言いながら、彼女を慕う弱いものをこうして潰してきたのかと。


「今ならまだ間に合うよ?君。………ここから出て行けば、さ。」


リーダー的な存在の、オレンジ髪の男子生徒が得意げに微笑んだ。強者が弱者に囁きかけるように上から見下ろすようにして。本当に、嫌気のする笑みだ。私、こういうの本当に嫌いなのにな……。


「だから、私に言われても困るよ…。」
「君、どうして自分がそんなに特別扱いされてるか、考えたことある?」
「………は?」
「僕、知ってるよ。………君、フェイトって名前だろう?」


じくじくと、声が反響した。何だか凄く恐い気がして、無意識に息を飲む。立ち上がろうとしても拘束が邪魔して立てなくて、格好悪くもがいただけだった。


「名前なんて、関係な────」


震える声を抑えて呟くと右の頬を杖で殴られた。さっきから動悸が激しい気がして、何に怯えているのかわからない不気味さが私を脅かして、恐かった。──特別扱いの理由。あるはずないと信じつつ、頭の何処かではある気がするとずっと思っていた。


「君はさ、………なのはさんの恋人の、代わりにされてるんじゃない?」


嘲笑の笑みと同時に、吐き捨てるように言われた一言に、私は目を見開いた。何だそんな事かと。………何を言われると思っていたんだろう、私は。恋人の代わりなんて、寧ろ光栄な事だと思うけど…。


「…………何だ、そんな事。」


もっと恐ろしい「何か」を言われる気がしていたから、拍子抜けだった。私ってば、何に怯えてたんだろう。もっと違った真実を、心のどこかで恐れたけれど彼の口から出た言葉は全く持って他愛ないことで。だけど私のその呟きは私以外の皆を不快にしたらしい。……それもそうか。



「コイツ、黙って聞いてればッ!」


ゴツッと、こめかみ辺りに鈍痛が走って、同時に目の前に星が散る。女の子の顔を蹴るなんて酷い事をする、なんて事を考えていられたのはほんの一瞬で。────後は酷いリンチのようなものだった。魔法と力を行使した、弱い者虐めだった。自分が弱い者だなんて思いたくは無いけれど、事実、私はとても弱い。こんな風に拘束されていたらバリアも張れないし、防御もできない。ただ殴れらているだけだった。なのはが居ないと何も出来ないってことを身をもって知った。



「………っぐ、…ぅ……」


しばらくの間、床にポタポタと滴る血をぼんやり見つめて、ようやく激しい殴打が収まった。鉄の味がする口の中で舌を走らせて歯が抜けていない事に安心して、良く気絶しなかったなと(寧ろ気絶してた方が良かったかも知れないけど)虚ろに思いながら、でもこれ以上やられたら本当に死ぬかも。とほんの少し恐怖が過ぎる。「死」を意識するのはこれで2回目だ。クアットロ先生の時よりリアルな分、こっちの方が怖い。


「──まだここから出て行く気にならないの?」


それからまるで軽めの運動でもしてたみたいに爽やかな汗をかいた男子生徒の声に、視線だけをチラリと向けると、それだけで「NO」の返事を読んだらしく彼は不快な顔を向ける。────そんな顔したいのはこっちだと言うのに。それよりも、こんな怪我なのはになんて言い訳をすればいいんだろう。さすがに「転んだ」では済まされないな、………なんてこの期に及んで冷静に考えている自分にちょっと驚いたけど。


「しぶといね。」


でも数秒後、この「しぶといね」という言葉に私はピクリと身を捩る。


「リンカーコアって、知ってる?」





──『魔法を使う人には必ずある。──魔法の命みたいなもんや。』───




魔法の核だと、みんなが言っていた。それが、何だと言うのか……?顔を上げると、血に濡れて塞がれた方と反対の片目にニッコリと酷く歪んだ笑みが映る。それは、とても恐ろしい笑みだった。自分へと伸ばされた手にも恐怖して身をよじるとけれど、拘束された腕がギリ、と音を立てただけだった。


「リンカーコアを潰しちゃえば魔法も使えないから、ここに居る必要はないよね?」


そんなに私は邪魔だったのか。それ以前に、こいつはそんなにも彼女に執着しているとでも言うのか。会話を交わしているところさえ見た事がないのに。恐怖を通り越して沸いたのは怒りだった。こんな奴が、彼女を想っているなんて。どうしてか分からないけれど、とても不快だった。


「だから、リンカーコアを潰してあげる。」
「やめ─────ッ」


それからそう言われて、ズブリと胸の中心に腕が刺さった。自分の胸周辺の空気が歪んだようにも見えたけれど、それ以前に激痛と自分の「危険領域」を何かに侵されたような言い知れない感覚に体中の細胞が警笛を鳴らす。細胞が棘立つ。私の、フェイト・テスタロッサ統ての細胞が、「核」に触れられた事で臨戦態勢に入った。とでも言うのだろうか。そんな感覚だ。


「死にはしないよ。……ただ、魔法が使えなくなっちゃうかも。」
「ぅ、ぐ……ぁぁあッ───!!!」











激痛と、細胞が壊れるような軋む感覚の中で















何かが生まれそうだった。

















違う、





















返ってくる、の方が正しいかも知れない。


















────押さえつけられていた力が、解放されるような













守られていた物が曝されてしまうような。
























「─────ぅ、あぁあぁああぁぁあぁぁあ!!!!」


















いつか、すずかが言っていたっけ。





魔法は暴走を起こす、と。

























自分の力が、溢れて爆発を起こすような。否、周りのありとあらゆる物を破壊してしまうような光が周りを覆ったところで、私の意識は消えた。霞がかっていく意識の中で、最後に私の網膜に焼き付いたのは、その少年が恐怖する表情だった。




































































「──────ともかく、スカリエッティ達が我々に仕掛けて来……なんだ?」



微かな空気の異変に気付いたのは、私達とクロノ君達と、当時の当事者たちを集めた会議の途中だった。とある方向から、魔力の爆発を感知してみんなが臨戦態勢に入る。暴走している魔力の雰囲気で、一体何が起きたのか知ろうとして─────


「フェイトちゃん!!!!!!」


その瞬間に背筋が凍った。


どうして。何故。

魔力の反応から、彼女の封印していた魔力が暴走したのだと、瞬時に理解して叫ぶ。そして、駆けた。



「なのはっ!待ちなさい!!」



後ろから呼ぶ声も無視して、管理局の窓から見た彼女のいる学校の方面で。

金色の光柱が上がっているのを確認した。



「止めなきゃ────!!!」
「なのはちゃん!危険やッ!」
「───危険でも何でも、私は行くの!」


彼女の封印は、解けるはずなんてなかったはずなのに。


彼女が命の危険を感じない限り。そして彼女の核に、誰かが触れない限り。







もしも、何者かが彼女の核に触れたなら。





私はその人を許さない。絶対に。









それに触れて良いのは───────…私だけなのだから。
































続。









テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
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