non title.10

今日は早めの更新!今夜いけらた11話もいこうかとw
10話。なのはちゃん目線ですが多くは語らず少し短め。病んでるなのはちゃんです。

追記から。

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『傷残っちゃったじゃない…。いくら魔法で治せるからってあんまり怪我しないでよ?』
『なのはは心配性だね。』
『フェイトちゃん?……怒るよ?いくら私を守る為だって怪我なんてしないで。私あのくらい避けられたよ。』


じと目で睨む少女にもう一人の少女が苦笑を漏らし、それから優しく前髪を撫でた。


『約束する。………もう、なのはを心配させるような怪我も無茶もしないから。』
『絶対だからね?』
『うん。それに傷が残ってもこれってなのはを守った勲章みたいじゃない?』
『…………ばーか。』


遠い記憶の中で、まだ幼さの残る恋人たちは約束の口付けを交わした。
















『non title. 10』
















白い部屋の静寂の中で、私は横たわっている彼女をただ見つめていた。あの一瞬の魔力の暴走反応に駆けつけた私が見たものは、無残にも血だらけで転がる彼女の姿で。私はただ絶叫するほか無かった。アリサちゃん達に止められなかったら、きっと周りに居た数人の生徒を攻撃していた。……それだけ、冷静さを欠いていた。


今目の前に横たわっているフェイトちゃんはほんの少し残った傷跡に包帯を巻いて、白く細い腕には痛々しい管が射されていた。見つけたときに手首に薄っすら残っていたのは間違いなくバインドによる拘束の痕だと思う。


「フェイト、ちゃん…………」


どうしてフェイトちゃんがこんな事に。どうして側に居なかったんだろう。一体何があったの?


「ごめんね。フェイトちゃん………」


金色の髪をそっと撫でる。今も昔も変わらない感触に胸が締め付けられるような気持ちになって、だけど今目の前にある現状に、手が白くなるくらいぎゅっと力を込めて握った。爪が刺さって血でも流せば、少しは気分が晴れるかもしれないなんて考えているといつの間に来たのか、尋問中だったアリサちゃんが治療室へと来ていた。ちなみにはやてちゃんとすずかちゃんはフェイトちゃんの魔力暴走の後処理を手伝っているみたい。



「血、出るわよ?」
「……ぁ、うん。尋問……終わったの?」


私の手の先を見つめてそう言うアリサちゃん。やや疲れたような表情のアリサちゃんに尋問の結果を聞くと、溜め息を吐きながら「まぁね」とだけ頷いたのだった。



「あの子達、何て……?」
「あー……何だか知らないけど、なのはのファン、だったみたいよ。」
「────は?」
「……隠してもすぐばれるだろうから言うけど、ただフェイトが目障りだったんですって。………とんだクズだわね。」


溜息を共に吐かれた事実は私にとって衝撃的なことで、同時に底冷えするくらいの怒りが体の底から湧いてくるのが分かった。奥歯が砕けそうなくらいに食いしばる。そんなくだらない理由で、彼女を傷つけたのかとも思う。



「…………まだ尋問室に、居る?」
「今はクロノが───ちょっと!どこ行くのよ!?」
「私も、少しお話聞こうかと思って。」



許せない。



「それに、これって私の問題でもあるよね?」



私のファン?───そんなものいらないの。私には彼女がいればいいのに。



「ま、待ちなさいなのは!」



アリサちゃんの静止も聞かず、私は尋問室へと足を進めた。



それからやって来た尋問室では、クロノ君と主犯らしきオレンジ色の髪の男の子が対面して座っていた。私が来たことに気がつくとクロノ君は驚いたように席を立ち、その主犯も私が来たことに嬉々とした様子で立ち上がる。



「クロノ君、ちょっと代わってくれる…?」
「…………君が何をしでかすか分からないからこの部屋には滞在させてもらうぞ。」
「いいよ、それで。」



クロノ君が座っていた席に私が座ると、相変わらず嬉々とした様子のその生徒が口を開いた。私は、ただ何も感じないままその様子を見てるだけ。あんな事をしておいて、どうして相も変わらず嬉々としていられるの?反省の色も何も無いじゃない。………反省してどうこうなる問題でもないけど。



「な、なのはさん!初めまして、あの…僕─────」
「ねぇ。」



煩わしい自己紹介なんていらないから、要件だけを話す。本当だったら、立てないくらいにはしてやりたいものだけど。単刀直入に用件を。



「フェイトちゃんに、何をしたの?」



自分でも驚くくらい、低く冷たい声だと思った。さっきからずっと、病室に横たわっていたフェイトちゃんの姿がチラついて、余計にイライラした。



「な、……またアイツの話ですか?」
「あいつ……?」


それは、彼女の事?


「何でなのはさんともあろう人があんな奴を気にするんですか?」
「…………………。」
「リンカーコアもまともに守れないような下級魔導師なんて───」
「リンカーコア?」



「リンカーコア」という言葉に眉を潜める。彼女の封印は、リンカーコアに触れようとさえしなれば解放されることは無いはずなかったはず。


「彼女の、リンカーコアに触れたのは貴方?」


私の表情と声に見開かれたその主犯と思しき生徒の瞳。私はそんな事気にも留めずに淡々と続けた。本当に、自分でも驚くほどの低い声で。


「どうなの?貴方がやったの…?」


発見したときのフェイトちゃんの姿を思い出す。血だらけで拘束の跡が残っていた彼女。もしこの子がそれをしたのなら─────


「そうですが。それが何か?……お言葉ですが、僕達はなのはさんの為に…」


その一言に、体の芯までが冷え冷えとする感覚を覚えた。「私の為に」だなんてどの口が言うの?誰よりも彼女を大切に思っているのは私なのに。クロノ君の視線を感じて、暴れ出したい衝動を抑えて息をつく。


「………あのね。」


ここに誰も居なかったら。私はきっとこの目の前の生徒を、攻撃した。立ち上がれないくらい。視線さえも動かせないくらいに。だけどそれをしないのは彼女のためだ。


「覚えておいて欲しいんだけどね?」
「なんでしょう?」


私の問いかけに再び嬉々とするその生徒に冷ややかな言葉を放つ。


「私がして欲しいことがあったとして、それは貴方には出来ないことなの。」


そう言い放ってギリ、と机を掴む。この子にして欲しいことなんて何もない。


「私は貴方が何をしようとこれっぽっちも興味がないの。私が興味を持つのはあの人の事だけ。私が何をしたら彼女が喜んでくれるかとか、何をしたら悲しむかとか。全部、フェイトちゃんの事だけなの。」


砕けんばかりに机の端を掴んで、言葉に力を込める。


「本当は。……フェイトちゃんのリンカーコアに触ったって事だけでも、今ここで貴方を再起不能にしてやりたいくらいだけど……そんな事したらきっと彼女が悲しむからしないだけ。」


これ以上は何を言っても無駄だろうと、そこまで言って椅子から立ち上がる。目の前の生徒は自分が何を言われたかも理解していないようだった。というよりは崇拝した私の冷ややかな声に驚いているのかもしれないけど。その子のそんな反応にさえ、私は興味がない。


「それからね。」


立ち上がった私は見下ろすように言い忘れていた言葉を、言った。


「次に彼女に何かした時は、その時は容赦しないから。全力で貴方を────……」


殺す、とまでは言葉にはしなかったけれどその子の異様なまでの怯えようから察するにきっとその次の言葉まで理解したんだろう。私はそのまま尋問室を後にしてフェイトちゃんの待つ病室へと向かったのだった。















































「…………聞こえたかい?彼女の産声が。」


同時刻。廃墟と化した研究室の一部屋で椅子に腰かけ、嬉々とした声を高らげる男が一人。薄気味が悪いほどの笑みを浮かべ、堪らなく愉しそうに両手を掲げると、その声に賛同する女の声があった。


「えぇ、ドクター。……まずは第一関門突破ですわね。」
「ククク、素晴らしい。素晴らしいぞ、フェイト。」


両手で顔を覆ように笑い、喜びに打ち震え、ドクターと呼ばれた男はゆらりと立ち上がる。


「ようやくだ。ずっと欲しかった力。知識。………手に入れる日は近い。」


今一度、ククッと声を上げ笑うと、ドクターと呼ばれた男は恍惚とした表情を浮かべ、そしてそばにいた女に告げる。


「クアットロ。フェイトの心に、小さな種を撒いてきてくれるかな?小さな不信の種を。哀れなフェイトに、ほんの少しだけ真実を知らせてやろうじゃないか。」
「………いまなら局も手薄かと。」


そう言い残して、クアットロと呼ばれた女は一瞬にして姿を消した。残されたドクターと呼ばれた男は再び椅子に腰かけると、独り言のように呟く。


「………失われしアルハザードの力。王にのみ許された力。」


優雅に足を組むと、その白衣の男は声を上げて笑う。廃墟と化したその部屋に、笑い声だけが不気味に響いた。































そろそろ少しずつ真実が見えてくるかと。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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