non title.13

この長編読んでると「??」ってなってきちゃうよね……。最後にうまく繋がると良いなぁ。ちなみに余談ですがなのはちゃんの心境イメージには空の境界の「傷跡」とかが合いそう。

追記から13話。
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遥か昔───言伝えによると、古の国アルハザードの王は愛する人を黄泉の世界から連れ帰らんとし、禁じられた魔法を使用した。



その結果に失われたのもがあれど、彼の人は満足だったのだろう。
残された者が狂気することも知らず眠りについたのだから。

その結果に国が滅ぼうとも、さらに禁断の秘術が生み出されようとも。


それは王の失敗であり、罪。








『non title.13』







「ん……っんん…!///」


甘い香りと、柔らかい感触にドキドキしながらようやく唇を解放されて少しだけ荒く肩で息をする。なのはと恋人になって以来しょっちゅうキスするようになったのは良いんだけど、いつもなのはにリードされてしまっていて、それが少し恥ずかしいような、悔しいような。というか少し回数が多すぎる気がする。嬉しいけど。


「な、なのは……訓練遅刻しちゃうよ?」


今日からまた私の魔法訓練が始まる。訓練の時間までまだ少しは時間があるけど、はやてやアリサ、それにすずか達はもうすでに待ってるんじゃないだろうか、と時計を見る。けれど、そんな慌て気味な私を見て、多分恥ずかしさを誤魔化そうとそんな事を言った私に気付いてるんだろうなのははクスッと微笑んだ。大人っぽく。あぁ、リードされちゃうのも仕方ないんだろうか、2歳も年上なんだから、なんてその表情に少しだけ考えたりもする。


「フェイトちゃん、顔真っ赤だね。」
「なっ!?///」


ちなみに今いる場所は私の部屋。私の隣でベッドに腰かけているなのはは既に教導服っていうのかな?制服を着ている。そういうスーツみたいな格好だから余計に大人っぽい気がするのかもしれない。


「私も着替えなくちゃ。」


時計を見ると本当に時間ギリギリで、慌てて立ち上がる。一応私にも制服ではないのだけど訓練服が渡されている。…………一言でいえば絶対ジャージだと思うんだけど。


「じゃあ手伝ってあげる。」
「………はい?///」
「ん。だから、着替え♪」


私が立ち上がった横で、なのはも楽しそうにそう微笑みながら訓練服を手に、立ち上がる。────どうしてそんなに楽しそうなんだろう。っていうか、着替えは一人出させてほしいなぁ、なんて思う。だって恥ずかしいじゃないか。


「えっと、子供じゃないから………」


気持ちだけ受け取っておくね、と言う言葉を口にする前に。


「ほらほら急がないと遅刻しちゃうよ?」
「わっ、わわっ……!///」


ぷち、ぷち…と私の寝間着のボタンを外しにかかるなのはの手を止めようと思っても体は硬直して動かなくて、なんだか結局着替えさせて貰っている子供みたいな図になってしまった。やっぱりなのはの方が上手で、私はなすがままに着替えさせられている。あ、もちろん下着はつけているんだけどね。


「………あの、やっぱり自分で…///」
「あれ、フェイトちゃんこの傷って………」
「き、聞いてる?///」


寝間着のボタンを全て外し終わったところで、なのはが私の体に残る子供の頃についた傷を撫でた。その傷は丁度左の鎖骨の下に、鎖骨と平行になるようについているもの。他の肌のところより色が薄くなっていて、ちょっと見ただけでは気付かないような傷だ。


「聞いてるけど、これ………。」


絶対話聞いてないよね?と思いながら観念した私はボタンが前回になった寝間着から袖を抜き、上半身下着だけの恰好になってなのはからジャージを受け取る。


「子供の頃に怪我した古傷だよ。」
「っ、……………そっか…。」
「良くは覚えてないんだけど、割れたガラスか何かで怪我をしたって、昔母さんが言ってた。」


自分ではうろ覚えで、昔母さんに聞いたことあったっけ、なんて少し懐かしみながら思い出す。あれって何歳の頃だったっけ……?そんな私を余所になのははどうしてか少しだけ悲しそうな顔をしていた。


「なのは?……どうしたの?」


受け取ったジャージに袖を通してちゃくちゃくと着替えを済ませていく私をただ見つめながら、なのはは我に返ったような表情をして、それからすぐに苦笑を一つ。


「にゃはは、ちょっと考え事。教導の内容、どういう風にしようかなって。」
「ぇっ!お手柔らかにお願いします。私一応ほら、病み上がりだから。」
「楽しみだなぁ、フェイトちゃんの訓練っ♪」
「き、聞いてるの?!」


着替え終わった私ににっこり微笑んだなのはは、私の話を聞いていてあえて無視するように「行くよー」と言って部屋を出て行ってしまう。私も慌ててなのはの後を追ったのだった。














それから訓練室には案の定既に皆が来ていて、ついでにユーノさんとクロノさんも一緒にいた。会うのは私がここにきて二度目だ。


「ユーノ君にクロノ君、どうしたの?」


なのはは2人が居ることに首を傾げる。───と、クロノさんが少し小ぶりの小さな箱を差し出してきた。なのはでなく、私に。プレゼントってかんじでもなさそうだけど。


「あぁ、フェイトは多分もう魔力コントロールもしやすくなっているはずだからな。」


これを渡そうと思ってね、と小さな箱を開けた。箱の中には、金色に光る三角形状の………なんていうんだろうこれ。飾り物っていうか、アクセサリー?なのかな。


「そっか。フェイトちゃんもデバイス持ってる方が良いもんね……。」
「デバイス?」


なのはの言葉に、首を捻る。ここにきて新しい言葉を聞いた気がする。………いや、前にもそんな事言ってたかな?ん?あれ?何だろう、少し混乱してきた。


「うん、デバイスって言ってね……?」


そう言って、なのはは徐に首に掛けているチョーカーの先についている赤い玉を見せてくれた。それから手の上を転がすように簡単に赤い玉をとって…………その瞬間に、突然その玉が光ってあっという間に杖に変形した。


「うわわわわっ!?」


私の驚きようが可笑しかったらしく後ろでははやてが「フェイトちゃん驚きすぎやろ」なんて言っているけど今は無視だ。


「デバイスっていうのは、一言でいうと魔法を使うための武器、みたいなものなの。」
「武器って………」
「ねっ、レイジングハート?」

≪Yes,Mymaster───.≫

「しゃべった!!!!」


杖がしゃべった。なのはがその杖に向かって話しかけると、杖がしゃべった。いや、そりゃ、魔法がある世界だし、そんなの当たり前なのかもしれないけれど。後ろでは今度はアリサが吹き出した。が、無視だ。


「それで、これを君に。」


驚いている私に苦笑しながらクロノさんがその三角形状のデバイスを私に差し出した。それを受け取って、見つめる。が、特に変わった様子はない。これが、杖のように変形するんだろうか…?


「えと、これ…クロノさんの?」
「いや、君の為に作られたものだ。……あと、さんはいらない。」
「あ、はい。」
「フェイトに合わせてあるものだからたぶん使いやすいはずだよ。」


今度はユーノさんがそう言って微笑む。眼鏡を押し上げながら、そのデバイスについて少し教えてくれた。


「その子の名前はバルディッシュ。君だけのデバイスだ。」
「バル…ディッシュ?」


手のひらの上に乗った三角形状のデバイスの名前。それを反復するように口にする。─────と、体から何か湧き上がるような感覚が襲って、金色の光とともにその三角が横長の棒状の形に変化した。自分の体に魔力が湧いてくるような、そんな感覚っていうんだろうか?やっぱり以前よりも魔力を感じるようになった。あの時、暴走?を起こしたせいなのかな?

そうして一瞬で、手のひらの三角は杖の形に変化した。杖っていうよりは斧、かなぁ?黒くて格好良いなぁ。


「これが、変化したバルディッシュ……?」

≪Yes,Sir────.≫

「わっ、またしゃべった……。」
「魔力の扱いにも慣れてきたみたいだな。あとはなのはにしごいて貰うと良い」
「ぇっ!」


私の手元の杖…というか斧?を見て満足そうに言うクロノさんが口にした言葉に一瞬背中を変な汗が伝う。そして、隣に立っているなのはが、とても爽やかに、にこやかにほほ笑んだ。


「にゃはは、フェイトちゃん前より凄く簡単に魔法を構築出来るようになったね。」
「や、一応……病み上がりだからね?」
「じゃあ、早速訓練始めようか♪」
「ま、待って!準備!準備運動からお願い!」
「はいはい、行くよーっ」


腕を掴まれてズルズルと楽しそうに私を引きずるなのはに、私は為す術がなく、その日の訓練は鬼のような厳しさで、私は少し半泣きだった。












途中からはやてやアリサ、すずかも加わった訓練が終わって、ようやくシャワーを浴びてみんなが戻ってくるのを待っている途中。シャワー室から出ると、ユーノさんがデータをまとめる為に自分の目の前にウィンドウを開いて作業していた。


「あの、ユーノさん。」


私が話しかけると、ユーノさんは少しだけ苦笑して「ユーノでいいよ」という。それから敬語も必要ないというのでお言葉に甘えてユーノ、と呼ぶことにした。


「あの、ユーノ………」
「どうしたの?フェイト。何かあった?」


首をかしげるユーノに、私は少しだけ聞きたい事があったのでそれを口にする。


『────…初めまして、フェイト。僕は一応無限書庫っていう、…君の世界で言う図書館の司書長だ。魔法の事で分からない事は調べに来ると良いよ。』


確か、ユーノは初めて会ったときにそう言っていた。無限書庫の司書長だと。だったら、私が調べたい事も調べられるんだろうか。


「えっと、ユーノは前に無限書庫の司書長だって言ってたよね?」
「そうだよ。フェイトは来た事あったっけ?」
「うぅん、無いんだけど……無限書庫では何でも調べられるの?」


あの言葉の意味を、知りたかった。あの時調べられなかった言葉の意味を。今ここでユーノに聞いてしまおうかとも思ったのだけど、どうしても引っかかるんだ。あの時のクアットロ先生の言葉が。


『────本当の事を知って欲しいだけですのよ?』


なのはが私を特別扱いしてくれる理由は、何となく察しがついてる。ただ単に、私の事を好きでいてくれたからだろう。だけど、「本当の事」って何だろう?もしかしたら、クアットロ先生の心理戦的な何かなのかもしれないけれど。と、私の言葉に、ユーノは少し思案して、それから「大体の事はね」と教えてくれた。


「何か調べたい事でもあるのかい?」
「えっと、少し。」


ユーノの視線が何処となく探るような視線に感じて、私は苦笑いを浮かべた。頬をひと掻きして、それから「魔法の事とか知りたい事がたくさんあって」と誤魔化すような言葉を繕う。


「そうか。なら、そのうち遊びに来ると良いよ。もちろん閲覧禁止の棚もあるから、中を見て回るときには僕も同行させて貰うけど。」
「あ、うん……。」


そう言って「決まりなんだ、ごめんね。」と苦笑するユーノに、私は約束を取り付けることにした。出来るだけ早い方が良い。ただの何でもないクアットロ先生の嘘だと思うから、早く解決してすっきりしたかったから。どうしてもこの言葉の所為でもやもやしている自分が居て、それが何だか気持ち悪かった。


「それじゃあ、僕が空いてるのって明日の夕方しかないんだけど、大丈夫?」
「明日なら訓練もないし、大丈夫。………って、凄く忙しいんだね、ユーノ。」
「全くだ。寝る暇もないくらい忙しいよ。」


そう言って苦笑するユーノは肩を持ち上げておどけて見せる。


「じゃあ、明日お願いします。」


明日午前中はなのはと一緒に出掛ける約束をしてるから、むしろ丁度良かった。午後はなのはも仕事だって言ってたし。一人で暇に過ごす心配はなさそうだ。明日は初めてミッドの街を見て回れるし、とても楽しみだな、なんてことを考えているとなのは達がシャワー室から出てきて、私はその日の訓練を終えたのだった。




























温水を浴びながら、教導の様子を反芻するなのはは、シャワールームの個室のタイルに額をコツンと当てた。動きも魔力も全て一緒。デバイスも、彼女の物を使用している。紛れもない、彼女そのものなのに別人。



「……………と、ちゃん…」


水温に掻き消されてしまう程度の声で小さく呟く。ようやく心を通じ合えた愛おしい人物の名を。



『───良くは覚えてないんだけど、割れたガラスか何かで怪我をしたって』


そして、少し前にした会話を思い出して、きゅっと下唇を噛む。彼女の鎖骨付近に残った傷跡を思い出し、ぎゅっと目を瞑った。懐かしむように小さい頃の話をしてくれた彼女の姿を思い出し、俯く。自分の頬を伝うのがシャワーの水なのか涙なのかは分からなかった。



「ごめんね。………ごめんっ…ごめんなさ………っ」



何に対しての謝罪なのか。
誰に対しての言葉なのか。



その涙声は、届けたい人には届かずシャワーの水と共に足元の排水溝へと流れていった。



その声を黙って沈痛な面持ちで聞いていたのは。
幼馴染で、親友でもある3人。


彼女たちもまた、胸に傷を抱いてただ俯いていた。











『笑って、なのは。────最後に君の笑顔を焼き付けたいんだ。』






















ネタバレしたくなってきた…(しないけど

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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