non title.14

今日もう1話くらいイけたら良いなぁー!

追記から。
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眼前の墓には、既に花が手向けられていた。


『私、行くよ…。』


かつての決断の日を思い出す。
あの日、目の前の紅い瞳は穏やかだった。


『───だけど勘違いしないで。上層部の為に行くわけじゃない、彼女の為だ。』


全てを憎んでも、全てを恨んでも仕方ないそんな運命だったのに、彼女は呪わなかった。
最期の瞬間まで愛する者の為に、微笑んだ。



僕は、そんな妹の為に何もしてやれなかった。
救えなかった。

僕は、無力だった。


「───────許してくれ。フェイト。」


君が夢見た未来は必ず守るから。
僕は、墓前で誓いを立てる。













『non title.14』













「うわぁー…」
「フェイトちゃん迷子にならないでね?」
「なっならないよっ!!///」
「凄く心配なんだけど…離れちゃ駄目だよ?一応私が護衛なんだから。」


早朝。空は晴天、私はここに来て初めての外を体験していた。というのも、私はこの世界に来てからずっと缶詰状態だったけどこの間の事件で魔力の発動がより簡単に出来るようになったから、ようやく外出の許可を貰えたんだ。……まぁ、流石に一人では行かせて貰えなくて、なのはが護衛として付くってことでOKを貰った。なのはは「デートだね」なんて言ってたけど。


「フェイトちゃん行きたいところあるー?」
「えと、何があるか良く分からないんだけど…」


初めて来た場所で、行きたいところなんて。と考えていると「じゃあ私が案内してあげる」と、なのはは私の手をとって歩き始める。やっぱりなのはにリードされっぱなしだ。でもそれが嬉しくもあって、私はなのはに手をひかれるままに歩いたのだった。

何というか街の様子とかお店とかは、もちろん見たことないものがたくさんあったけどそれでも大半は私が暮らしてきた世界とさほど変わりなかった。映画館や、雑貨屋さん、何というか案内と言うよりはなのはに引っ張りまわされていた。ちなみに買い物も、大半なのはが「これとかフェイトちゃんに似合うんじゃない?」なんて言いながら何故か私にばかり勧めてきて、お支払いとかも私がする前にしちゃう感じだ。完璧になのはのペースだったりした。それから、少し疲れたねって言って割と人が少なめな公園へとやって来たんだ。

いつもの大人っぽいなのはも好きだけど、こんな風にはしゃぐなのはも可愛いと思う。なのはの事で、私が知らない側面はまだまだたくさんあるんだろうな…。


「フェイトちゃーん?」
「んぇ?」
「もー、聞いてなかったでしょ!」
「うぉっ…ご、ごめん!─────あれ?」
「どうしたの?」


街中の公園のベンチに腰かけてまったり休んでいるとなのはが「聞いてるの?」と唇を尖らせていて。そんな中、ふと公園の奥まった方向に視線がいった。そこは街中なのに割と閑散としていて、でも綺麗な場所。門が備えられている。


「あそこはなに?」


話の途中でその閑散とした方向視線を向けたまま問いかけると、なのははほんの少し、肩を震わせた気がした。でもその後すぐにいつも通り普通に微笑んだので気の所為だったみたいだったけれども。


「あれは……お墓だよ。フェイトちゃん。」
「お、墓?」
「うん。フェイトちゃんの世界と一緒で、こっちの世界にもあるの。」
「そう…なんだ。」


サワサワ、と風が吹き抜ける中。なのははどことなく儚げに、寂しげに微笑んでいた。………なのはの好きだった人のお墓も、ここにあるんだろうか?聞けば答えてくれるだろうけれど、私にはまだ聞く勇気はなくて、その先は何も言わずゆっくりと瞳を閉じる。いつか2人で来れたら良いなって思いながら。




「ね、フェイトちゃん。」
「───ん?」
「もうとっくにお昼過ぎてるよ?どっか食べに行こうか。」
「ぇ?本当?なのは午後から仕事じゃなかったっけ?」
「まだ時間あるから大丈夫。──ぁ、それとも何か作ってあげようか?」


どっちが良い?なんて無邪気に微笑みながら。お店と手料理どっちが良いか、なんてそんなの手料理の方が良いに決まってるけど………自分から選ぶのは少しばかり恥ずかしいような気がする。そう思ってチラりと視線を向けると。


「どーしたの?」


隣でにこにこ微笑んでいるなのはがいる。どうやら私の答えはもうわかってるくせにあえて言わせたいみたい。凄く楽しんでる顔だ。からかわれてるのかな……。


「ふぇーいーとーちゃんっ?どっちが良いの?」
「…………手料理が、良いです。///」


そんな風に聞かれると余計に答えにくくてぼそぼそと答える私に、満足気ににっこり笑うなのはは、ベンチから立ち上がる。ちなみに私はまだ呆けて座っている状態でぼんやりなのはを見ていた。そのままなのはが腰を折って、私の唇に口付けるまでぼんやりと。唇が触れ合ってようやく我に返った私に、なのははほんの少し頬を染めて「行こっ?」っていって手を差し出した。私は結局リードされたまま、買い物袋でふさがっていない方の手でなのはの手を握って、そのまま2人で寮まで帰ることにしたのだった。


「何作ってくれるの?」
「秘密♪」


そんな風に会話を交わしながら。



















なのはの部屋は私の隣の部屋だ。………ていうかなのはの部屋に入るの初めてじゃないかな、私。凄く緊張する気がしてきた。ていうか緊張する。


「はい、どうぞ♪」
「………おじゃ、お邪魔します。///」


と、私の緊張が伝わったらしくなのはは隣でクスっと笑う。それから冗談っぽく「エッチな事しないでね?」と囁いた。


「し、しないよっ!///」


まだ付き合って少ししか経ってないのに。思わず上ずった声になって、そんな私の反応になのはは面白可笑しそうに笑っていた。こういう時、本当に敵わないなぁって、思うんだよね。ちなみになのはの部屋の作りは私の部屋とほぼ同じで、一応キッチンとかもついてて広い。私は自分の部屋のキッチンは一度も使ってないけど。なのはは料理とか、するんだろうな。


「座って待ってて♪」
「ん、うん。」


そう言えば今日の仕事はアリサ達と一緒なのかな?ふと、先日なのはと交際を始めた時の3人の反応を思い出す。なんていうか、みんなさして驚くこともなく「はいはい」程度だったなぁ…。もちろん祝福してくれたけど。………なのはの、好きだった人の事を思い出してたりしたんだろうか…?私はその人に足りえてる?弱くて、何もできない私は………


「──ぅあっ!?///」
「フェイトちゃん、そんなに暗い顔してどうしたの?」
「痛い痛いっ!//」


ぼんやりしている私の耳に不意打ちで、痛みが走る。いつの間にか近くに接近していたなのはがぎゅむっと、私の耳を引っ張っていた。というか、痛い。勧められた椅子に座らず立ち尽くしていた私に向けられるジトッとした視線に少し汗をかく。


「だって折角2人でお部屋デートなのにフェイトちゃん変な顔してるんだもんっ」
「ご、ごめん……ただ、ちょっと考え事してて…。」


なのはは、その好きだった人の事は全然語ってくれない。私も聞かない。だって、なのははきっとその人の事でどこか傷付いているから。だから、時間をかけてゆっくり癒していきたいと思うけど……。ちらりと視線を向けるとなのはは少しだけ悲しそうな顔をしていた。


「あんまり一人で考えすぎないでね?」


困ったように微笑んで。それは私が言うべきことなのに、なのはは年上で、いつだって私を慈しんでくれる。私が支えになって上げられれば良いのにな。


「─────うん。」


ほんのり染まった頬に、そっと触れる。頬に掛かる髪を指で払って、私はなのはに口付けた。




唇が触れ合うだけのキス。
それは、私から送った初めての口付けだった。







































「なのはとフェイトの奴。上手くいくと良いけど………。」


同じ時間、書類をまとめながらポツリとアリサが呟いた。その対面の席のはやてがチラリと視線を向け、アリサの隣に座っていたすずかが瞳を閉じる。


「なのはちゃん、これで良かったんかな…?」
「なのはちゃんは誰の代わりとか、そういうの関係なくて純粋にフェイトちゃんを愛してるんだと思う。心から……」


静かに各々の意見を述べる親友たちは沈痛な面持ちで、呟いた。


「でも!」


手に持った書類を机にバサリと投げつけてアリサは立ち上がる。異議を唱えるかのように「でも」と、苦しげに。


「でも……なのはが描いてるのはいつだって────…ッ…」


アリサは誰かの名を紡ぎかけて、だけど口に出さずに静かに下唇を噛み、その人物の名前を飲み込んだ。そして、ギュッと瞳を閉じて。代わりにはやてが口を開く。



「フェイトちゃんは、もうおらん………。」





その人物は、もう居ない。誰かの代わりなんて、誰も為し得無い。



「きっと傷つくのはなのはよ………。」



静かに、声だけが木霊した。


















『一つだけお願いがあるんだ。』
『あの墓地に、私のお墓も作ってくれる……?』



























テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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