断固お断り!……?

久々に短編パロかも。なんか、似たり寄ったりありがちなネタな気がしますが。
追記から予約投稿します。
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「───嫌です。」


私はにっこりと満面の笑みを浮かべて食卓の最中に箸を置いた。母さんは私にとてもベタ甘だから、きっぱり言えばやめてくれるだろうと。そもそも冗談だろうと。そう思って言ったことなのだけど。


「あら、ダメよもう決まってるもの。」


私の言葉に「あら、それじゃ仕方ないわね。」とか言うと思っていた母さんは私の予想に反して、さっぱりときっぱりそう言い切った。───母さんがこんなにきっぱり私の意見をはねのけるなんて初めてだ。ちょっと拍子抜けだけど、そんな場合じゃない。


「だ、だから嫌だったら!私そんな話初めて聞いたもの!」
「あら。だって今初めて言ったんだもの。」


私の名前はフェイト・T・H。そこそこ有名な財閥の長女。今は夕飯の時間で、つい先ほど私の母に人生で一番の衝撃的告白をされたところだった。


「私、結婚なんてしないってば!」
「あら。すぐにしろっていってるわけじゃないのよ?」
「でも許嫁だなんてそんなのいきなり言われても困る!」
「だってもうずっと前から決めてるんですもの。」
「ですもの、じゃないよ…母さん……。」


そう。この事件はつい今しがた母さんに「そういえばあなたの許嫁さんがね」っていう一言から始まったんだ。私は今年で17歳。青春真っ盛りの高校生だ。なのにいきなり「許嫁が」じゃないですよ。一体相手はどこの誰?───ていうか。


「とにかくお断りです。」


そんな許嫁が居るなんてなったら、青春を謳歌出来ないじゃないか。「お断り」とそう言って席を立つ。のだけど、私の後ろで母さんがさらに言葉を続けるわけで。


「もうフェイトの転校手続きしちゃったわよ?」


何かの冗談かと思って振り向く。けど、母さんは凄く楽しそうにるんるんしてる。いやいや、転校って…そんな馬鹿な。私のガールフレンド達が泣くよ。てゆーか落ち着いてください。私が口を開こうとするのを見計らって、母さんが言わせないとばかりに言葉を続ける。しかもそれはそれは恐ろしい話を。


「ついでに来週から一緒に暮らしてもらいますからね?」
「はい?」


ばかな…。顔も知らない相手と同棲なんて。嫌すぎるじゃないか……。


「だから、なのはさんと許嫁らしく仲睦まじく……」
「いやいやいや、なのはさんって誰なのさ?!」
「そう言えば言ってなかったわね。高町さんの………まぁ、会えばわかるわよ♪」
「えっ?ちょ、ちょっと待ってよ!」


高町って、母さんが仲良くしてる高町財閥さんの?え?なに。親子仲良しだからって勝手に子どもの結婚の約束なんかしちゃったわけ?私の話も漫ろに、母さんは勝手に楽しそうにしている。食事を下げて貰って、ついでに言うなら新しく行く学校のカリキュラムの話なんてしちゃっている。全く頭に入ってこないけれど。…………でも、結局私は母さんの言葉には逆らえなかった。いつだって私の気持ちを優先してくれる人だから、本当に嫌だと言うときはその時に話を聞いてくれるって事で。とりあえずまずはどうしても会って欲しいらしい。



そうして、私は不本意ながらも転校することになった。場所は、私が今まで通ってた普通の学校じゃなくて本物のお嬢様学校。すっごく面倒臭い。引っ越しは転校初日の夜から、近くのマンションにその子と住むらしいんだけど……。相手の子も凄く嫌がってるんじゃないのかな……?だって見ず知らずの人と住むなんて普通の人間は嫌がるでしょ…。てゆーか私まだ高校生だし相手も高校生だし。


「折角、楽しくキャッキャウフフで過ごしてたのに。」


どうしよう。お嬢様学校なんて私の偏見イメージで凄く面倒臭そう。可愛い女の子がいれば別だけど。そもそも許嫁だって言っている女の子が凄く私の好みに反してたら……うん。これはもう、即、破断で。────なんて考えていたのだった。



































「…………うぁぁ。」


翌週から、あっさり私はそのお嬢様学校へと転入してきた。今日が転入初日になる。なんというか、基本的に私は財閥の娘だけどこういかにも「お嬢様」っていうのは苦手なわけで。


「あなたがフェイトさん?」
「ん?」


応接室のような場所で待たされていた私に、いつの間にかやって来た子が話しかけてきた。この学校の制服を着ているから、生徒さんだろう。清楚なお嬢様って感じの、可愛い子だ。


「初めまして。同じクラスの月村すずかです。」
「あ、初めまして。フェイト・T・Hです。」
「遅くなっちゃってごめんね?えっと、フェイトさんは……」
「フェイト、でいいよ。」
「じゃあ、フェイトちゃん、で。」


ね?と微笑んだその子何というか…うん、正真正銘のお嬢様って感じだ。感じも良いし。優しい雰囲気と言うか。


「私は何て呼んだら良いかな?」


そう聞くと「すずかで良いよ」と言ってくれたので遠慮なくすずかと呼ぶことにした。歩き方から何からお嬢様って感じだ。学校の事を軽く教えてくれて、それから教室へと案内してくれるというその子に、私は今一番気になってることを問うてみた。


「そういえば、すずか…。」
「なぁに?」
「同じ学年に高町さん、って子居る?」


さりげなく自然を装って。………とはいえ、急にこんな事聞くなんてどうかと不自然だと思うけどまず聞いてみる。この子なら正直に教えてくれそうだし。私の言葉に、少しだけ可笑しそうに吹き出したすずか。


「どうかしたの?」
「うぅん、ちょっと……それって多分なのはちゃんの事だよね?」
「ぅえ?まぁ、そうだと思うけど。」
「なのはちゃんは私の幼馴染なの。」
「え?そうなの?」


さすがお嬢様学校。どうやら幼稚園からエスカレーターだったらしい。それにしてもすずかと幼馴染ってことはなんというかこんな風におしとやかなんだろうか?それにしても、許嫁の件はどうにかして破談にしてしまおう。そうすれば私は前の学校に戻れるのだから。


「なのはちゃんの許嫁なんでしょ?」
「…………先週聞いたばかりだけどね。」
「なのはちゃんもこの前聞いたばっかりだって言ってたよ。」
「本当?────あー…何か言ってた?てゆうか、どんな子なの?」


そう聞くと、すずかは顎に指を添えて少し空中を仰ぐようにして考える仕草をした後に微笑む。


「良い子だよ。私の自慢のお友達。」
「そう。……なら良かった。」
「それから許嫁のお話聞いた反応に関してなら、自分で確認した方が良いかも。あと、同じクラスだよ。」
「えっ!」


そんなこんな言ってるうちに教室についてしまった。まさか同じクラスなんて…やりにくいことこの上ない。


「一応初日だから自己紹介だけしてもらって、席は後ろになっちゃうんだけど……」
「あ、うん。それで問題ないよ。」
「そう?先生が今居ないから私が紹介する事になるんだけど、ごめんね?」
「いや、むしろ私がごめん。……というかこの場合はありがとう、かな?」


そんなやり取りをした後、教室へと突入した。────入ると同時に、凄く視線を感じて、なんかもう凄く面倒になってきた。教室が女子でいっぱいだ。さすが女子高。すずかの一言の後に、軽く自己紹介ということになって作り笑顔で挨拶をした。


「───フェイト・T・Hです。宜しくお願いします。」


それからすずかに指示されるままに後ろに用意された席に付いた。この中に私の許嫁が……うぅ、凄く嫌だな。なんというか、この中の誰かと生涯を添い遂げるなんて私には考えられない。なんて考えている私を余所に先生がやってきて軽い挨拶を交わした後に授業が始まった。──先生には転入手続きしたときに挨拶したのだけど。ちなみに先生が来るまで私は付近の席の子に質問攻めを食らっていたので助かった…。


「では高町さん。」


──先生が、不意に指名した相手に心臓が破裂したかと思った。思いのほか反応を示してしまって危うく教科書やら何やら落としそうになって、バクバクする胸を抑えた。その先生の指名の後にすぐ一人の生徒が立ち上がって黒板へと向かう。

後ろから見るその子は亜麻色の綺麗な髪をしていて、私よりも少し身長が低いかな?だけど、姿勢が良くて、体の線が細い子だなって思う。───凄く吟味してるみたいになっつぃまったけど。それから黒板へ数式をすらすら綴って「よろしい」という先生の声を合図に席に戻ってきた。その時にぼーっと見惚れている私は、彼女と目があってしまった。思い切り。その子の瞳は、遠目でも分かる綺麗な蒼。一瞬目があった彼女は私から慌てて視線を逸らす。────なんというか、第一印象は「可愛い子」だ。不覚にも、そう思ってしまった。私って節操なしなんだろうか…。



それから授業が終わると相変わらずクラスの女の子たちが詰め寄ってくるのでした。嬉しいけれど、少し困る。


「フェイトさんは恋人とか居るの?」
「あー、一応許嫁が───」


この手の質問って本当にどこに行ってもあるよね、とか思いながらとりあえずそう答えている途中で。


「ハラオウンさん、少し良い?」
「────ぁ。うん。」


勝手に決められた許嫁である彼女が私のところへとやって来たのだった。まさか直接コンタクトを取ってくるなんて思わなかったので少し驚いた。けどこちらとも好都合。まずは許嫁の件を何とかして貰おう。ましてや今日引っ越しさせられちゃうんだから、それも何とかしたい。…………可愛い子だな、とかは思うけど。とことこと後をついていくと人気のない場所にやってきた。近くで見ると可愛さ割増かも知れない。あらら、結構好みな……


「間違っても許嫁とか、認めないからっ。」
「─────はい?」


明らかに敵意むき出しの蒼い瞳。両腕を組んで、ややお怒りのご様子。予想外の言葉に私は素っ頓狂な声を上げた。


「だから。私貴女みたいな女好きみたいな人と結婚なんてしないからっ」


女好きとは私の事だろうか?……あながち間違ってはいないけど。何で私が断られなくちゃいけないんだ。私だって勝手に決められたクチなのに。


「えーと……?」
「なぁに?」
「私だって好きで許嫁にされたわけじゃないよ。」


やや笑顔で、だけどさらっとそう言い切るとやや憤慨したような彼女。眉がちょっとだけピクッとした。そんな顔も可愛いかも、なんて思うけど。


「私だってお断りなの!///」
「じゃあ破談だ!」
「当たり前でしょう!大体貴女、顔も知らない相手に本気で結婚する気だったの?」


「はぁ?」と私を睨みながらそんなことを言う彼女。……可愛いなんて嘘だ。逆、逆だ!なんて可愛くない女なんだ。


「じゃあ、この話はなかったことで。」


何で会って半日も経たない相手とここまで険悪になるのかが謎だ。一目見たときはおしとやかで可愛いこだなって思ったのに。全然。全然ですよ母さん。「なかったことで」と言うと「そう言う事で」と、その子が背中を向けて歩き出す。


のだけど。


「─────危なッ─!」


急発進の如く歩を進めたせいか、というかどうして何もないところでバランスを崩すのか分からないけれどその子は足をグキっとしたわけで。咄嗟に、手を伸ばして転ばないように支えようとするのだけど。


「にゃっ!?///」
「へ?───うぁっ!」


急に抱きとめられた高町さんが驚いて私を引き離そうと逆に体を仰け反らせるせいで私までバランスを崩して、高町さんを巻き込んで盛大に倒れこんだのだった。


「いっ……たぁ…!」


間一髪で、どちらも頭を打ったりはせずに済んだのだけど。……主に私のおかげで。私が高町さんを下敷きにしてるけど、片手で抱きとめて支えてるから彼女は怪我はしなかったみたい。ここは感謝するところだ。


「怪我とか、だいじょう……ッぶぁ!」
「変態っ!///」
「なんで殴るのさ!」
「離して!変態!変態!変態!///」
「───痛いっ痛いって!」


私の下から私を押しのけるようにして、というか半分殴って抜け出した彼女。私はなんかもう踏んだり蹴ったりだ。折角助けてあげたのに変態とは心外だ。


「…………お礼くらい言っても良いんじゃない?」


私がややむくれながらそう言うと、相変わらず怒っているような高町さんは可愛げなく小さな声で「ありがとう」と言うと私の横を素通りして行ってしまった。だけど、横を通り過ぎたときの彼女の表情が。耳まで真っ赤にした彼女の姿が目に焼き付いた。


「あー…。」


不覚にも、こっちまで赤くなってしまうようなそんな可愛らしい初心な表情。まさかうっかり好きになってなんて、ない…よね?私。抱きとめた感触が妙にリアルに思い出される。思ったよりも華奢で、良い香りがした……ような。


「まずい、かも………。///」


とりあえず彼女を抱きとめた時に床に直撃した手が赤くなっていたので医務室に行くことにした。今彼女の顔見ると、何かまずそうだ。破談の件は………まぁ、私が言わなくても彼女の方が言うだろうな。そうしたら、今日の引っ越しも即なくなるだろうからそれで良いや。


それにしてもさっきの彼女の表情は不意打ちだったな……。



これが私は自分の(勝手に決められた)許嫁との出会いだった。その後何故か彼女の方も破談の件を言い出していなくて、私の荷物が丸ごと引っ越しされてて硬直しかけたのは余談だ。



「─────なんで、破談って言い出さなかったの?」
「……貴女こそ。///」




そんなこんなで、その日引っ越した先の部屋でこんなやり取りがあったりした。それから私の怪我を発見した彼女の反応にも、何か凄く困惑した。思うに、ツンツンしてる分たまに見せる可愛い部分に撃沈するんだろうね。




会って1日目の許嫁殿にはそういう可愛さが多々垣間見えるのだった。


















FIN








お互いツンツンし合ってるのも好きなんですよね。意地の張り合いみたいな。もっと新しいのも考えたいし、続きも書きたい!私よくばりやわー…←



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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