non title.27

とりあえず更新だけしときますっ(;∀;)!!お返事遅くなって申し訳なく!

追記から
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『non title.27』









「フェイトちゃん!」
「ぅわ!びっくりした…どうしたの?なのは。」


私に与えられている仕事部屋にノックもなしに現れたのは血相を変えたなのはだった。恐らく私の魔力云々の話を聞いてしまったんだろう、私はゆっくり席を立ち、ドア付近に立ち尽くしているなのはに近寄った。なのはは何だか怒っているような、泣いているようなとても複雑そうな表情。


「………魔法が使えなくなったって、本当?」


それから、案の定。私の話をどこかから聞いたみたいだ。だけどこの様子だと「処分」という話はまだ聞いてないみたい。私はそんななのはに少しだけ苦笑を漏らしてなのはの前髪を撫でた。


「ちゃんと使えるよ?大丈夫。」
「本当?……でも、局の人たちがそんな話してたから…」
「大丈夫。少しだけ魔力構築がしにくい体質になったってだけ。だから今は任務もしばらくないんだ。」


肩を竦めておどけてみせるとなのはは不安そうに私を見つめた。多分、魔力の構築が上手くできなくなった理由も知ってるんだろう。


「今、調べて貰ってるから心配いらないよ。」


私の体に起こった異変。単純に言えば私の細胞を少しずつ破壊する事で、何らかの問題が生じて魔力構築が上手くいかないようになった居るらしかった。そして、私にその薬を飲むように指示したドクターは、失踪した。簡単に言うとね。


「でも………」
「別に殺されそうになったわけじゃないよ。…それに、少ししたら体も元に戻ってまた一緒に任務に行けるし。犯人の行方も捜索中。何も心配いらないよ。」
「本当?」


不安そうに揺れる蒼い瞳。実を言えばこの時点で私の「処分」は決まっていて、クロノや母さんが何とかしようと上層部に掛け合ってくれていたけれど、私はその上層部の判断は覆らないと確信していた。だけど、私はなのはにそんな事実を伝えられなくて嘘を吐いたんだ。




「───私がなのはに嘘を吐いた事、ある?」


不敵に笑ってみせるとなのはは「ないけど…」とまだ不安そうな瞳を私に向けた。


「私の事が信じられない?」


そう笑うとなのはは静かに「そんな事ない」と首を振った。私がなのはに嘘を吐いたのはこれが始めて。なのはが愛おしくて、可愛くて、抱き寄せてなのはの唇に触れるだけのキスをする。




───あと何回、私はなのはに触れることが出来るんだろう?



そう考えると、堪らなく不安になったのを覚えている。私が居なくなったら、なのははきっと泣いてしまうんだろうな、と。それとも私の事なんて忘れて、もっと違う人に守ってもらったりするんだろうか?なんて。そう考えたらとても悔しかった。


どうして私は「普通」ではなかったんだろう。


たったこれだけの事で魔法が上手く使えないなんて。今だって、どれだけ両の手に魔力を込めても、ちっとも何も感じなくて、そうしたら自分の存在意味がなくなった気がした。


「ねぇ───なのは。」
「ん?」


抱きしめたまま、腕の中のなのはに呼びかけるとなのはは腕の中でくぐもった声を出しす。酷く落ち着いた優しい声。



「愛してるよ。」


そんな落ち着いた声に堪らなく悲しくなって涙をこらえてそう囁いたのは、私だけの秘密。



死ぬのが怖いんじゃなくて、なのはのことを手放すのが堪らなく怖かった。そのくせ足掻くのは格好悪い事だと思って、ただ上の命令に首を振って頷いた。



これで良いんだと言い聞かせて。さらりとした亜麻色の髪に口付ける。


私の魔力が暴走したとして。
それで君を傷付けたなら、私は自分を許せないから。



「私、魔力があれだけど近々任務に出なくちゃいけなくなるかも。」






もう一つだけ嘘を吐かせて。

































その数日後、私の処分は思わぬ形で決着する事になった。それは上層部の一部がクロノ達の言葉に賛同してくれたから。ただし、ただ賛同したわけじゃない。私の利用価値がまだあると、そういう話だった。


一概に処分するのは如何なものか、と。だけど生きていれば、存在していればまた狙われることがあるかもしれない。


だから。隠すことにしたらしかった。だけど普通に隠すわけじゃない。




「どのくらい時間がかかるか分からないが、君の体の異変を抑える薬や、術を模索する。」


私にそう言ったのはクロノだった。


「そんなに直ぐに、見つかるの?上はそれまで待っててくれるの?」


私の体の異変。それは魔力が使えないという事だ。それによる魔力の暴走を上層部は最も恐れていた。術や薬を模索するにも私の体の異変は進むかもしれない。どうなるかなんて分からない。私の言葉に、クロノは苦しそうに眉を寄せて、それから食いしばるようにして声を振り絞る。


「……僕のエターナルコフィンで君の体を凍結する。」
「そっか。」


魔法による冷凍保存で、体の異変の進行を防ぐという事だろう。血が滲みそうなほどに手を握るクロノに、私は苦笑を一つ漏らした。


「それだけじゃ、ないんでしょう?」


それだけじゃ、「隠す」という事にはならない。だから、その他にも手を講じているはず。何となく、クロノの様子から予想が出来た。だけど心が安らかでいられるのは、多分クロノが代わりに憤ってくれてるから。


「あぁ。」
「………私は、どうなるの?」


目を瞑って、苦しそうにそう言うクロノに静かに問いかけるとクロノは小さく「すまない」と紡ぐ。それから、さらに苦しく振り絞るように口を開いた。


「君の記憶を、プロジェクトFの応用で塗り替えるそうだ。その後に、管轄外世界で魔法に関係ない生活を…送るそうだ。」
「………私の記憶は消えて、別の記憶を植え付けるって事かな?」
「っ…あぁ……。すまない…すまない……!」


泣きそうな声でそう紡ぐクロノに微笑を洩らす。こうやって、憤ってくれる人が居る。私がこのままあることで、そんな人たちを傷付けてしまうのなら。愛おしい人を傷つけてしまうのなら。


「いいよ。───私、行くよ。」


私の穏やかな言葉に、クロノは泣きそうな瞳をこっちへと向けた。私はとても穏やかな気持ちでクロノに紡いだ。


「───だけど勘違いしないで。上層部の為に行くわけじゃない、彼女の為だ。」


彼女の。こんな私を愛してくれた皆を傷付けたくないからだ。記憶の入れ替えなんて聞いた事もない恐ろしい事を受け入れるのは正直怖い。それに「自分」が「自分」でなくなるということは想像を絶する恐ろしさだった。



だけど、私は迷わずに決断できた。



「ねぇ、クロノ。」
「何だ?」
「一つだけお願いがあるんだ。……聞いてくれるかな?」
「僕に可能な限り聞こう。」


何でも言え、と苦しそうに言うクロノに。


「あの墓地に、私のお墓も作ってくれる……?」




街の郊外にある墓地に、私の名前を綴ってくれと。私が居たという証を残してくれと。彼女が私の事を忘れてくれるように、泣かないように、と願う。
























だけど、本当の本当は諦めたくなんてなかった。


























テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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