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「君が、好きだよ」を選択

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微かにもれる吐息に、トクンと胸が高鳴って愛おしさが増した。そして約束を破ってしまったことにチクリと胸が痛む。泣いた跡があることにも心が痛んで、だからだと思うのだけど口から本音が漏れてしまった。



「………君が、好きだよ。」



寝ているから、言えたのかも知れない。卑怯で臆病な告白。小さな声で静寂の中に弱々しく私の情けない声が響いた。それから自分の情けなさに失笑して小さく溜め息。多分なのはも疲れているだろうから、今はそっと寝かせておいてあげようと。


そう思った拍子に。なのはが掴んでいた私の手が、更に強く握られる。


「────ぇ?」


もちろん掴んだのはなのはだ。というかこの部屋には私となのはしか居ないのだけど。


「…………と?」
「なのは、起きたの?」


顔を上げたなのはは私の顔を見て急にポロポロと涙を流してしまった。もしかして、とても物凄く心配を掛けてしまったのだろうか?


「な、なのは!私ならもう大丈夫だから………!泣かないで!」
「フェイトちゃ…良かった……っく…」
「ごめんね、心配掛けちゃって……。」


私に抱きつくように肩に顔を埋めて泣くなのはを宥めるようにして背中を撫でる。


「無理しないでってアレほど言ったのに。」
「……うん。」
「帰ってきたらお話があるって約束したのに。」
「うん…。」


泣いていたはずのなのはは何故か、徐々に怒り口調になり始めてきた。怒るのも無理はないといけど。この分だとクロノ達にも何か言われそうだな……。


「ごめんね、なのは。」


そうとしか言えなくて、本日目が冷めてから何度目かの「ごめんね」と呟くと、なのはは真剣な瞳を私に向けて、一拍置いてから「ねぇ」と切り出した。さっきまで抱きついていたので、なんというか割と至近距離なわけで。


「ねぇ、フェイトちゃん。」
「な…なに?」


直視できなくて視線を落とす。


「さっき言ったの、本当?」
「ぇ?」


なのはの言葉に、もう一度視線を上げる。と、なのはの青い瞳には薄っすらと涙が滲んでいた。また直視できなくて視線を逸らす。


「ちゃんとこっち見て!」
「いたっ」


だけど今度は顔ごとなのはにホールドされて、両頬になのはの手があるわけで。「さっき」とは一体いつの事かと考える。


「私が寝てるときに、言ったでしょう?好きって。」
「ぇっ……お、起きてたの?」


瞬時に顔に火がついたみたいに熱くなる。なのはがこくんと頷いて、今度は逆に体中が冷たくなるような感覚に襲われた。起きてないと思って呟いたのに。


「ねぇ、本当?」
「えと………」


しどろもどろで、視線をめぐらせてもなのはのホールドは解かれることは無くて。数秒間悩みに悩んだ挙句、逃れようはないと観念して頷いた。


「………本当だよ。本当はずっと隠してるつもりだったんだけど…。」


視線を落として、そのまま何も言わないなのはに続ける。


「でも、別にどうしたいって訳じゃないんだ。なのはに好きな人が居るって事は知ってるし、応援してるから………な、なのひゃ?」


途中で私の両頬をホールドしていたなのはの手が何故か私の頬を抓りだす。……私一応けが人なのに…。


「痛っ……な、なのひゃ、さん?」
「フェイトちゃんって、本当鈍感。」
「ぇ?」


なのはから解放された頬を撫でながら伺うと、なのははムスッとしたような表情から徐々に何処か嬉しそうに苦笑を漏らす。


「私の好きな人はね?」
「え?うん。」


急ななのはの言葉に戸惑いつつも返事をするとなのはの指が真っ直ぐ私に向かって伸ばされた。


「フェイトちゃんなんだけどな。」
「────ぇ?」


一瞬耳を疑って、なのはへと視線を向ける。なのははほんのり頬をピンク色に染めていて、それから「だから」と紡ぐ。


「だからもう一度、私の目を見て言って。」


ちょっとだけ涙で滲んだなのはの瞳。ほんの僅かな時間に起きたこの出来事がまだ夢なんじゃないかと疑って、だけどさっき抓られた頬の痛みが夢じゃないと教えてくれて。


「なのはが、好きなんだ。誰よりも。」


そう言って自分でも泣きそうになって笑うとなのはも泣きそうな顔で微笑んだ。


「私も、フェイトちゃんが大好き。」


なんだ。もう少し勇気を出せばよかったのか、なんて自分に苦笑してそっとなのはの頬に触れる。触れた箇所から熱くなるようなそんな感覚に胸が高鳴って、ゆっくりとなのはの唇に近づいていって。


「おや?お邪魔だったみたいやね?」


私となのはの距離がゼロになる直前に、そんな声が聞こえて私となのはは弾けるように離れる。


「は、はやて!?」
「はやてちゃんっ!」


病室の扉の前にははやてが楽しそうに手をパタパタさせていた。


「全く、大怪我して心配掛けたと思ったらいきなりこんな展開か。さよか。別にええけど。」


はいはい、と言いながらにやにや笑うはやては「良かったなーなのはちゃん」なんて言いながらベッドの隣の椅子に腰掛けて何故かリンゴを取り出した。


「良かったって、何が?」


私がそう聞くと、はやては意地悪っぽくなのはをチラッと見てから。


「私、怪我して寝てるフェイトちゃんになのはちゃんがチューしてるとこ見てもうて。」


と。さらりと凄いことを言ってのけた。


「ぇ?……な、なの、ふがっ……///」


なのはの方に向き直ろうとして。小さいクッションが顔面に命中した。私一応けが人なんだけど。


「はやてちゃんのばかぁっ!///」


それから、なのはは顔を真っ赤にしたまま病室を出て行ってしまった。


「あっ、なのは!!!」
「はいはい、追いかけて来いーそんな格好で追いかけたらなのはちゃんのことやからすぐユーターンしてフェイトちゃんとこに戻ってくるやろ。」


そんな風に笑うはやてを病室に残して、ふらふらとなのはの後を追いかけたのだった。















FIN.






ここまで読んでくださってありがとうございました(・∀・)
一応これがルートEnding「A」という事になってます。AからEまであるつもりですw
それから、拍手内にあとがきと言うか色々書いています。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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