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「髪を撫でる」を選択

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微かにもれる吐息に、トクンと胸が高鳴って愛おしさが増した。そして約束を破ってしまったことにチクリと胸が痛んだ。心配掛けてごめんねと、もう一度優しくなのはの髪をなでたところで、ゆっくりとなのはの蒼い瞳が覗いて、私を捉えた。


「おはよう、なのは……。」


頬をひと掻きしてちょっとだけ申し訳なくそう呟くとなのはががばりと起き上がった。


「フェイトちゃん、大丈夫?」
「あ、うん。もしかして結構寝てたのかな……?」


あはは、と失笑しながら問いかけるとなのはが静かに首を縦に振る。


「フェイトちゃん、死んじゃうかと思ったよ…。」


泣きそうな顔でそんな風に言うなのはに小さくごめんねと呟いて。


「約束したのに、ごめんね。」
「無茶したの……?」
「少し、したかも。」


泣いている顔を見られたくないのか、ベッドに伏せたなのはは私の手を握ったままぽそぽそと呟く。


「お願いだからもう無茶しないでね…?」
「うん。それと……帰ったらなのはの話を聞くって言ってたのに、ごめんね。」


伏せたままのなのはの髪を撫でるとなのはの肩が微かに震えた。


「ねぇ、フェイトちゃん。」
「うん?」
「このままそのまま黙って聞いてくれる?」
「………うん。」


なのははそう言うと、私の手をほんの少し強く握った。


「私フェイトちゃんが怪我をしたって聞いて、気が気じゃなかった。」
「うん………。」
「ここに来て真っ青になって寝てるフェイトちゃんを見て、怖かった。」
「うん。」


ほんの少し涙声。なのはにこんな思いをさせるなんて、と自分を少し責めたくなった。だけどなのはの言葉の続きをそのまま待つ。

なのはが私をとても心配してくれてる。それが嬉しかった。なのはの隣に居られないことが何だという気持ちになる。こんなにも優しい親友の幸せを願わないなんて事はしたくない。なのはには、好きな人と幸せになって欲しい。そこに私が居なくても。


「フェイトちゃんが目を覚まさなかったらって思ったら怖くて堪らなかった。」
「うん。……もう、大丈夫だよ。」


そう言ってやんわりとなのはの髪を撫でる。なのははまだ顔を伏せたままだった。


「だからもう、無茶なんてしないで。」
「うん、約束する。」
「……………で…。」


ごめんね、と呟くとなのははもっと小さい声で何かを呟く。


「ぇ?」
「どこにも、行かないで……。」


それは、初めて聞く弱々しいなのはの泣き声だった。


「なのは……?」


小さい肩が震えていて、なのははそのままゆっくりと本当に小さい声で紡ぐ。


「フェイトちゃんが……好きなの。」


この病室の静寂の中でなければ聞き逃してしまいそうなほど小さな声だった。そして、耳を疑う言葉。今確かに、なのはは私の事が好きだと言った。


「な…のは……?」


もう一度問いかけるとなのはが顔を上げた。泣き顔なのに、何処か綺麗な表情でドキッとするような表情で。


「フェイトちゃんが、好き。」


真っ直ぐに。なのはの瞳は私を捉えていた。


「友達とかそういうのじゃなくて、一人の人として好きなのっ。」


ポロポロと落ちる雫なんて気にも留めないように、真っ直ぐにそう言うなのはに何も言えなくてただ呆然とする私は無意識になのはに手を伸ばして、そのままなのはの頬を伝う雫を拭う。


『好きな人に、好きな人が居たらショックでしょう?』


そういえばなのははこんなことを言っていたな、なんて思い出して何を勘違いしたんだろう?と頭の中で首を傾げて。


『フェイトちゃんが本当に私の事なんでもお見通しだったら、良かったのにな。』


それから聞き逃した、そんななのはの言葉を思い出す。なのはに悲しそうな顔をさせてたのは自分だったことに、ようやく気付くなんて私は本当にダメだな、と小さく息を吐いて。それからなのはに握られている手をそのまま握り返して、自分の下へと引き寄せた。


「っふぇ、フェイトちゃん?」


涙に濡れたなのはの頬を撫でて、そのまま腕の中に閉じ込める。若干傷口が痛かったけど、今はさして気にならなかった。


「ごめんね、なのは。」
「ふぇ?」


腕の中でくぐもった声を出すなのはに。


「私も、誰よりもなのはが好きだよ。……ずっと前から。」


今まで言えなかった気持ちを、言葉にする。途端になのはの体が強張ったけれどそのまま逃がさないように抱きしめて。


「だから、ずっと側に居て。」


その耳に囁く。ゆっくり腕の中から解放すると、なのはがゆっくり顔を上げる。自分で引っ張り込んでおいてこう言うのもなんだけど、距離が近い。吐息が感じるくらいの至近距離。


「じゃあフェイトちゃんも、側に居て。」



それから泣きそうな声でそう答えたなのはの唇に。


私はほんの少し、触れるだけのキスをした。













FIN




ここまで読んでくださってありがとうございました(・∀・)
一応これがルートEnding「B」という事になってます。AからEまであるつもりですw
それから、拍手内にあとがきと言うか色々書いています。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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