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「抱きしめた」を選択

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「にゃはは、目にゴミが入っちゃっただけだよ。ごめんね心配かけて。」
「嘘だよ。何かあったんでしょう?」


そのまま隣に立って、それから「なのはの事なんてすぐ分かるよ」と苦笑するとなのはの瞳にはさらに涙が滲んだ。その涙に、酷く胸が掻き乱されて、ぐっと奥歯を噛みしめる。涙ぐんだなのはに胸をかき乱されてどうしようもない衝動に駆られて。


「きゃっ…!」


気が付いたら泣いてるなのはを抱きしめていた。腕の中に閉じ込めるようにして。


「ふぇ、ふぇいと…ちゃん……?//」
「ぇ、あっ……!ごめんっ!」


なのはの呼びかけにようやく我に返った私は腕を思い切り伸ばしてなのはを遠ざけた。無意識とはいえ何てことしたんだろう。いや、友達同士で抱き合ったりなんて普通だけど、今のはそうじゃない。一方的に抱きしめた。


「ど、どうしたの?///」


違う。そのまま抱きしめて「泣かないで」とか言えばそれはそれで普通だったのに。これじゃあ明らかに変だ。


「いや、その……なのはが泣いてるから、えっと……」


しどろもどろにボソボソ答えるとなのははどこか悲しそうに微笑んで、「そっか」と一言。


「フェイトちゃんは優しいね。」


それから一言、小さく呟いた。違うのに。私は優しくなんてない。全然、違う。


「………違う。」
「ぇ?」


全然違う。


「私は優しくなんてないよ。もし優しいと感じるなら、それはなのはだからだ。」
「フェイトちゃん…?」


ずっと伝えるつもりなんてなかった。だけど、きっとずっと言わないでいるなんて無理だ。応えて貰えなくていい。ただ、知っておいて欲しい。私はいつだってなのはの事を想ってるってことを。


「なのは、聞いて。」


風に攫われる髪を抑えながら、真っ直ぐなのはに向き直る。言葉まで風に攫われてしまわないように真っ直ぐはっきりと紡いだ。


「私、なのはが好き。」


そう告げた瞬間になのはが瞳を見開く。


「友達とか、そう言うのじゃなくて。それ以上に、大切な人だと思ってる。」
「ふぇ、ふぇいとちゃ……」
「応えてくれなくて良いんだ。ただ、知っておいて欲しかっただけ。今まで通り友達でいてくれれば……」


そこまで言って、ちょっと困ったように笑う。


「授業、もう始まってるよ?……行こう?」


なのはが何か言いかけたのに気付いて怖くなって背中を向けて歩き出す。勢いで思いを告げてしまったけれど冷静に考えたら、凄く怖くなった。もし拒絶でもされようものなら、私はきっと立ち直れないだろう。「教室に戻ろう」と言って背を向けた私の後ろで。


───ドン、という衝撃。


背中になのはが体当たり(そんなに強くはないけれど)してきたのだと気付いた。


「……な、なのは?」


後ろから抱きつくようにして、背中に密着するなのはの体温に少し焦る。


「───待って。」
「なの、は?」
「返事くらい、ちゃんと聞いて行ってよ。」


そう言ってさらに強く私の背中を抱きしめるなのははそのまま小さい声で続けた。


「私も、フェイトちゃんが好き。」


とても小さい声で、泣きそうな声で。


「ぇ……」
「友達じゃなくて、フェイトちゃんと同じ気持ちで、好きなの。」
「本当に……?」
「うん。それで、その気持ちは叶わないのかなって色々思って泣いちゃってたんだけど。」


そう言ってぎゅ、っと私のおなかの前で腕を交差する。


「だから。」


まだ冬の寒い空の下で。


「フェイトちゃんの恋人に、してください。」


なのはが静かに紡いだ言葉に、本当だったら私から言いたかったのにな、なんて苦笑しながら「喜んで」とだけ返したのだった。








「……なのは。」
「うん?」
「いつまでこうしてるの?」
「もう少し。」


それから数分後、私となのははそのままの体制でずっと屋上に立ち尽くしていた。寒さはそんなに気にならないのだけど、気になる事が一つだけある。


「なのは………。」
「ん?」
「あたっ……当たってるん、だけど。///」
「うん。知ってる。」
「……んなっ!///」


「へー……。授業に来ないで何処で油売ってるのかと思えば。」


そして、寒空の下で私たちを探しに来たと思われるアリサの冷ややかな声が木霊した。。


「あ、アリサちゃん!?」
「アリサ!」


「授業サボってイチャついてるとはいい度胸ね!バカップルが!!!」




それと同時に、爽やかにスパーンという心地よい音が響き渡ったのだった。


























FIN




ここまで読んでくださってありがとうございました(・∀・)
一応これがルートEnding「C」という事になってます。AからEまであるつもりですw
それから、拍手内にあとがきと言うか色々書いています。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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