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いつか私はなのはの側に居られなくなる。代わりに別の誰かが、なのはの隣を歩くのだろう。分かってるはずなのに、分かりたくない。小さく溜息を吐いて、私はなのはが走り去った方向を見た。もうすでになのはの姿はなくて。私はこのままで良いんだろうか?


「これで良いんだ。」


なのはには好きな人がいる。それなら、私はなのはの想いを邪魔しちゃいけない。もともと私はなのはにこの気持ちを伝えるつもりなんて無かったのだから。ちょっとだけ失笑してそのまま背中を向けて歩き出した。


帰宅すると家には誰も居なくてとりあえず部屋に戻って着替えもせずにベッドに寝転がる。そう言えば今日は皆仕事があったんだっけ、と枕に顔を埋めたまま。



『好きな人に、好きな人が居たらショックでしょう?』



それから次いでそう言われたなのはの言葉を思い出して、胸がえぐられるような気持ちになった。ショックに決まってる。というかその言葉で私がショックを受けているんだけど。こんな気持ちをなのはも受けてるんだろうか……?そう思うと何だか居た堪れなくて、その日私は着替えもせずにただ眠りについたのだった。











そして翌々日。


任務が終わった翌日、その日はなのはが仕事に赴いていて居なくて、ちょっとだけ寂しいと感じる1日だった。なのはは午後には帰ってくるという話だから、実際は午前中が少し憂鬱だったりしただけなのだけど。


「フェイトちゃんはなのはちゃんがおらんと本当寂しそうやなー」
「え?そ、そんなこと……。」
「ばればれやよー?」


4限目が始まる前の休み時間に後ろから小突くようにそう笑うはやてにからかわれた。私ってそんなに分かりやすいんだろうか?


「まぁ、なのはちゃんほどではないけど。」
「ぇ?」
「んにゃ、なんでもないこっちの話やよ。」
「気になるじゃない!」
「気にせんで。………お?」


話の途中で微かな魔力を感じて屋上の方へ視線を向ける。もちろん教室に居るので見えるはずないんだけど、たぶんこの魔力はなのはだろう。


「なのはちゃん、思ったより早かったな。」
「うん。……私迎えに行ってくる。」
「はいはい、行ったらっしゃい。」


この時間だと授業遅れるかも、なんて思いながらひらひら手を振るはやてを置いて教室を出る。屋上までの道を急ぎながら先ほどのはやての言葉を思い出して。



『なのはちゃんほどではないけど。』


なのはも、私が居ない事で寂しいとかそう感じてくれたりするんだろうか?そうだとしたら嬉しいけれど。一昨日のなのはの言葉を思い出して胸を痛めたり、ちょっとの事で喜んだり。私にこんな気持ちをくれるのなんて多分何処を探してもなのはしか居ないだろう。


階段を上りながら、一気に屋上へと到着する。


「………ふぇいと、ちゃん?」


けど、


「どうしたの………?なのは。」


屋上に立って空を眺めていたいたなのはの頬には一筋、涙が流れていた。そんななのはに、胸が痛んだ。任務先で何かあったのかな?そう思って首を捻るとなのはは涙をぬぐっていつも通り微笑む。


「にゃはは、目にゴミが入っちゃっただけだよ。ごめんね心配かけて。」
「嘘だよ。何かあったんでしょう?」


そのまま隣に立って、それから「なのはの事なんてすぐ分かるよ」と苦笑するとなのはの瞳にはさらに涙が滲んだ。

その涙に、酷く胸が掻き乱されて、ぐっと奥歯を噛みしめる。



そして私は────







【なのはを抱きしめた】
【「泣かないで。友達が泣いていると、同じように自分も悲しいんだ。」と紡ぐ】











テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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