【感】\(・ω・)/【謝】※再

5/14に公開していた2周年記念SSです。
要望が沢山あったので、再び掲載することにしましたw

何度やってもグダグダっぷりが露見しますねw


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「さむ………。」


通い慣れた学校への道を歩いて、いつも通りなのはとの待ち合わせ場所へ向かっていると、さすが12月。灰色っぽい空から、粉のような柔な雪がはらはらと落ちてきた。私が海鳴に越してきてからもう6年だから、この雪も6回目だ。


はぁ、


と息を吐けば白い霧が散る。鼻がちょっぴり痛くて改めて冬が来たのだと実感させられた。少し早めに出てきたので、待ち合わせの場所になのはの姿はまだ無い。ちょっとだけその事に安心して、足を進める。

なのはは、私の命の恩人で(こんな言い方するとなのはは困ったように笑うけど)、それから大切な親友だ。───そして、私の、好きな人。友達的な友愛の意味でなく、1人の女の子として、ずっと好きでいる相手。

そんななのはをこんな寒い中待たせるなんてしたくないので、わざと少し早めに出てきた。なんて言ったらみんなには呆れた溜息を吐かれるか、苦笑されるかどっちかだろうな。



「フェイトちゃーん」


いつもの待ち合わせ場所についてから数分、ぼんやりと物思いに耽っていた私の元へと駆け寄る姿があった。寒いのに元気だなぁ、と微笑してその人の名前を紡いだ。


「なのは。」


亜麻色の長い髪を垂らし、駆ける反動で左右に揺らしながら無邪気に手を振るなのはの姿に、凍えきった体がほんのりと熱を持った。


「おはよ、フェイトちゃんっ。」
「おはようなのは。……そんなに走らなくても良いのに。」


やや失笑交じりに言う私になのはは少しだけ肩で息をしながら微笑む。


「えー、だってフェイトちゃんが待ってたから。ほら、行こ?」


寒さでなのか走ったからなのか。ほんの少しなのはの頬が染まっていて、私はただなのはの言葉に頷いた。


「────うん。」




それからはやてやアリサ、すずかたちと合流してまた何気ない今日が始まる。
「なのはが好き」という気持ちを伝えられる事もなく、伝えようとも思わず日々が過ぎていく。意気地なしな私はただ何気なくぼんやり、なのはの側に居られれば良いと思っていた。



























日増しにどんどん膨らむなのはへの気持ちと、何処か諦めにも似た恐怖。この気持ちを伝えられたらと思う気持ちと、もし、伝えて拒絶されたらという恐怖が常に私の心に渦巻いていて、私は動けずにじっと友達を演じていた。


───それが崩れたのは、些細な出来事。



「なのは、私明日からちょっと任務なんだけど…ノートお願いしても大丈夫かな…?」


私が任務に出る時は大概なのはが私のノートを取ってくれている。そして反対に、なのはが任務に行くときは私が。明日から少し任務に赴く私は、放課後の帰路につく前になのはにそう話しかけた。


「ふぇっ?……う、うん。」


だけど、何だかなのはの様子がおかしくて首を傾げて様子を伺う。その原因はなのはの手元にあったみたいだ。なのはの手元には一通の封筒。所謂ラブレターというものだろうか?なのはは可愛いから、渡したくなる気持ちも良く分かる。ついでに言うなら、あぁ、少しだけ胸がズキズキする。


「えっと、貰ったの?」


私の、ちょっと控えめに聞いた言葉になのはは頷いて答えた。なのはがこういうものを貰うのは初めてじゃないはず。むしろ多いと言えるそれに、なのははいつもは困ったように笑うのだけど今日だけは違った。微々たる差だけれども、微かに頬が赤かった。それに気づいたのはこの場に居るのが私だからかもしれないけど。


「じゃあ、返事しに行かないと…かな?」


なのはも気付かないほどの乾いた笑みを浮かべて、私は鞄に荷物を詰め込む。「邪魔になるだろうから、先に帰ってようか?」なんて取り繕いながら。我ながら、なんとも情けない態度だけど。


「えっと、直ぐ帰ってくるよ?」
「え、でも……」
「フェイトちゃん明日から暫く任務なんでしょう?だったら一緒に帰ろうよぉ!」


やや戸惑いがちな私に対して、なのははあまりにもいつも通りでだから少しだけほっとした。さっきまでの胸の痛みはなくなって、結局教室でなのはが返事をし終えてくるのを待つことにしたのだった。


「はぁ……。」


誰も居ない教室で小さく息を吐く。自分の席の、椅子ではなくて机の部分に腰を掛けて(なのはに見られたら行儀が悪いって怒られるかも知れないけど)ほんのわずかな時間なのに、それさえも長く感じて何度も時計を見たり。


「私何やってるんだろ。」


机に座ったまま足をぶらぶらさせて、だらしなく情けなく窓の外を見る。外は雪がちらついていて、薄暗い夕暮れが余計に寂しく見えた。それからもう一度時計を見て、先ほどから5分も経っていないことに失笑してもう一度溜息。


「私もいつか、好きな人に想いを告げるなんて事出来るのかな…。」


誰に聞くでもなく空に投げかけた言葉は虚しく反響して霧散した。言うつもりもないくせに、そんな風に疑問を持つだけ無駄なのに。だからこそ、なのはに真っ直ぐに想いを伝えた「誰か」が凄く羨ましいと思ったんだ。その勇気が。もっとも、私はなのはの親友なのだから私にそんな想いを告げられて困るのはなのはになっちゃうんだけど。明日から数日、任務に赴かなくてはならないのに、こんなにもやもやしてて良いのかな……?そんな風に考えながら待つこと数分。教室の扉が開く音がして振り向くと、なのはが帰ってきた。


「あ、お帰………なのは?」


だけど帰ってきたなのはは、なんというか少し悲しそうな憂鬱そうな顔をしていて。私は何だか不安になって問いかける。


「にゃはは、なんでもないの。」
「え?……でも…」


私の問いかけに、いつも通りの笑顔を浮かべたなのはは「いいからいいから」なんて笑って鞄を持つとくるりと私に背中を向けて歩き出した。いつも通りを振る舞って歩くような感じのなのはは、どこか無理しているような感じで、胸がざわついて気持ち悪い。手紙の相手に、何か嫌な事でもされたんだろうか?そうだとしたら、私はその相手を許せないし許さない。


「なのは?」
「うん?」


雪のちらつく夕闇の中でも、なのはの瞳は綺麗だった。前髪にはらりと雪が付着して、それを取り去りながら静かに聞いてみる。


「あの…相手の人に何か嫌な事されたの?」
「え?」
「何かあったんでしょう?……そんな顔してる。」


私の指摘になのははちょっとだけ驚いたように瞳を見開いて、それから「フェイトちゃんは何でもお見通しなのかなぁ?」なんて笑ったのだった。……なのはの事をなんでもお見通しなんて、そうだったら良いんだけどね。なんて苦笑しながら「その辺は何となく分かるよ」とだけ返した。


「んー、別に相手の人に何かされたってわけじゃないよ?」
「本当に?」
「うん、お返事自体5分くらいで終わっちゃったもん。」


なんて言うなのはの言葉に少しだけ矛盾を感じてしまった。だったらどうして帰ってくるのが遅かったんだろう?って。


「それじゃあ、どうして……」
「にゃはは、ちょっとショックな事聞いちゃって。」
「ショックな事?誰に?」


私は首を捻る。大体にしてなのはがショックな事とは何だろう、と。そんな私に、なのはは今度は苦笑を漏らした。


「にゃはは……好きな人に、好きな人が居たらショックでしょう?」


ズキン、と心臓を一突きにされたような痛みが走る。苦痛さが顔に出ていなければ良いな、と思って何とか平然を装って「え?」とだけ辛うじて声に出した。今何と言ったのか。聞き間違えるはずはないし、もう一度なんて聞きたくないけれど。


「……何でもない。気にしないで?」


だけど生憎と言うべきか、言われなくて良かったと言うべきか。なのははその事をもう一度口にすることはなかった。次いで、丁度私となのはの別れ道に差し掛かる。いつの間にか雪はすっかり止んでいた。


「それじゃあね、フェイトちゃん。えっと……任務、気を付けてね?」
「あ、うん。ねぇなのは……さっき…」
「ノートはちゃんと取っておくね?」


意を決して。もう一度問いただそうと口にした言葉は、残念ながら遮られてしまった。


「フェイトちゃんが本当に私の事なんでもお見通しだったら、良かったのにな。」


それからすぐ後に、本当に小さい声でそんな風になのはが呟いたような気がした。ちょっとだけ残念そうな声音で、気のせいなのかどうか分からないけれど。


「え?何か言った?」
「なんでもない。明日、無茶しないでね?」


また、聞き直そうとした言葉はすっぱりと切られてしまった。「それじゃあね」なんて言って私に背を向けて走り出したなのはの背中を、呆気にとられたまま見つめて。姿が見えなくなった後に、曇天の薄暗い空を見上げる。



『好きな人に、好きな人が居たらショックでしょう?』



なのはは、間違いなくそう言った。好きな人に、好きな人が。つまりなのはの好きな人に、誰か好きな人が居たという事になる。なのはに好きな人が。胸がズキズキと痛む中、軽く失笑した。伝える気がないなら、これで仕方ないはずなのに。なのはの好きな人って、誰なんだろう?


いつか私はなのはの側に居られなくなる。代わりに別の誰かが、なのはの隣を歩くのだろう。分かってるはずなのに、分かりたくない。小さく溜息を吐いて、私はなのはが走り去った方向を見た。もうすでになのはの姿はなくて。


私はこのままで良いんだろうか?





【なのはの後を追う】
【そのまま背を向けてその場所を去る】










テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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