ドラマチック★ブルー

パロですん。

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「どこ行こ……。」


久しぶりの休日。予定も何も入っていないまっさらな休日は、私にはとても特別な休日で。ウキウキ気分で気楽にパーカーを羽織って、本当に何も考えずに外へと飛び出したのだった。


そんなウキウキも、すぐに後悔に変わるんだけど。










『ドラマチック★ブルー』













「どうしてこうなっちゃうのかなぁ……。」


私の名前は高町なのは。一応今世間を賑わせているアイドルです。今日は久々の休日を貰って、マネージャーさんも誰もついて来ない本当の自由な日だったはずなのに、どうしてか私は今現在窮地に立たされていた。


「はぁぁ──…困ったよぉ…」


パーカーのフードを目深く被って、辺りを伺う。やっぱりまだ周りはザワザワしていて、耳には微かに私の名前が聞こえてきた。この場合は私の認識が、凄く甘かったことになるんだけど……。


───時をさかのぼる事数分前、私は普通に大通りを歩いていたわけで。本当に、その時は「お散歩する絶好の天気なの」なんて、能天気極まりない事を考えていたのだけど、普通に考えれば、私はアイドルなわけで、自分で言うのもなんだけど知らない人なんてほとんどいないくらいの知名度だったはずで。辺りはあっという間に大騒ぎ。


向けられる携帯のカメラや駆け寄ってくる人に少し怖くなって、私は慌てて駆け出してこんな路地裏に逃げ込んだのでした。


「もう、散々だよ………。」


はぁ、と小さく息を吐いてもう一度パーカーのフードを深く被り直して、私はひっそりと歩き出す。もともとアイドルになんてなるつもりは無かった。思えば、あの日変な契約をしてしまった自分がとても憎らしい。もともと私はただの高校生で、多少人の目を引く事はあったかもしれないけど、本当にごくごく普通の平凡な女の子だったのに。ほんの一瞬憧れたスポットライトと言うものに夢を見た私が悪いんだ。仕方なく、もう一度小さい溜息を吐いて、周囲を見渡した。さっきの騒ぎは収まったみたいで、少し胸を撫で下ろして歩き出す。





歩き出して数歩。


今日は天気が良いはずなのに、否、良い天気だったのに急に、私に嫌がらせをするみたいな強い向かい風が吹いて。


「っぁ─────!」


風の所為で、私のパーカーのフードが脱げた。風に攫われたのは、私の髪。そんな風の悪戯で姿をさらしてしまった私に視線が集まる。「なのはちゃんだ」という声が響いて、弾けたように人が集まってしまって、私は「あぁもう。」なんて文句を空に呟いて駆け出した。


もうアイドルなんて辞めちゃいたい………。


街に出れば騒がれて、何処に行っても自由がない。気が付けば私の生活は高校生じゃなくて、学校に行く時間なんてほとんどなくなっちゃった。友達だって作りたいのに、もう、私何してるんだろう……。

毎日ダンスとかそう言うのをやってるせいか、割と体力には自信があって、あっという間に沢山の人を撒いて、私はさっきと同じように、似たような路地を通って走って走って、それから人気のない、廃れたような公園へと抜け出た。てゆーかこんな所にこんな公園あったんだ…。ぎゅ、とフードを引っ張って、周りをきょろきょろ見ながら公園の端のベンチに腰を下ろした。全力疾走したせいか、ちょっと息が苦しくて。本当はフードとかだって脱ぎたいんだけどそれではまた振出しに戻ることになっちゃうので。



「はぁ、普通の女の子に戻りたい……。なんちゃって……。」


よっぽど疲れてるのか、変な事を呟く始末。こんな事なら家でゆっくりしてれば良かった。久々の自由なオフで、「色々気を付けるのよ」って言われてたはずなのに、私の足りない頭はこんなこと、これっぽちも予想してなかった。



帰ろうかなぁ……。



そう考えて、古びたベンチの背もたれに背を預けて空を見上げる。重力の所為で取れかけたフードを慌てて抑えて見上げた空は、ほんの少し暗かった。


「あーあー…何にも出来な……うひゃっ!?」


何にも出来ないや、なんて呟こうとした時。足に、こうもこもこした何かが触れて飛び跳ねるように足元を視線を向けた。そこに居たのは子犬。赤っぽい、橙っぽい変わった毛色の犬で、満身創痍の私に、とてつもない癒しを与えてくれた。


「か、可愛い……っ。」


良く見ると首輪が付いてる。毛もサラサラで、ご主人様は良い人なんだねー、何て言いながらベンチから降りてしゃがみこんでその子犬の頭を数回撫でた。やっぱり、動物は良いよねー、なんてほんわかしながら頭を撫でて背中を撫でて。時々嬉しそうに泣き声を上げるのがさらに可愛くて。こんなつまんない休日には嬉しい出会いなの。


「あなた、どこの子なの?迷子?」


暫くその子犬と戯れていても一向に飼い主さんらしい人は現れない。まぁ、現れた時点で私はきっと猛ダッシュして逃げなければいけないんだろうけど。そう考えるとちょっとだけ憂鬱になった。


そして、大体そう言う事考えているときに、考えている中心人物が現れるのがベタな設定で。きっと噂をすればなんとやら、なんだろう。噂はしてないけど。



「アルフ、ここに居たの。───ん?君は…?」


ガサガサと、やって来たのは女の人。わわわ、まずい。顔を見られたら私が「高町なのは」だってばれちゃう。声だけでも分かっちゃう人は分かっちゃうんだろうけど。俯いたまま、わざと少し低めの声で「それじゃあ」と言って去ろうとする私に。


「───…もしかして犬泥棒?」


訝しげにそんな事を言うその人。私もこんな仕事柄か、感情豊かな性格なのでして、そんないぶかしげな言葉を聞き捨てならず、思いっきり顔を上げる。


「ち、違いますけど!ただそのワンちゃんが──…」


急に顔を上げて大声出したせいか、目の前の人はちょっとだけ驚いたように瞳をパチパチさせていた。目の前の人は、金髪で、紅い瞳。とても美人さんだった。たぶん、その辺のモデルさんとかも顔負けくらいの。それと同時に、「しまった」と思う。顔バレだ。この人も、また騒ぐ類の人なのかな……嫌だなぁ、走るの。


「あぁ、そう。」


だけど予想に反して、その人はさほど興味もなさそうに「勘違いしてごめんね」と苦笑した。その拍子に私のフードが取れたけれど、お構いなしに犬を抱き上げて撫でている。犬には凄く優しそうな顔なの。


「あの。」
「…………え?何?もしかしてアルフが何か悪いことしちゃった?」
「いえ、私の事見ても驚かないんですね。」


いや、いつもと違う反応が来ると、ちょっとこう拍子抜けと言うか。思わず聞いてしまった一言を訂正するように「えっと」とか言ってみるけれど。その前にその人は。


「…………何処かで会ったこと、あったかな?」


君の顔に覚えはないんだけど、と言うようにやんわりと微笑を浮かべてごめんね、と切り返してきたのでした。


「まさか、私のクラスの生徒ではないよね?───…いや、さすがに顔くらいは覚えてるはず。」


どうやらその人は学校の先生か何かやってる人みたい。本気で言ってるならとんだ先生もいたもんだ、なんて思うけど。私は驚きと言うか、若干ショックがあるわけで開いた口がふさがらないのです。


「君、変な顔してるけど大丈夫?───ぁ、雨だ……」


なんて言ってる間に、晴れているのに空からは大粒の雨が降り出した。ポツポツ振っていた雨は途端に本降りに変わって。


「じゃあ私帰るね。」
「ふぇぇ?一人だけ?」


何処に持ってたのか用意周到とはこの事、黒っぽい折り畳み傘を広げて爽やかに微笑む。私が濡れているのに。


「だって私と君は他人じゃない。」
「そうじゃ、ないでしょ!こんな雨の中女の子がびしょ濡れでいたら可哀想じゃない!」
「うん。可哀想だね。」
「だったら……えい、もうっ!!!」
「──ぁ、こらっ!」


なんて酷い人なんだろう。「可哀想だね」という言葉の後に「私には関係ないけど」というような台詞が似合いそうなほどな微笑を浮かべたその人。そもそもさっき会ったばかりだけど口で勝負したら負けそう。それにしても、雨が凄いもう。イライラが募って、私はその人が持つ黒い傘の中に強引に入り込んだ。


「赤の他人の傘に急に入り込むとは……大体、ちょっ私まで濡れるじゃないか。」
「半分くらい貸してくれたっていいじゃない、ケチ!」
「私はマンションに帰るんだよ、もう。」
「じゃあ私にもタオルくらい貸してよ!」
「なんでそうなるの!」


雨の中ぎゃあぎゃあ言い合っている私とこの人。出逢って数分の人とこんなに言い合うのって普通だったらありえない。そんな風に声を張ってたせいか、こんな雨なのにさっきの群衆が徐々に集まってきて。


「や、やば……」


こんな変な人と言い合ってる場合じゃないのに。次第に焦りが募ってきょろきょろあたりを見渡す私に少し疑問を抱いたのか、私の事を理解してくれたのか。


「はぁ。散々だ。」


私がさっき呟いていた愚痴と同じような事を言いながら、その人は私の手を掴むと渋々。本当に渋々歩き出したのでした。それからタオルを貸すだけってお話だったのに私があまりにもびしょ濡れだったせいか、「近所の人に見られると困る」と言って部屋の中に招き入れてくれた。


「お邪魔、します。」



よくよく考えれば、これはもうマネージャーのアリサちゃんに絞め殺されても良いレベルの事をしてしまった。赤の他人の部屋に上り込むなんて………私何考えてるの?どうしてこうトラブルメイカーみたいな事をしちゃうんだろう。今すぐに帰った方が良いんだろうか?えーっと……


なんて考えている私に。


「君がいつまでもそこにいるとね、玄関に水が溜まるんですよ、お嬢さん。」
「ふぇっ」


顔面にタオルを投げつけて、そんな風わざとらしく「お嬢さん」と言うその人。よくよく見てみれば私よりも何歳か年上そう。そういえばさっき学校の先生みたいなこと言ってたっけ。それにしてもアイドルの顔にタオルを投げつけるとは許しがたい。


「へ、変な事しないでくださいよ!?///」


靴を脱いでリビングに向かって。若干上ずった声で呻る私の言葉に数秒、彼女が硬直した。それから、何だか凄く意地悪そうな顔で笑って。


「会ったばかりの子供に手を出すほど、餓えてないよ?」


なんてクスクス笑いだす。自意識過剰。その一言です。それからすぐ後に「傘あげるから服が乾いたら帰ってね?」なんて言いながら服を乾かす間のジャージの様なものを投げる。


「───…ッ、」


それからその人は、私の為になのかテレビを適当につけた。その瞬間に画面に現れたのは私で。ちょっと恥ずかしいような、だけどなんか、ちょっとだけ勝利感を味わう。「私は有名人なんですからね」っていう。さっき路上でぼやいてたのとは対照の気持ち。


だけど、そんなテレビと私を見比べて少し驚いたその人は。




「私、テレビにも子供にも興味ないから。」




なんて、やっぱり意地悪な笑みを浮かべてクスッと笑ったのでした。





嫌な人。それが彼女の第一印象で、これが彼女と私の出会い。








世間様を賑わせているアイドルの私が、こんな意地悪根暗教師を好きになっちゃうなんて、この時はまだ夢にも思わなかったのでした。




















FIN




意地悪高校教師フェイトちゃん(アルフには優しい)×アイドルなのはちゃん。新しい妄想でした。



なのはちゃんはフェイトちゃんに個別でお勉強教えてもらうんですよきっと。なのはちゃんが構ってちゃんで、フェイトちゃんはツンな感じ。フェイトちゃんの生徒が羨ましくなっちゃうなのはちゃんとか可愛い可愛い・・・フード被ってむーっとしてるなのはちゃんとか可愛い可愛い!←

フェイトちゃんはフェイトちゃんで、街に出るたびになのはちゃんのポスターとか見かけて、なんだか面白くなかったり。フェイトちゃんに見てほしくてお仕事頑張っちゃうなのはちゃんと、なんだか面白くないフェイトちゃん (以下略)



\(^p^)/パーン!!!!








「もう、どうしてこんな問題わからないのっ」
「フェイトちゃんの教え方が優しくないからだもーん!」ジタバタ
「はぁ……。全く……少し疲れてるんじゃないの?」
「そんなことないよ。」
「はいはい、じゃあこの公式がこうなって──────…それで……、…って、寝てるじゃないか。」
「……………………。」
「何しに来てるんだか。」



もっと距離が縮まって、勉強教得えて貰いに来てて途中で寝ちゃうなのはちゃんとかね。この後フェイトちゃんが何をするのかが問題だ。キッスなのか、何かかけてあげるのか、アルフと戯れるのか。








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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