その花の名は

これの続きもの。

将校と将軍の娘を狂わせた花の名前は

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戯れに。


「初めまして、将校さん。」


将軍の娘は、そう声を掛けた瞬間のあの将校の紅い瞳を思い浮かべた。
驚きと、言い表すことが難しい気持ちを滲ませたような紅い瞳。

照れていたのか名を聞いたあの短い時間に名前を聞き出すことは叶わなかったけれど。面白いと、そう思ったのだ。
飽き飽きしていた生活に、新しい遊び相手を見つけたというような純粋な気持ち。
純朴そうな将校だったなと、思い返せば思い返すほどに不思議と気持ちが浮上して。


それから次に会った時の態度を思い出していた。


眠る自分に声も掛けず、上着を自身の膝元に掛けて去って行った将校。
逃げ際の染まった耳を思い出して、微笑した。


名は何というのだろうかと。


それは細やかな興味。
いずれ飽いてしまうはずの興味。


預かったままの将軍バッヂを付けたままのその上着。
真っ白く雄々しいその服を眺め、立ち上がる。


午後の習い事全てを忘れた振りをして。
将軍の娘は麗らかな日差しの差す外へと逃げ出した。



屋敷の敷地内ではあるが、あまり来たことのない場所で。
木々の鳴る、サラサラとした音と対照的に響く金属音を耳にした。
音の鳴る方へ気の向くままに。
将校の上着を腕に抱いたまま、将軍の娘は誘われて。


そこは兵士の訓練場。


あまり耳にしたことの無いような鋭い音が響くその場所で。
少女は一際目立つ薄金色を目にする。


流れるように弧を描く薄金色。
しなやかに、けれど鍛えられた腕で、鋭い剣を振るい。
将校に向かう兵士3人からの攻撃を流すように避け追撃する。

華奢な体、純朴そうなその将校の意外な姿。
顔つきは険しく、獅子のように荒々しく。
あっという間に兵士を往なし、息を吐いた将校と。


不意に視線が絡む。


視線が合ったその将校は。
驚きに瞳を見開いた後、少しだけ困ったように淡く微笑を浮かべていた。


ほんの少し、上着を抱いている手に力が籠った。


初夏の日差しを浴びて爛々と輝くその薄金から視線が逸らせず。
だけど真っ直ぐには見つめられず。
将軍の娘はただ、眩しさにほんの少しだけ瞳を細めたのだった。














僅かに香る甘い香に。
戯れに近づいたのは気高い一羽の蝶。

惑し惑わされ。
その酔い乱される甘い花の名を。
「恋」と呼ぶとはまだ、気付かない。










FIN





(^p^)





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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