名もない妄想の続き

思い出したので書いてみた。

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「ただいま。」


家になのはを連れて来てから今日で3日。私は表向きの職場に顔を出して正式にしばらくの休暇を貰った。まぁ、普通は許されない事だけどこれはヴァンパイアハンターと言う仕事に殉ずる特権を使って。本格的にではないけれど、私ははやての思惑通りヴァンパイアハンターに復帰したことになる。嘱託扱いではあるけれど。

そうして帰って来た私に向かってドタドタと駆けて来る足音。やれやれと苦笑して、私はその音の方向へと顔を向けて、同時に仰け反った。


「おか、えり!!」
「うぇっ!!」


思い切り助走をつけて、飛び込んでくる子供のようななのはに苦笑して小さいうめき声を漏らす。この3日でだいぶ私と、それから生活に慣れたなのはは中身は幼稚だけど、ひとまず私のいう事は聞くようになった。留守番も出来るようになったし。


「なのは、そのタックルみたいなの…やめようか。」
「ふぇ?ねぇ、お腹空いたっ!ご飯!」


私の話を聞いているようで聞いていないなのはは私の服を掴んで「ご飯」と揺らす。見た目は本当に高校生くらいなのに、中身は小学生かそれ以下。


「はいはい。」


仕方なく苦笑して、私は上着を脱ぐとキッチンへ向かった。ちなみになのはのいう食事は私たちと同じもの。基本的には同じように食事をするらしい。まぁ、食べなくても良いみたいだけど。吸血をするのは週に1回程度なのだそうだ。


「ところでなのは?」
「うん?」
「その格好。」
「にゃっ」


びし、と指差してそう言うとなのははビクッと身を竦ませた。帰宅した時から思ってた事。私のYシャツと下着1枚という格好だ。ちなみにシャツの下は裸で。相変わらず羞恥心とかそういった気持ちがないらしいなのはは基本的にその格好を好むようだった。


「ちゃんと服を着て来なさい。」
「命令しないでっ」


私の言葉にムッとした顔をして「ぷいっ」と顔を逸らしたなのは。相変わらず純血のお姫様は気位が高いらしかった。そんななのはに私も仕方なく息を吐いて、なのはに嵌めてある私が封印を施した枷に魔力を込める。


「にゃぁっ!!」


と、小さく電流が生じてなのはが悲鳴を上げる。とはいえそんなに強くするわけじゃない。軽くお仕置き程度で流れる私の魔力の電流だ。なのははこれが凄く嫌いみたい。なのははビリビリって呼んでたっけ。


「なのは?言う事聞けない子はお仕置きだよ?」
「…………。」


ニッコリ微笑みかける私に向かって唇を尖らせて、それから恨めしそうな蒼い瞳を向けたなのはは、しぶしぶ着替え始めたのだった。目の前で。やっぱり恥じらいとかそう言ったのはないらしい。


「じゃあ手伝って。」
「はいはい。」


不機嫌な顔をしながら着替えを手伝わせるなのはは、着替えが終わるころにはすっかり機嫌が直ったらしく、ソファーに座ってテレビに夢中になっていた。私は夕飯を作りながらそんな様子を見守る。ちなみに今夢中になっているテレビの内容は恋愛映画で、意味わかっているのかなのはは真剣になって食いついている。それが何だか可笑しかった。





「───はい、ご飯。」
「ん。」
「それ、面白い?」


難しい顔をして夢中になって見ているなのはは私の問いには答えずに、テレビに釘付けになっていた。ちなみに何度も言ったようになのはの中身は幼稚だ。だから「恋愛映画」の内容が理解できているのか少し疑問。


「ねぇフェイトちゃん。」


なのはの横でテレビではなく本を読んでいる私がそう呼びかけられたのはそれから少しあと。ご飯を食べながらテレビを見ている所為で、テーブルの上にご飯をこぼしているのは後で説教するとして。


「うん?どうしたの?」


声だけで返事をする。


「これ、何してるの?」
「ん?」


これ、といって指差された先。テレビ画面の中の恋人同士がキスをしていた。テレビでは少なくないキスシーン。その質問に、一瞬返事に詰まる。


「前もこういうの見た。」
「………そう。」
「なんで口付けてるの?」


そう私の方へ視線を向けるなのははなんというか本当に子供のように首を捻る。それから「あー」と言い淀む私に徐々に不機嫌になる。


「あー、これはキスっていって…恋人とする行為の一つ。」
「きす?」
「そう。てゆーかまだ知らなくて良いよ。」


もはや教えるのが面倒でそう投げやりに微笑む私に、今度は「こいびとって?」という質問。


「恋人っていうのは、特別な人の事。あー、後で本持ってきてあげるから勉強しなさい。」


そう言ってコーヒーに口を付けながら。そういえばなのはに勉強させなくちゃ、と自分のセリフで思い立つ。そんな私をお構いなしに、好奇心旺盛になったようななのはは「特別」という言葉に目を輝かせた。


「じゃあ私とフェイトちゃんはこいびと?」
「ぶっ!!!」


それから。そんな風に嬉しそうに微笑む。見た目は高校生と同じくらいなのになんてことだろう。ここで否定しようものなら多分暴れるだろう。そんな事は容易く予想できる。だから。


「あーはいはい、そうだね。」


なので、私はあしらうようにそう適当に答えた。そのまま視線を本へと戻して「早くご飯食べちゃいなさい」とだけ言って。コーヒーをひとくち飲んだ。そんな私に。


「んっ?」


テレビの見よう見まねで、顔を近づけてきたなのはにぎゅむ、と唇を押し付けられた。まるでロマンの欠片もない、ただ押し付けるキス。というよりはなのははさっぱり意味も分かってないのだろうけど。そして突然のことに目を瞬いている私の目の前でなのはは眉を寄せながら首を捻る。


「これするとどうなるの?」


どうやらキスをすると何かが起こるのかとそうとでも思っていたらしい。私は小さく息を吐くと「どうもしないよ」とだけ教えた。そんな私の言葉に不服そうにもう一度首を捻ったなのはは自分の唇を舌で舐めて「苦い」とだけ呟いた。何だか不服そうに。


「………ご飯もう良いの?」
「食べるっ」


それから私がそう言うとそれまでの事をすっかりさっぱり忘れたようにご飯に夢中になるなのはに、私は小さく息を吐くと共に、携帯ではやてへと手短にメールを送る。小学校からの勉強の教科書などを一式手配するように依頼したのだった。
















FIN











んで、皆の前で意味も良く分からないままに「私フェイトちゃんとこいびとなんだもん。きすもしたもん。」とか言っちゃうなのはちゃん。とかね\(^o^)/

そして周囲(ヴァンパイア協会の皆様)から白い目で見られるフェイトちゃん。



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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