着替えを探すを選択

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両手を大きく広げてなのはの抱擁から逃れた私。そんな私をきょとんとした顔で見るなのはにとりあえず「着替える」と言うと、何故かなのははにっこりと微笑んで。


「じゃあ手伝ってあげる。」
「はい?」
「だって不自由じゃない?」


そんな体じゃ、と付け足したなのははそのままソファーから立ち上がると立ち尽くす私を余所に寝室に向かって。


「じゃじゃん」


なんて上機嫌そうに言いながら子供用の服を取り出したのだった。どうしてそんなものを?とか色々聞きたかったけれど。


「って、なんで脱がすの?」
「ふぇ?だって一人じゃ着替えられ」
「できるよ!!//」


中身は普通に19歳なのだから。というかそもそも9歳の時だって着替えは自分でしてたし。

何で子供服持ってるの?っていう質問は結局うやむやになったまま私はその着替えをなのはから奪い去る。そんな私に「ふぇー?」と不服そうに声を上げたなのはは残念そうに唇を尖らせたのだった。










『────ってわけで、そのままで待機してて欲しいんよ。』
「……………。」
『も、もちろん明日は仕事休みでえぇし!なのはちゃんも!』
「………。」
『フェイトちゃん、もしや怒ってる?』
「怒ってない。」



それからしばらくして。

私をこんな姿にした犯人であるはやてから連絡が入った。直ぐに戻せるものと思っていたこの姿だけど残念なことにやはり24時間という時が経たないと治れないらしい。まだ24時間と言うだけましなのかもしれないけど。


『ってことで……えっと、今なのはちゃんもおる?』
「いるよー♪」
『なのはちゃん、フェイトちゃんの事お願いしてもえぇかな?明日オフで良いから。』
「うん、任せてっ」
『ほんなら…えっと、すまんフェイトちゃん!』


最後にもう一度謝罪の言葉を述べて。はやては通信を切ったのだった。


「にゃはは、フェイトちゃんは子供でも可愛いね。」
「………何か嬉しくないよ?」
「ふぇー?どうして?」


どうせなら格好良いとかそっちの方が良い。なんて間違っても言わないけど。


「なのはだって子供になっちゃったら私の気持ちわかるよ。」


そんなしょんぼりした私の物言いに。


「私がそうなっちゃったらフェイトちゃんに今まで以上にうんと甘えるけど。」
「えっ」


なのはは何処か夢見がちな表情でそんな風に言った。


「だってフェイトちゃんの膝の上にも座れるし。」


それから唇に手を当てるようにしてどうやらそうなった時のことを妄想しているらしいなのはは楽しそうに紡ぐ。


「フェイトちゃんって子供好きだし、絶対甘やかしてくれると思うの。」


でしょ?なんて微笑んでとても嬉しそうな笑みで。不意打ちだった。


「それは……」


なのはだし。と観念して呟く私はきっと顔が赤いだろう。いつだって私はなのはに敵わない。そのまま照れ隠しのように着替えを持って背を向けてぶかぶかのシャツのボタンを外そうと手を伸ばす。

人間の成長って凄いなって思うほどにシャツが大きく感じて、ボタンを外す前にシャツの腕をまくる必要が合う事に気付いた。

けど、そんな私の背後から伸びてきた手が私のボタンを急に外し始めるわけで。


「な、なのは?///」
「だーかーら。」


ボタンを一つずつ外しながら相も変わらず上機嫌ななのはは私の抵抗をものともせず。


「私だって甘えて欲しいんだよね。」


なのはの腕にすっぽり収まってしまう自分のなんと小さい事か。最終的にその言葉となのはの笑顔に籠絡した私は黙って万歳をして着替えさせてくれるのを待ったのだった。


「はい、出来ました♪」
「……ありがとう、なのは。」
「にゃはは、何だか昔を思い出すなぁ♪」
「昔?」


私の言葉に頷いたなのはは「あれって今思えば一目惚れだったのかなー」なんて嬉しそうに言うわけで。


「そうやってすぐ顔真っ赤にするフェイトちゃんとか。」
「な、なのはっ!からかってる?//」
「うぅん。でも……」


そう言って私を抱き寄せるなのはは少しだけ不安げな顔をして私を容易く膝の上に乗せて額に口付けた。愛おしむようなそんな口付け。


「フェイトちゃんに害とかなくて良かった。」
「そんな……」


この姿になってる時点で既に害なんですけど、なんて事は言う雰囲気じゃなかったので「心配かけてごめん」とだけ謝罪を口にした。それからなのはが満足するまで膝の上に座らされていて。


「なのは。」
「んー?なぁに?」


上機嫌でまるで猫なで声のような声を出すなのはに、ちょっとだけ苦笑した。ちなみに私はなのはの膝の上でテレビを見ていて、なのはは雑誌を読んでいる。何か料理の雑誌の様なのできっとその内作ってくれるのだろう、それを楽しみにしつつ。


「私お風呂入って来るね。」


まだ夕方で、いつもよりずっと早い時間。ちょっとだけきょとんとした顔をしたなのはだったけど直ぐに切り替えたらしく、何故か私と一緒に立ち上がる。


「じゃあ私も。」
「ぇえっ?」
「折角だしフェイトちゃんの髪の毛洗ってあげる。だめ?」


さっきの会話の後ではだめなんて言えるはずもない。もとよりだめなんて言えるはずもないのだけど。


それから結局なのはと一緒に入ることになってやって来た浴室。

普段は何気なく一緒に入ったりしているけど、今回は何故か私が酷く緊張しているわけで。いつもならなのはの方が恥ずかしがってるのに。

何となく見ちゃいけない気がしてなのはに視線を向けないように俯いて浴室へと向かう。それからなのはが私の髪の毛を洗いたいって言い始まって、結局洗って貰う事になったのだけど。


「……な、なのは?」
「んー?」


わざとなのか偶然なのか。背中にあたる感触から逃れようと体を縮めるけれどなのはは気付いてるのかわざとなのかさらに押し付けて来て。


「せ、背中……当たってるん、だけど……」
「ふぇ?」


どうやら無自覚だったらしくぼそぼそ呟いた私に、ほんの少し頬を赤くしたなのはは。


「えっち。」
「……………。」


なんて冗談めかして言う。私はそれ以上何も言わず大人しく洗い終わるのを待ったのだった。

それから抵抗もせず大人しくしていた所為か早々と体も洗い終わって湯船の中で。どうしてかなのはに抱っこされたまま、私はじっとしていた。

極力なのはの体に触れないように。いくらこんな恰好とはいえ私は中身はなのはと同い年だ。多少はよこしまな気持ちだって沸いたりもしてしまう。

まぁ、こんな姿になった時点で何もしないし出来ないのだけど。


「……元に戻れなかったらどうしよう。」


それから。お湯に浸かって一息ついた時点でそんな言葉が漏れた。なのはの前で言うつもりなんてなかったのに。だけどなのはの前だから安心しすぎて零れたのかも知れないそんな言葉。

そんな私の言葉に、なのはは膝の上に乗せている私をぎゅっと抱き寄せてくれた。


「ちゃんと戻れるから大丈夫だよ。」
「……うん。」
「それまでは私が面倒見てあげるねっ」
「え、面倒って……私子供じゃないから…」
「良いから良いから、予行練習。」


そう言ってなのはは私の肩にお湯をかけた。相変わらず楽しそうでそんな姿に不安も吹き飛ぶ。

まぁ、まず間違いなく時間が解決してくれる事ではあるんだろうけど……あれ?そういえば今「予行練習」って言った?

ふと疑問に思って。鼻歌交じりに上機嫌ななのはの方を向く。


「なぁに?」
「いま、予行練習って言った?」
「……………ふぇ?そんな事言った?///」


私の疑問に。湯船の中で酷く動揺したようにバシャっと水を跳ねさせてなのはが大声を出した。浴室に反響するくらい。


「え?言ったよね?」


確かに予行練習って言ったはず。そう思ってまじまじとなのはを見ると、なんだか見る見るうちになのはの顔が赤く染まった。それはもう、ゆで上がったとでも言うくらい。


「なのは?」
「な、何でもないの!聞き違い!//」
「えっ?でも確かに………なのは?顔真っ赤だけど。」
「にゃっ逆上せたのかな、そ、そろそろ私出るね?えっと、ご飯作るから!//」
「へ?あ、うん……あ、私も手伝うよ?」
「良いの良いの、フェイトちゃんはゆっくりしてて?//」



結局なのはは顔を赤くしたまま早々にお風呂を出てしまって、その後もその「予行練習」発言はうやむやになってしまって。結局何の話だったのか分からなくなってしまったのだった。


私が元の姿に戻れたのはその翌日の事。










おまけ。





フェイトちゃんより先にお風呂を出て、私は冷蔵庫から冷たい水を出して思い切り喉に流し込んだ。熱くなった体を冷まそうと喉に流し込んでついでに記憶も流してしまいたいとか思いながら。


『良いから良いから、予行練習。』


無意識とはいえうっかり声に出してしまった自分が恥ずかしい。フェイトちゃんをあれでごまかす事が出来ただろうかと少しだけ不安になりながら首をぶんぶんと振ると盛大に息を吐く。


「子供が出来た時の予行練習なんて間違っても言えないよ……。///」


思い出しただけで顔が赤くなってきた。出来る限り早く体温を下げたい私はいっそ風邪を引いても構わないと夜風に当たって頭を冷やすため、ベランダに出たのでした。














FIN



Ep3.です。お疲れ様でした\(^o^)/
一応拍手内に後書きというかそんなもの載せています。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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