青を選択

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「じゃあこっち。」


そう言って私は目の前に差し出されたうちの青い小瓶を手にした。そんなに大きくはない小さめの、本当にコンビニエンスストアとかで売っているような少し高級そうな栄養剤のようなそれ。

意外としっかりした造りで逆に感心したり。せめてラベルが普通だったら、と。まぁ考えても仕方ないので意を決して瓶のふたを開けた。それから念のため匂いを嗅いでみる。鼻腔に伝わったのはほんの少し甘い香り。


「あれ?意外と美味しそうな香り……?」


フルーツのような、そんな香り。例えるなら子供用の風邪薬のシロップみたいな。もっと薬臭いのかと思ったのだけど。そのまま一口流し込んでみて、味に異常もなく私はその小瓶の中身を全部飲み干した。小さい小瓶だったのですぐに飲み終わった。

後味も悪くないし、シャマルさんにしては味が良かった。なんて言うのは余談だけど。



だけど悲劇は直ぐに起きた。


「は、はや……てっ」
「何や!?」


ギシギシと体中の骨が音を立てて軋む。関節が激しく痛んでほんの少し喉がひりついて、それから息苦しさに私は床に膝をつく。

咄嗟の事にはやても混乱したようだったけど即座にウィンドウを展開して、シャマルさんに回線をつない「大丈夫か?」と私に呼び掛ける声が聞こえた。


「ぅ、あっ…」


ドクドクと耳元で動悸がして心臓がとても早く動いてる気がして。今更ながらにとんでもない物を飲んでしまったと思った。無論もう遅い。

膝をついたまま、今度は体を起こして居られなくて倒れこむ。こんなところになのはが帰って来たら大変だ。なのはに心配かけたくはない。帰って来る前になんとかなれば良いけど…

なんて、そんな事を考えてじっと目を閉じて、その発作のような苦しさが治まるのを待つ。その間、はやては応急処置のような手当をしてくれた。まぁ、さすがのはやても焦ったみたいで回線をシャマルに繋いではあれやこれやと緊迫した声音で話していたみたいだったけど。



「ふぇ、フェイトちゃん…落ち着いたか?」
「なん…とか。」


じっと耐えること数分。ようやく体の痛みと動悸が止んで、私は閉じていた瞳を開いて床に手をついて起き上がる。

が。

起き上がろうと床についた手が、とても縮んでいた。


「……へ?」


床についた手をゆっくり顔の前に持って来て、両手を広げて見やる。その手は明らかに子供の手だった。何より、シャツが長過ぎて手が隠れてしまっている。
そういえば、床に座り込んでいる私の目線がいつもと違う気がする。シャツもぶかぶか。


「フェイト、ちゃん…」
「はやてが…大きい…」


見上げたはやてが大きく見える。


「……え?」


目の前で広げた両手を、顔に触れさせる。ぺたりと頬に触れて、視線を自分の体に向けて。


「なん…」


そこでようやく私は自分の体が偉く縮んでいることに気がついた。


「なにこれっ!?」


無論、視線を向けた先のはやては酷く焦ったような申し訳なさそうな顔で「ちゃんと説明するから」と膝をついて土下座したのだった。











「という事で、配分に間違いがあったみたいでな?」


ぶかぶかのインナーにぶかぶかのシャツという格好でソファーに座る私。対して、床に土下座という態勢のはやてはシャマルさんに確認した事細かな詳細を説明した。

つまり簡単に言うと先ほど口にした栄養剤の何らかの配分を間違えてこのような事態に至ったらしい。


「元に戻して。」
「も、もちろん!」
「いますぐ。」
「そ、それは…」


もうすぐなのはが帰ってくる時間だ。こんな姿見られたくない。そんな私にはやては非常に焦ったようなそんな様子で。


「24時間くらい経つと元に戻れるらしいんやけど…」


と。そんな風に言ってのけたのだった。24時間っていったら明日じゃないか。そんなの困る。


「ぇえ?そんな…なのはが帰って来る前に何とかしてよ!」
「そ、それは……」


なんてすったもんだしている内に。部屋の玄関口で鍵の開ける物音がした。

時間を見ればもうお昼をゆうに回っていて、ドアを開ける音と同時に、とても上機嫌ななのはの「ただいま」と言う声が聞こえて、ぱたぱたと歩く音。


「あれ?はやてちゃん……?」


リビングまでやって来たなのはの足音に、私は咄嗟にはやての後ろに隠れこんだ。それからなぜか自分の家に居るはやてに疑問の声を上げた。


「もしかしてフェイトちゃん何処か行っちゃったのかな…?」


はやての後ろに隠れる私に気付かず。なのはは少し残念そうにそう言って。それから上着を脱ぐとソファーにぱさりと置いた。そこから向き直る瞬間のなのはと目が合う。

咄嗟に隠れただけで、隠し遂せるとは思っていなかったけれど、見つかってしまった。



「…………ふぇぇっ?//」


案の定、というか誰でもそうだろう、なのはははやての後ろに隠れていた私の姿を見て軽く悲鳴を上げたのだった。


「ふぇ、ふぇいとちゃんっ?」
「………。」


なのはにこんな姿を見られるなんて。


「あー…なのはちゃん、実はな……私のせいなんよ…。」
「え?えっと、フェイトちゃんなんだよね?っていうかフェイトちゃんだし。」


相変わらずはやての後ろに隠れたままの私を見てそう言って何だか「うわぁ///」とか感嘆の声らしきものを上げたなのはは。


「フェイトちゃん?」
「なのは……」


そんな風に私を呼んで手を伸ばす。そんななのはに、私はとりあえず泣きついた。とは言っても身長なんてものは全然子供なので、なのはの膝に抱きつくような感じだろうか情けない。


「はわわわ、かわい……じゃなくて、どうしたの?一体……」


まるで初めて会った頃のフェイトちゃんだね、なんて。確か私がなのはに出逢ったのは9歳の時だから、そうかじゃあそのくらいの姿なのか。道理で小さいはずだ。

いやそうじゃなくて。


「も、もとに戻して……」


部屋にはそんな私の情けない声が木霊したのだった。

それからすっかりしょげ返っている私の代わりにはやてがいちから説明をしてくれて。


「ひとまず24時間で効果が切れるらしい……まぁ一応私もこれからシャマルのところに行ってもっと早く戻せるかとか聞いてくるから…待っててくれるか?」
「うん。フェイトちゃんの事は私に任せて。特に体に害はないんだよね?」
「それは保障するよ。……まぁ、明日もこんなんやと仕事にならんやろうし、明日はなのはちゃんとフェイトちゃんオフにしておくから。」


ほんま堪忍な、とそう言い残してこれからすぐにでも医務室へ行くと言って部屋を出て行ったのだった。



「フェイトちゃん、とりあえず……」
「え?うわっ…」


そうして部屋に残されたなのははそう言って、私を抱き抱えるようにして。私を膝の上に持っていった。これは完璧な子ども扱いじゃないか…。こんな形でなのはの膝の上に抱っこされる日が来るなんて。


「な、なのはっ!//」
「フェイトちゃん可愛いんだもんっ」
「か、…そ、そうじゃなくて!私中身はいつも通りなんだからね!?」
「にゃはは、フェイトちゃんもしかして照れてるの?」
「そうじゃなくて!!//」


膝の上でもがく私を、なのはは抑え込むようにしてまるでクッションでも抱くようにギュッとする。そのせいでなんて言うか背中に柔らかい物が当たってて、少々困った私はさらに抵抗するように両手を大きく広げた。



それから









なのはと距離をとった
とりあえず着替えを探す











テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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