とりとめもないSS

1万字いってしまったw

気持ちがMAIGOとか言ってくせになんか書いた。むしろ前の記事ですっきりしたw
何か甘いの書こうと思ったんだけどそんなに甘くないかな。てゆーか甘いってどういうのだっけ(白目。

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「え? フェイトちゃんが?」


仕事が終わってオフになった午後。

偶然局のラウンジで会ったはやてちゃんとお茶でも一緒に、という事になってそれからふと思ったことを相談してみた。単なる気のせいなら良いけれど、と思っていた事。

他でもない、幼馴染のはやてちゃんだから相談できること。


「勘違いだと、良いんだけど……。」


目を丸くしたはやてちゃんのその言葉に自信なくそうとだけ呟いて、私はミルクの入ったコーヒーに口を付ける。いつもより砂糖を少な目に入れた所為かそのコーヒーはほんの少し苦かった。


「うーん………」


カチャカチャ、とスプーンでコーヒーを混ぜながら唸ったのははやてちゃん。

はやてちゃんは少しだけ口をへの字に歪めて、ぼんやりとかき混ぜているそのコーヒーを見つめてなにか悩んでいるみたい。


「何か心当たりある?」


相談、というわけではないけれど話題にしたその事に、もしや心当たりがあるのかと少しだけ顔を上げる私に。


「フェイトちゃんがなのはちゃんを避け始めたのって、いつ頃からなん?」


あ 避け始めたと思い始めたのって。と言い直して、はやてちゃんは少しだけ困ったような、なんとも言い難い顔で私を見つめてそう呟いた。

この時間のラウンジは少しだけ人が多い。一応私たちは階級上どうしても注目を集めてしまうのでやや声を抑えめにして。


「最後にちゃんとお話ししたのは、一か月前……かなぁ。」
「どんな話したん?」


それから、そう言ったはやてちゃんに、私は天井を仰ぐようにして思い出してみる。

























「そう、なんだ。」
「困っちゃうよね……。」
「どんな人なの?局の、人なのかな?」


フェイトちゃんが長期にわたる航行から帰還した日。前から約束していた私は、フェイトちゃんが借りているマンションへと遊びに行った。

毎回行くたびに生活臭のしない部屋だなーなんて思いながら買物して来た買い物袋の中のものを冷蔵庫にしまって、そんな時に話した話。


「うぅん、何処かの会社の役員さんだって………フェイトちゃん、これ冷蔵庫で良いかな?」
「え、うん良いよ。 会社の……えっと、そか。」
「やっぱりフェイトちゃんに一人暮らしは無理じゃない?ちゃんとご飯食べてる?」


フェイトちゃんの家の冷蔵庫はいつも空っぽ。良くて水が入ってるくらい。なので私は月に何度か、フェイトちゃんの家にお邪魔している。これは後で合鍵とか貰っておいた方が良いかも…なんて冗談めいたことを考えながら、フェイトちゃんに栄養のある食べ物を作ってあげるのが私の任務。買い物してきた材料を準備して、それ以外は冷蔵庫にしまいこんで視線を向けるとフェイトちゃんは少しだけ苦笑して頬をひと掻きした。


「なのはが作ってくれる時以外はほとんど外とかで済ませちゃうかな。」
「もう。フェイトちゃんはこれからしばらくお休みなの?」
「ん、そうだね…。でもちょっと、書類仕事が溜まってるから家で少しやるつもり。」


それからそう言って、既に机の上に積んである書類を視線で指してまた苦笑した。


「ふぇー?フェイトちゃん仕事しすぎだよぉ。」
「でも、それしかする事ないし……。」
「じゃあ代わりに私のお見合い行ってよ…。」
「そっ、そんなのダメだよ。」


そこでさっきまでの話題が頭にまた戻ってきて、私は少しだけ憂鬱めいた溜息を吐いた。フェイトちゃんと居る時になるべくならこんな溜息吐きたくないけれど、思い出してしまったらこんな気分になるのも仕方がない。

上司と言う立場の人間から勧められたお見合い話。相手が居ないならどうしても、と言われて半ば強引に決まったお見合い。気乗りしない事この上ないそんなお見合いの話を、気の許せる親友であるフェイトちゃんに愚痴を零したのだった。


「行きたくないよぉ……。」
「で、でも良い人かも知れないし。」
「だとしても、今はそういうの…まだいいや。」
「そ…っか。」


とんとん、と包丁で野菜を刻みながら話す私の背後で「頑張ってね」と小さく笑ったフェイトちゃん。その後は一緒に映画を見たりして、あとはお互いの戦闘スタイルの話をしたり。








だけどそれから後日、フェイトちゃんに色々連絡してみても何だかいつもより返事が遅かったり、約束を取り付けようとしても全部「ごめんね」と断られたり。局で会っても不自然に避けられている現状。

ただの気のせいとかだと良いんだけど どうしてもそうは思えなくて、それで丁度あったはやてちゃんに何気なく相談したのだった。




























「そのくらいかなぁ…。あとは、その次の日フェイトちゃんから電話があったんだけどね?」


手が離せない用事があって夜に折り返したら「何でもないよ」って切られてしまった。もしかしてもしかするとその電話で、何か重要なことがあったんだろうか?どうして直ぐに折り返さなかったんだろう。はやてちゃんに懺悔するように言うと、はやてちゃんは顎に手を当てて「ふぅん」と頷く。


「電話、ねぇ……。」
「うん。」


コーヒーに口を付けてぼんやり外を見るはやてちゃんは何か思い当たる節があるのかさっきから「うーん」と小さく唸り声を上げている。はやてちゃんは何か知ってるのかな?


「ちなみになのはちゃん。」
「ふぇ?」
「そのお見合いはどーやったの?」
「どうって。断ったよ、はっきり。」
「なんで?」
「だって、私にはまだ早いかなって。それに、やっぱり結婚するなら好きな人が良い…じゃない?」
「あら乙女。なのはちゃん好きな人なんておった?」


その質問に関しては、何となく自分が夢見る乙女みたいな目で見られていることに気が付いて「いないけど」と小さく答えた。


好きな人。


そろそろ居てもおかしくないとは思うけど、どうしても私はそう言うのよりも先に仕事の事が頭に浮かんでくる。というか、まだ時期じゃないんだとも思う。

それに、結婚なんかしたらフェイトちゃんと会う時間がますます減るだろうし。ただでさえ気を使うフェイトちゃんの事だから、きっと「家庭を優先しなよ」なんて言って会ってくれなくなるに違いない。そんなのは絶対にだめなの。心配だし。


「まー、なのはちゃんの気のせいだと思うけどなぁ。………ぁ、フェイトちゃん見っけ。」
「どこ?」


ほんの少し湯気立つコーヒーをぼんやり眺めていた私は、はやてちゃんの口から出た名前に顔を上げた。はやてちゃんの視線の先の外を見れば後は何処に居るかなんてすぐに分かる。


「フェイトちゃんって、目立つよねー…」
「ん?まぁ背ぇ高いしなぁ。」


羨ましいわ、なんてぼやくはやてちゃんの言葉を聞きながら。私の視線の先には金色。眩しいくらいに輝く金髪を風に靡かせて歩くフェイトちゃんは、なんていうか本当に目立つ。背丈だけのせいじゃないと思うけど。

……前は私と同じくらいだったのにな。


「フェイトちゃんって中学校に入ってからぐんと身長伸びたよね。」
「せやったねー。なんや、顔だちも大人っぽくなって早くに大人になる世界の人かと思ったわ。………お、フェイトちゃんに接近する影あり。」


その言葉に、視線をはやてちゃんから再びフェイトちゃんへと戻す。目を離していた好きにフェイトちゃんの隣を歩く人影が出来ていた。女の子かな?


「本当だ。誰だろうね?」
「フェイトちゃんもモテて大変やなー。別に羨ましいとか思ってへんけど。」
「フェイトちゃんって、モテるの?」


コーヒーが苦くて砂糖を少し足しながら、窓の外に居るフェイトちゃんに視線を戻して、それからその視線をはやてちゃんに向けた。


「そら、モテるやろ。」


はやてちゃんは「何言うてるん?」とでも言いたげに「あぁでも」と何か言いかけてやめた。

続きを促すこともせず外に居るフェイトちゃんへと視線を向けると、フェイトちゃんは何か話しながら、少しだけ楽しげに微笑んでいた。何話してるんだろう?いいな、私もフェイトちゃんと話したいな。


「フェイトちゃん、確か今月入って3人くらいには言い寄られてるはず。」


まぁでも、フェイトちゃんにはシスコンなクロノ君とかリンディさんとか居るから困ったことにはなってへんけど。と可笑しそうに笑うはやてちゃん。コーヒーを喉に流し込むと、砂糖を入れ過ぎたのか今度は少しだけ甘かった。失敗。


「ど、どうして私は知らないのかな……?」


知らなかったことが、正直少し いや、かなりショックだった。何がって言われたら良く分からないけど。フェイトちゃんがそれを教えてくれなかったところかな。知らないところで誰かが(それもかなりな人数)フェイトちゃんに想いを。それはなんていうか、やだ。


「何でって、フェイトちゃんが知られないようにしてたんやろ。………ぁ。」
「隠してたってこと?何で?」


しまった口を滑らせた、と言わんばかりのはやてちゃん。私が思いのほか勢いよく動いたせいでテーブルの上のカップが揺れた。


「いや、今のは言葉の綾というか……」


ごにょごにょ言うはやてちゃんに、私はもう一度窓の外に視線を向けた。

けど、さっきまでフェイトちゃんがいたその場所には誰も居なくて、ほんの少しだけ肩を落とす。さっきの子とどこかに行っちゃったんだろうか?何だかしっくりこない気持ちになって、甘くなり過ぎたコーヒーを最後まで飲み干した。


「もしかして避けられてるのと関係あるかな…?」
「そもそも本当に避けられてるん?」
「だって……うーん、分からない。でも何回も会うの断られてるし…。」


なんて。飲み干したコーヒーカップの底を見ながら言っている拍子に、私の真横にウィンドウが展開された。表示名は────…


「ふぇ、ふぇいとちゃん?」
「なのは、今大丈夫?……あれ、はやても一緒だったんだね。」


通信の相手はフェイトちゃん。フェイトちゃんはウィンドウの向こう側でいつも通りの微笑を浮かべていた。


「おー。珍しく会ってなぁ、お茶してたんよ。」
「そうなんだ。じゃあ邪魔しちゃ悪いから、後でで良いよ。ごめんね、なのは。はやても。」
「えっ?良いのに──…ぁっ」


なんて言っているうちに惜しげもなく通信が切れた。もう少し名残惜しそうにしてくれても良いのに。なんて。何思ってるんだろう私。


「で?誰に避けられてるって?なのはちゃん。」
「…………。」


フェイトちゃんから通信が来た。それだけで凄く喜んでる自分が恥ずかしい。避けられてるって思ったのは勘違いだったのかな。でもほんの少ししか話せなかったのは残念。


「行って来たらえぇんちゃう?」
「ぇ?」
「せやから、今。フェイトちゃんのところに。」


どうせ通信してきたって事はそんなに忙しくないやろうし。とはやてちゃんは自分のコーヒーを飲み干して。


「私もそろそろ仕事戻るし。なのはちゃんは帰るついでにフェイトちゃんのところ寄ってけばえぇやろ?」
「そ、そっか……でも迷惑じゃないかな?」
「なのはちゃんとフェイトちゃんの仲やん、何を今さらそんな遠慮してるん?」


私とフェイトちゃんの仲。とくん、と。どうしてか気恥ずかしいような気がした。


「じゃあ、寄ってみる。ありがとうね、はやてちゃん。」
「はいはい、全く世話が焼けるわ。」
「……?」


最後に言ったはやてちゃんの言葉に首を傾げながら。少しだけ足早に、私はフェイトちゃんの居る執務室へと向かった。良く考えたらそんなに遠いわけじゃなし時間もあるんだから、別に急ぐこともないんだけど。


───こんこん、と控えめにノック。


「はい。」


数秒もしないうちに返事が聞こえて、それから部屋に入る。久々に来たような気がするフェイトちゃんの執務室は相変わらず小奇麗で、だけど机の上だけは書類でいっぱいだった。相変わらず仕事ばっかりしてるんだろうな。


「なのは?」
「き、気になって来ちゃった。」
「ぁ…ごめんね。まさかわざわざ来るとは…。」


ちょっとだけ申し訳なさそうに苦笑するフェイトちゃんに首を振って「通り道だし」と何故か言い訳みたいな言い方をしてしまった。久々に近くで話すような気がするし、2人きりなのも久しぶりだ。っていうかどうして緊張してるんだろう。


「なのは?どうしたの?」
「ぇっ、何でもないの!ちょっと、考え事。それで、用事って何だったのかな?」


ぱたぱたと手を振ると、フェイトちゃんは少しだけ首を傾げて頭に疑問符を浮かべたまま、それから私の質問に「そうそう」と思い出したように微笑んだ。


「仕事が少し落ち着いたから、今晩なのはを食事にでも誘おうかなって」


思ったんだけど。と言いながらコーヒーを淹れてくれた。まさかさっき飲んできたなんて言えるはずもない私はお礼を言ってそのカップを受け取る。どうやら淹れる途中で気付かないくらい余裕がなかったみたい。


「本当?」
「え?」
「ぁ、何でもない。──…えと、仕事忙しかったの?」
「ちょっとね…。ごめんね何回か誘ってくれてたのに。」


避けられてるわけじゃなくて良かった。うぅん、と首を振ってコーヒーに口を付ける。丁度良い温かさで、丁度良い甘さ。私が好むその味のコーヒーは、フェイトちゃんが私の為に淹れてくれたものだ。そう思うとじんわり胸が温かくなる。フェイトちゃんの何気ない優しさ。そういう所が好き。


「えっ?」


こくん、とコーヒーを喉に通し終えた所で思わず声が出た。

今の「え?」は自分に対する声で、急に変な声を出した私にフェイトちゃんは「なに?」とやや驚いたような顔を向けていた。


「な、何でもないの!」
「なのは疲れてるんじゃないの?やっぱり今日は──…」
「わ、やだやだ!折角久しぶりなのに!平気だよ、私。折角だから何か作るよ!」
「そう?でももし体調とか──…」
「大丈夫!じゃあ、夜フェイトちゃんの家に行くね!か、買い物はしていくから!」
「え?そんな、良いよ。」
「良いの良いの、コーヒーご馳走様っっ!」


そう言って、コップもろくに片づけずにフェイトちゃんの部屋を出た。

変な顔してなかったかな、大丈夫かな。バクバクと早鐘を打つような胸を抑えて、通路をひたすら歩く。目的地もなく、ぐるぐる通路を歩いて、歩いて、歩いて。


「………っ、」


行く宛てもなく歩いて、それからようやく落ち着きを取り戻して盛大に溜息を吐いた。それにしてもあんな態度はないよね。と一人反省会……よりも先に。ようやく落ち着きを取り戻し始めたのに、思い出し始めたらまた顔が熱くなってきた。

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。というかそうなのかな?これってもしかしてもしかすると。そう思って顔を上げる。窓に映った自分の顔は今まで見た事ないくらい真っ赤だった。


フェイトちゃんに恋してる


かも知れない。いや、良く考えたら思い当たる節がある。っていうかそうだ。意識した途端にバクバクとまた暴れ出す心臓。今度は顔どころか耳まで熱い。恥ずかしくて死にそう。


「………ぅ、わぁ。//」


今まで魔法とかそういうの一筋で来た私。ろくに少女マンガだって読んだことがないのに、急にこの衝撃は大きすぎる。「フェイトちゃんの事が好き」って気付いた瞬間に襲ってきたのは恥かしさと、それから嬉しさだった。

何でか分からないけど。フェイトちゃんが好きな事が嬉しい。なんて考えた瞬間に、余計に自分で自分が恥ずかしくなってそのまま廊下にへたり込んだ。ここでは人の目も自分の立場もあるのに、と思いつつ。





「おーや、高町教導官?お暇なんですか?」
「……はやて、ちゃん。」
「やっほ。さっきぶり。どないしたん?───…暇ならちょぉ、手伝って。」
「うん。」


ここで会ったのがはやてちゃんで良かった。書類を手一杯に抱えたはやてちゃんの荷物を少しだけ受け取ってよろよろとはやてちゃんの後をついて、私ははやてちゃんの執務室へと向かった。


「そんで?あんな所にへたっとった高町教導官様はどうなさったん?」
「…………や、えと…」
「フェイトちゃんとこ行ったんやなかったの?」
「いっ、行った…けど」


はやてちゃんのところで今度はお茶が出た。それも渋い。そのお茶を目の前にして、私ははやてちゃんの尋問口ごもる。

はやてちゃんは歯切れの悪い私に、にんまりといやらしい笑みを浮かべて手元の書類を投げた。もしかして仕事さぼる良い口実にされてる?


「フェイトちゃんと何かあったんや。」


分かった、と私の顔を覗き込むはやてちゃんは。返事も聞かず「やっぱり」と一言。


「な、何もないよ!」
「じゃあ何なん?さっきから顔赤いし。」
「えと…違うの、その……私…フェイトちゃんのこと、す……好き、みたいで。///」
「へー。ようやく気付いたんや。オメデト。」
「ふぇぇっ?」


ガタン、と立ち上がった拍子にテーブルの上の湯飲みのお茶が揺れた。


「な、何で?知ってたの?え?私自分でも今気づいたのに何で──…」
「ちょ、落ち着いてなのはちゃん。」
「だだだ、だって……//」


はやてちゃんは平然とした顔で、泣きそうな私を宥めて小さく息を吐いた。


「そもそも毎回ご飯作りに行くとか恋人にしかやらんやろ。」
「そ、そうなの?」


そんな事ないと思うけど。


「フェイトちゃんがモテてるの隠されてた事にショック受けてたし。」
「だってショックだったもん。」
「なにより、なのはちゃんが好きになる人、私はフェイトちゃん以外浮かばへんけど。」
「そ、そうだったんだ……ふぇ、フェイトちゃんは気付いて、ないよね?」


もしかしてそれで避けられてたとか?


「てゆーかどうしてその事隠してたんだろう?」
「そんなん今日フェイトちゃんに直接聞いたらえぇんやない?」
「き、聞けないよ!!!」


それより今夜普通に接する事が出来るかどうかも大問題だよ、と溜息を吐く。


「まぁ、お茶でも飲んで落ち着き。」
「ん、うん。」


口の中に広がるコーヒーの味にちょっとだけ苦笑して、少し冷めたお茶を飲んだ。


「なのはちゃん、お茶嫌いやったっけ?」
「ふぇ?嫌いじゃないよ?」


飲み干した後、湯飲みをテーブルに置いた私に少しだけおかしそうにそう聞くはやてちゃんに、私は首を横に振った。はやてちゃんは「そうか」と一言。


「なんや、ちょっと飲むの躊躇ってたように見えたから。」
「ぇ、ぁ…違うの。」


後味に残る、フェイトちゃんの淹れてくれたコーヒーの味が消えちゃうのがちょっと寂く感じただけ。そう苦笑して答えるとはやてちゃんは「うゎ」と声を上げた。


「なのはちゃん、そういう乙女っぽい事平気で言うの時々凄いと思うわ…。」
「ぇっ……」


それからすぐ、私ははやてちゃんの部屋を出たのでした。
































──その日の晩──







フェイトちゃんの家に来てご飯を作って。何だかんだで思っていたよりも普通にフェイトちゃんと接する事が出来て、私はいつも通りに過ごせていた。

明日は仕事が午後だけっていう事もあって、「折角だから泊まって行ったら」というフェイトちゃんの言葉に内心ドキドキしながら頷いて、今現在私はお風呂に入っているフェイトちゃんを待っている所。先にお風呂を頂いた私はちゃっかりフェイトちゃんの服を借りて着ている。


「…………。」


ちょっとだけぶかぶかな服にそこはかとない気恥ずかしさを感じながらソファーの上で膝を抱く。特にどうっていう事もないのに勝手に意識してる自分が恥ずかしくて。

さっきまでは全然普通だったのに。こういうのって思い出すともうすぐにダメになるなぁ、と苦笑した。


「………ふぅ。」
「あ、フェイトちゃんお帰り……。」
「なのは、ちゃんと髪の毛乾かした?」
「えっ、うん…。乾かし、たよ。」
「そ?じゃあ、風邪ひかないように気を付けてね?」


そう言ってソファーの隣に腰かけたフェイトちゃんから香るシャンプーの香り。チラリと横目で見るとお風呂上りの所為か白い肌が少しだけ上気していて。盗み見てるのが余計に恥ずかしさを煽ると言いますか、とても悪い事をしてる気分になった。


「フェイトちゃんって、睫毛長いよね……。」
「え?…そうかな?」
「うん。肌も綺麗だし。髪の毛だって。」
「なのはの方が綺麗だよ?」


恥ずかしげもなくそんな事を言うフェイトちゃんは、私の事を意識したりはしないのかな?あれ、そういえばフェイトちゃんって私の事どう思ってるんだろう。


『何でって、フェイトちゃんが知られないようにしてたんやろ。』


不意に浮かんだのははやてちゃんの言葉。その意図は良く分からなかったけど、そう言われてみればこんなに優しくて綺麗なフェイトちゃんが人に好意を寄せられないはずがないのに、私はそんな話を一度だって耳にしたことがない。


「ねぇ、フェイトちゃん。」
「なぁに?」


ソファーの上。リモコンをテレビに向けながら話しかけた私の横で、フェイトちゃんは資料を読み耽っていた。


「今月に入ってどのくらいの人に告白された?」
「……………3人。」


フェイトちゃんはたっぷり10秒くらい黙った後、少しだけ困った顔をしてそう答えた。何だか言いにくそうに。


「知らなかった。」
「だって言ってないもん。」
「はやてちゃんは知ってたよ?」
「はやては……そういうの好きだから。」
「知らなかったのは私だけかー…」


ほんの少し面白くなくて、唇を尖らせた。そんな私をちょっとだけ可笑しそうに笑ったフェイトちゃんは「なのはには何となく伏せてたから」と一言。やっぱり隠してたんだ。理由は分からないけど。


「…………なのは?」


それからちょっと時間が経って。

フェイトちゃんに寄り掛かっているうちに少しだけうとうとし始めた私に、フェイトちゃんが遠慮がちに声を掛けてきた。「寝てるの?」と心配そうに掛けられた声に首を横に振る。気が付いたら結構遅い時間だった。フェイトちゃん、こんな遅い時間まで仕事の資料読んでるなんて、と少し叱ってやろうと思いながら。


「フェイトちゃんはさ?」
「うん?」
「好きな人、いるの?」


なんでか、口から出たのはそんな質問。この頃にはもう私もあんまりまともな思考回路じゃなかったみたいで。「失敗した」とか思いながらも半分寝ている状態の私はすぐに「まぁいっか」という気持ちになった。

ほとんど目も閉じた状態で。お蔭でフェイトちゃんがどんな顔をしてるのか分からない。そもそもこれって夢かもしれない。なんてうとうとしながら。


「さぁ、どうだろう。……なのは、ベッド行こう?」


くすっと笑って優しくそう言ったその声に余計に眠気に襲われて。声にならない声を返す。

それからすぐに浮遊感を感じて、少しだけ意識が覚醒した。感覚からいって、フェイトちゃんに運ばれてると直ぐに分かるわけで。まだほんの少し眠い頭で寝たふりをした。

ゆっくりと壊れ物を扱うみたいに丁寧に。少し大きめのベッドへと運んでくれたフェイトちゃんはそのまま私に布団を掛けてくれた。寝たふりがばれたらどうしようなんて今さら心臓が暴れ出してきて、眠気なんてすっかりどこかに行っちゃって。

それから遠慮がちにベッドに腰かけたフェイトちゃんは私の髪を数回梳いてゆっくりと近づいてきた。目を閉じててもこれは気配で分かる。





「いるよ。」


それから、耳元で静かに甘いささめき。
知らなかった。フェイトちゃんってこんな話し方もするんだ。


「………いるよ、好きな人。」


くすっと笑ってそう囁いて。ちゅ、と頬に触れたのは柔らかい感触。


「お休み、なのは。」












その瞬間、顔が爆発しそうで叫びたくなったけれど、声が出なかった。



………私は明日、どんな顔をしてフェイトちゃんに会えば良いんだろう。














FIN




あああぁぁああああぁぁぁぁああああぁぁ///!!!!!!(なのはちゃんの代わりに叫んでみた。)





フェイトちゃんは気づいてます。

繰り返す!フェイトちゃんはなのはちゃんの寝たふりに気づいてます。







テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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