Just for you.

あけましておめでとうございます。
良いお正月をお過ごしでしょうか\(^o^)/?新年は真面目なお話で開始したいと思います。

Just for you. (ただ あなたの為だけに)

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ぼんやりと、カーテンの隙間から差し込む日差しの眩しさに。


「………ん…」


薄っすらと瞳を開いて、ほんの少しだけ身じろいだ。


それから一度の瞬きを経て、もう一度瞳を開く。夕べは少し遅くまで起きていた所為か、ほんの少しいつもより意識の覚醒が遅かった。

素肌に触れるシーツの感触と、腰元に巻きつく温かな腕の感触。

ようやく覚醒した意識で気付いた、耳元で聞こえるその穏やかな寝息に微笑を浮かべて、それから私の腰を抱き寄せるように添えてあるその白い手をそっと本人の元へと返すように動かす。


────おはよう、フェイトちゃん。


声に出すと起きてしまうかもしれない。出来ればもう少し休んでいて欲しいから声には出さず、私は心の中で呟く。カーテンから差し込んだ日差しを受けてきらきらと輝く髪。腕を動かされてもピクリともせず眠っているフェイトちゃんに、触れないくらいのキスをして。

音を立てないようにそっとベッドを抜け出した。


ベッドを抜けると部屋の中はほんの少し肌寒くて、────何も身に着けていない所為もあると思うけど。とりあえずベッド付近に投げられている自分のシャツを羽織って、それから眠っているフェイトちゃんに布団を掛けなおそうとベッドに近づいて。

露出されたフェイトちゃんの肩に、そっと。


「…………?」


布団を掛けようとして気付く。


しなやかな曲線を描く体。線が細いくせに実は力強い腕の、その白い肩口、背中に近い位置に。よく見なければ分からないほどの、うっすらとした白い線があった。

その事に、私は少しだけ眉を寄せて、それからまじまじとその線を見る。

キメ細やかな白い肌。────そこに薄らと残っていたそれは、傷痕だった。多分本人も気付いていないだろうその位置。


いつの任務で怪我したんだろう。


フェイトちゃんは普段、私の怪我には敏感なくせに自分の怪我は隠したがる。心配掛けまいとしてくれてるのは分かるんだけどそれが逆に心配で。

改めてまじまじと見つめたその痕は、一直線に伸びていた。切り傷とは微妙に違うようなそんな傷。遠目では分からないくらい小さく薄い。



「…………。」


────…あぁ。


まじまじ見つめて思案して、私はようやく気がついた。それは傍目にも随分古い傷のように見えて。


一瞬、今ではもう懐かしい光景がフラッシュバックした。




『───ジュエルシードは諦めて。』



私に向かってそう言ったその少女の事。

そういえば怪我をしていた時もあったっけ。思い出したのは、寂しそうな目をした女の子の事。一心に。大好きなお母さんの為に一生懸命だった女の子の事。


「ふぇいと、ちゃん……」


思わず声が漏れて、口を押えた。

彼女の、背中に近いその肩口に薄っすら残る傷痕は。彼女の母による、折檻の痕だった。今でも残る傷。幼いフェイトちゃんはどんな気持ちで居たんだろう。思い出すのも、考えるのも辛かった。もちろんもう彼女はとっくに乗り越えているっていうのも分かっているけれど。


愛しい人。


今はもう傷つくことが無くても、守りたい。フェイトちゃんを傷つける全てのものから。例えそれが過去の思い出だったとしても。


愛しくて愛しくて仕方ない。かなしいくらいに愛しくてたまらない。


その白い肌にうっすら残る傷痕に、静かに唇を触れさせた。唇でなぞれば、ほんの少しでも傷が消えるような気がして。そんなことは無いのだけど。




「ん……?なの、は…?」


触れた所為か、気配でか。フェイトちゃんがほんの少し身じろいだ。眩しそうに目を細めて首だけ動かしてこちらを見るフェイトちゃんに、私は構わずそのままフェイトちゃんの肩口に唇を這わせたまま。


「くすぐったい……なぁに?どうしたの?」
「ん。何でもない…。」


ふにゃりと子供みたいに微笑んだフェイトちゃんは「もうちょっとだけ寝よう?」と私をベッドへと引きずり込む。まるで悪戯する子供みたいに半分眠そうに、楽しそうに。

そんなフェイトちゃんに、私は泣きそうになっている事に気付かれたくなくて、引きずり込まれるままにフェイトちゃんの腕の中で目を閉じた。




──── 沢山辛い思いをした貴女が。優しい貴女が。幸せでありますように。










































肩口に啄ばむような触れるだけの口付けに気が付いた。

寝ぼけた頭でその感触をぼんやり感じながら、考えた。さっきから優しく唇を当てられているその場所。どうしてそこにばかり口付けているのか分からないけど、なのはの唇の感触が心地よくて優しくて頬が綻んで。


「ん……?なの、は…?」


悪戯してるのかな、とそう思いかけて そういえば、と思い出す。


少し前に気が付いた、正確には医務室で指摘されたその傷がそう言えばその辺にあったかも知れないと。良く見ないと分からない、本人である私でも気が付かなかったその古傷。それは昔、プレシア母さんに鞭打たれた傷だった。


なのはも、気付いちゃったか。


その頃には意識もだんだん覚醒し始めて、なのはに見えないように少しだけ困ったように苦笑した。ただでさえ私の事を想ってくれるなのはだから。どんな顔をしてるのか容易に想像できる。だけど気づかないふりをした。


「くすぐったい……なぁに?どうしたの?」
「ん。何でもない…。」


私に声を掛けられて、なのははもう一度だけその場所にキスをして、その行為を止めにした。そんななのはの手を取って、少しだけ寝ぼけたように装って。


「もうちょっとだけ寝よう?」


悪戯する子供のようになのはをベッドの中、私の腕の中に引き込む。大人しく引き込まれたなのはは「もう」と小さく文句を言うけれど、抵抗もせず私の腕の中でそのまま目を閉じた。そんな閉じた瞳の端に、ほんの少し光るものを見つけて、私はちょっとだけ複雑な気持ちにる。泣かせちゃったかな、と。


きっとなのはの事だから。私の事を考えたんだろう。当時の幼い私の事。事件の事。そんなに泣かなくても、私はもう大丈夫なのに。なのはに会えたから。


瞳の端に光る涙を拭うように。私はなのはの瞼にそっと口付けた。




──── 私に沢山の幸せをくれた君に、今度は私が、少しでも幸せをあげられますように。























FIN




Just for you. (ただ あなたの為だけに)


フェイトちゃんを愛し慈しんでるなのはちゃんの優しさが好きです。

フェイトちゃんの事を想って、幼い日のフェイトちゃんの事を悲しんで、もっと早く助けてあげたかった、とかそんな事を考えて。でもそんな自分の考え?っていうの?過去を悔いている事をフェイトちゃんに気づかせたくない、っていうなのはちゃんは毅然と振舞うんですよ。「おはよう」って笑って。それって凄く深い愛情なんだと思います。

フェイトちゃんだってそれと同等、もしくはそれ以上になのはちゃんを想ってるんです。自分を慈しんで愛してくれるなのはちゃんの為なら、本当に躊躇なく全てを差し出せるくらい。だから、なのはちゃんが自分の事で泣いてる事に気がついていてもなのはちゃんが気付かれたくないって思っているのを分かってるから何も言わない。気付かないはずがないんです。それでも気づかない振りをしながら、それを全部包み込んで拭ってあげるんですよ。

そんなんだったら良いな、と。








なーんて、久々に真面目に後書きなんて書いてしまった(笑)

改めましてあけましておめでとうございます。年始には正月っぽい物書こうと思ったんですが、どうしてもこの話を考えたら吐き出したくなってしまいました。2013年のスタートを切るSSが、少しでも優しくて温かい物に仕上がってたら良いなと思います。まぁ、正月ものはきっともっと素晴らしいSS書きさんがやってくださると思いますので。←

どうしてもパロ物を書いているとなのフェイから少し離れてしまう気がして、短編ものをちまちま入れていこうかと。そんな稚拙なSSばかりな当ブログではございますが2013年もどうぞ宜しくお願いしますm(_ _)m





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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