さるべーじしたった

駄作ですんませ⊂⌒〜⊃。д。)⊃

追記から
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────ピピピピ、という軽快な音。1日の始まりを告げる音。


もそり、


毛布の中の暗がりの中で寝返りを打って、手を伸ばす。その音の方向へ。毎日同じ時間に同じ音を繰り返し響かせるその音を、カチリというボタンを押す音で止めて、私はそのままもう一度腕を毛布の中に沈めて、息を吐いた。

私の名前は、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。普通ならば高校に通う、極めて健全な17歳。普通だったらもう学校に着いてる時間。だけど私が居るのは自分の部屋の中。そこは温かくて静かで、私にとって、安全な場所だった。


もそり、


布団をまくって、体を起こす。空調で快適に保たれた温度。高校生の癖に1人暮らしなんてしている私は家族が居ない。

いや、少し違うかな?数年前に養子に入ったから、面倒を見てくれる人は居る。とても親切で優しい義母と、義兄が。

産みの親である母が亡くなって、私に結構な遺産を残してくれているおかげで、一応金銭面での心配もなく快適な生活。ついでに言うなら学校なんて行く必要はないくらいの教養は持ち合わせている。

ぼさぼさの髪を特に気にも留めず、部屋にあるパソコンの電源を入れた。起動を待つ間にコーヒーをおとして、マグカップを片手にパソコンの前に腰かけると同時に。


ピンポン、と軽快な音。


その音にびくりと肩が跳ね上がった。心臓が圧迫されるような不快感、それから胃がじりじりと削られるような不快感。途端に、まるで病気でも患っているような気になる。それもこれも、長年積み上げてきたトラウマのようなもののせいだ。

妙に汗をかいて、恐る恐る。マグカップをテーブルに置いたまま、一歩一歩玄関先に進んだ。裸足で歩く床が、いつもなら心地いいのにどうも気持ち悪い。背中を伝う汗が気持ち悪い。


────ピン、ポン


もう一度遠慮なく押されたドアホンに再び肩が跳ねて、音を立てずに玄関に向かった。音を立てなければ扉の向こうに人が居たとして、居留守を使えるから。粗方セールとかそう言うのに決まってるんだ。玄関先に置いてあった伊達眼鏡を掛けて、ドアの覗き穴を恐る恐る覗き見る。


義母さんだろうか?いや、それなら前もって連絡をくれるはず。どうしようどうしようどうしよう。


ゆっくりと。片目を閉じて覗き見た先に居たのは女の人だった。そこで思わず心臓がひゅんとして、身をドアから離した。


セールスかな?どうしよう居留守でも使おうか……


だくだくと汗を掻きながら。考えてる間に帰ってくれないかな、と淡い期待を抱いてるそんな拍子に、本日3回目の「ピンポン」が響いた。


「ひ ─── ッ!」


驚いて思わず悲鳴を上げて口を抑える。今の声が聞こえていたらどうしよう。聞こえたに違いないアウトだ。ぐるぐると考えて、肩を落として、私はチェーンだけは外さずに、ドアを開けた。


「こんにちは、フェイトちゃん。」
「──── 誰、ですか?」


ドアを開けた先に立っていた女の子。同い年くらいのその女の子は、綺麗な蒼い瞳を私へと向けて、にこりと微笑んだのだった。




























「ふぇぇっ?何で私が?」
「あら一緒の学校の子なんだし、良いじゃない。」
「そ、それはそうだけど。」


1年に渡る海外留学を経て帰国した私は、急にお母さんのお友達の子を「友達になってあげてね」と紹介された。いや、ちょっと違うかな?その子にはどうやら心に傷があるらしく、兎に角凄く怖がりらしい。何が怖いんだか分からないけど。

とにかくそう言う経緯があって友達が居ないとか。いや、ちょっと違うかな?モテるらしくそのせいで友達がいないとか。正直それが何?って思ったけれど。話はそこじゃないみたいで。どうやら何かの恐怖心から学校に行かなくなったとか。兎に角そんな情報をいっぺんに頭に入れられたせいで、理解できたのはその程度。

ともあれ頼まれたものは仕方ないので、私はその翌日その子が1人暮らしをしているその家にお邪魔することにしたのでした。













「───…えっと、急に来てごめんね?」
「あ、大丈夫……です。」


それから家に来て、少し長い経緯があってようやく部屋に入れて貰えた私は軽く部屋の中を見渡してみる。特に変わったところも見られない。読書が好きなのか、部屋にはたくさんの本が置いてあった。少し難しそうな本から面白そうな本まで。


「えっと、コーヒーで、良い…かな?」


くしゃくしゃに乱れた金髪。それから黒縁の眼鏡をかけたフェイトちゃんは少しだけ怯えたような雰囲気で、私は何とも言えず苦笑を浮かべたのだった。


「うん。ありがとう。」


それからコーヒーを淹れてくれて、ちょっとしたお菓子を用意してくれて。見た感じは普通に良い子なの。気も効いて、大人しくて、特に性格に問題があるとかは思えないんだけどな…。


「えっと、フェイトちゃんは──…、学校には行かないの?」


少しストレートな聞き方だったかもしれないな、なんて反省しながら。それでも性格上真っ直ぐに聞いてしまったものはもう後に引けないので、答えてくれるのを待った。応えてくれない可能性の方が大きいかな、なんて思いながら。


「実は──…」


どうやら話に聞いていた通り。彼女は非常におモテになるらしい。


「え?学校で?女子に?」
「えぇ、あの…恥ずかしい話なんだけど。」
「え?襲われ?えぇっ?だ、大丈夫なの?」
「うん。格闘技習ってたから。相手に怪我はさせたことはないけど段々加減が──…」
「しかも複数回!?」


良く分からない……。だって髪の毛はぼさぼさだし、眼鏡で顔は良く見えないし。……まぁ、体は………なんていうか凄くグラマラスだけど。でもなぁ、引きこもりさんだしなぁ。うーん……。しかし女子に───…?留学してたから感覚がズレちゃったのかなぁ?


「そ、そっか…凄く、大変みたいだね……。」
「私がちゃんとしてないからいけないんだと思うんだけど。」
「1人暮らしで買い物とかどうしてるの?」
「えっと……大体は母さんかクロノ…あ、兄なんだけどね?家族に頼んだり。」


余程トラウマだったのかな──…?


「そ、そっか……あ、じゃあ今から買い物行かない?」
「えっ?!」
「もちろん私も一緒に行くし。たまには外に出ないと体壊しちゃうよ?」
「い、良いのっ?///」


あ、笑うとちょっと可愛いかも。


「もちろん。1人で行くと怖いかもだけど、一緒なら平気だから行こうよ。今なら学校の子も居ないだろうし。」
「じゃあ、出かける準備するまで待っててもらえるかな?」
「うん、良いよ。」


流石に出かけるとなると準備はするんだ。それにしても余程外に出たりしたかったのかな……?凄く嬉しそうだったけど。目の前にあるコーヒーを喉に通しながら、のんびりとフェイトちゃんの準備が終わるのを待つ。最初は不安だったけど、話してみると普通の子だし、寧ろ良い子だと思う。もしかしたら私が一緒だったりしたら学校に行けるんじゃ──…?


「お待たせ……。」


それから少しして、「待たせてごめんね」という声と共にフェイトちゃんが戻って来た。


「それじゃ、出かけよ───… はっ?!」
「えっ?」


振り向いた拍子に、奇声が漏れて口を押える。振り向いた先に立っていたのは美人で、王子で、ああ、そう言う事か───…!そりゃ、押し倒されたりもするよ!

さっきまでくしゃくしゃだった金髪は綺麗に整えられてサラサラで。眼鏡で隠されていた瞳は紅く神秘的な色。顔は言うまでもなく美人。ついでにグラマラス。でも王子様のような雰囲気を醸し出していて。


「も、もしかして変な格好だったかな?」
「全然変じゃないです……。」


なるほどようやく納得がいったの。そう言えば私がこれから通う事になる学校は、フェイトちゃんが今通っている学校は、確か女子高だったっけ。まぁ確かに、抱かれたい女性ナンバー1くらいにはなりそうな容姿だし。うん。


「フェイトちゃんが襲われそうになる理由、なんか分かる気がする…。」
「な、なんで?」


それとどうやらヘタレのようだった。私の言葉に、瞳に涙を浮かべたフェイトちゃんは、正直かなり弱そうだ。格闘技習っててもギリギリまで使えなそう。これは、確かに女の子がきゃあきゃあ騒ぐだろうな。その上多分女の子に優しいんだろう。立ち振る舞いからしてフェミニストだとも思うし。


「おどおどしてるとかえって危ないよ?」
「えぇっ?」
「───…あんまり離れないでね?」


とりあえず今にも泣きそうなその王子に、私は近くに置いてあるどうやら伊達っぽい眼鏡を掛けさせた。

















FIN





昔、泣き虫な男の子の画像見てなんか書いたっぽいSSを発見したので、ちょっと修正してみた。

泣き虫王子って結構好き。女の子に守られてるへたれ可愛いです。




テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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