無題3

(ӦωӦ)あー。要望が多いので週末くらいに素敵な恋は奴隷から、いけるとよいなー。

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かさり、と外で物音。私は手にしていたペンを机の上に静かに転がして、それから少し億劫に思いながら立ち上がった。向かうのは外、あの子の所だ。縁側から外を覗くと地面にしゃがみ込んで猫を撫でまわしている姿が見えた。


「────君。」


こほん、と咳払いしてから呼びかけると肩をビクリと震えさせて、それから恐る恐る私の方を見る。真っ直ぐに見られて今さらながらに綺麗な瞳だなと気が付いた。どうやらなのはは私に怒られるとでも思ったのだろう少しだけ俯いていて。

そこまであからさまに怯えられると私だって怒るに怒れないじゃないか……。


「えーと、家には勝手に上がるなって、言ったよね?」
「……ごめん、なさい。」


溜息交じりに頭を掻きながらそう言うと、小さい方が少しだけ落ちた。これじゃ何だか私が子供を虐めてるみたいな気がしてきた。いや、約束を破ったのはこの子だけど。別に怒るつもりで名前を呼んだわけじゃないのに、うーん、なんて考えて。


「いや、まぁ……良いんだけど。助かったし。……ごちそう様。」


美味しかったよ、と小さく言うと、なのはは蒼い瞳を少しだけ大きく見開いて瞬き。それから少しだけ頬を染めて微笑した。褒められて喜ぶ子供みたいな顔。そういえばこの子が笑ったところは初めて見た気がする。へぇ、やっぱり何だかんだいて子供なんだなぁ…。


「あの、フェイトさんは──…」
「うん?」


おずおずと小さく開かれる唇。そういえばこの子と話すのって初めて会ったとき以来だろうか?っていうかなんで名前知ってるんだろこの子。


「……名前、言ったっけ?」


別に怪しんだわけじゃないけどさらりと疑問が口に出て、私の言葉になのはは慌てたようにふるふると首を振った。


「昨日、はやてさんが教えてくれました。あの、小説家さんだって。」
「あー…はやて。うん、はやてね。なるほど。」


他に変な情報教えてないだろうな、はやて。


「気に障ったら、ごめんなさい。」
「ん?良いよ…別に。それで、何聞こうとしたの?」
「お邪魔ー!!!」


さっき。と言う私の言葉を遮るようにして。


「はやてさん、こんにちは。」
「何しに来たの?はやて。」


ドタドタと走って来たのははやてだった。毎度のことながら勝手に人の家に侵入するのは如何なものかと思うけど、それも今さらなのでもう何も言わなくなった。だけど大声だすのは辞めて欲しいかな。


「なんや、フェイトちゃんは冷たいなぁ。そんなん会いに来たに決まってるやろー?第一夫人として。」
「………はやてさんは、フェイトさんの奥さんなんですか?」
「はやての言う事はまともに聞かなくて良いよ。」


子供は鵜呑みにするから恐ろしい。というか変な冗談をさらっというはやてが恐ろしい。


「なのはちゃんは素直で可愛いなぁー。嫁に欲しいくらいやわー!」


なのはは、ぎゅむぎゅむと頬ずりするはやてに少しだけ怯えた様子だった。


「───それで?何しに来たのさ?」
「うん?いや、アリサちゃんとすずかちゃんがこっち寄るって聞いたんで私も来たんよ。」


……私は一言も聞いてないけど。というか私の家を集会所みたいにするのやめてくれないかな。


「なのはちゃんも、今日は私らと一緒に晩ご飯食べような?」
「えっ…でも……」
「それともお父さんお母さんが心配するか?」


私を余所に勝手に進む話。もう勝手にしてくれと私は縁側に腰掛けた。もうすぐ夕方。ここの所なのはは毎日遅くまで猫の世話をしてるけど、親が心配するんじゃないだろうか、なんて考えがようやく沸いた。今までは全くなのはという子の事を考えてなかったから
、少しだけその辺を反省して。うっかりすると近所の人に誤解されかねない。その辺を気を付けなくちゃ…。

なんて私の考えを余所に、なのはははやての言葉に少しだけ困ったように笑った。


「えっと、大丈夫です。」


この大丈夫、という言葉に含まれてるのは多分「心配してないから」という意味だろう。少し複雑な事情のある家なんだろうか?私の知ったことじゃないけど。


「じゃあ、今晩はご飯一緒しようかー♪なのはちゃん、料理とか出来るかー?」


なのはの苦笑から何か悟ったのか、はやてはそれ以上の事は何も言わずなのはを夕飯に誘った。はやては子供好きだからなぁ、なんてぼんやり思いながら見てると、おずおずとなのはがこっちを見ていた。


「………好きにしなよ。」


なんでこんなことになったかな、一体。私の許可を得た事でなのはは嬉しそうに笑って「ありがとうございます」と頭を下げたのだった。


「なのはちゃんは礼儀正しいなぁ。──あ、私の事はさん付けなんてせんでええよ?」


呼ぶときは「はやてちゃん」や。なんて親指たてて笑うはやてが胡散臭くて。なんだかすっかり仲良しになったらしいはやてとなのはは2人連れ立って夕飯の買い出しに一緒に行く始末。

帰ってくる頃にはなのはの敬語が外れていていよいよ本格的に仲良しになっていた。ついでに言うならなのはは良く話すようになったし笑うようになった。私には敬語で、私の前ではまだ緊張しているみたいだったけど。



それから暫くしてアリサとすずかがやって来た。ちなみにすずかが無類の猫好きで、私の家に猫が居ることに喜んだのは言うまでもない。ついでに私が部屋で1人仕事をしている間にアリサもすずかもすっかりなのはに打ち解けていて、私だけが置いてけぼりな感じを受けた。皆ここが私の家だと分かってるのかな…?

大体ただ猫をここで飼いたいと言っただけの子供を家に上げて、あまつさえいつの間にかフレンドリーな空気を出してる皆も皆だ。許可したのは自分だけど、失敗したなって、いつもより少し賑やかな食卓を挟んでそう思った。


「………作りすぎじゃない?」
「あんたは何もしてないんだから黙って感謝して食べなさい。」


ここは私の家だぞ。


「あ、ねぇすずか。」
「なぁに?」


アリサの言葉を無視して私は目の前に広がる食事に箸を伸ばして、それからアリサの隣に座るすずかに呼びかけた。ちなみにすずかも私の親友だ。すずかを呼んだ後、視線をなのはに向けて、それからもう一度すずかに戻す。


「あの猫、すずかの家で飼えないかな?」


他人の家の庭で子供が面倒を見るよりよっぽど良いだろう。なのはからすると酷い事を言う大人に見えるかもしれない。だけど常識的に考えて、あの猫はすずかが飼った方が良い。子供だからその内飽きるだろうと思ってたけど、この子はきっと飽きずに毎日ここに来る。それじゃあ、何となく良くない気がする。この子の為にも。そう思って言ったことで。


「えっと、いっぱい飼ってるし一匹くらい増えても良いけど……」
「じゃああの猫引き取っ──」
「駄目です!」
「え?」


引き取ってよ、という言葉はなのはの言葉に遮られた。まだ大した話した事もない子なのにこんなに大声をあげるなんて少し珍しいと思った。それにしても私にだけ敬語なのか。別にどうでも良いけど。


「あの猫は私が面倒見ますっ」


泣きそうな顔で。顔を上げた拍子に、ツインテールに縛った亜麻色の髪がぴょん、と跳ねた。


「え、で…でもなのは。学生で、ましてや子供の君が毎日ここに来るのは負担でしょう?」


宿題だってあるだろうし、と続ける。本当は家の縁側に座って宿題をやっているのは知っているけど。


「義務だと思って続けてるなら、誰か協力してくれる人を探すべきだよ。そうしたら毎日ここに来る必要だってなくなるんだから。」


なるべく優しくそう声を掛けた。ちなみに3人の親友からはやや非難染みた視線を感じるが無視を決め込む。なのはは少しだけ泣きそうな顔で涙をこらえているみたい。子供はすぐ泣くから嫌なんだ。


「────…です。」


どうしたもんかと息を吐いた時、ずっと黙って俯いていたなのはが小さく呟いた。怒られるとでも思っているのか、ほんの少しだけ震えたような声で。


「なに?」


聞き取れなくてもう一度問いかけた私に。


「ここに、来たいです。」


ちょっとだけしょんぼりした様子でそういうなのははテーブルの下、膝の上で手を小さく握ってそう呟いた。ここに来たいって、こんな辺鄙なところに何で……。っていうかそもそも家に帰りなさいよ。よっぽど複雑な事情でもあるのか?

そんな疑問に。ちくりと思い出したのは、幼い頃の自分の事。


「もっと他に行くところあるでしょ…何もこんな赤の他人の家に来なくても……大体どうしてこんな何も無いような私の家に───」


あぁ、もう面倒臭いな。とお酒を口に運んで流し込む。
そんな私に真っ直ぐ青い瞳を向けたまま。


「ふぇ、フェイトさんの事が好きなんだと思います…。 私。」
「─────ぶはッ!!!」


ぽそぽそと。子供の癖にいっちょ前に顔を赤くして。
食卓で、なのはが口にしたのはとんでもない言葉だった。























なのはちゃんがフェイトさん呼びだと凄く違和感あるネ(ӦωӦ)だんだんほぐれていくと良いなぁ。




テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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