無題4

おかしいな…いつまで続くんやこれ。

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くるくると、ボールペンを指の上で滑らせて。数秒間無心になって、それから目の前に広がる原稿用紙をくしゃくしゃと丸めて自分の後ろに投げ捨てた。


「───…はぁー……」


それにしても参ったな。と息を吐く。


『フェイトさんの事が好きなんだと思います…。 私。』


子供の癖に何色気づいた事を言ってるんだか。

数日前に食卓を挟んで言われたことを思い出して、また息を吐いた。結局あのなのはの発言を有耶無耶にして無視してしまって、はや数日。すっかりなのはがこの家で過ごすことに慣れてしまった。あれ以来その話に触れることもない。まぁ、蒸し返すつもりもないし、このまま放っておくのがベストだろうな。なんて思いながら。


不意に、鼻腔を擽る良い香りに何とも言えない気持ちになった。美味しそうな香り。


「………はぁ。」


結局あれ以来、何故かはやてがなのはに「お願い」をして。なのははその「お願い」を忠実に守っているわけだ。


『なのはちゃん、フェイトちゃんの面倒お願いしてもえぇか?』


私の身の回りの世話を小学生に頼むなんてはやても重症だ。っていうかそれをちゃっかり聞いちゃってるあの子もあの子だし、何も突っ込まないアリサもすずかも変。面倒臭くなって為すがままにしてる私もおかしい。


───こんこん。


「フェイトさん、そろそろご飯…出来ますけど……。」


控えめなノックの後に、控えめな声かけ。いくらはやてが仕向けたこととはいえ、小学生にご飯作って貰ってる私って何なんだろう、とは思うけどそれ以上は考えるのが面倒くさくて。


「あ、うん。」


結局私は面倒臭い事を有耶無耶にして、なるように任せて過ごす。なのはの家の事を、少し前にはやてが調べて教えてくれた。どうやらなのはの家は少し複雑な事情があるらしい。父親が入院中で、母親がつきっきりで看病してるとか。それから自分の家で店をやっていて、年の離れた兄姉が切り盛りしてるとか。まぁつまり、家では1人になってしまうという事だ。

そんな事情に、私はなのはを少しだけ昔の自分と重ねてしまったんだろう。同情にもにた気持ち。





「───…いただきます。」


それからなのはと2人で食卓を囲んで夕飯にした。最初は違和感があって仕方なかったけど数日したらあんまり深く考えないようになった。


「なのは。」
「は、はいっ」


小学生が作る料理にしてはなんていうか普通に美味しい。そんな料理を口にしながら話しかけるとなのはが姿勢を正した。相変わらず私と話すときはまだ緊張気味みたい。


「………あー、学校…楽しい?」
「はい。」


何を聞いてるんだ私は。これじゃ親みたいじゃないか。私の問いかけに一瞬きょとんとした顔をしたなのはだったけど、首を縦に振って、それから少しだけ嬉しそうに微笑んだ。私って昔から子供があんまり好きじゃなくて、だからはやてみたいに会話が弾まなくて、その事に気を揉む事すら面倒くさく思って小さく息を吐く。


「あの。フェイトさん。」
「うん?」


食卓に並んだおかずに箸を伸ばして口に放り込んで。ずっとコンビニとかのご飯で毎日過ごしてた時に比べたら、食生活は酷く良くなったなーなんて思いながら視線を向ける。けど、視線の先のなのははあまり食事が進んでないみたいだった。何か悩みでもあるんだろうか?黙って続きを促すと、なのはは意を決したように箸を握ったまま。


「フェイトさんの好みってどういう人ですか?」


とても真っ直ぐな表情で、真剣にそんな事を問うわけで。


「はぁ?」


思わずそんな声が出たのは言うまでもない。先日の話を蒸し返す気だろうか。ちょっと待って欲しい。不意打ち過ぎて味噌汁をひっくり返しそうになった。


「この前言ったこと、私本気ですからっ…!」


テーブルの席に着いたら足がぶらぶらするくらいの子供の癖に。いっちょまえにそんな顔でそんな事。


「あ、あのね……なのは。」


大体出逢ってまだ数日でしょうが。


「好きって意味、分かってる?」


頭痛を感じながら、そう聞いた。何が嬉しくて小学生とこんな話を…。そう問う私に向かってなのはは静かに頷くと小さく口を開く。その頬が少し赤いのには気付かないふりをした。


「ここに来るようになって、フェイトさんとちょっとでもお話しできるのが嬉しいです。」


子供の癖に大人びた言葉づかいと表情。とても子供だからって笑い飛ばせるような雰囲気じゃなくて背中に冷や汗が走った。


「はやてちゃんとかアリサちゃんとかすずかちゃんとか、皆の事は好きだけど…フェイトさんと仲良くしてるのはちょっと嫌です。」


更に続けて、きゅ、と膝の上で手を握ってそんな風に言うわけで。いやいや、待って欲しい。色々と待って欲しい。子供って怖い。ストレートすぎる。


「ちょっ、ちょっと待った。」


かちゃりと箸を置いて。それから小さく息を吐いた。子供相手に何焦ってるんだろう、阿呆じゃあるまいか。私としたことが。真面目にとらえるから悪いんだ、こういうのは。

ふぅ、ともう一度息を吐いて。


「なのはが大人になったら考えてあげる。」


それからお得意の適当なスマイルでそう返す。ずるい大人の笑顔。

この場合適当にあしらった、というのが正しい表現かな。考えるも何も、子供っていうのは好きな人だのなんだのってすぐころころ変わるし。来週、或いは来月には別に好きな人が出来てるかもしれないし、そもそもここには来ないかもしれない。そう思ってそう適当にあしらった私に。


「はいっ…!//」


ありがとうございます、なんて。

なのははほんの少し頬を染めて、笑顔を浮かべて言ったのだった。嬉しかったのかなんだか分からないけれど、そんな表情を見て。やっぱり単純な子供だな、なんて。この時の私ははまだそう思っていたのだった。





















ヽ(^o^)ノ≡


そろそろあいつが出て来るyo(`・ω・´)!



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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