実はそのSSには続きがあってのぅ

(要望が多かったので)サービスサービスゥ(∫°ਊ°)∫~♡


みたいな?

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ゴツン、という衝撃で目の前に星が飛んだ。


「………痛…。」


次いで、響いた音に寄せられる視線。その視線の多さに、少しだけ恥ずかしくなってそそくさとその場を後にした。よそ見をしていたせいでもあり、変な考え事をしていた所為でもある。よりによって人があんなに居る場所で、壁にぶつかるなんて。


「大丈夫ですか?フェイトさん。」
「……うん。ちょっと、考え事してて。」


ぶつけた額を撫でながらそう苦笑すると、補佐官であるシャーリーは「疲れてるんじゃないですか?」と一言。


「そういう、わけじゃないんだけど……。」


考えていたのは、あの日の事。あの日のなのはとのことだ。なのはを悩ませていたストーカーを何とかしようとして恋人の振りをしていた時の事。あれ以来すっかり姿を見せなくなったという事で、元通りの日常には戻ったけれど、前よりはなのはに会う機会が多くなった。その点に関してはちょっとだけ嬉しい。

いや、そうじゃなくて。

隣で少しだけ怪訝な顔をしているシャーリーにちょっとだけ苦笑を浮かべた。


「そういえばこの間頼んだリストってもう出来てる……?」
「それなら机の上に置いておきましたよ。……ただ、膨大な数なので、見るのは少し骨が折れると思いますけど…。」
「もう出してくれたの?──…ありがとう。」
「手伝いましょうか?」
「うぅん、あれは私の個人的な調べものだから気にしないで。」
「そうですか。じゃあ、私はちょっと資料を取りに行ってきますのでフェイトさんは先に執務室に行っててください。」
「うん。」


優秀な補佐官の背中を見送って、それから自分の仕事部屋へと歩を進める。

歩き始めて角を曲がって、通路で見かけた人物の姿にとくん、と胸が跳ねた。視線の先で跳ねる長い亜麻色の髪。自分へと向けられる蒼い瞳。



「あ、フェイトちゃん…。」


ちょっとだけ嬉しそうに緩められる表情。普段なら別に変に意識したりしないのに。


「なのは、こんな所で何してるの?」
「今日はちょっと書類取りに来たんだ。」
「へぇ、そうなんだ…。この辺通るなんて珍しいね。」
「私ともう1人、少し前に教導隊に入った人が居るからちょっと案内ついでに。」


えへへ、と笑うなのはは何だか子供みたいで可愛かった。それから少しだけ他愛もない話をして、「あ」と小さく言うなのはは。


「でもフラフラしてると怒られちゃうかな……。」


そう言って「またね」と切り出して。


「あ、ちょっと待って!」


慌てたように背中を向けるなのはに、思わず手が伸びそうになって慌てて引っ込めてそれから呼び止めた。はたから見たら少し挙動不審なその動きは、なのはには見られていない。きょとんとした顔で振り向いたなのはにちょっとだけ困って苦笑して。


「今日もし時間あったら夕飯でも」


と誘うその言葉を言い終える前に。なのはは少しだけ頬を染めて、「良いよ」と微笑んだのだった。それからなのはを見送って通路に立ち尽くす私は、小さく息を吐いた。

伸ばしかけた手を見て、再び息を吐いた。なのはを、咄嗟とはいえ、振りとはいえ抱きしめてしまった感触が消えなくて。思ってたよりも小さくて華奢な身体だとか、そういうもの。腰元に手を伸ばされた時はどうしようかと思った。

それから、甘い香り。


「…………じゃなくて…。///」


慌てて意識を振り払って両手で頬を叩いてみた。きっと顔が赤くなってるに違いない。あの日から湧いた気持ち。収集のつかない事になってしまいそうで、もう一度小さく息を吐いた。


「シャーリーが持ってきてくれたリスト、確認しなくちゃ。」


どうやら私は、なのはのことが好きらしい。それも相当。一度意識してしまったら、もうどうしようもない。どうして良いか分からない感情。


苦悩が増えた瞬間だった。






























フェイトちゃんに恋人の振りをしてもらってから。油断しすぎなのかもしれないけど、後を追ってくるような気配を感じることもなく、ストーカー(だとは思ってないけど)はすっかりいなくなってくれたみたいで、私はいつも通りの日々を過ごしていた。

フェイトちゃんとは前より会う機会が増えたから嬉しいんだけど、フェイトちゃんに会う度に、あの日の事を思い出して、何だか視線の置き場に困ってしまう。恋人の振りをするために咄嗟に抱きしめられた時の事。

あれ以来、特に変わったところはないけどフェイトちゃんは何とも思わなかったのかな?私だけが変に意識してるんだとしたら少し恥ずかしいので黙っておこう。


「フェイトちゃんとご飯かぁ……。」


先ほどした約束を思い出して、どうせなら明日はオフだからフェイトちゃんの家に泊まりに行こうかな、なんて計画を立てて。仕事を終えて帰ろうとした矢先に、室内へとやって来た人の気配に気が付いた。


「あれ?忘れ物?」


やって来たのは最近教導隊に入った新人の子で、既に帰ったはずなのに、とちょっとだけ首を捻る。そんな私に「違います」と苦笑して。


「じゃあ」


何?なんて聞こうとして。手首を掴まれて顔を顰めた。体のバランスが崩れて机にぶつかってガタンと揺れて。


「数日前フェイト執務官と抱き合ってるのを見たんですが」
「え?」
「二人は恋人同士なんですか?」
「そ、そんな事───…」


そこまで言ってはっとした。抱き合ってるっていうのはつまり数日前のあの日の事で。あの日、あの場所にいたのは私とフェイトちゃんと、もう一人。


「もしかして私の事追いかけてたのって──…」


目の前のその新人と視線が絡んで鳥肌が立った。恐怖心。教導や、前線で感じる物とは違った恐怖感と不安感。だけど私だってそれなりに訓練だってしている身で。男女間に力の差があるとはいえそうそう負けるつもりは無かったけど、掴まれたままの腕を振り払っても相手はびくともしなかった。


『なのはは少しガードが甘いんだから』


数日前にフェイトちゃんに言われた言葉を思い出した。フェイトちゃんにも注意されてたのに、と小さく唇を噛む私に。


「どうなんですか?」
「………ッ……」


ぐんと近づく距離。吐息が掛かりそうなその距離に思わず顔を背けた。後ろには机。後ずさる事も出来なくて、何より掴まれている腕が痛くて。


「そんなの」
「───だったら何?」


貴方には関係ない。そう言うつもりだった言葉は、別の人物の言葉にかき消された。


「っ!!!」


思わず跳ね退いたストーカーだった新人の子の肩越しに、眉間に皺を寄せたフェイトちゃんの姿。さっきまでの恐怖心は、初めて見るようなフェイトちゃんの表情ですっかり消えた。穏やかで、いつも優しい彼女の初めて見るような表情。


「な、……ふぇ、フェイトちゃん?」


どうしてここに?いつもならまだ仕事をしてる時間なのに。と。


「あの日。」


コツコツ、と歩を縮めて硬直している目の前のストーカーの腕を易々と捻り上げて。フェイトちゃんは少しだけ穏やかに呟いた。


「教導隊局員のリストを借りて、あの時追って来てた人物の姿の特徴とか色々調べてみたんだ。」


そう言えば思い出す。私の位置からは後ろは見えなかったけどフェイトちゃんには見えてたんだっけ。それにしても教導隊のリストってどれだけの人数見たんだろう。ちゃんと調べててくれたなんて。仕事が出来過ぎる。


「そうしたら、背格好が近い人物でつい最近教導隊に配属された人物がいてね。よくよく調べてみたらなのはがストーカー被害にあい始めた時期と君が配属されてきた時期が重なってた。」


別にそれだけで疑ってたわけじゃないけど、と小さく息を吐いて。


「なんとなく不安になって来てみたら……。」


ぐい、と捻り上げていた腕をさらに捻って、後ろ首の襟を掴んで、その人を軽く突き飛ばして、フェイトちゃんは私に背を向けて、目の前に立つ。


「私は人の恋愛に口を挟んだりするつもりは無いし、力で人を傷付けたりするのはあまり好きじゃないけど」


でも。と続けて。


「今みたいになのはに何かするのは許さない。」


フェイトちゃんにしては珍しく平坦な声音。手にはバルディッシュを強く握って、威嚇するように光らせた。


「私は君が彼女に何をしようとしたのかも知らないし、どうしたいのかも分からないけど」


静かに息を吐いてから、


「酷い目にあいたくなかったら、二度としないで。」


ちょっとだけ低い声で、フェイトちゃんはそう続けた。そこまで聞くと新人であるその子は無言で何度も首を縦に振って、泣きそうな顔で格好悪く部屋を逃げていく。私が何か言う暇もないくらいに早く。フェイトちゃんがよっぽど怖かったのかな…?

バタバタと腰を抜かしたような格好で駆けていったのをフェイトちゃんの背中越しに見送って。私は小さく安堵の息を吐いた。安堵と同時に沸いてきたのは、熱だった。主に顔中心に。多分、……絶対、顔が赤い。不謹慎だとも思うけど、助けに来てくれたフェイトちゃんが格好良かった。普段は穏やかなフェイトちゃんがあんなに怒ってくれたことも嬉しかった。いや、もう…本当に不謹慎なんだけど。


「………全く…」


大体なのはは、なんて少し怒り気味のフェイトちゃんが説教を始めようとした所で顔を見られたくなくて私は咄嗟にフェイトちゃんの制服の背の部分を両手で掴む。縋るように、身動きできないように額をごつんとぶつけて顔を埋めるようにして。


「なの」


驚いたフェイトちゃんの背中が跳ねて、それから何か言おうとしたけどフェイトちゃんは何も言わずに言葉を飲み込んだのが分かった。


どうしよう。

助けに来てくれた姿が格好良かった。助けに来てくれたことが嬉しかった。騒ぎが収まった後の部屋は静か過ぎて、自分の心臓の音が凄く大きく聞こえた。


どうしよう。


「ふぇいと、ちゃん。」


顔が熱い。フェイトちゃんの背中が心地良い。








「私 ね、フェイトちゃんが──────…」














静寂の中に、ほんのちょっと震えたような自分の声が響いた。












「──────── 好き。」











それから覚えているのは、私が紡ぐその先の言葉に振り向いたフェイトちゃんの顔が酷く情けない顔だった事と、私と同じくらいか、それ以上に真っ赤だったこと。














FIN



なんつって。








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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