ただのなのフェイ

オチ考えないでずるずる書いた結果こうなりました(´・ω`・)
ようやくの更新なのになんかあれ。ごめんね(^p^)

web拍手 by FC2












「────ねぇ、はやてちゃん。」


冬が終わって、すっかり気温も上がって心地よい風が吹く午後。午前中の教導を終えて、少し時間に余裕が出来た私ははやてちゃんとちょっとだけ待ち合わせをしてのんびりお茶を飲んでいた。


「なんよ?」


カップにコーヒーを注いで静かに目の前に置いたはやてちゃんはやれやれと少しだけ息を吐いて、私の目の前のソファーに腰かけた。ちょっとだけ言い淀む私に「話があるんやろ?」と笑って。


「フェイトちゃんってさ」
「ん?」


それから私はちょっとだけ苦笑して、続けた。


「どうして私と付き合ってるのかな…?」


最近気になりだした事。気にし始めたらそればっかり考えていて、ずっと答えが出せなくて。だけど本人に聞けるはずなんてなくて。ちょっとだけ唇を尖らせた私を見て、はやてちゃんはだいぶ拍子抜けしたような顔をして、それから大きく息を吐いて急に姿勢を崩した。ソファーの背もたれに体を投げ出して「はぁー」と溜息。


「なんや?惚気か…?忙しい合間を縫って、惚気か?」
「ち、違うったら!!!」


ちゃんと最後まで聞いて欲しい。私には深刻なんだから。


「あー、まぁえぇけど。なんでまた。」


そんな質問。とコーヒーを口に運ぶはやてちゃんに。私もつられるように口を付けて、それから口を開く。ここ最近、ずっと思っていた事。それは恋人であるフェイトちゃんの事で。フェイトちゃんと恋人同士という関係になったのは半年くらい前。ずっとフェイトちゃんに恋してて、それがようやく叶ってもちろん幸せの真っただ中、という私だったんだけど。


「フェイトちゃんってね。」
「うん?」


フェイトちゃんの事ばかり考えてしまうのは、多分今日久しぶりに彼女が帰ってくるからだろう。あと数時間。何週間ぶりに会うだろう。フェイトちゃんも、私の事を考えてくれたりすること、あるのかな?

小さく息を吐いて、コーヒーカップをテーブルに置いた。


「あんまり、好き とかそういうの言ってくれないから。」


告白したのは私。その時は「私も好き」と言ってくれたけど。それから半年。相変わらず彼女は私の隣にいてくれて、優しくしてくれて大切にしてくれる。けど。


「あんまりホイホイ言われても有難みないんやないの?」
「それは、そうかもだけど。」


我儘だって、欲張りだって分かってるけど。最初は隣にいれるだけで嬉しかったのに、だんだん欲張りになる自分が居て。


「もしかして。」
「ふぇ?」
「まさかキスもしてないとか───…」


まさかな。なんて笑うはやてちゃん。実はそのまさかで、それが私の不安を煽る要因でもあるわけで。黙っている私に、はやてちゃんは「うわ」と小さく声を漏らした。


「………でも、フェイトちゃん奥手やし。」


なんとなく分かるわ、と続けて。


「別にそういうのを望んでるわけじゃ、ないんだけど……。」


好きだったら触れたいって思うんじゃないのかな、とか。私ばっかり好きなんじゃないのかな、とか不安になるのが恋心…といいますか何と言いますか。


「私の目からすれば十分愛されてると思うんやけど。」
「ど、どの辺が──…!?」
「………あー、まぁ、つまりあれやろ?言葉にして欲しい、みたいな。」


平たく言えばそうなのだけど。なんていうか不安になってる自分が馬鹿みたいで、信じてないみたいでそんな自分がちょっとだけ嫌。


「あー、えっと…そうといえば、そうなんだけど。違うと言ったら違うというか…。」
「どっちや。」


多分これは、ただフェイトちゃんに会ってない期間が長かった所為で変な風に考えちゃうだけだ。マイナス思考っていうか。らしくない思考。


「………恋って難しいよね。」
「やめてそんな乙女みたいなこと言わんといて。」
「フェイトちゃんって、結構自分の気持ち出さないから、そういうの分からなくて。」


もちろん他の人よりは分かってるつもりだけど。自分の事をどれくらい好きでいてくれるかなんて分かるはずがないわけで。


「なのはちゃんは案外鈍感さんやからなぁ。───…自分の事に関しては。」
「そうかな…?」
「そうやよ。………まぁ、言葉にされても色々困る事もあるもんやし、そんなに深く考える事ないよ?」


なのはちゃんは十分愛されてる、うんうん。なんて微笑むはやてちゃん。言葉にされて困る事なんてあるのかな…?そんな事、無い気がするけど。そんな風に首を捻りながら、他愛もない(主にフェイトちゃんの話)をして時間を過ごして、私は午後の教導に向かったのでした。


































「────え?」


数週間の航行任務を終えて書類仕事を片付けていた私の傍らで。


「なのはさんに会いに行かなくて良いんですか?」


そんな風に言ったのは、補佐官であるシャーリーだった。隣で書類をまとめながら「だって何週間ぶりですよ?」なんて。もちろん言葉に甘えて良いのなら、会いたい。だって、数週間ぶりだ。


「今日は、もう終わりにしませんか?」


にこりと微笑んで。そう言いながらさっさと書類を片づけ始めたシャーリーは「きっとなのはさん会いたがってるんじゃないですか?」なんて。そんな風に言うわけで。


「………そう、かな?」
「へ?」


こういう長い航行から帰った時は、時々不安になる。明るくて誰からも好かれる太陽みたいなそんな存在だから、いつも周りにはたくさんの人間が居て。だから。


「なのはも、私が居なくて寂しいとか」


そう言う風に思ったりしてくれるんだろうか。なんて。恋人になって半年経つのに不安な事ばかりだ。そんな私の横で。苦笑にも似た笑みが漏れた。笑ったのはシャーリー。


「こういうのって第三者の方が分かりやすいんですかね。」
「え?」
「私から見ると、二人ともこれ以上ないってくらい好き合ってると思うんですけど。」


そんな自覚ありませんか?なんて。


「………私は気持ちを言葉にするのが下手だから、そういう確認とか自覚とかも、あんまり。」
「一度素直に気持ちを言葉にしてみるのも手かもしれませんよ?」
「えっ?…む、無理だよ!///」


思わず書類を手から落としそうになって、慌てて持ち直すその書類を奪い去るようにとって、シャーリーはファイルにパタンと閉じて。


「とりあえず、今日は帰りましょう。フェイトさん航行中全然休んでないじゃないですか。」
「え、う…うん。そう、だね。シャーリーも、今日は休んで。」


何だか含んだような笑みでそう言うシャーリーに、首を縦に振って今日の仕事を終了させた。幸い書類仕事はそんなに溜まってなくて、航行の報告書を書くだけ。これなら明日でも出来るから。それから机の上を片づけて、執務室を後にした。

コツコツ靴音を鳴らして通路を歩く。何だかいつもより随分早く仕事を終えてしまったせいで変な感じ。まだ5時前だ。きっとなのはは仕事中だろうな、なんて。なのはの事を考えていた所為か、さっきシャーリーとあんな話をしたせいか。自然と足が向かっていたのはなのはが仕事をしているであろう教導室。訓練室じゃなくて事務仕事の方。確か夕方はこっちの方にいるはずだから。

そうしてやって来た教導室。覗き込むようにそっと視線を巡らせて。誰も居ない、無人かと思われるそんな静寂の広がる部屋で。視界の端に捕えた亜麻色。私の目がその色を逃すはずなんてなくて、なんとなくドキッと心臓が跳ねた。仕事の邪魔にならないだろうか?誰も居ないから入っても良いだろうか。普段なら誰かが居れば無断で入ったりはしないのだけど、今日だけは止められなくてそっと扉を開けて中へと進む。


「…………なの、は?」


緊張しているのか、やたら早く鼓動する胸を抑えて小さく名前を呼んだ。───けど、返事はなくて。なのはは机に突っ伏すように顔を埋めてピクリとも動かなかった。


「なのは。」


返事の代わりに聞こえた、規則正しい寝息。小さく上下する肩。


「……寝てるの?」


相変わらず答えはなくて少しだけ微笑して、だけどこの状況に少しだけ気が気じゃなくなる。だって、なのはは無防備すぎる。突っ伏している所為で見える項だとか、寝息だとか。誰にも見せたくないし聞かせたくない。本人に言えるはずもない子供っぽい独占欲。


ねぇ、なのは。気付いてる?


「────愛してるよ。」


さらりと、自然に伸びた指がなのはの髪に絡む。それから。さらりと、微笑して緩んだ唇から零れたのはそんな本音。心からの言葉。



な ん だ け ど 。




「ッ!?///」


言うつもりのなかった言葉に、無意識に零れたそんな言葉に思わずパチン、と片手で口を叩くように抑えた。今、私は何て言っただろうか。何を言った?えっ?言葉にして、その声が耳に届いて自分が何を言ったか知ったようなそんな状況で、辺りを見渡す。

ここに誰も居なくて良かった。本当に。それから、目の前のなのはが寝ていてよかった。起きていたら、聞かれていたら。きっとまともになのはの事を見ることなんて出来ないだろう。とか。思ったのも束の間で。


「……………。」


視線の先のなのはが。白い項が。耳が。見る見るうちに赤く染まっていく。突っ伏したまま。そういえばすっかり寝息なんて聞こえない。だけど突っ伏したままだ。


「────…ッ!!!//」


数秒間硬直してなのはの耳と項が赤く染まっていくのを確認して。並べてある机に、体のあちこちをぶつけながら。私は何事もなかったようにその部屋を後にした。


あと数時間の内に。次になのはに顔を合わせる前にどうにかしなくては、と。そんな、どうにもならない事を考えながら、局内を歩いて数周したのはまた別の話だ。























おまけ











『まぁ、言葉にされても色々困る事もあるもんやし、そんなに深く考える事ないよ?』




確かにその通りかも、なんて。もちろん嫌なわけじゃない。嬉しい。──…けど、そんな事言われただけで、こんなに赤くなるだなんて。あの時フェイトちゃんに赤くなってるのがばれなくて良かった。こんな顏、見られたら困る。恥ずかしい。

次に会う時、どんな顔をしてフェイトちゃんに会えば良いだろ…。


頭を抱えたのはフェイトちゃんが慌てて部屋を出て行った後。



でも、愛されてて良かった。なんて。


寝たふりをしてた事がばれているとも知らず。赤くなってた事がばれていたとも知らず。早く頬の赤味が薄れるように、ちょっとだけ冷えた手を当てて「愛してる」と言ったフェイトちゃんの声を頭の中で反芻したのでした。


(おかげで中々頬の紅潮が収まらなかったのだけど。)



















FIN




あぼーん



テーマ : 日記
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

プロフィール

92

Author:92
なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2拍手記事別ランキング
FC2拍手記事別ランキング
FC2拍手記事別ランキング
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR