続き

これの続き。この後たぶんこーなったと思う(∫°ਊ°)∫

更新遅くなってすいません

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“───私とお付き合いしてるって事にしたら?”


そう言われたのは、昨日の事。正直、なのはがそんな事言うなんて心にも思わなかった。だってなのははどちらかと言うと、嘘が嫌いとまでは言わないけど好きじゃないタイプだから。余程私が困っているように見えたのだろうか。

かくして、今日問題のその子にそのことを告げるつもりなのだけど。


「………うーん。」


果たして本当にこれで良いのか。そんな事ばかりが頭をぐるぐると回るわけで。だって考えてもみて欲しい。純粋になのはが恋人の振りをしてくれるなんて、それは嬉しい。だって私はなのはの事が好きだから。だけど。


「振り、かぁ。」


腕を組み、同時に小さくそう息を吐いた。

所詮は「振り」なわけで。現実を突きつけられた気分になった。本当だったら断るべきなんだろうけれど…例え嘘でもなのはの恋人になりたいって心が邪魔して、素直にそこまでして貰わなくても良いよって言葉が出てこなかった。

我ながら、本当に情けない話だけど。

ついでに言えばなのはをこんな風に私の問題に巻き込んでしまったことも。


「情けないなぁ……」


ふぅ、と小さく息を吐いてそんな風に呟いた私に。


「どしたの?フェイトちゃん。」
「うわっ」
「なにその反応。」


肩越しになのはに話しかけられて思わず変な声が出た。対するなのはは至っていつも通りで私だけがすっごく色んな事で悶々しているようで、ちょっとだけ虚しいような気持ちになる。


「きゅ、急に話しかけるから…」


顔が赤くなってたりしないだろうかと、ちょっとだけ恥ずかしくなって口元を手の甲で隠す。


「さっきからずっと呼んでたんだけどー?」
「えっ?そうなの?ごめ……」


それは気付かなかった。いつもならすぐに気付くなのはの声に気付かなかったなんて余程深く考えてたのかな。


「嘘だよ。」
「えっ?」
「驚かせようと思ってこっそり後ろついてきたの。」


駄目だよ?執務官がこんなに簡単に背後をとられるなんて。そうからかうように言って、ちらりと舌を見せて笑う。普段仕事をしているなのはからは想像できない子供っぽい顔。多分気を許している幼馴染の私だから見えるような、そんな表情。何となくからかわれたことが恥ずかしくなって、ちょっとだけ顔を逸らした。


“付き合ってるふりしようか。”


そう言われたことを変に意識してしまっているからか、なんでか分からないけど。いつもより距離が近いような気がしてだけど顔が赤い事がバレたら。「顔赤い」ってからかわれるのはまだ良いけれど、ひょっとしてひょっとしなくてもなのはに好きだと言う気持ちがバレてしまうんじゃないかって、そう思って。


「あ、ねぇフェイトちゃん。」
「なに?なのは。」
「今晩暇だったら──…ぁ。」


暇だったら。そこまで言って、なのはの言葉が止まった。なのはの視線の先に顔を向けて、私も声にならない声で「ぁ」と紡いだ。

ここは本局の通路で、私の執務室に近い通路。それはまぁ偶然にせよなににせよ確率は高いはずだ。通路でばったり出くわしたのは、件の彼女だった。ほんの少し、目に見えて不満そうな顔をして、それから私となのはに向かってお辞儀をした彼女は何だかむくれた子供みたいな顔をしていた。まぁ実際ほとんど子供だから、仕方ないだろうけど。


「えっと──…」


とりあえずこんな通路で妙な沈黙が始まってしまったわけで、私は恐る恐る口を開く。むくれた子供をあやす様な、そんな感じ。


「フェイトさんっ」
「はい。」


けど、何だか押し負けたというか。言葉を遮って先に彼女が口を開いた。なのははだんまりを決め込んでいる。こういう時なのはみたいな度胸が欲しいなって、ちょとだけ思ったりもした。


「今晩、お暇ですか?」
「えっ」


それから予期しない彼女の言葉にぎょっとして、ほんの少しなのはに視線を向けた。なのはは落ち着いた様子で目を閉じて私とその子の会話には特に介入してこない。ほんの少しだけ不機嫌なのか眉間に皺。


「ちょっと用事が…」


何となく隣のなのはが不機嫌な事が気にかかって気もそぞろにそう返事を返す。こんなに年下の子にたじろいだりしてるからなのはは不機嫌なのだろうかとちょっとだけ冷汗が流れた。こんなに年下の、それも部下にこんなに情けない姿を見せるなんて、なのはに幻滅されたらどうしようかと。


「ぅえ」


思っている矢先に隣のなのはに肘で小突かれて。


「あ、えっと……あの実は。」


慌てた私の口から転がり出た言葉は変に動揺した声で上擦っていた。


「実は付き合ってるの。」


そんな私に呆れたようなしびれを切らせたような、そんな声。発したのはなのはで、なのははいつもより大人っぽい態度だった。教導とかの時もそうなのかな。嘘でもなんかちょっとだけドキッとする言い方。格好良いなぁ、とか情けない事を思った。


「嘘。」
「嘘じゃないよ。」


すかさず「嘘」だと言い切る彼女とそれを否定するなのは。何処となく余裕がない彼女に対して、落ち着いた余裕の態度。なのはが普段教導してる姿って見たことないけど、きっとこんな感じなんだろうなってかなり他人事みたいに見ている私は心底情けないだろう。


「だって昨日は」
「昨日は急に聞かれて驚いただけ。」


サラリと嘘を吐くなのはもちょっと格好良い。私が言ったら絶対バレそうだ。なのはが狼狽えてる所とか、そういえばあんまり見たことがないなぁ。なんて2人のやり取りを他人事のように聞きながら、ちょっとだけのほほんと学生時代の思い出とか考えていた私の目の前で。


「────…てみてください。」


ふと耳がそんな言葉を拾った。その後、一瞬なのはが硬直した。そんな気がした。


「そっ、そんなの人前でするはずないでしょ!」
「出来ないんですか?」
「ちょ、ちょっと2人とも?」


ここは本局の通路。普段あまり人が通らない場所だと言ってもこんな所で口論なんてあまり宜しくない。原因が私だと思うと本当に申し訳ないけれど。というか私もなになのはに任せっきりにしているんだろう。


「落ち着い──…」
「本当に付き合ってるならキスくらい出来ますよね?」
「───は?」
「だから人前でそんな事しないでしょ、普通。」


は?という言葉は隣のなのはのやや大き目な声で掻き消された。最近の子の発想って恐ろしいなと頬をひと掻き。いや、まぁ彼女はいたって真面目なのだろうけど。


「出来ないんですか?」


そもそもどういう会話を経てこんな展開になったんだろう。あぁもう。ちゃんと言った方が良かったんだろうか…嘘なんてつかないで。2人に聞こえないようにちょっとだけ息を吐いた。私がもっとしっかりきっぱり言っていれば良かったのに。なのはには巻き込んじゃって本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになって口を開く。


「あの───…」
「出来るよ。」
「えっ」


「実は嘘なんだ」って言う前に。なのははちょっとだけムキになったような口調で「分かった」なんてそんな事を言う。ムキになったような口調ではあるけれど相変わらず表情は涼しいまま。


「なのは、ちょっと──…」


落ち着いて、って言うつもりだったんだけど。


「フェイトちゃん、いつもみたいに屈んで。」
「ぁ、ちょっ…」


こっちを向いたなのはは、後には引けないようなそんな顔。てゆーか、「いつもみたいに」って……


「なのっ──…」


ちょっとだけ強引に、伸びてきたなのはの両手が頬に触れて 少しだけ頭を引っ張るようにして。それは一瞬の出来事だった。

ちゅっ、と小さく音を立てて唇が柔らかいものに触れた。それは、紛れもないキス。


「これで分かったでしょ?」


それからなのはの口から出た大人げない言葉。ほんの一瞬だったのに妙に鮮明に覚えた感触。硬直している私の手前で何事もなかったような顔をして事もなげな風に言うなのはに。悔しそうな顔をして小さく「分かりました」のようなそんな言葉(小さくて聞こえなかった)を呟いた彼女はぽそぽそと何かを呟いた後、私たちに背を向けてかけて行ってしまった。やはり子供だなって思いながら。


「なっ…なのは。」


ごめん、と口にした。なのはとのキスの余韻に浸っている暇なんて私にはない。まず先になのはに謝らなければ。いくら幼馴染で親友って言ったってここまでさせてしまうだなんて。良く「女の子同士はノーカウント」とか言ってる言葉を昔聞いたけど。そういう問題じゃない。


「………はぁ。」


あたふたしている私を余所に。私の謝罪には特に何も言わず、なのはは息を吐く。溜息を吐くのも当然だろう…、私って本当情けないな…。


「なのは…本当にごめん。」
「ふぇ?何が?」
「え……その、キ……あんなことさせて…。」


キス、と言いかけて言えなかった。思い出すと唇が凄く熱く感じて、こんなことを考えていることが、私の為に嘘まで吐いて挙句あんなことまでしてくれたなのはに申し訳なくなった。


「あ、違うよ?ただ、…えっと、大人げなかったかなーって。」


申し訳なく謝る私に、なのははちょっとだけ困ったような顔で「駄目だな私」なんて苦笑した。そんな事あるわけないのに。


「そんな事ないよ!本当に…なのはには助けてもらってばっかりで…」


嫌なことまでさせてしまった。そう小さく零す。


「フェイトちゃん、泣いてる?」
「……泣いてないけど…本当にごめんね。」


きっとあの子の中ではなのはが悪者になってしまったんじゃないだろうか。そう思うと物凄く悲しい気分。


「フェイトちゃんさぁ。」
「………うん。」
「私がいくら誰かを助けるためでも、あんなこと平気ですると思う?」
「え?」


背中で手を組んで。


「あんなことって──…」
「だから。」


なのははちょっとだけ拗ねたように言う。


「いくら女の子同士だからってさぁ。」


キス。とちょっとだけ声を落として。


「誰とでもすると思うの?」
「お、もわない……けど…」


なのはが誰とでもなんてそんなの。想像もできないし、したくない。


「私そういう事は、好きな人以外としないと思うんだよね。」
「えっ」


他の人はどうだか分からないけどね、なんて唇に指を当ててそんな風に言うなのははほんの少しだけ頬がピンク色。さっきまでとはちょっとだけ違う表情で、思わずドキッとして顔を背けた。


「…………。」


背けてきっかり5秒。今しがたのなのはの言葉を反芻する。ちらりと見るなのはは私より少し前を歩いていて、その背中に小さく問いかけた。


「なのは。今のってどういう…」


どういう意味?手を伸ばしかけた私の顔はきっと赤くなってるに違いない。伸ばして少し、なのはの肩に触れた指。問いかけられたなのははちらりとこちらを振り向いて。


「さぁ?どういう意味だろ?」


ぺろっと舌を出して、からかうような表情でそんな事を言ったのだった。


「えっ」
「はいはい、置いていくよ?フェイトちゃん。」
「あっ、ちょっと…待って、なのは…」


すたすたと、私を無視するように先を行くなのは。


「な、なのはってば──…///」


聞き間違いでなければ。思い違いでなければ。

もう一度、聞きたい。確かめたい。






私より少し小さいその背中を、私は情けなくも慌てて追いかけたのだった。
















(∫°ਊ°)∫


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ジャンル : アニメ・コミック

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