神様ホームステイ

貧乏な神様を拾いました。

みたいな話。
ちょっと前(多分冬)に書いてて途中でやめた系の例のアレです。お焚き上げ。

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「寒っ………」


冬の某日、私高町なのはは近所の小さなお社を掃除していた。休日のついでに言うなら雪がちらつくそんな日に。とはいえ落ちた木の葉を箒で掃くだけなのだけど。


「こんな仕事引き受けなきゃ良かった…。」


鼻を啜りながら、小さい社のある小道を箒で掃きながら。そんな風に小さく呟いた私は現在高校生で、ひょんなことから親にこの仕事を頼まれた。ていうか学校の奉仕作業だから仕方なくやっているだけなんだけどね。

古くてボロボロのそのお社は、随分昔からあるものなのか今にも壊れそうで、ついでに言うならお化けとかそういうのが出てもおかしくないくらい気味が悪い。朝の内に来ておいてよかった…。夕方とかじゃなくて。


「早く終わらせて帰ろ。」


小道なので直ぐに掃き終る。それに、どうせこの風だと木の葉はまた落ちちゃうし。そう開き直って帰る準備をした時に。


「精が出るね。」
「ふぇ?」


何処からともなく、女の子が現れた。この季節には寒そうな袴姿に、とても綺麗な金髪。ついでに言うなら美人さんだ。一体どこから……?


「ついでと言っては何なんだけど、そこの社にお賽銭でもして願掛けでもして行ってはどうかな?」


御利益は確かだよ、と微笑して如何にも怪しげな薄い笑みを浮かべるその人はそんなに大人と言う面影でもなく、どちらかというと私とそう変わらない面影で。良く見たら裸足だ。こんな寒いのに薄手の袴というのも怪しいのに。


「…………。」
「あれ?聞こえてないのかな?もしもし?」


もしかして。幽霊と言うものなのかもしれない。良く見れば肌も白いし。一人で来るんじゃなかった…。


「ふぇっ……」


思わず腰が抜けた。いやなにもこの手の話がダメっていうわけじゃない。いえ嘘です凄く苦手です。だからやっぱり引き受けたくなかったのに。


「か、神様………」


人間って不思議だね。私はドラマやアニメでも良く耳にするその台詞を、気が付いたら自然と口にしていた。神頼みなんて生まれて一度もしたことがないのに。そもそも神様なんて居るのかな?いや、この人が幽霊なら、神様も居るかも。

なんてしょうもない考えが頭の中をぐるぐると回った。

目の前のその袴姿の女の子は、長い金髪を垂らし、ゆっくりと腰を曲げて、地べたに座り込んでいる私をまじまじ覗き込む。それから。


「はいはい、呼んだかな?」


なんてニッコリと笑顔を浮かべた。子供っぽい無垢な笑顔を。


「ふぇ?」
「今、呼ばなかった?私の事。」
「あ、貴女の名前なんて……」


何か口にしたっけ?私は「神様」としか………あれ?そう言えばここは神様を奉る社と祠(ただしボロい)がある場所だ。まさかこの人………?

一瞬で私が何を考えたか理解したらしく、その人はニッコリと笑顔を浮かべて微笑んだ。


「今、呼んだでしょ?私の事、神様って。」


それから子供のようにピースする。………神様ってピースとかするの?いやいや、そうじゃなくて。


「か、み…さま?」
「そう。良く聞いてくれました。私はこの土地の土地神だ。ここ最近誰も来てくれなかったんだけど、君が朝早くから一生懸命掃除してくれてるものだから君の願いを何か叶えてあげたくなっちゃってね。」


疑いの視線をもって見上げるとその金髪の子、自称神様は何故かとても楽しそうに語りだした。どうやら私の願いを叶えてくれるらしい。凄く怪しいんだけど。それからさらにノンストップで話を続ける。


「君が相手ならならほんの少しのお賽銭で願いを叶えてあげるよ。」
「ま、間に合ってます。」


益々怪しくなってきた。そう言えば最初に話しかけてきた時も「お賽銭」がどうのって言ってたっけ。新手の詐欺だろうか?相手にしないでさっさと帰ろう。急にあほらしくなった私は、腰の調子が元に戻ったのでゆっくりと立ち上がる。その瞬間に、今日一番で強い風が吹いた。結構な勢いの風。


「ひゃっ」


本当に強い風で、まるで竜巻かとでも思うようなそんな風。そんな強い風に、小道の横の木の小枝がバキバキと折れて上から降って来た。咄嗟に両手で頭を守るようにして立つ私の前に。


「下がりなさい。」
「ふぇ?」


庇うように立って、その袴姿の女の子は目には見えない壁を作ったかのように降り落ちてくる木々の小枝を弾き返した。パン、と何かが弾ける音と共に。


「君、怪我は?」
「大丈夫……です。」
「そう。良かったね。」


さっきまでの胡散臭さはなく、貫録のあるような微笑を浮かべたその子は「怪我がなくて何より」と言うと、「これで神様だと信じてくれたかな?」と微笑んだ。私の髪についた木の葉を取り除く拍子に彼女の腕に勾玉のような飾りのブレスレットをしているのが見えて、それからもう一度その人の顔を見る。

整った顔立ちだと思った。宝石のような綺麗な瞳。それから透き通るような声。確かに、人と言うには少し違う雰囲気を彼女は持っている。


「あの、本当に……」


神様なんですか?と聞こうとして。背後でメキメキと言う音が聞こえた。メキメキ、の後に続く音はドシャっという何かが崩れる音。目の前の彼女はその音の原因を目の当たりにしたらしく、顔を真っ青にして硬直している。


「………?」


その視線の先に、私も振り向いて視線を向けてみた。


「あ。」


その先では、ぼろかったその祠と社が見事に崩れていて。


「ああぁあぁぁぁあああぁぁあッっ!!!!」
「ひぇっ?」


次いで、硬直していたその彼女が悲鳴を上げて土の上に膝をつく。綺麗に膝から崩れたな、なんて感心してる場合じゃないけど。その悲鳴に思わず驚いて仰け反ってしまった。


「ど、どうしたんですか…?」
「…………私の、家が…」


私の問いに返されたその言葉を聞いて、もう一度崩れた祠を見る。土の塊と化した、古い木片。さっきの風みたいなので崩れたの?もしかして家ってこの祠の事だろうか?あ、でも神様って祠に住んでるって聞いた事あるし…。


「ちょっと待って…」


そもそも目の前の、元祠だったその塊。さっきまでそこにあった祠の姿を思い出してみる。その祠は、とても人が住める大きさじゃなかったはず。


「貴女何なんですか?」
「…………ここの神様だけど。」


ずず、と鼻を啜りながら。その彼女は涙目で、そう言ったのでした。確かにさっき助けてくれたのはなんていうか人間業じゃなかったと思う。だけど。いや、神様って案外古い物とか好きそうだし、この小さかった祠にも住めたのかも知れない。何か良く分からないけど。


「こ、こんな古くて小さい祠に住んでたんですか?」
「お賽銭が貯まったら新しい祠を立てるつもりで……。」


ぐすぐすと鼻を啜る神様は、次いで「私貧乏だからなかなかお金貯まらなくて」と言うわけで。神様の中にも貧乏な方が居るみたいです。……って、そうじゃなくて。


「えっと……」


とりあえずこの祠にはもう住めなそう(そもそも本当に住めていたのか謎だけど)なので。


「家、喫茶店やってるんですけど…来ます?」
「………。」


そんな風に聞いてみる。一応さっき助けてもらったし。

さめざめ泣いているその人はちらりと私の顔を見てから。それから黙って頷いたのでした。良く見れば白い着物は先ほど土に膝を付いたせいか汚れていて。このまま連れて帰ったら面倒そうだなって思いながらも、さほど深く考えず。私はその人を、とりあえず家の喫茶店まで連れて行ったのだった。

それが、私の受難の始まりになるとも知らず。






















ここで終わってたので(以下略)





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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