見つけたので

これの続き?

ずっと前に書いてたみたいです。

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「──えっと、そんなわけでこの時間の授業はここまでにします。」


とんとん、と手に余るほどの教科書を机の上で整えて。用意された台の上から降りたその女の子は、見た目9歳ほどの先生。先日退職した先生の代わりに来たのだけど、9歳にしては凄く大人っぽくて分かりやすい授業解説で。あっという間に人気の先生になっていた。


「フェイト先生、またねー」
「ぅあ、……頭撫でないで…。」


まぁ、大半は容姿のかわいらしさからなんだろうけど。──と、頭を撫でられるその様子に苦笑した。


「あ、高町さん。ちょっと良いかなぁ?」
「ふぇっ?!ぁ、はいっ…何ですか?///」
「うん。実は今度戦技技術の簡単な…練習試合っていうのかな?そういうのがあるんだけど……。」


授業が終わって、私を呼び止めたフェイト先生はちょっとだけ困ったような笑みを浮かべて近々行われる戦技教導試合の話を始めた。というのも、他校の魔法学校の選抜された子と、うちの学校で選抜された生徒で簡単な魔法試合?みたいな事をするんだって。どうして私を呼び止めたのか分からないけど。たまたま近くに居たからかな?


「一応代表者を選ぶのははやてなんだけど、高町さんちょっと生徒の簡単な戦技技術の資料まとめてくれないかな?」


忙しいのにこんな事頼んでごめんね、とちょっとだけ申し訳なさそうに言って、フェイト先生は小さな手を合わせるわけで。


「分かりました、良いですよ。」


少しだけ申し訳なさそうにそう言ったフェイト先生がちょっとだけ可笑しくて少しだけ笑みが漏れた。生徒の魔力ランクとか、戦技レベルはほとんどデータになっていて、資料にするのは凄く簡単。なのにとても申し訳なさそうにしてるのがちょっとだけ可愛くて。妹とか居たらこんな風なのかな?なんて思ったり。


「そんなに急がないから、出来たときに持ってきてくれれば良いから。」


それからにこりと微笑んで。フェイト先生はちらっと時計を見て「宜しく」と言って教室を出ていった。歩くたびに揺れる髪とか、背丈とか体系は子供なのに何だかちょっとだけ大人っぽいなって思う。


「なーに見つめちゃってんのよ。」
「ひゃっ?」
「なのはちゃん今日ずっとフェイトちゃんの事見てるよね?何話してたの?」
「ずっ、ずっとなんて見てないよ!///」


去っていくフェイト先生を見ていたら急に背後から急に話しかけられて思わず変な声が出た。この間階段でフェイト先生に助けられてから、何だかそんな事ばっかり言うアリサちゃんとすずかちゃんをひと睨みして。


「フェイト先生はそういうのじゃないってば!だって9歳だよ?」


不覚にも9歳の子にときめいちゃった私も私だけど流石にないって思う。だってまだ子供だし年下だし。可愛いなって思うけど。でもそういう対象には……。


「でも大人になったらフェイトちゃん凄く美人になると思うよ?」
「そうそう、それにあの歳で魔法教員だし。魔法ランクも高いって聞いたし。」


将来有望じゃない、なんて言うアリサちゃん。


「だ、だから!───…っていうか私フェイト先生に仕事頼まれてるんだった。」


どうにも誤魔化しきれないような、振り切れないような雰囲気を感じて私は無理やり話を逸らした。


「何頼まれたの?」
「あ、なんかね、魔法戦技の試合みたいなのするんだって。他の学校と。」


そう言った私に、アリサちゃんとすずかちゃんは目を丸くした。


「余所の学校…?」
「うん。そう言ってた。学校の名前は聞いてないけど……。」
「まさかミッドの学校じゃないでしょうね?」
「わ、分からないよ…これ出しに行くときにフェイト先生に聞いてみよっか。」


データの一覧をプリントして。とんとん、と角を揃えてファイルに入れて。ほんの数分で出来たその書類を持って、(1人で行くとまた何か言われそうなので)アリサちゃんとすずかちゃんを連れて、フェイト先生のところへ向かったのでした。こんなに簡単に出来るのだから、少しだけ待ってて貰ってすぐに渡してあげれば良かったな、なんて思いながら。












「あ、ここだよね?」
「居るかしら?」
「し、失礼します。」


それからやって来たフェイト先生の部屋。軽く扉をノックして、フェイト先生の部屋の扉を開く。


「失礼しまーす。フェイト先生、さっきの書類なんですけど………ぁ。」


そう言って部屋の中を見渡すと、部屋の中は小奇麗に整理されていて清潔な部屋で。机の上に、良くは見えないけど数枚の写真立て。


それから──────


ソファーの上に、知らない制服を着た女の子。と、その女の子に押し倒されているフェイト先生の姿があった。ちょっとだけ眉に皺を寄せて呆れたような、あまり見たことの無い顔をしたフェイト先生。心なしか大き目の白衣がちょっとだけ乱れていて。


「……どいて。クアットロ。」


先生は溜め息混じりにそう言った。どうやら見慣れない制服のその子はクアットロっていうみたい。他校の生徒さんなのかな?


「返事をくれるまでどきません。」
「さっきしたでしょう。」


フェイト先生は、甘えるようなそんな口調でそう言うクアットロと呼ばれた女の子を押しのけて白衣の皺を伸ばした。なんというかいつも授業で見る様な感じの可愛らしい先生ではなくて、どちらかというと少し不機嫌そうに。


「ほら、仕事の邪魔。」
「あん」


なんてやり取り。


「君は対抗模擬試合の書類を持ってきただけなんだから学校内をうろつかないでさっさと帰る。」


乱れた白衣を調えながら、子供を叱る大人みたいなことを言ったのでした。言われたその子は渋々といった顔をしてそれからポカンとしたままその様子を見ていた私たちに気がついたフェイト先生は。


「ご、ごめんね。なんか変なところ見せて……」
「もしかして恋人────」
「違うよ!前の学校で受け持ってた生徒!」


恋人、という言葉を慌てたように否定したのでした。それからひと悶着あって、最終的にそこに居たクアットロという名の女子生徒は引率らしい先生に引きずられるようにして出て行って、私も書類を手渡してアリサちゃんとすずかちゃんと一緒に部屋を出て。


「……何か凄いところ見ちゃったわね。」
「う、うん。」


まさかあんな子供を押し倒すなんて。前の学校ではどういう生活を送ってたんだろう…。というか、フェイト先生少し不機嫌だったな…なんて。あんまり見たことのないフェイト先生の顔を見れたことはちょっと嬉しかったけど、なんかもやもやする。


「なのはちゃん?」
「ふぇっ?」
「なによ、なのはってば凄く難しそうな顔してるけど。もしかしてさっきの生徒に嫉妬────」
「違うよっ!///」


だから相手はまだ小学生だってば。


「あんまり変な事言わないでよね。」
「……じゃあフェイト先生が大人だったら好きになってた?」
「ふぇ?」


あんまり変な事言わないで、といった私にそう言ったのはすずかちゃん。すずかちゃんは少しだけ微笑を浮かべて私の方を見ていて、ちょっとだけ苦笑した。


「んー…そうだね、そうかも。」


まじめに考えてもどうしようもない話だし、ちょっとだけ適当にそう言った。フェイト先生が大人だったら。どんな大人になるんだろ?絶対美人ではあると思うけど。なにか含んだような言いようのすずかちゃんだったけど、「そうかもね」と適当に言った私の言葉に満足そうに微笑んで「そっか」とだけ言っただけなのでした。








それから数日。対抗魔法試合なる催しの正式な公表がされたのだけど。


「あら。なのは代表に選ばれてるわよ?」
「えぇっ?!」


魔法ランクによって選別される対抗試合の代表選手に何故か私が選抜されていて、私は軽く悲鳴を上げてしまった。だって、そんな話全然聞いてない…。いつのまに決まったのかそもそも誰が決めたのか。


「なのはちゃんの事は私が推薦しといたよ。」
「は、はやてちゃんっ?」


公表された内容に驚愕していた私とアリサちゃんの後ろで楽しげな声。見れば一応担任であるはやてちゃんが誇らしげに胸を張るようなポーズで立っていた。隣には少しだけジト目のフェイト先生。


「だから勝手に決めるのは良くないって言ったじゃないか。」
「だってなのはちゃん優秀やしー。」
「そういう問題じゃないでしょ。こういうのは本人の意思を尊重して──…」
「なのはちゃん、任せてもええ?」
「聞いてるの?はやて。」


横で少し説教するようなフェイト先生を無視して私に「任せてもいい?」というはやてちゃん。いいもなにも、もう公表しちゃった以上「いい」って言うしかないと思うんだけど。


「……自信ないですけど。」
「大丈夫、エリート中のエリート先生をコーチにつけるから。」
「ふぇ?」


にっこり微笑んだはやてちゃんは「エリート」と言いながら隣の人物を指さす。指差されたフェイト先生は紅い綺麗な瞳を瞬かせて「え?」と少しだけ間の抜けた様な、ちょっとだけ可愛い反応をした。どうやらフェイト先生も何も聞かされてなかったみたい。


「え?私が指導するの?」
「せや。フェイトちゃん、なのはちゃんの事気に入ってるみたいやし。」
「ふぇっ?」
「……誤解を招くような言い方するのやめてよ。」


あ、誤解なんだ。とかちょっとだけ残念に思いそうになって、両隣でアリサちゃんとすずかちゃんが見ていることに気がついて慌てて顔を背けた。


「えっと。」


そういうわけで宜しく、なんて。フェイト先生はちょっとだけはにかんだような顔をしてそう言うと「私結構厳しいからね」なんて笑ったのでした。個人指導、というわけではないけれど。フェイト先生に教えてもらえるのは凄くうれしいな、なんて。



その時はそう思っていた私なのでした。







































「もう。はやては勝手になんでも決めすぎだよ。」
「堪忍や。でもなのはちゃん、優秀やから。」


教えるならフェイトちゃんが良いなって思ったんよ、なんて。何だかんだ言ってもはやては(適当に見えるだけで)実は凄く生徒思いで、どういう風に育てたら良く伸びるかも凄く分かってる。悔しいけど、そういう面では凄く尊敬できる人間だ。


「優秀だからっていうのは分かるけどね…」


魔力値だとかセンスだとか。一緒に居る子たちもかなり優秀だけど、高町さんは群を抜いている。まだ粗削りな面はあるけれど。


「フェイトちゃん、指導に熱こもりすぎてくれぐれも正体バレんようにね?」
「……私としてはいつまでもこの姿でいたくはないんだけど。」
「うっかり変身解けないように気をつけてなー?まだ私の方も手続き済んでないんやから。」


学校で保持する教職員の魔力総合値が定められている関係で私は当面、魔力を抑えて9歳の姿。前任の先生が退職になったらすぐに手続してくれるって話だったのにはやては一向にその手続きを終える気配がない。全くいつまでかかるんだろう。年齢詐称してるみたいで凄く嫌だ。


「それより対抗試合の選手がクアットロだって、知ってた?」
「………まじか。試合にフェイトちゃん賭けられたりしそうやな。」
「それは困る。」


数日前に私のところへ対抗試合の資料を持ってきた、前の学校で受け持っていた生徒。(私にしつこく交際を迫って来た生徒なのだけど。)


「高町さんに卑怯な手とか使わないか心配だよ…。」
「なんやほんまになのはちゃんの事気に入ってるんやね。」


ぽそっとそう言ったはやての言葉には何も返さず。はやての隣で、小さく息を吐いたのだった。


対抗試合は2週間後。それまでに私にできることを出来るだけ沢山、高町さんにしてあげようと思いながら。
























テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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