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ちょっと一新して、新しく長編を始めても良いでしょうか?ということで勝手ながら始めました←
既にプロット組んでまして、これがもし続けられないようだったらちょっと真剣にサイトの今後を考えます;

そんな感じで、かなりのスローペースにはなると思うのですが長い気持ちでお付き合いくださいm(_ _)m
すんごいゆっくり予定です。リリマジ(3月)には終わってるかなーくらい。


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「じゃあ、次のページの3行目から───…」


さわさわと心地良い風が悪戯に教科書のページをめくる、そんな午後の事。黒板前の先生が眠気を誘うような声音で授業を進める中、後ろで同級生同士がヒソヒソとささめく声。


「ねぇ、見て。」


ほんの少し、桃色を孕んだような声に、視線を窓の外へと向ける。
窓の外では隣のクラスの子たちが外で体育の授業を受けているみたいで。そんな桃色を含む声を向けられているであろう人物に目がいった。


────太陽を反射するような、薄金。


丁度、彼女が背面跳びをする所だった。助走をつけて駆けて、用意されたバーを越える。遠目にはちょっとしか見えないけれど、体を反らせて大きく跳んだ、割と高く設定されているであろうそのバーを難なく越えたように思えた彼女は数か月前に転校してきた転校生。跳んだ瞬間、後ろで同級生が感嘆の溜息を吐いた気がした。


私も、頬杖をついたままただ遠目に彼女を見る。隣のクラスだからまぁ当たり前なんだけど、ほとんど話したことがない彼女。時折見かける彼女と、時たま目が合って、何だか気になってはいる。女子の憧れの的のような存在になりつつあるし、大体の子が彼女がどうのこうのって話をするものだから、話したことがなくても割と彼女の事を知ってるかも知れない。


フェイト・テスタロッサ。


聞けば成績は上位クラスの秀才さで、さっきの背面飛びの美しさを見ればわかるけど、スポーツも優秀で。とりたてさらに人気を高めているのは多分彼女の外見なんだろうなって思う。顔をまじまじ見たわけでもないけれど。綺麗な長い金髪。整った顔立ち、それから射抜くような深く紅い瞳。ちょっと大人びた風貌だとか、そりゃあ転校してきて数か月で憧れの的にもなるんだろうな、なんて思いながら、視線を教科書へと戻した。


私、高町なのはは密かに彼女に憧れに近いものを抱いていたのかも知れない。

















「ふぇ?」


それから授業が終わって。不意に後ろの席の子に声を掛けられて、思わず間抜けな声が出た。思いもよらぬその言葉にぽかんとしたまま。


「え?違うの?」
「は、話したこともないよ?」


話しかけてきたのは授業中転校生である彼女の話をしていた後ろの席の子たち。内容は「フェイトさんとお友達なの?」なんてことだった。どこをどう見たらそう見えるのだろうかと、目を瞬く。


「なんでそう思うの?」


彼女が転校してきて数か月、一度だって言葉を交わしたことがない。……あ、一回だけあるかな?「図書室ってどこですか?」なんて聞かれた事がある。まぁ、その質問に答えたのは私ではなくて、隣に居た子だったんだけど。そんな過去の事を振り返って、そう聞いた私に。


「だって。」


フェイトさん、何だかこっちの方見てたみたいだったから、なんて。後ろの席の2人は「ね?」なんてお互い確認し合いながらそう言う訳でして、そんな言葉に私はますます首を捻った。


「ただ校舎を見てたわけじゃなくて?」


こっちからは誰かを認識できるかもしれないけど、校庭から校舎を見るのって少し難しいんじゃないかな、なんて続けてみる。2人はきょとんとして顔を見合わせて、それから「でも」なんて呟くわけで。


「でもフェイトさんって割と良くなのはちゃんの事見てるような気がする。」
「ふぇ?気のせいだよ…///!」


ね、なんて2人で言い合って、何だか恋愛話でも楽しそうにしてるような感じでそう言って。続けて「なのはちゃんはどうなの?」なんて。高校生になってまだ初恋もしたことがない私にはちょっと敷居の高いようなお話で。そもそも彼女とは本当に、お話もした事がない。まぁ、さっきも言ったように、ちょっとくらいなら憧れみたいなものはあるけど。


「ちょっと…お話したこともないから何とも……。」


彼女の悪い話は全く(とはいってもまだ転校してきて数か月だけど)聞いたことがないから、性格もきっと良くて、お友達になってみたい気持ちはあるかも知れない。そう思いながら、苦笑してそう返した。









その日の夕方。今日のお夕飯どうしようかな、なんて思いながら1人帰路につく。私の両親は仕事の関係で海外に赴任している。お兄ちゃんもお姉ちゃんも居るけど2人とも社会人。特に不自由もないので、今は悠々自適な1人暮らし。だから、夕飯の献立を考えるのは帰宅途中の日課みたいなもので。


「……お野菜、何かあったかな。」


買って帰ろうかな?なんて。そんな風に、ちょっとだけ呟いた時だった。私の身長よりも結構な高さの学校の塀。結構な高さのそんな塀の内側、なのかな?そんな塀の上から、数メートル目の前。


「ひゃっ!?」


猫にしては随分と大きいなって思ったけど。制服を着た、生徒がその塀を飛び越えて落ちてきた。というよりは、少しだけふわりと風に乗るような優しい落ち方。そんなところから降りて、人が居たらどうするの?ってお説教したくもなってしまう所だったけれど目の前に飛び降りたその人物に、言葉は出てこなかった。


「ごめん。驚かせちゃったかな…」


振って来たのは例の隣のクラスの彼女、フェイトさんで。彼女はスカートをパタパタと叩いてちょっとだけ申し訳なさそうに苦笑した。正直、壁を飛び越えてくるようなやんちゃなイメージなんてなかったから流石に驚いて声が出ない私に。


「今見たのは内緒だよ?」


唇の手前に人差し指を当てて、内緒のポーズをして。それからちょっとだけ可笑しそうに微笑を浮かべて私の横を素通りしていく。とりあえずなんでもいいから何か言わなきゃ、なんてわたわたする私に、彼女は「あ」と小さく付け加えて振り向いて。


「帰り道、気を付けてね。──…高町なのは、さん。」


微笑を浮かべたままそうとだけ言って、ゆっくりと歩き始めたのだった。彼女に話しかけられたのは、図書館の場所を聞かれたときのこともカウントすると2度目。ほんのちょっと落ち着いた、心地良い声。ほんの少し、心臓が高鳴った。


「………名前、なんで知ってるんだろう。」


彼女の姿がだんだん見えなくなった頃、そう言えば思った事を口にする。割と結構有名な転校生である彼女の名前を私が知っているということは何となくわかるけど。とりたてて目立つこともない私の名前を彼女が知っているとは思えない。


「不思議な人だなぁ、フェイト…さん。」


同い年だからフェイトちゃん、かな?なんて馴れ馴れしい事この上ない事を思って1人で苦笑して。私は帰路を急ぐ。彼女と言葉を交わすことが出来たことが何だか嬉しい気がして、ほんの少し軽い足取りで。

そんな風に浮足立って歩いていた所為なのかな。もう少し落ち着いて歩いてたら良かったんだけど。点滅の信号機に気が付いて、慌てて横断歩道を渡ろうかそれとも待とうか一瞬だけ迷って足を止めて、気が付いた。


「っ…。」


道の真ん中に、仔犬が佇んでいる事に。夕暮れ時にはなかなか気付かない黒色の仔犬。ちょっとだけ迷って、それから向けられた車のヘッドライトに気が付いて。それと同時に踏み出した足。私も正直運動が得意な方ではないんだけど、それでも目の前に見つけて気付かないふりなんて出来るはずがなくて。

飛び出したと同時に車のクラクション。思ったよりも速い向かってくる車のスピードにこれは弾かれちゃうな、なんて変に冷静に考えて冷汗をかく。せめてもう少し足が速かったら、せめてもう少し早く気が付いてたら。なんて瞬時にそんな考えが巡って、仔犬を抱いたまま、迫る車を避けるように足を踏み出して。踏み出した瞬間に、なんていうか目が回った。


「ふぇっ…えっ!?」


目が回ったって言うか、空が近くなったって言うか。思いっきりジャンプでもしたのかなって、数回瞳を瞬いても、状況は変わらない。さっきまで立っていた横断歩道が遥か下に見えるし、それになんていうか。町が足元の遥か下にあって、端から端まで良く見れる。


「ふぇぇぇっ!?」


ここは空で。いや、もうそうとしか説明できないんだけど。浮いてるって、言うのかな。羽もないけど飛んでいる。私って死んじゃったの?なんて少し変な妄想をしてみたけれど、風は感じるし、驚いたせいで心臓が物凄くドキドキしてる。良かった、生きてる。


「お、降りたい…うぇっ…なにこれ……」


こんな状況が怖くて徐々に視界が涙に滲んできた。でも降り方も分からないし…。そもそも何がどうなってこんな所に浮いてるんだろう。もしかしたらこのまま落ちちゃうのかな、なんて思ったら途端に怖くなって、足の指1本も動かせなくなって。完璧にパニックになっている私の頭上で、今度は声がした。






「やっと見つけた。」


まったく、なんて頭上で腕を組んでそう言う見たこともない女の子。


「この魔力、紛れもないなのはちゃんやなー。」


いつの間に現れたのか、今度は私の背後でそう笑う声。独特の訛りで話すその女の子は私の名前を知っているようだった。2人とも見たこともないような変わった服装なの。歳は私と同じくらい、かな?


「2人とも置いていかないでよ。」


それから、あとから遅れてやって来た女の子がもう1人。3人とも私と同じように浮いてる。3人とも知り合いみたいで、完全に状況に混乱したまま仔犬を抱いて浮かんでいる私の手前、自分たちが飛んでいることに特に疑問を抱いた様子もなく談笑なんて始めるわけで。


「なのはちゃん、久しぶりやね。」


1000年くらいぶりやろか。なんて冗談めかしこんだような話しぶりで、そんな独特の訛りのある話し方をする女の子に、金髪の子がちょっと叱るように続ける。


「あんたねー、仮にも姫様相手なんだからもう少し畏まりなさいよ。」


────…姫様?


ポカンとする私の目の前で。金髪の子がそう言うと、3人は同時に膝をつくような格好で、私に向かって頭を下げる。いよいよ訳が分からなくなって、とりあえず、半泣きのままで。




「あの、これ……何がどうなってるんですか…?」





ずず、と鼻を啜ってそう小さく呟いた。




















それは物語の幕が上がった日の事。もっともこの物語の幕は実は既に上がっていて、これはその話の続きの第二幕となる事をこの時の私はまだ知らなくて。




同時に、彼女の気持ちも。


この頃の私にはおおよそ見当もつかなかった。





















──── ソレハ、千年ノ記憶ノ物語















Continue...













テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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