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2話。

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カチ、カチ、とやけに時計の針が動く音が妙に響く気がして落ち着かなくて、私はちらりと目の前の彼女たちに視線を向けた。……とある諸事情でかなり混乱していた私は何だか凄く喉が渇いていて、目の前に出されたお茶に口をつける。

今私が居るのは自分の部屋。1人暮らしをしているその部屋に、彼女たちに連れて来てもらった。

───…空を飛んで。

さっきまで自分が空を飛んでたって事が信じられなくて、もう一度小さく深呼吸した。


「どう?少しは落ち着いた?──なのはちゃん。」


そう言って、私の顔を心配そうにのぞき込んだその子は、他の2人よりは少しは分かりやすくお話をしてくれそうな子だっていう印象を受けた。

半泣きの私を、ひとまず安心できる自分の家に連れてってあげようって提案してくれたのもこの子。名前は、たしかすずかちゃんて呼ばれていたっけ。


「浮いてない分、一応落ち着いたは落ち着いたけど……。」


今になってどっと疲れが出てきたかも。だって私はさっきまで空を飛んでたんだから。何がどうなって地球の原理に逆らってあんな上空に浮いてたのか。この子たちはその理由を知っているみたい。そもそも私の事をどうして知っているのか。少しだけ頭を冷静にさせて色々話を聞かなきゃいけないみたいだった。


「あなた達は、一体誰なの…?」


他にも聞きたいことだらけだけど、まずはそこから。顔を見たところで私のお友達ってわけでもなさそうだし。私を自分の部屋まで連れて来てくれた3人は顔を見合わせて「何も覚えてないみたいね」なんてちょっとだけ困ったように笑って、それから金髪の子が一番最初に口を開いたのでした。


「先に自己紹介するわね。──私はアリサ。」
「八神はやてや。宜しゅうな。」
「月村すずかです。ちなみに皆なのはちゃんと同い年だから、呼びやすい名前で呼んでね。」

「あ、えっと。高町なのは…です。」


それからつられるように、ちょっとだけおどおどと自己紹介をした。っていってもこの子たちみんな、私の名前は知ってるみたいだけど。


「さて、何から説明すればえーんやろなぁ。」
「とりあえずこういうのが一番得意なのはすずかよね。」


そんな流れがあって。ちょっとだけ苦笑したすずかちゃんと呼ばれたその子が「うん」と頷いて、それから話を組み立てるように一言一言、言葉を選ぶように続けるのでした。私も説明をしてもらうならすずかちゃんが一番良いかも、なんてちょっと安心したり。


「えーっと、なのはちゃんに分かりやすいようにゆっくり説明するね?」


ふう、と息を吐いて。


「なのはちゃんは前世とか、生まれ変わりとかそういうの信じてる?」


それから急に始まったのはなんていうか少しだけオカルト染みたようなちょっとだけロマンチックなようなそんなお話。どちらかというとあんまり信じてないかも知れない。そう思って首を横に振ってみた。


「そっか。それでも良いんだけど、私たちは千年くらい前にあった、とある世界の王宮に仕えてた騎士たちの生まれ変わりなの。」


その子の話す、奇想天外なお話にポカンとしたままそれぞれ3人の顔を見る。騎士というには、少し可愛らしすぎる容貌。騎士って言うと屈強な筋肉質の男の人とか、そういうのを連想するものなんだけど…。


「信じられないかな?──…どちからっていうと、私たちはその王宮のお姫様の幼馴染で、だから近衛っていうのかなぁ?とりあえず身辺警護をしていたっていう前世があるの。簡単に説明するとね。」
「えーっと、みんなは前世とか、そういうの信じてるの?」


3人の顔を見てそう言うと、3人は私の言葉に各々顔を見合わせて。


「信じるもなにも、私たちには前世の記憶があるもの。」


断片的ではあるけど。なんてそう続けたのはアリサちゃんと呼ばれる金髪の子。この子たちの中では多分リーダーになるのかな、って思わせる様な雰囲気だった。


「私らはな?守護騎士言うて、そのお姫様に特別親しく、身辺警護をしてたんよ。さっきすずかちゃんが言ったように。」
「……さ、3人とも?」
「守護騎士は4人だったけどね。」


聞けばどうやらもう1人居たみたい。信じる信じないもないけど、ちょっと話が壮大すぎて目が回りそう。


「えっ?え?そのお姫様って───…」


ちょっと待って、と立ち上がろうとして。3人が一斉に私を指差す。あの時空の上で膝をついた3人の姿に何となくそんな予感はしたけれど。え、でもこれって流石に勘違いとかじゃないのかなぁ?なんても思う。


「わ、私!?」


だって私、とてもそんなガラじゃないもの。


「姿かたちもそっくりやし、何よりその魔力。間違いない。」


そう言ったのははやてちゃんと呼ばれた子。前世の話とかされるだけでも頭がいっぱいなのに何だか「魔力」なんて言葉も付属しされて私はいよいよ目が回る。けど、そんな私に気が付いてくれたのか。


「順を追って説明するから、とりあえず…はい。」
「…ど、どうも。」


お茶でも飲んで?なんて目の前に差し出されたお茶で喉を潤した。


「えっとね?今度は魔法のお話なんだけど。」


なのはちゃんは魔法って信じる?だなんて。どちらかといえば答えはノーだった。ノーだったはず。つい昨日までは。だけど実際私は空を飛んだ…というか浮いた?わけで。あんな事があったら、あれは魔法なんだって考えちゃった方が早いし…。なんて返答に迷う私に、すずかちゃんは少しだけ笑う。


「この世界の中には、魔法が使えちゃう人が居たりするの。」


或いは使えるけど、それを知らずに生涯を終える人も。そう続けて、それから大体を信じた、……というかそういう事なのだと考えることにした私に、すずかちゃんはいよいよ本題を話そうと一呼吸した。


数百年前、っていうか千年前?とある国に凄い魔力を持って生まれたお姫様が居たらしい。3人の話によるとそれが前世の私らしいんだけど。それからまだ話は続くみたい。


「それで私たちがここに来た理由なんだけど。」


簡単に言うと、前世での私は特別な力(永遠の命を与えるとかこれまたオカルト染みた力だって)を持っていて、それを狙った悪い人に殺されてしまったらしい。半分信じてるくらいにしか聞いてなかったけど、結構悲壮な人生なの。


「それで、なのはちゃんも転生して、私たちも転生したんだけどね?──…なのはちゃん、まだ狙われてるの。」
「ふぇっ?」


生まれ変わった今でも私はその力を持っているらしく、彼女たちの話によると私はどうやらまだその力を狙われているらしい。彼女たちはある突然前世の記憶と力の遣い方を思い出したんだって。その辺はまた後で聞こうと思う。正直今は頭がちょっといっぱいいっぱい。


「えっと…それで…?」


そうだとして。私はどうしたらいいのかな、と顔を向ける。


「だから私たちがここに来たの。」
「………は?」


同じ時期に転生した3人。それに加えて彼女たちに残る前世の記憶。


「私たちが転生して、記憶を持っている理由は多分………。」
「なのはちゃんの事守るためやろーなぁ。」
「そういう風に使命づけられてるってわけ。」


私達は、と。それぞれ口を合わせてそんな風に言う3人。そんな3人に私は相変わらずポカンとしたままで。


「ふぇ?い、いいよ!だって何もないもん!」


そもそも今日会ったばかりの人(3人は前世の記憶があるから良いかも知れないけど)に守って貰うだなんて。大体守るって言っても何から?とか色々疑問ばかり。


「何もないのは多分、アイツが近くに居るからでしょうね。」
「あいつ?」


慌てふためくような私を無視して、腕を組んだままそう言ったのはアリサちゃん。


「私らより先に色々思い出して行動しとったんかな…?」
「……とりあえずこの部屋に結界施しておく?」


そう言って窓に手を当てるすずかちゃんの指先に円陣が浮かんだ。空想の物語で良く似たようなものを見たことがある。こういうの、確か魔方陣って言うんじゃなかったかな。……魔法って本当にあったんだ。


「そうね。アイツも何処かで見てるんでしょうけど。」
「相変わらず動くのが早いなぁ。」

「さっきから、あいつって誰?」


すずかちゃんが指先で描いた魔方陣から、淡い紫色の光が部屋の中を囲むように伝って出て、その不思議な光景をポカンと見つめながらそう問う私に。


「私ら守護騎士4人の、最後の1人やよ。」
「守護騎士ってよりは犬ね、犬。忠犬に近い気がする。」
「違いない。」


ケラケラ笑う2人を無視して。やっぱり的確な事を教えてくれるのはすずかちゃんで。


「私達4人の中で一番なのはちゃんに近かった子だよ。」


そう静かに微笑んで、きっとその内ひょっこり出てくると思うんだ。なんて続ける。なんだかそんな含みのある物言いに、もう1人の存在に少しだけ興味が沸いた。今の3人の話を急には信じることは出来ないけれど。


「ふぅん……。」


すずかちゃんのそんな言葉に、私はそう小さく頷いて返事をしたのでした。






















───ソシテ物語ハ動キ出ス、君知ラヌ間ニ















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