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3話。
なんか何を言うてらっしゃるのかよく分からなくなってきましたね(´°ω°`)


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「…………ふぇ。」


カーテンから差し込む陽光。時計を見ればまだ起きるには少しだけ早い時間。かといえばもう少し寝られる時間があるわけでもなくて、私はちょっとだけ考えて、仕方なく布団を抜け出した。

なんだか酷く体が疲れているような気がして、何でだろ?なんて考えて、不意に忘れていたはずの昨夜の事を思い出してしまった。


「夢じゃ、なかったんだっけ…」


思い出したのは昨日出逢った3人の女の子のこと。同じ年くらいの子。だけど、ちょっとだけ普通と違う、そんな子たち。

結局あの後彼女たちの話をを信じるか信じないかは別として。「護衛の為」とか言いながら家に居座ろうとする3人の事をなんとか止めるのは至難の業だった。もちろん信じないってわけじゃないけど、だけどそんな話をされたところでいくら私を守るためっていっても、知らない子を3人も家に泊める(それもこの先ずっと)っていうのは少しだけ考えさせてほしいところがある。

第一私は何者にも襲われたりしたことがないし。……でも、それも「もう1人」っていう誰かの加護があってのことって言うけど。正直なところ、そんな話をされても「本当かなぁ?」って思う訳で…。魔法のお話はまぁ信じるとしても。


「お姫様の生まれ変わりっていうのはなぁ…」


流石に恥ずかしい話だと思う。今時の女子高生にしては夢見がちだと思うし、なんて今ここでいくら考えても仕方ないわけで。結局私は早々に学校に行く準備を始めたのでした。今日は折角いつもより早く起きたんだからちょっとだけ早めに学校に行こうかななんて、そんな事を考えながら。







「ねぇ、なのはちゃん聞いた?」
「え?何を?」


それから、少し早めに学校に来るなり私はそんな風に声を掛けられて、肩に掛けていた学校用の鞄を下ろしながら顔を上げる。またフェイトさんの噂とかそういうのだろうかとちょっとだけ興味を惹かれたりなんてした私に、そのクラスメイトはにこりと微笑んで「転校生」の事を教えてくれたのでした。


「転校生?」


また?と首を捻る。だって数か月前に彼女、フェイトさんが転校してきたばかり。転校生なんてそんなに多いものじゃないよね?なんて思うんだけど。

──そんな私の疑問は、数時間後納得に変わった。




「家の事情で引っ越してきました八神はやて言います。」
「同じく、引っ越してきました月村すずかです。」


そう。私のクラスに今日からやってきた転校生には見覚えがあった。2人も転校生なんておかしいと思わないのかな?2人は私と目が合うとにこりと微笑んで。はやてちゃんに関して言うなら、ひらひらと手まで振る始末。そんなせいでクラスメイトの子の「知り合いなの?」なんて質問も多数あって。結局私はうまい言葉が出てこなくて、「昔からのお友達」という事にしたのでした。









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「もう。」
「ん?なんや、なのはちゃんどうかしたん?」


私の横で苦笑するすずかちゃんと、その反対側で相変わらず飄々とした様子のはやてちゃんがいて。私は小さく息を吐く。今はお昼休みで、私達は屋上でお弁当なんか広げていたりしている。すずかちゃんとはやてちゃんは何処で用意したのか、しっかり手作りのお弁当を広げていた。


「転校までしてくるってどういうことなの。」


別に怒ってるわけじゃないけど、ちょっとだけ怒ったような口調になってしまった。っていうか、まさか転校してくるなんて。そもそもこの子たち、一体どういう生活をしてるんだろう?家族とかそういうのはどう思ってるのかな。色んな疑問がたくさん沸く中でそう言うとやっぱり説明してくれるのはすずかちゃんで。


「えっと、急な事で色々困らせちゃったと思うんだけどね?」


幾分か申し訳なさそうな顔をされて、かえって私が申しわない気持ちになんてなったり。


「私達の転生は多分誰かによって仕組まれたものなんだと思うんだ。」
「仕組まれた…?」
「うん。っていうのも、私達だけが記憶を持っててなのはちゃんが持ってないでしょう?」


すずかちゃんのお話は凄く丁寧で、何となく聞き入ってしまう。


「多分、なのはちゃんの転生は自然なものだとしても、私たちは恐らく───…」
「なのはを守るために用意されたのよ。多分。」


すずかちゃんの言葉に重ねるように続けられた言葉にはっとして声の方向を見ると、そこに居たのはアリサちゃんだった。アリサちゃんだけはクラスが違くて隣のクラス。隣のクラスは4限目が体育だったからちょっとだけお昼の時間が遅れちゃったみたい。アリサちゃんは疲れ切ったような溜息を吐くと、すずかちゃんの隣に座ってお弁当を開く。すずかちゃんとはやてちゃんと同じお弁当なので3人は一緒に住んでるのかな?なんて疑問に思った。


「用意されたってどういうこと?」
「なのはが生まれ変わる時に合わせて、生まれるようにされたんじゃない?」
「そ、そんな事出来るの…?」


だとしたら凄い。運命も何もあったものじゃないなぁ、と言いかける私に、ちょっとだけ向けられたすずかちゃんの微笑。すずかちゃんは何処か嬉しそうに笑って、それから「私達の話、信じてくれるの?」なんて続けた。


「信じるっていうか…」


流石に昨日だけの出逢いだったら、ちょっと不思議な出来事で片付けられたけど、転校までしてこられちゃうとちょっと色々不安にもなる。


「でも私、何に狙われてるの?」


そもそも何から守るの?と矢継ぎ早に続ける。3人には記憶がある分自分がどうするかって言うのが分かってるんだろうけど、私は私自身の事なのに何も知らなくて、よくわからない出来事に目を回してばっかり。だったら少しでも自分の事を知ったら、色々理解できるんじゃないかなって、そう思って。


「昨日聞かせて貰った話、もうちょっと分かりやすく説明して貰えないかな?」


そう言うと、手に持っていたお箸を膝元に置いて、すずかちゃんが思い返す様に目を閉じた。



「なのはちゃんが持っていた力は不死を与える事って、言ったよね?」
「うん。そんな力、本当にあったの?」
「あったわよ。きっと。」


3人の話によると、前世での私は王家に生まれた末の姫だった。王家の中でも魔力が並み以上に高く、どういう経緯かは知らないけれど、王家の中でも特別な力を持っていて。それが不死を与えるという力で。当時幼かったその末の姫の力の為に媚び寄る輩は勿論多くて、そんな姫に王と王妃は特別な騎士たちを3人つけたらしい。この場合、王と王妃っていうのは前世の私のお父さんとお母さん。


「あれ?昨日4人って言ってなかった?」


昨日の話によると近衛の騎士が4人って言ってたはず。


「あと1人は姫様───…っていうかあんたが自分で拾ってきたのよ。」


拾った?…なんて情報を付け足されて再び話は続くわけでして。途中で1人の騎士を加えて、数年の月日が経って。(この辺の説明は結構割愛されてたけど。)そうして姫様の婚儀が決まって。


「私、結婚してたの!?」
「まー…王族は結婚せないかんしなぁ。……とはいっても決まっただけやよ?」
「黙って聞いてなさい。質問は後。」
「むぐっ」


黙って聞いてなさいと口に卵焼きを突っ込まれた。ふんわりしてて甘い卵焼き。誰が作ったのか分からないけど、凄く美味しかった。後で作り方を聞こうなんて思いながらもぐもぐ口を動かしながら、話を続ける。


「事件が起きたのは、婚儀の前夜。」
「ふぇ?」


結局のところ、前世の私は結婚前日に死んでしまったらしい。その時の事を思い出しているのか、急に3人の表情が険しさを帯びて、少しだけ淀む。そんな3人の表情が辛そうで、なんとなく胸が痛んだ。

前世での私の結婚はまぁ、王族間による結縁で。なんとなく前世の私の事が可哀想になった。結婚前夜に何があったかは実は3人も明確には覚えていなくて、前世の私の死をきっかけに国内で抗争が起こって、結果皆も命を落としたみたい。


「えーと、その力が生まれ変わっても私の中に残ってるの?」
「そういう事ね。」
「それでまだ狙われてる?」
「大正解や。」


ってことは?


「私達も転生した理由として、これは私たちの憶測なんだけど。」


前世で私を死に追いやった何者かが居て。その何者は前世で私を死に追いやった際、私の中の力を奪えなかった。それでもう一度奪うために現代に生まれ変わっていて。その何者かからもう一度今度こそ私を守るためにすずかちゃんたちが生まれ変わった。結論から言うとこういう事みたい。


「何か、分かるような分からないような……。」


ちょっと話が難しい。いや、何となくは分かるんだけど。要は私が生まれ変わったらそれに合わせて生まれ変わったって事?


「前世のなのはちゃんも凄く良い子でな?」


混乱する頭を抱える私に、ちょっとだけ和らいだ声。はやてちゃんはちょっとだけいつものおちゃらけた雰囲気ではなく困ったように笑って続ける。


「私たちにとっては親友やったんよ。ただの姫様やなくて。」


そう言われて、自分に前世の記憶がない事に申し訳ない気持ちが沸いた。


「だから、守りたかったんやけどね。」
「まぁ、そういう事だから私達が目障りでも、ちょっとだけ我慢して頂戴。」
「今度こそ守るって、決めたの。」


3人そろってそんな事言われたら。何も言えないわけで。


「えっと…。良く分からないんだけどお友達、って事でいいかな?」


とりあえず守る守られるは置いておいて。折角前世でもお友達だったならなんていうか生まれてもまたお友達になりたいかなって、そう思って言う。

そんな私に、3人は少しだけ驚いたような顔をして。


「───やっぱなのはちゃんはなのはちゃんやね。」




そうとだけ言って笑ったのでした。

























正直、そいつは前世での印象とだいぶ違っていて少しだけ驚いた。


「──…アリサ・バニングスです。宜しくお願いします。」


転校生として挨拶して。お辞儀をして顔を上げて、真っ先に目についた。どこに居ても目立つ容貌というか雰囲気。だけど知っているその印象とは違って、こいつもまたなのはと同様記憶のない類なのかと。最初はそう思った。






「えーと、テスタロッサさん…ちょっといい?」


初対面だしと、そう言った私に対してやや苦笑して、そいつは口を開く。


「校舎を案内するよ。」


そう言って2人で席を立つとちょっとだけ教室内がざわついた。昔から良い意味でも悪い意味でも目立つ奴だったな、なんてちょっとだけ肩を落として後ろを歩くのも癪に障るけど後をついて歩く。

まぁ人気のないところじゃないと出来ない話があるわけで。それからあまり人の来ない場所でフェイトが足を止めた。


「……3人とも一緒だったんだ。」
「まぁね。まさかあんたがちゃっかり先に動いてるとは思わなかったから。」
「連絡しなくてごめん。」


そう言って、私達4人の最後の騎士だったフェイトは垂れ下がった髪を耳に掛けた。どうやらフェイトには記憶があるみたい。なんていうか、昨夜のなのはの言いぶりだとどうやらなのははフェイトの事を知らないみたいで。こいつなら真っ先になのはの前にすぐに出ていくだろうと思っていた私は正直驚いた。


「別にいいけど、自己紹介くらいしたら?」


なのはに、という意味で視線を向けると少しだけ揺れる紅。


「私はまだ良いや…。」
「は?」


ちょっとだけ俯いた拍子に、フェイトから漏れたそんな言葉。俯いた拍子に前髪に隠れて表情は見れなかったけれど何となくわかる。こいつの考えていることが。


「もしかして気にしてるわけ…?」


前世でのことを。まぁ、気にしていないはずがないでしょうね。こいつの事だから。私達だって気にしてるし。私の言葉にフェイトは少しだけ悲しそうに小さく笑って口を開いた。


「なのはを守れなかった事?」


壁に寄りかかってそう言うと、小さく拳を握るのが見えた。こいつにもどうやらその時の記憶が残っているみたい。正直なのはに記憶がないなら、フェイトにも無かったら良かったのに、と小さく舌を打つ。そんな事を思っても仕方ないけどね。

窓から差し込む太陽の日差しが少しだけ眩しくて目を細める私に、フェイトは続けて口を開く。


「──…気にしないはずがないじゃないか。」


だってなのはは、と続く低い声。知ってるわよ。なのははフェイトにとって誰よりも何よりも大切な存在だったはず。そんなの、私らの中だったら誰でも知っている事。だから、私は何も言わなかった。


「なんていうか、もう少しだけ時間を頂戴?」


もう少ししたら私もそっちに行くから。なんてちょっとだけ情けない顔をしてそう言うフェイトに、私は「仕方ないわね」なんて言って。結局それ以上何も言わなかった。



何だか前世でのフェイトが少し子供っぽい(というか犬っぽかった)分、急に大人びているように見えた。











───遥カ、君ヲ想ウ














Continue...


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