missing-08

同じようなとこぐるぐるしててすんません。
次回からようやく話動きます。

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「3人とも、怪我はない?大丈夫?」


買物へと行く途中の道、またしても黒い獣のような怪物に襲われて、ただ守られるだけの私にはそんな声を掛けるくらいしか出来なくて、少しだけ歯痒く感じながら駆け寄った。

地上へと降りてきた3人に怪我はなく胸を撫で下ろしながら「大丈夫?」なんてもう一度聞くと、「大丈夫だよ」なんて一番最初に答えたのはフェイトちゃんだった。息ひとつ乱れてなくて、私の髪に手を伸ばして「ゴミついてるよ」なんて笑う。


「あ、ありがと…。」
「はいはいそこ。イチャついてないでさっさと帰るわよ。まだいるかもしれないんだから。」


そんな私たちを前に、呆れたようなアリサちゃんの声が響いて私は慌ててフェイトちゃんから身を離す。そんな私にフェイトちゃんは少しだけ可笑しそうに笑って。


「あーぁ、アリサが余計な事言うから。」


なんて。その日はそんな調子で、結局買物は出来なくて。早々と私の家へと帰ったのでした。その日もみんなは私の家に泊まるつもりだったみたい。















missing-08















「ねぇ、すずかちゃん。」
「なぁに?なのはちゃん。」



家について一息吐いて。台所で夕飯の準備を仲良く喧嘩しながらするアリサちゃんとはやてちゃんを横目に、気になっていたことを聞いてみた。ちなみに今日は珍しくフェイトちゃんも家に来ていて、フェイトちゃんはベランダに居て。そんなフェイトちゃんを横目に、言葉を続ける。


「狙われてるって言う私の力って、どんなものなの?」
「うーん、そうだね…この前はちょっと説明途中だったっけ。」


ごめんね、なんて言って顎に指をあてて。


「不老不死って、聞いたことある?」
「まぁ、言葉はよく聞くけど。」


映画とか漫画とか。そう続けた私に微笑んで、すずかちゃんは「そっか」なんて。


「簡単に言うと、それ。」
「ふぇ?」


じゃあ私不老不死なの?なんて聞く私に、すずかちゃんは首を横に振って笑う。


「なのはちゃんが、それを与えるの。」
「どうやって?」


聞けば、そんな魔法があるみたい。他の人には使えない、特別な力が。全然自分では分からないけど本当にそんなのあるのかな?


「なのはちゃんが前世でその力を狙われた時、なのはちゃんはその力を相手に渡さないように守る為に、その力を抱えたまま転生したんだと思うの。」
「ふぅん…。」


そんな力があるとは思えないけど。何となく理解した。一体どんな相手が、その力を狙ってるのか分からないけど、不老不死とか言われても皆目見当もつかないけど。そんな事の為に皆が戦ったり怪我をしたりするのは嫌だなって。そう思った。


「でも、私たちがこうやってなのはちゃんと一緒に居るのはその力を守る為だけじゃないよ?」
「……え?」
「なのはちゃんがなのはちゃんで、私たちはそんななのはちゃんの事が好きだから一緒に居るの。」


にこりと優しく笑ってそう言うすずかちゃん。ちょっとだけ照れくさくて、だけど嬉しくて。ありがとう、と笑う。やっぱり自分にだけ記憶がないのが少し寂しい。そんな風に思った私の事を悟ってか、すずかちゃんがふわりと私の前髪を撫でた。


「さて、と。」
「すずかちゃん?」
「私はアリサちゃんとはやてちゃんがちゃんと晩御飯の用意してるか見てくるから、なのはちゃんはフェイトちゃんとお話してきたらどうかな?」


一番身近だったフェイトちゃんのお話を聞いたら何か思い出すかも、なんて。そう言われて、ちらりとベランダへと目を向ける。ベランダではフェイトちゃんが相変わらずぼんやりと空を見ていた。

結局すずかちゃんに背中を押されるようにして、フェイトちゃんが騎士の1人だと知った時のようにベランダに足を踏み入れておずおずと話しかけた。邪魔にならないかな?なんて思いながら遠慮がちに声を掛けたんだけど、フェイトちゃんは「いらっしゃい」とだけ言って、笑う。


「また、星を見てたの?」


遠慮がちに言うとフェイトちゃんは少しだけ笑って頷く。フェイトちゃんは星空を見上げるのが好きみたい。だから、なんていうか。邪魔しちゃいけないような気がして、特に何か話すわけでもなくて少しだけ距離を空けて、フェイトちゃんの隣に立つ。


「ねぇ、なのは。」
「なぁに?」


相変わらずフェイトちゃんと2人で話すのは、やっぱり「隣のクラスのフェイトさん」っていうイメージが強くちょっとだけ緊張する気がした。


「前世の記憶、やっぱり欲しかった?」
「ん…んー、どうだろう。みんなと記憶を共有出来ないのはちょっと寂しいかなぁ?」
「そっか。」
「皆が言う犬みたいだったってうフェイトちゃんの事も知りたかったし。」
「………そんなに犬みたいじゃないよ?」


心外だなぁ、なんてちょっとだけ拗ねたように笑った。口元を抑えてクスクス笑うフェイトちゃんに、やっぱり聞いてみたい事はたくさんあった。前世では、誰より一番側に居たっていうフェイトちゃんだから。


“多分2人は前世では恋人同士だったんじゃないかな──”


一番気になっていたのはこんな言葉。なんていうか、もし本当にこれが本当の話だとしたら、私に記憶がなくて、なんていうかとても申し訳ないような事をした気になるから。いや、なんていうか思い上がりも良いところだと思うんだけど。なんて考えてた事を、今度はフェイトちゃんに悟られちゃったのか、フェイトちゃんが少しだけ苦笑した。


「……何だか皆に変な事、吹き込まれたのかな?」
「ふぇ?」


やれやれ、なんて言って。


「皆が言う様な関係性は、私達にはなかったよ。」


フェイトちゃんがそう言うと同時に、ふわりと風が吹く。風に攫われた金髪でフェイトちゃんの顔が隠れて、その時の表情が見えなかったけれど。風に乱れた髪を戻したフェイトちゃんは少しだけ優しく笑っていた。


「えっと…」


それって私とフェイトちゃんが恋人同士だったっていう話の事かな?と少しだけ思案する私にフェイトちゃんはほんの少し、表情を落とす。


「───なのはは、私を愛してはくれなかったから…。」
「ぅえっ?///」
「……あ、前世の話ね。」


「愛」という言葉に思わず大声を上げそうになった私に、先ほどの暗い表情から一変してクスッと笑って、フェイトちゃんは静かに続ける。


「皆から見たらそう見えたのかもしれないけど、とにかく私となのはは、そう言うのじゃなかったから。」


だからそんなに記憶がない事を申し訳なさそうに思わなくて良いよ、なんて。私ってそんなに分かりやすい顔してるのかな。それにしても急に「愛」なんて言葉が出てくるとは思わなかった。あれ?ってことは…?


「じゃあ、2人はただのお友達?」


2人は、なんて少し他人っぽい聞き方。まぁ、でも前世の私のことは全然記憶にも無いからなんていうか他人みたいなものなんだけど…。


「お友達って言うか、うーん、従者とお姫様っていうか。」


ほら、私孤児だったから。なんて微笑して、フェイトちゃんは「お友達なんて身分が許さないよ」と笑う。そういうものなのかな?時代的に。「そういう関係じゃない」とあっさり否定されて、ほっとしたようなちょっと残念なような。


「私が一方的に想っていただけだよ。」
「へ…?」


今なんて?と顔を上げた私に、ちょっとだけ意地悪な紅い瞳が向けられて。フェイトちゃんは何だか意地悪そうな顔をして、少しだけ微笑を浮かべていた。


「ほら、あんまり外に居ると冷えて風邪でもひいちゃうよ?」
「えっ…ぁ、ちょっ…」


ぐいぐい背中を押して、ベランダから部屋の中に私を押し込もうとするフェイトちゃん。「一方的に想っていた」ということはつまりどういう意味なんだろう、なんて聞く間もなく、力ではフェイトちゃんの方が強いみたいで。抵抗する間もなく、結局どういう意味か聞くことも出来ずに部屋に押し込まれてしまったのでした。


一瞬垣間見た、フェイトちゃんの少しだけ暗い表情に。それに気が付いたはずなのに、どうしても私は何も聞けずにそのままずるずるとフェイトちゃんのペースに巻き込まれてしまった。

もしここで、フェイトちゃんにもっと気付いてあげられたら、彼女の真実にもっと早く気付いてあげられたのかもしれないのに。












「───なのはは、私を愛してはくれなかったから」








そんな彼女の言葉が、妙に私の耳に焼き付いた。


















─────ソシテ動キ出ス












テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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