missing-10

前も言ったけど、あれね。
ついてこれる人だけドーゾ展開(∫°ਊ°)∫!

※なの視点→はや視点

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「……ったく…何だって言うのよ。」


隣でやれやれと不機嫌そうに吐かれた溜息。アリサちゃんは構えたままだった体の力を少しだけ緩める。と同時に、みんなの中からも緊張感が抜けて。それからアリサちゃんはそのまま言葉を続ける。


「ほら、さっさと降りてきなさい。」


聞こえてんでしょ、なんて。魔法の効果なのか、とても数メートル先にいるフェイトちゃんに聞こえる声量ではないと思うのだけど。アリサちゃんはそんな風に言って、それから「一体どうなってるのか説明しなさいよ」なんて。そう言われたフェイトちゃんは、少しだけ薄く微笑んで私たちの側へとやって来た。そういえば彼女の用事はもう済んだのかな?


「なぁフェイトちゃん、さっきのって誰?」


それからフェイトちゃんに一番最初に口を開いたのははやてちゃん。はやてちゃんは、はやてちゃんにしては珍しく少しだけ難しい顔をしていた。


「え?」


だけど対するフェイトちゃんは、何とも言い難い微笑を浮かべたままで、ちょっとだけ驚いたような顔をしてから「ごめん」と紡ぐ。


「私も分からないけど、てっきり皆が襲われてるのかと思って。」


それからちょっとだけ苦笑のような笑みを浮かべてそんな風に言った。ちょっと様子がおかしかったから、なんて付け足して。


「……あんた、そんなんであんな攻撃したわけ?」
「だ、駄目だったかな?」
「結果オーライだから良いけど…。」


フェイトちゃんの言葉にやや呆れ気味のアリサちゃん。そんな2人のやり取りを見ながら、どうしてかはやてちゃんだけ、少しだけ難しそうな顔をしていた。そんなはやてちゃんを余所に、私はそういえばと思っていたことを口にする。


「私、さっきの人知ってるような気がするんだけど……。」


一瞬フラッシュバックしたような光景を思い浮かべながら、ぽつりと。


「なのはちゃん、どこかで会ったの?」
「うぅん、なんていうか一瞬デジャヴって言うか…。」


気の所為かも知れないんだけど、なんて。首を傾げてそう聞いたすずかちゃんにやや苦笑を交えて答える。うまく説明できないのがもどかしいのだけど、確かに私はあの人を知っている。前世の記憶なのか、それともただ単にどこかで会っただけなのかもしれないけど。


「なぁ、フェイトちゃん。」
「うん?どうしたの?はやて。」


そんな中、相変わらず難しい顔をしたままのはやてちゃんはちょっとだけ何かを聞こうとして、だけど躊躇う様な仕草を見せて。


「……いや、何でもない。」


それから小さく息を吐いて、「私の勘違いやわ」なんて笑う。そんなはやてちゃんいフェイトちゃんは笑ったまま「変なの。」なんて返して、そこで私たちはひとまずさっきの人物の事は後で考えることにして、学校へと向かったのでした。






























─────雨か雪の日だったと思う。




「この子ね、私の従者にしようと思うの。」


その日、にっこり笑ったなのはちゃんが初めて自分の為にそんな我儘を言った。普段だったら決して他人が反対するような事(それも自分のわがまま)を押し通すなんてしない子だったから、ちょっとだけビックした事を今でも覚えている。


この子言うて指したのは、なんともみすぼらしい孤児の子供で。流石の私とアリサちゃんも少しだけ反対というものをした。すずかちゃんは、なんでか乗り気やったけど。ちなみに連れてこられた子供は何とも言い難いような、無表情。まぁ、この子の今までの人生を考えたら無理ないかも知れへんけど。後から年齢を聞いたら10歳くらいで、私らとそんなに変わらん年齢やった。


とりあえず整えるんは身なりから、言うてお風呂に入れたり嫌がるその子を無理やり磨き上げたわけなんやけど、なんていうか原石って言うんやろか。連れてこられたままの状態では全然わからんかったけど、その子は随分美人さんやった。子供心にもそう思うほど。まー、なのはちゃんが連れて帰って来た理由も分からんでもないな、なんて。そんな風に思った。


それからのなのはちゃんはというと、なんていうか日々に潤いを得たっていうか。国の公務ばかりで疲れる日々に、その子が入ることでとても楽しそうやった。始終べったりっていうか。妹みたいに思ってるのかと思えばそういう訳でもなかったらしい。数年後成長して、なんやまるで恋人同士みたいやなって思う事もあったくらい。王宮の大臣たちがフェイトちゃんの事を良く思ってなかったのは結構分かったけど、本人はあんまり気にしてへんみたいやったけど。


一時、なのはちゃんの力を狙ってるんじゃないかって噂が立ったこともあったけど、そんな事なんてあるはずもなくて。孤児として連れてこられた彼女はいつの間にかなのはちゃんの一番の従者となって近衛として常に側に在った。

少なくとも、私は。私らはそんな彼女達をずっと見てきた。守る為に。なのはちゃんは勿論のことやけど、フェイトちゃんも守りたかった。途中から宮殿に現れたフェイトちゃんやけど、ずっと一緒に居た同士で幼馴染みたいなもんやったから。









「私も分からないけど、てっきり皆が襲われてるのかと思って。」






だから。


朝、あの時そう言った彼女に違和感を感じた。本当はずっと感じてたんやけど、疑いは確信に変わった。フェイトちゃんは、絶対に何かを隠してる。それが何なのかは分からんけど、どうにもおかしい。私らの忘れてしまった何かを彼女一人だけ覚えているような、そんな気がする。とはいえ、そんなん聞いてもきっとあの子は教えてなんてくれないんやろうけど。














「……なんや、もどかしいわ。」
「ふぇっ?何が?」


瞑想に耽りながら気が付いたら思っていたことが口に出てしまったらしい。

教室でぼんやり考えていた私は、なのはちゃんの「何が?」なんて言葉で我に返った。ちなみに朝のひと騒動を終えて、私らはいつも通り学校に来て授業を受けたりなんてしている。そんなんしてる場合と違う気もするけど。


「あ、ごめん。独り言やよ。」


ちょっとだけ苦笑交じりにそう言う私は何だか歯がゆい気持ちを抑えて力なく息を吐いた。それから斜向かいに立つすずかちゃんへ視線を向ける。すずかちゃんは何も思ってないんやろか。なんて思いながら口を開きかけて、ふと窓の外に見知った金髪を見つけて立ち上がる。


「ちょっと、ごめん。」
「ふぇっ?どこ行くのはやてちゃん!」


授業始まっちゃうよ?なんていうなのはちゃんの声を背中に受けて、すずかちゃんに「なのはちゃんのこと宜しく」なんて適当に言って、教室を出る。


さっき窓の外に見えた姿は紛れもなくフェイトちゃんやった。もうすぐ授業が始まる時間帯に、どうしてそんなところに居るのかと気が付いたら駆け出していて。

一気に階段を下りて、学校の履物のまま外へ出る。この頃には授業開始のチャイムなんて聞こえてきたりして、だけどそれどころじゃなくて私はフェイトちゃんが居たはずの場所へやって来て辺りを見渡す。





「───おかしいな…確かこっちに……」


おったはずなんやけど、なんて独り言ちた私のすぐ後ろ。


「何してるの?はやて。」


聞き慣れたフェイトちゃんの声が聞こえた。フェイトちゃんは薄く笑みを浮かべていて、その笑みがなんていうか酷く私を落ち着かなくさせる。


「フェイト、ちゃん…。」
「授業始まっちゃったよ?」


行かなくて良いの?なんて首を傾げるフェイトちゃんは相変わらず何を考えてるかよう分からん表情やった。


「フェイトちゃんこそ、何してるん……?」


そう聞いた自分の鼓動が妙に大きく感じた。


「ここに居たら、はやては来るかなって。」
「は?」


そんな私に、フェイトちゃんが困ったような苦笑を浮かべて。それから息を吐く。


「ほら、朝何か言いたそうだったから。」


皆居る所じゃ話せないのかなって。なんて言って、フェイトちゃんは近くの気に寄りかかる。不意に見せたそんな寄りかかる癖が妙に懐かしく感じた。


「あー…もしかして、まんまと誘い出されたって感じか?」
「そんな感じ。」


クスクス笑って、昔と変わらない物言いのフェイトちゃんに酷く安心した。やっぱり勘違いやったんやろうか、なんて思う。授業中ということもあってか学校は妙に静かで、さわさわと風の音がして。そんな中。真正面に立つフェイトちゃんが少しだけ微笑を浮かべた。昔通りのフェイトちゃんなのに、やっぱり何か違う気がした。


「フェイトちゃ───…」


なんやろ。このまま放っておいたら何処か遠くに行ってしまう様な、そんな錯覚がして名前を呼んだ。


「……ねぇ、はやて。」


せやけど、フェイトちゃんはくるりと身を翻して私に背を向けて。それから仰ぐように首だけこちらへと向けて、紅い瞳をこちらへ向ける。ほんの少し、暗い色の瞳。


「な、なに?」


それからフェイトちゃんは、小さく告げる。


「もしもあの日さ。」


「あの日」がいつの事を指しているかなんてすぐ分かった。薄っすらと弧を描いたフェイトちゃんの唇が、それから衝撃的な言葉を紡ぐ。


「なのはを殺したの、私だって言ったら。」


はやてはどうするの──…?





それは冗談にしたって趣味の悪い話。





さわさわと風が吹く中、そんなフェイトちゃんの耳を疑う様な言葉が静かに木霊した。


















─────サァ 始メヨウ
















Continue...










テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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