バレンタイソ|д゚)

特にヤマなしオチなしなバレンタイン(^o^≡^o^)

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「良かったら、貰ってくださいっ」
「──えっ?」


年に一度、女の子が好きな相手にチョコをあげる日。私が女の子に初めてチョコを貰ったのは、中学校に入ってからの事だった。あ、もちろんなのはやはやてからはいつも手作りのチョコを貰っていたけど。2人は毎年楽しそうにチョコレートを作っていたっけ。

なんて、そんな話は置いておいて。


「えっと、…ありがとう。」


そうして、今年もまたそんな時期がやって来た。私にとって、好意を寄せられるのは嬉しい事ではあるけれど、それでもちょっとだけ困ったりする時期。こうして、私はチョコレートを受け取った。相手は教導隊の制服を着ていたから、なのはの教え子とかそういうのかな?お礼を言って受け取ったらその子はちょっとだけ嬉しそうに頬を染めて、駆けていく。名前くらい聞いてあげたら良かったな、なんて後になって思い出したりした。








「──ごめん、遅くなって。」


その足でやって来たのは局のラウンジ。待ち合わせの時間に少し遅れたことを詫びて、それから開いている席へと腰かけた。4人掛けの席に先に座っていたなのはとはやては「お疲れ様」なんて言って先にコーヒーを飲んでいて。私もコーヒーを注文して小さく息を吐く。なのはもはやても小学校のころからの幼馴染。気兼ねなく2人と過ごす時間が、私はとても好きだ。


「なんや、仕事忙しいん?」
「うーん、だいぶ落ち着いてきたよ。はやてこそ忙しいんじゃない?」


斜向かいにはやて。隣になのは。2人はちょっとだけいつもより砕けた感じの雰囲気で、なのはに関して言うならほんの少しだけどこか不機嫌そうな気がした。頬杖ついて、こっちを見ているなのは。いや、見ているのは私じゃなくて…。


「あ、これ?」


見ているのは、どうやらさっき貰ったチョコの袋みたい。包装からして高級そうなチョコだなぁ、なんてまじまじ見てちょっとだけ苦笑した。


「さっき貰ったんだけど…。」
「もうすぐバレンタインデーだもんね。」
「フェイトちゃん忙しい時期やね。」


2人ともそう笑ってコーヒーを飲む。私もつられるようにコーヒーに口をつけて、それから一息ついた。なんていうか、嬉しいのだけどやっぱり複雑だった。好意を向けられるのは純粋に嬉しい。なんだけど、私はそれに対してどうする答えも持ってないし。それに、実は密かに想う相手もいる。というか子供の頃から決めた相手がいるわけで。


「ん?どうかしたの?」


ちらりと視線を向けた先、なのははまだちょっと不機嫌そうなまま、コーヒーに砂糖を入れて、スプーンでカチャカチャ混ぜていた。


「あ、うぅん。何でもない。」


まぁその想う相手というのは、つまるところなのはなのだけど。多分一緒言えない私の密かな想い。っていうか言えるはずないしね。だってなのはは女の子で、私も女だから。ミッドでは同性婚も当たり前だけど、なのはは地球生まれだし。きっと変な顔されちゃうに違いない。だから、ずっと言うつもりはないんだけどね。

それから他愛ない雑談をしているうちに、はやてが腕時計を見て小さく「ぁ」と呟いた。それからちょっとだけ「しまった」なんて苦笑して席を立つ素振り。


「私この後約束あるんやった。ほんならまたな、2人とも。」
「あ、うん。またね、はやて。」
「お仕事頑張ってね。」


なんて言って、私となのはは小さく手を振ってはやてを見送った。この後特に用事もないし、私はとりあえず久々にオフ。この後なのははどうするのかな?なんて思ってちらりとなのはを覗き見る。と、ばっちり目が合ってしまった。


「フェイトちゃん、この後どうするの?」


目が合って、なのははちょっとだけ首を傾げて可愛らしく笑った。そんななのはにドキッとして、慌てて視線を逸らしてコーヒーを飲む。


「えっと…特に予定はないんだけど、……なのははどうするの?」


仕事?なんて続けて聞けば、なのはは「んー」なんてちょっと考える仕草。こういう考える仕草は何だか昔から変わらないなって思う。


「どうしようかなー。」
「忙しくないの?」
「ん。今のところは。それに明日は午後の教導しかないから、今日はこのままお休み貰っちゃおうかな…」
「そうなんだ。私も明日はオフなんだよね。…次の航行が決まったから、ちょっと休養期間。」


とはいえ書類仕事はいっぱいなんだけど、なんて苦笑して続ければ、隣のなのははちょっとだけ思案している様子。


「えと。私の家来る?」
「んー、そうしよっかなー。」
「散らかってるけど…。」
「そう言っていつも綺麗にしてあるじゃん。」
「……そうかな。」


そんな風にして、私となのはは早々にカップのコーヒーを飲み干して席を立った。それから荷物をまとめるなのはに付き合って、そのまま私のマンションへ。途中「夕飯作るから」なんて言うなのはと一緒に買い物をしたりして、なんか恋人っぽいなぁなんて勝手な妄想なんてしたりして。


「おじゃましまーす。」
「いらっしゃい。」


そうこうして私の家について、なのははなんていうか勝手知ったる、というか。買い物してきた荷物を冷蔵庫へとしまって、それからせっせとお茶を淹れてくれたりなんかして。いや、自分の家なのだから、私が淹れれば良いのだけどなんでかなのはが「座ってて」なんて言うわけで、結局お言葉に甘えてしまって。それからお茶を飲みながら、まったり談笑なんてして。そんな談笑はやがて時期的にも、バレンタインの話になるわけで。というかテレビをつけていて、たまたまバレンタインの特集なんてやっていたからなんだけど。


「そういえば、今日チョコくれた子教導隊の制服着てたよ。」


なのは、知ってる子かな?なんて不意に思い出した事を口にした。結構有名な高級ブランドの袋を目にしながら、何気なく言った言葉にほんのちょっとなのはの空気が、こう…ひやりとした感じになるというか。何か良くない事を言ってしまったかと、慌てて話題を変えようとして。


「あ、えっと。…た、食べる?」


結局話題を変えるのが下手な私は、そんな事しか言えなかった。「私1人じゃ食べられないし」なんて多少言い訳しながら、いそいそ包装を開けて、箱を開けて。


「きっとこのチョコ、高いよ?」


それからほんの少しだけ意地悪く言ったなのはに私も少し苦笑して「そうだね」なんて答える。確かに高そう。1粒1粒が何だか豪華だし。知らない子にこんなの貰って良いのかなって気にもなる。


「貰わない方が良かったかな?」
「どうせ断れないくせに。」
「そっ…でも、知らない子だったし…。そんな子にこんなの貰うなんて。」


貰っておいてこんな事言うのもどうかと思うけど、なんていうかやはり悪い気がする。


「名前聞かなかったの?」
「……うん。」
「もー。」


仕方ないなぁ、なんて言ってなのはは「あとで聞いておいてあげる」なんて。ちょっと不機嫌そうにそう言って、お茶を飲んだ。何だかんだで私はいつもなのはに頼りっぱなしだ。多分ホワイトデーでお返しするときも、きっと私は何を買っていいか分からなくてなのはと一緒に買い物に行くんだろうな、なんて。私は情けなくも小さく溜息を吐いたのだった。





























自分の好きな人がバレンタインデーに誰かからチョコレートを貰っていたら、それはまぁ「素敵な人だから」って事で、本来なら喜ぶ事なのかも知れない。けれど私には素直に喜ぶ余裕なんてなくて、むしろちょっと複雑で、実はほんの少し不安。

率直に言えば、フェイトちゃんはとてもモテる。男女問わずだけれども、特に女の子に人気かな?だからこの時期は、私は結構複雑な気持ちの時が多い。今日だってまた、フェイトちゃんは誰かからチョコレートを貰ってきたみたい。それも有名なブランドのチョコレート。こんな高価な義理チョコとかきっとないと思うから、多分本気のチョコなんだろう。

フェイトちゃんはそんな事気付いても居ないだろうけどね。


「名前聞かなかったの?」


頬杖ついて何気なくそう聞くと、フェイトちゃんはちょっとだけ不安そうな泣きそうな顔で小さく頷いた。普段の凛々しい姿も、こうなるとなんだか子供みたいで、私は小さく息を吐く。何だかんだで、こういう姿は他の人に見せないフェイトちゃん。私だから見せてくれる姿だと思えば、なんていうか私もまぁ「仕方ないなぁ」なんて気持ちになるわけで。


「あとで聞いておいてあげる。」


どうせ何となく見当はついてるし。なんて言えないけど。そう言うと、フェイトちゃんはちょっとだけホッとしたような顔で「ありがとう」と笑う。フェイトちゃんは大人で、しかも皆が憧れる様な優秀な執務官でエリートで。(こういう言われ方、フェイトちゃんはあんまり好きじゃないみたいだけど)だけどこういう時のフェイトちゃんはなんていうか、本当に放っておけない子供みたいだった。

フェイトちゃんへの気持ちを初めて自覚したのは、もう随分と前の事。どうしてかなんて理由もなくて気がついたら誰より特別な人で。それからずっと、私はフェイトちゃんの事ばかり見てきた。


「なのは、食べて良いよ?」


そんな私の気持ちなんて露知らず、フェイトちゃんは誰かから貰ったチョコを私に寄越すわけで。そりゃあ、有名なお店で噂のチョコレートなんて、食べたいけど。でもやっぱり進められるのって複雑。


「良いの?誰かからの本命のチョコレート、そんな風に私にくれちゃって。」


だから、ちょっとだけ意地悪な事を言っちゃったわけで。対するフェイトちゃんはほんの少し紅い瞳を瞬いて、それから少しだけ可笑しそうに笑った。


「本命じゃないと思うけど。」


だって告白されたわけじゃないし、なんて少し困ったように笑って「それに1人じゃこんなに食べられないよ」なんて。まぁ、確かに1人で食べるには多い量かも知れないけど。


「美味しいよ?」


うーん。フェイトちゃんは甘いものがあんまり得意じゃない。だから確かに、毎年フェイトちゃんが貰ったチョコレートを捨てないように消化するのは結構大変な事だった。捨てるよりは、誰かと一緒に食べた方が全然良いもんね。そう思案して。


「あ。」


両手にお茶のカップを持ったまま、「あ」なんて口を開く。フェイトちゃんはそんな私に目を瞬いて私と、手元のチョコレートの箱を交互に見て、ほんの少しだけ恥ずかしそうに「えっと」なんて言いながらチョコレートを1粒指で持ち上げた。私の意図することは「食べさせて」って意味で、フェイトちゃんもその意味を酌んだみたいで。そういえば小さい頃は良く「あーん」とかして貰ったっけ、なんて思い出していた。

ほんの少し恥ずかしそうに染まったフェイトちゃんの頬。分かりやすいな、なんて思ったりもする。普段はポーカーフェイスなくせに。いい加減、私の気持ちにも気が付いて欲しいものだなんて、今までの数々のフェイトちゃんの鈍感な愚行を思い出してちょっとだけ眉を寄せたと同時に、唇に触れるチョコレート。ほんのり香るカカオの香り。

どうせなら思い切り悪戯してやろうと不意に思いついた。悪戯というか、仕返しというか。…なんの仕返しだか分からないけど。

私の唇にチョコレートを運ぶ、その細くて白い指をわざとぺろりと舐める。


「っ!?///」


舐めた瞬間に、猫の毛が逆立つようにビクッとフェイトちゃんが驚いたのが分かる。本当に猫みたいで可愛かったのは内緒。たちまち真っ赤になったフェイトちゃんがなんだか面白かった。


「…美味し。」


今度はぺろりと唇を舐めて「やっぱり有名なお店のは違うね」なんて言えば「そそそそうだね」なんてやたら上擦った声で、フェイトちゃんがそう言って。なんていうか本当にわかりやすいっていうか。



その後フェイトちゃんは暫く顔が赤いままだった。













「フェイトちゃん、もう1粒、ちょーだい?」
「…っ!?///」
















みたいな。



小悪魔に目覚めたなのはさんみたいな。
あ、ハッピーバレンタイン(∫°ਊ°)∫



テーマ : 日記
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
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