missing-14

久々ですがようやく再開。
ちゃんと読み返してないので何かおかしいとこあるかも知れません。

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彼女が私たちの前から居なくなって、数日が経った。

その間私たちは相変わらず、そんなことしている場合じゃないって分かっているけど学校に通わなくちゃいけなくて。もしかしたら彼女も学校に来るかもなんて、そう淡い期待を抱いたりもしたのだけど。彼女がその姿を表すことなんてなかった。それに、あの男の人も。

私の真実は、まだ何も解明されていなくて、心ばかり急く毎日。


彼女は今頃一体どこで何をしているんだろうかと、不思議とそんな事ばかり考えてばかりだった。














missing-14

















「……なんや、調子狂うな。」
「そうね。」


彼女が私を殺すと宣言して、居なくなって数日。一向に彼女が私たちに何か仕掛けてくる事はなくて、通常の日常のような日々が過ぎて。そんな日常の中の帰宅の途に就く途中で不意にはやてちゃんが溜息交じりに呟いた。

隣を歩くアリサちゃんも、寡黙に何か考え込んでいるような顔をしてそう小さく返す。フェイトちゃんが居なくなってから。なんていうか皆いつも、それぞれ何処か考え事をしているような感じ。

毎日通るその帰路。彼女が居なくなって数日、毎日歩いていたその場所の風景が、今日だけは少しだけ違った。いつも歩く道。公園の前の曲がり角の手前。


「なのは、ストップ。」
「ぅえ…」


アリサちゃんがそう言うと同時に、後ろを歩くはやてちゃんに、ぐいって腕を掴まれて思わず歩を止めた。いつの間にかみんなはピリピリした空気を纏っていて、私は少しだけ息を飲む。その人と会うのは2度目。その角からゆらりと姿を現したのは、この間会った男の人だった。色白の、少し薄気味悪い男の人。何かを知っている男の人。ずっと聞きたい事があった。


「貴方は──…」
「なのはちゃん。」


一体誰なの?そう言おうと思った言葉はすずかちゃんに制止されて、口を閉ざす。その男の人は、相変わらず何も言わないまま薄気味悪くこちらをみて微笑んでいた。それから顎に手を当てて、私と他の皆に視線を馳せて。


「フェイトが居ないようだね。」


あぁ、もしかして正体がバレちゃったのかな?なんて笑った。物知り顔で、まるで私たちの反応を楽しむようなそんな顔。そんな男の人に、ちりちりと胸が焦れた。その人は知っている。私の知らない事を。彼女の事を。彼女の考えている事を。それが堪らなく嫌だった。


「……あんた、一体何者なん?」


それから最初に口を開いたのははやてちゃんだった。少しだけ難しいような顔をして、怒ったような顔にも見える。はやてちゃんが見据える先のその男の人は挑発するような笑みを浮かべた後、手元に魔方陣を描く。指を弾くようにして、滑らかに。


「寂しいなぁ…。忘れられてしまったなんて。」


そんな言葉とは裏腹に、歪んだ楽しそうな笑み。


「君も覚えてないのかい?」


そんな笑みを浮かべて、真っ直ぐ私を見てそう問う。じりじりと焦げるような焦燥感と、変な汗が浮かんで、蛇のように絡みつく視線に寒気がした。目の前でその人が描く魔方陣から揺らめく様に現れたのは黒い獣だった。何度も交戦した、例の魔獣と呼ばれる生き物。黒幕が彼だったのは、何となく思った通りの展開だった。


「覚えて…ません。」


湧き上がる既視感を抑えながら、そう低く呟くと、その男の人は小さく笑う。


「残念だよ。前世とはいえ婚約者だったはずなのにねぇ。」
「えっ?」


それから告げられたそんな事実に、私は思わず驚きの声を上げてしまった。もちろんアリサちゃんも、すずかちゃんもはやてちゃんも、同じ反応。皆が似たような反応をした事に、これまた面白そうに笑うその人。


「貴方が、私の──…?」


婚約者、という言葉に気味の悪い不安が沸いた。だって、そんなの。例え前世だとしても嫌だった。そんな思いが顔に出てしまったのか、不意に目が合って。


「おや。」


おやおや、なんてもっと顔を歪めて笑うのはその男の人。


「ククク、そうそうその顔だ。」
「え?」
「あの時、僕との婚約が決まった時も君はそんな顔をしていた。」


あの時、と言ったのは前世の事みたいで。不気味に思えて一歩後ずさる私を支えるようにすずかちゃんが手を添えてくれた。


「もっとも、その時の君はすぐに表情を消して国の為に聞き分けよく了承してくれたけれども。」


口元に手を当てて可笑しそうに笑って、手元に召喚(というのだろうか?)した黒い獣の頭をひと撫でした。


「あんたがなのはを手に掛けたの?」


そう言ったアリサちゃんがいつの間にか手元に握るのは杖。ゆっくりと、だけど強く握ったその杖を構えながら低く唸るように言うアリサちゃんに、その男の人は肩を竦めて見せる。


「いやいや。もちろんそうするつもりではあったんだけどねぇ?」


くるくると指先で黒い獣の頭を撫でながら、おどけたような口振りで続ける。


「結局ほら、君はあの従者──フェイトに殺されちゃったわけだし。」


あの時は残念だったよ、なんて笑う。その笑い声にぞっとして、無意識に服の端を掴む手が震えた。いくら国の為とはいえ、この人と結婚しようとしてたなら、そんなの殺されてしまった方がマシなんじゃないかな、なんて頭の隅で思うくらい。


「それで?貴方は生まれ変わってもまたなのはちゃんを?」


冷ややかな声ですずかちゃんが紡ぐ。いつも穏やかなすずかちゃんのこんな声は初めてだった。ぴりぴりとした空気が肌を刺すような緊張感があたりを支配して、息が詰まるような錯覚。ほんの少し滲むような皆の魔力を感じて、魔法を実感した。


「僕は別に彼女に恨みはないんだけどねぇ。……ただ欲しいだけなんだよね。」


そう言って指差した先に居るのは私。


「だって永遠の命なんて、興味がないはずがないだろう?」


そう言って、獣を撫でていた方の手を不意に払った瞬間に、その獣が動き出す。それと同時にいつの間にか四方に数匹の獣が現れていた事に気が付いて、ほんの少し身を固めた。じりじり歩を寄せる様な獣にはやてちゃんとアリサちゃんがそれぞれ杖を構えて、すずかちゃんの魔方陣が足元に浮かんだ。鮮やかな色の、青い光。

一拍置いて飛び掛かって来たその獣を、魔法の盾を使って防いだのはアリサちゃんだった。光の障壁っていうのかな?橙色の魔方陣を展開して獣を弾く。


「なのは、下がって!」
「で、でも───…」


守ってもらうばかりは嫌だと、この間強く思ったばかり。本当に凄い魔法が使えるなら、私だって誰かの為に戦いたい。守りたい。そして出来ることがあるなら、彼女を助けたい。止めたい。


なんて。


彼女の事を思ったからだろうか。同時に響いたのは、轟音。


「──ッ、何!?」


飛び掛かって来ていた獣に容赦なく剣が落ちて来た。獣を裂くような閃光と轟音が響いて、私は思わずよろけてすずかちゃんに支えられた。剣が落ちて来た先に顔を向ける。



「あぁ、久しぶりだねぇ…。フェイト。」






そう楽しそうに呟くその男の人の視線の先。ビルの上で風に靡く黒いコート。




先に立ってこちらを見下ろすのは、冷え切った紅い瞳だった。



























Continue...








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
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