フェイトちゃんはダメ夫なんかじゃないんだからねっ

こねた。

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「最近さぁ。」
「ん?」


後輩には見せられないような格好で、机の上にだらしなく頬を付けて、小さく呟いた言葉。不機嫌な呟きにも似た私の呟きに、はやてちゃんは「何か言った?」なんて返す。書類にはやてちゃんがサインするのを待ちながら、空いた時間を過ごすほんのひと時。特にそんな不機嫌な呟きを零すつもりはなかったんだけど、思わず出た不満。目に見えて分かる不機嫌さに、はやてちゃんは少しだけ苦笑を漏らしていた。


「……最近、フェイトちゃんに良く絡んでる子が居るんだけどさ。」


大人げない嫉妬。平たく言えば、私の不機嫌の原因はそれだった。何となく唇が尖らせて言う私に、はやてちゃんは「あぁ」と一言。


「なのはちゃんの後輩の子?最近よー見るなぁ。」


フェイトちゃんの周りで。なんて言いながら「仲良いん?」なんて。別に仲良くもなく、悪くもない、そんな唯の後輩。──が、何故か最近やたらとフェイトちゃんに話しかけている。それがちょっと面白くない。年下の、それも後輩相手にそんなやきもちちょっと恥ずかしいんだけど、フェイトちゃんが絡むと私はいつも何だか余裕がない。


「私、毎日見てる気がする。」


ぐったりうなだれたようにそう言うと、はやてちゃんが何だか可笑しそうに笑った。


「管理局のエース、高町教導官のそんな姿、とても他の子には見せられんね。」
「笑いごとじゃないよー。」


頬を膨らまして小さく机を爪で叩く。


「フェイトちゃん優しいから嫌な顔とかひとつもしないでちゃんと相手してあげてるし。」
「そゆとこも好きなんやろ?」
「……そう、ですけど。」


確かに優しいフェイトちゃんだから好きっていうのもあるけど。でも。


「たまに不安になったりするじゃん。」


唸るようにそう言う私にやや非難がましく「惚気はよそでやって」なんて言いながら、はやてちゃんはコーヒーに口をつけた。


「じゃあ他の子に優しくしないでーとか言うて見たら?」
「そっ…そんなの言わないよ!」


別にそんな事言いたいわけじゃなくて。


「ただ、……ほら。」
「うん?あぁ、サインこれもやね。……ただ、何よ?」


書類に片っ端からサインをして、はやてちゃんは筆を置いた。


「ただ、フェイトちゃんってちょっと…普段の生活って、隙だらけじゃん…?」
「あぁ……。」


フェイトちゃん、抜けてるからなぁ…なんて続けるはやてちゃんに私は小さく息を吐いた。別にフェイトちゃんが浮気するとか、そんな事は心配してない。んだけど、違う不安はあるっていうか。


「任務中は全然隙なんて全然ないんやけどねぇ。」
「ねー…。」
「全くモテる旦那を持つと大変やねぇ。」
「……まだ結婚してない。」


なんて。小さく溜息を吐いた拍子に、部屋にコンコンと響くノック音。咄嗟に私は姿勢を正した。こんなにぐだぐだした姿、他の人に見せられないし。……けど、部屋に来たのは渦中の人物。


「あ、はやて。ちょっと聞きたい事が──…あ。なのは、来てたんだ。」


ちょっと子供っぽく「ラッキーだね」なんて笑うフェイトちゃん。私の気苦労(というか勝手にやきもち焼いてやきもきしてるだけだけど)なんて知らずに何だか楽しそうで、ぽわぽわしてるのがちょっと腹立たしい。


「ちょうどフェイトちゃんの話してたとこなんよ。」
「え?そうなの…?」


そう言って不思議そうに首を傾げて、はやてちゃんに書類を手渡そうとしながら「どんな話?」なんて言うフェイトちゃん。何となくはやてちゃんが悪戯っぽい顔をしているような気がした。


「なのはちゃんがフェイトちゃんと別れたいって。」


ニヤニヤ意地悪な笑みを浮かべたまま。まぁ、こんな顔を見れば冗談だってすぐわかると思うんだけど。……思ったんだけど。

バサバサバサバサ、なんて。フェイトちゃんの持っていた書類が床に散らばった。


「えっ…?なん……?」
「言ってない!言ってないよ!!!?」


ギギギ、なんて音がしそうな動きで振り向いて泣きそうな顔のフェイトちゃん。なんでそうすぐ信じちゃうのかな?なんて呆れながらも慌てて誤解を解く。はやてちゃんは可笑しそうに大笑いしていた。フェイトちゃんは何だか泣きそうな顔でプルプルしてるし。

結局私は、はやてちゃんが余計な(冗談の付加情報とか)を言わないうちにフェイトちゃんをはやてちゃんの部屋から連れ出したのでした。





「………。」
「まださっきの冗談気にしてるの?」
「だ、だって急にあんなこと言われたら…。」


誰だって不安になるじゃない。なんてはやてちゃんの部屋を出て、通路を歩きながら。ちょっとだけ唇を尖らせるフェイトちゃんは少しだけ怒ってるような顔。実際は怒ってないんだろうけど。怒ってると言うよりは、拗ねたような顔かな?


「はぁー。」


何だかやきもち焼いて悩んでるのが馬鹿らしく思えてきた。


「フェイトちゃんと別れたいとか、考えたこともないよ?好きだもん。」


言わないと分からないのかな、この人は。そう言ってちょっと強引にフェイトちゃんの手を握る。指を絡める様な、普段はあんまり(人前では)しないつなぎ方。


「えと、私も好きだよ。」


ちらりとフェイトちゃんの方を見ると、フェイトちゃんは少しだけ頬を染めて微笑んで、そんな風に小さく呟いたのでした。本当に、戦闘中の凛々しい姿は全く想像できないような顔。


そんな笑顔を見て、なんとなく。





私がしっかりしなきゃな、なんて思ったのは内緒の話。











FIN




フェイトちゃんはダメ夫…じゃないぞ(∫°ਊ°)∫!

……たぶん。











テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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