何も浮かばない( ˙-˙ )

何もいいネタが浮かばない( ˙-˙ )ので、小ネタ。

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「なのはさんもおひとつどうですか?」
「えっ?──あ、ありがとう。」


手のひらにひとつ。落とされたのは白い包みに包まれた飴玉だった。ティアナはそれを酷く気に入っていたらしくて、「美味しいんですよ」なんて笑う。


「薄荷?」
「えぇ、八神元部隊長がお土産にって、くれたんです。」
「地球のだよね?」
「はい。なのはさんの故郷ですよね?」


うん、なんて頷きながら手のひらの飴玉の包みを開けた。ほのかに香る薄荷の香りに、どうしてかちょっとだけ胸がきゅんとした気がしたような。


「私、薄荷の飴って実は舐めた事ないんだよね。」
「えぇっ?そうなんですか?」
「にゃはは、私も今気付いたんだけどね。」


そう言う私に、ティアナは「勿体ない」なんてちょっとがっかりした顔をした。


ほんの少し、フェイトちゃんに用事があってやって来た執務室。フェイトちゃんは生憎用事があって執務官を留守にしているということで。「すぐ戻りますよ」なんていうティアナにコーヒーを淹れて貰ったところだった。


「そんなに好きなら今度帰った時ティアナにもお土産買ってきてあげるね。」
「ありがとうございますっ。スバルったら私が大事に食べてるのに遠慮なくバリバリ噛み砕いて食べるんですよ…」


肩を落としながら呆れたように言うティアナに苦笑して。てのひらで転がしていたその飴玉を口にする。すっきりした味の薄荷。香りから察するに味は予想ついていたし、初めて舐めるはずなんだけど。


「……美味しいね。」


割と結構好きだった気がする。いや、食べた事とかは本当にないんだけど。でも、懐かしいっていうか。


「あ、私ちょっとこの資料だけ置いてくるので、少し待っててください。」
「うん。じゃあ、待たせて貰うね。」
「もうすぐフェイトさんも戻ってくると思いますので。」


そう言ってたくさんの書類を手に持ってティアナは部屋を出た。フェイトちゃんの部下は忙しそうだな、なんて思いながら子供みたいに口の中の飴玉をコロコロ転がして、目を閉じる。


「……んー…。」


何だったかなぁ、なんて思考を巡らせても思い出すことは難しくて、だけどそれが結構気持ち悪い。


「懐かしい、とは違うような気もするしなぁ。」


唇に手を当てて、ちょっとだけ眉間に皺が寄った。コロン、と転がすと喉元を過ぎる味。でもやっぱり記憶をたどっても私は薄荷の飴なんて舐めたことがない。……と思うんだけど。どうしてか、この味と、鼻腔を抜ける香りに胸がきゅんとする。


やっぱり何処かで舐めた事があったのかな?なんて一人で首を捻った。


「あれ、なのは来てたんだ?」


そんな中。扉が開くと共に、ちょっとだけ間の抜けたフェイトちゃんの声がした。フェイトちゃんは片手に書類をいっぱい抱えて「もしかして待っててくれたの?」なんてちょっとはにかむ。そんな顔されると、なんていうかこっちもちょっと照れるというか…。


「ティアナが居ても大丈夫って言ってたから─…あ、フェイトちゃんお仕事忙しい?」
「うぅん、もう大丈夫だよ。なのはが来てるって知ってたらもっと早く帰って来たのに。」


ちょっと子供っぽくそう言うフェイトちゃんに笑って、口の中で飴玉を転がした。


「なのは、飴舐めてるの?」


珍しいね、なんていうフェイトちゃんにそういえば、なんて思い当たる。フェイトちゃんならもしかして知ってるかも、なんて。


「ねぇ、フェイトちゃん?」
「うん?どうしたの?」


フェイトちゃんとは長い交際を経た恋人同士。中学性の頃から恋人だし、何か思い当たる思い出とかあるかも。なんて。


「あのさ。」


思った矢先、今度は扉が開くと同時ティアナがやって来た。


「あ、フェイトさん…早かったですね。」


もしかして邪魔しちゃいましたか?なんて口にはしないけどティアナの顔にはそう書いてあって生真面目なティアナに思わず笑ってしまったり。









「───え?薄荷?」




そんな経緯があって、フェイトちゃんに「どうぞ」なんて。ティアナから貰った飴玉にフェイトちゃんはちょっとだけ驚いた顔。


「どうしたの?これ。」


懐かしいなぁ、なんて包みを開けるフェイトちゃん。


「八神元部隊長に頂いたんです。」
「そうなんだ…。私も結構好きなんだよね、これ。」
「ふぇ?そうだったの?」
「うん。中学校の頃とか良く舐めてたよ。」


そうだったっけ…なんてちょっと。昔の記憶を思い出しながら口の中でコロコロと転がす飴玉。じゃあそれで懐かしいって思ったのかな?だとすれば合点がいくし。そういえば中学って言ったらフェイトちゃんと付き合い始めた頃だなぁ、なんてほのぼのとそんな事を思い出して。


「………。」


思い出して。


「…………。///」


思い出した。薄荷の味の秘密。どうして懐かしいと思ったのか、どうして舐めた事もない飴を好ましいって思ったのか。どうして胸がきゅんとするような気がしたのか。


「ふぇ…///」
「なのは?どうかしたの?」


顔赤いよ?なんて寄ってくるフェイトちゃんの紅い瞳と目が合って、合点がいった。それは中学生の頃の思い出で、彼女との思い出。


「なん、なんでもないの!」
「えっ?」
「ちょっと用事思い出しちゃった!///」


フェイトちゃんもティアナもまた後でね、なんてソファーから立ち上がって慌てて部屋を飛び出した。


「あ、ちょっと…なのは!?」



人目も気にせず顔を赤くしたまま廊下を早歩きで進んで、そのまま角を曲がってようやく人気のない場所で小さく深呼吸した。窓ガラスに映った自分の顔のなんと赤いこと。



「うー…」


薄荷味。懐かしいのも当然。きゅんとするのも当然。





思えば彼女とのファーストキスも中学生の頃だし、そういえばそれってファーストキスの味だったかもしれない。なんて唇に少しだけ触れてみた。


今更。ほんとうに今更だと思うんだけど。もう彼女とは長い付き合いだしキス以上の事だってしてるし、体の関係なんてとうに結びきってるのに。なのに、初めてのキスというものを咄嗟に思い出して、なんだかとても恥ずかしくなったなんて。


そんな自分が恥ずかしいとも思う。



あの時はどっちもなんていうか初心で。思い出すだけで恥ずかしい。もういい大人なのにな、なんて両手で頬を覆ったのでした。








その後暫くフェイトちゃんの顔をまともに見れなかったのは余談で。そんな私の様子に何か勘違いしたフェイトちゃんがお仕事中にちょっと怪我なんてしちゃうのは別のお話。













なんて。(∫°ਊ°)∫






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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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