いい加減分かってよね。(後編)

本当に分からないの?(前編)の続き。

ありがちなマンネリ的短編になりました( ˙-˙ )
こういうの何度も書いてる気がする。

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「もう。フェイトちゃん何処か具合悪いの?」
「えっ…えと…そんな事は、ないんだけど…。」


シャーリーの策略(というのも変だけど)によりなのはが迎えに来て。そのまま私はなのはに引っ張られるようにして家へと帰宅した。帰宅して早々になのはは勝手知ったるというか、私の家のキッチンで買物して来た物を冷蔵庫へとしまう。


「シャーリーが連絡くれた時はびっくりしたんだからねー?」
「ご、ごめん…ただちょっとぼーっとしてただけなんだけどね…。」


少しだけ眉間に皺を寄せたなのはに苦笑気味にそう言って、私はなのはが手渡してくれたミネラルウォーターのボトルに口をつける。なのははちょっとだけ不機嫌そう「もう」なんて呟いて、それから私の隣へと腰かけた。その拍子に良い香りがしてちょっとドキッとしたのは内緒だ。


「フェイトちゃんがお仕事中にぼーっとしてるなんて、やっぱり何かあったんじゃないの?」
「ぅえっ?」


身体を寄せて覗き込むように私を見るなのはとの距離が近くて、思わず変な声を上げてしまった。けど、なのははそんなの露知らず、手を伸ばして私の額へと触れるわけで。


「熱は?」
「な、ないよ!ちょっと…本当に考え事してただけだから!」
「あっ、フェイトちゃん?」


思わず私は「お風呂入って来るね!」とか適当な事を言って弾けるように立ち上がった。


「まだ沸いてないよ…?」


そんな私に驚いたようになのはは私をソファーから見上げてそう言う。正直お風呂が沸いたとか沸いてないとかどうでも良くて、ただなのはの距離が今日は妙に近い気がして逃げただけなんだけど。


「しゃ、シャワーだけにするから大丈夫…。」
「ふぅん。」


じゃあ私はご飯でも作ろうかな、なんて言って。なのははにこりと微笑して立ち上がった。どうしてかなのははちょっとだけ鼻歌交じりで上機嫌。私は落ち着きがなくてとにかく格好悪いったらないわけで、一度冷たいシャワーでも浴びて落ち着こうかなと、そう思ったのだった。

結局「いってらっしゃい」なんてなのはの笑顔に見送られて私はたじろぎながら、逃げるように浴室へと向かった。その後タオルを持ってきたなのはに驚いたりだとか、「子供の頃みたく一緒に入るー?」なんていうなのはの冗談に転びそうになったりするハプニングとか、そんなものが散々あったのだけど。





「───…ごちそうさまでした。」
「はーい。フェイトちゃん、温かいの何か飲む?」
「え、あ…うん。ありがとう。私も片付け手伝うよ?」


ドタバタの後でお風呂から出るとなのはは既に夕飯の支度を終えていて、その後は特に変な冗談を言われるでもなく、なんていうかいつも通りに過ごして食事を終えた。私もその頃には昼時の鬱めいた気分を忘れていて、のんびりまったりとソファーでテレビなんて見ていて。なのはは温かいキャラメルミルクをいれてくれた。


「ありがとう、なのは。」
「うぅん。フェイトちゃんの方はちょっと甘さ控えめにしたの。」
「ん…美味しい。」


改めてありがとう、なんて言うとなのははちょっとだけ嬉しそうに笑った。そんな笑顔を見て、不意に思い出してしまったのは昼間のこと。




高町教導官には好きな相手が居るらしい。




全くなんだってこんなときにそんなこと、思い出しちゃうんだろう。折角普通通りになのはと過ごせていて、楽しい夜のはずなのに。


「……フェイトちゃん?」


ほんの少しでも顔に出てしまったのか、なのははちょっとだけ怪訝な顔をして首を捻る。私は自分の感情を隠すのが得意な方だと思っているけど、不意にこういうとき、なのはの鋭さの方がそれを上回る時がある。

それに、温かいものを飲んでる所為か、ちょっとだけ体がぼうっとして思考がいつもより少しだけ鈍った気がした。


「な、なに?」
「…なにって…、フェイトちゃんがどうしたの?変な顔してる。」



他の誰も目に留まらないほど恋しているらしい。



なのはとの出逢いは10年前。多分その頃から私はずっとなのはが好き。なのはは可愛いから皆に人気で、今日のように同僚に紹介を求められることも多々あった。けど、今回のそんな話は初耳だ。微塵も感じなかった。なのはに好きな人が居るなんてこと。だから。

恐らく思考力が鈍ったせいだと思う。


「なのはって、好きな人…いるの?」
「……ふぇ?」


思わず口に出してしまった。自分がなんて言ったか理解した時にはもう遅くて、なのははきょとんとした顔をしてこっちを見ていた。ちょっと、いやかなり驚いた顔。それもそうだろうこんな質問唐突過ぎるもの。私が同じ質問をされてもそんな反応をすると思うから。怒られたらどうしよう、なんて思い直して「やっぱりなんでもない」って言おうと思った言葉は。


「もしかして、聞いたの?」


なんて言うなのはの言葉に遮られた。


「えっと…見事に取り付く島もないくらい玉砕だって言ってたよ。」
「そういうのはきっぱり断らないとね。」


苦笑気味に言う私に、なのはは笑う。まぁ同僚のやり方は確かにちょっと強引だった気がするし、周りの人に迷惑をかけるようなやりかたは多分なのはは好まないから、こんな結果は分かり切っていた事だったんだけど。


「なのはの好きな人、誰だか知ってるかって聞かれたよ。」
「なんて答えたの?」
「え?……えっと、分からないって。」


事実、私はそんな話を聞くまでなのはに意中の相手が居るって事すら知らなかったし。なんて。


「もしかして今日様子がおかしかったのってそれで?」
「えっ…!いや、気にしてたっていうか…。そうじゃ、ないけど…その…」
「分からない?」
「えっ?」


そんな風にごまかすようにごにょごにょ言う私に、なのははちょっとだけ悪戯っぽい顔をして「分からない?」なんて言う。


「ほんとに分からないの?フェイトちゃん。」


そんな風に詰め寄られて、視線を逡巡させる。こう聞くという事は、多分相手は私が知っている人なのだろうと何となく想像がつく。ともすればユーノ?なんて言おうとして、何となくいうのをやめた。


「え…ぇと……」


真っ直ぐこちらを見る蒼い瞳。その瞳に映った酷く狼狽えた顔の私。何て答えて良いか分からなくて、私は視線を右往左往。している内に、先に折れたのはなのはで、なのはは小さく息を吐いた。

なんだろう。そんな言われ方をすると、ちょっとこう…勘違いしそうになる。なんでそんな言い方をするんだろう。わざとらしく「分からない?」なんてクスクス笑うなのはは何処か上機嫌で、何だか楽しそうだった。


「もうちょっとしたら教えてあげる。」
「ぅえっ…?…ぁ、うん…。」


教えて欲しいような、知りたくないような。でもどうしてなのはがこんなに楽しそうなのか、ぼうっとする頭では分からなかった。疲れがたまっているのか、思考が鈍いし何だか眠気もある。眠るにはまだ早い時間なのに。そんな私を見越してか、なのははソファーから立ち上がるとテーブルの上の、空のマグカップを持ち上げてキッチンへと片付けてから。


「フェイトちゃん、もう寝よ?」
「…ぇ?でも、早くない…?」
「だってフェイトちゃん眠そうな顔してるよ?」


そんなに分かりやすい顔をしていただろうかと、頬をひと掻きして。「疲れ溜まってるんじゃない?」なんていうなのはに連れられるようにして、私はそのまま寝室に向かったのだった。
























フェイトちゃんのキャラメルミルクに少しだけ入れたブランデーの効果か、フェイトちゃんは普段より随分と早く寝付いた。寝室にフェイトちゃんを引っ張ってた後、私が「お風呂入るね」なんて言った時には「じゃあ起きてる」なんて彼女らしくごねたりもしたけど、お風呂から上がると完全に寝息を立てて眠っていて。1人では広すぎるフェイトちゃんのベッドへと勝手にお邪魔してもフェイトちゃんは身動き一つしなかった。



「なのはって、好きな人…いるの?」



フェイトちゃんの寝顔を見ながら不意に聞かれたそんな言葉を思い出して、私は少しだけ眉間に皺を寄せた。事の発端は今日の昼間、「なのはに紹介してほしいって同僚がいるんだけど」なんて言われた事だった。

フェイトちゃんが私に向ける想いにはなんとなく、だいぶ前から気付いてるつもり。フェイトちゃんは隠してるつもりでも。私がかなりの自意識過剰じゃない限りは、多分間違ってないと思う。バレてないと思っているあたりはフェイトちゃんらしいと思う。あと「私の好きな人」というのが自分自身だという事を微塵も思い当たらない辺りも鈍感なフェイトちゃんらしいと思う。小学校の頃からずっとフェイトちゃんだけを見て来たつもりなんだけど、それでもまだフェイトちゃんには伝わらないらしい。





「………本当に分からないの?フェイトちゃん。」



きゅっ、と鼻を抓んでもフェイトちゃんはちょっと苦しそうに眉を寄せるだけで起きない。

ちょっと見た感じ最近疲れが溜まってると思ってキャラメルミルクに忍ばせたブランデー。そのブランデーの効果でかなり眠りが深いみたいだった。こうでもしないとフェイトちゃんは根詰めて仕事しちゃうからなぁ、なんてちょっとだけ鼻を抓む力を弱めた。



「いい加減分かってよね、鈍感フェイトちゃん。」
「……ぅ…」


むにっと頬をつねってもやっぱりフェイトちゃんは起きなくて。


「おやすみ。」


私はそのままフェイトちゃんの隣に潜り込んで、思い切り体を密着させてやったのでした。












ちなみにその翌日のフェイトちゃんの狼狽えっぷりがちょっと可哀想なくらいだったのは余談なの。














FIN











フェイトちゃんを気遣って、こっそりキャラメルミルクにブランデーとか入れて早めに眠らせるなのはさんによるフェイトさんの体調管理…みたいなの素敵(∫°ਊ°)∫!!!!

まじ妻…。





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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