Under Lover

ひさびさ更新しまーす(´ω`)お休み長くてすいませんw
前にも似たようなの書いてるけど、また書いてしまった。つまらぬものですがよかったら。

─Under Lover. ─
人未満?
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「──え?」


往々にして聞かれる質問を不意打ちで幼馴染に聞かれて、私は飲んでいたコーヒーを零しそうになった。対して隣に座る幼馴染は私の反応が不満だったのか何なのか、小さく息を吐く。


「フェイトちゃん、モテるやろ?だからどーなんかなーって。」
「……そんな事、ないけど。」
「謙遜謙遜。」


やれやれと息を吐いたはやてはほんの少し疲れを表情に滲ませて、何だか少しだけ怒ってるみたいだった。……私に対して。


「何で急にそんな質問…。どうかしたの…?」


たっぷり5秒くらいしてから、観念して私は何か言いたそうなはやてに伺う。するとはやては待ってましたと言わんばかりに肩を竦ませて言葉を続けたのだった。


「いやぁ、最近フェイトちゃんに恋人が居るかどうかとか、どんな人が好みなのかとかうんざりするほど聞かれてな?そんなフェイトちゃんは今まで恋人とか居なかったんかなって。」


だから聞いたんよ。なんて言うはやてに、ちょっとだけ眉を寄せた。


「い、居るわけないじゃない。……知ってるくせに。」


知ってるくせにそんな風に聞くはやてはちょっとだけ私に意地悪したかったらしい。


「あー…モテる友人持つと疲れるなぁ…。」
「そんなに聞かれないでしょ。…私直接聞かれたことないもん。」


そんなに多くは。と付け足して言い切って、私は再び冷めかけたコーヒーに口をつけた。


「なんで作らんの?」
「…あのねぇ。その言葉、はやてにそっくりそのまま返すよ。」


恋人。確かに居ても良いのかもしれないけど。でも、私はどちらかというと仕事も忙しいし、きっと時間も作れないだろうから正直あんまり必要性を感じてない。こんなこと言ったらまた何か言われそうだけど。

そう言い返すとはやては少し苦笑して「私はヴォルケンの皆が居るから」なんて言った。はやての場合もそうだろうな、なんてちょっと頷く。はやても仕事が忙しいし、恋人なんてものよりヴォルケンの皆と過ごす時間を大切にするだろうから。


「……でも、フェイトちゃんは何か対策でも考えた方がええと思うけどなぁ。」
「えぇ?…いらないよ、そんなの。」
「いや、そうじゃないと私とかシャーリーが大変なんよ。」
「なんでシャーリーが出てくるの…?」


首を傾げるとはやてがこれまたわざとらしく盛大に溜息を吐く。


「フェイトちゃんの知らない所で苦労してる補佐官がおるってことやよ。」
「え?」


なんて言ったのも束の間。すぐ後ろで「うんうん」なんて頷き声。


「わっ!びっくりした…いつの間に来てたの?」


シャーリーも、なのはも。なんて、振り向いた先、「びっくりした?」なんて笑うなのはと、頷いているシャーリーに声を掛ける。はやてと2人で窓際に面したカウンターに座っていたからか、話の内容の所為か、後ろから来る気配に全然気が付かなかった。


「フェイトさん、こんな容易に背後を取られちゃだめですよ?」
「いや、ちょっと…話し込んじゃってて。それよりも2人ともどうしたの?珍しいね。」


2人一緒なんてちょっと珍しい組み合わせだね、なんて言いながら。折角だし皆でお茶でも、という話になって対面の席へと移動してコーヒーを頼み直した。



「いやぁ、実はなのはさんに助けて貰っちゃって。」
「──何かあったの?」
「もー、フェイトちゃんの所為で大変なんだったんだよ?シャーリー。」
「……え?」


私の質問に「大変だったんだよ」なんてちょっと眉を寄せたのはなのはだった。理由を聞けば、なんていうか案の定。


「───っていうわけで、フェイトさんの身辺情報を聞かれて困ってた所にちょうどなのはさんが通りがかったんですよ。」


そんなお話だった。そんな感じでシャーリーが大変だった理由を簡単に説明してくれて、説明してくれている途中にはやてと目が合って。「ほらな」とでも言いたげな顔をされた。


「フェイトちゃん人気だからね。」
「な、なのはだって!」
「…ふぇ?」


顎に指を当てて、なんでか嬉しそうに「人気だからなー」なんて言うなのはに、私は慌てて反論した。


「私だって結構なのはの事聞かれるもん。」
「も、もんって…。」


聞かれるもん、なんてちょっと子供っぽく反論した私になのはが苦笑して、そんなやり取りを見ていたはやてとシャーリーが笑う。


「なのはちゃんはしっかりしてるからなぁ。」
「ですよねー。ガードが堅いと言うか、悪い人に騙されたりとかしなそうですもんね。」
「…なんか、褒められてるような気がしないよ…?」


言いたい放題言う皆はちらりと私を見て、「けどフェイトちゃんはなぁ」なんてちょっと残念そうな言い方。ちょっと心外だけど、何故か何も言い返せなくてコーヒーを流し込む。


「でも確かになのはちゃんの事も聞かれるなぁ、結構。」
「えっ…そう?」
「私も聞かれますよ。司書長と付き合ってるのかとか。」
「なんでユーノ君が出てくるのかな…。」
「幼馴染やしなぁ。」


人から好意を受けるのって、とても素敵な事だと思うけどあんまりよくない事も多いらしい。結果、私は知らない所で周りの人に結構な迷惑を掛けてるのかもしれない。そう思って小さく謝罪した。


「2人とも早く恋人作っちゃえば良いんですよ。」


謝罪した私にサラッとそんな事を言ったのはシャーリーだった。シャーリーは眼鏡を押し上げながら顔を寄せて「ここだけの話、お二人は浮いたお話ないんですか?」なんて。


「……あると思う?普段一緒に居るんだから、知ってるでしょ?」
「にゃはは。私もないなぁ。そういう願望も。ちょっと憧れたりはするけど。」


多分、私もなのはもはやても、根本は似た者同士なんだと思う。恋愛云々よりも先に仕事とかそういうのが出てくるところとか。なのはに関しては実は密かに恋愛という物に憧れているらしかったけど。


「フェイトさんはこの間お食事に誘われてた女の人、断っちゃったんですか?」
「ちょっとシャーリー!」


内緒にしてって言ったのに。


「女の人?」
「ミッドは同性婚普通やしなぁ。」


女の人という単語にちょっとだけ目を瞬いたなのはだったけどそれも一瞬で、「そう言えば中学生の時も女の子に人気だったもんね」なんて笑う。


「あ。」
「どうしたの?シャーリー。」


唐突に「あ」なんて言って手を叩いたシャーリーに皆が顔を向ける。けど、シャーリーは寄せられる視線を無視して一人で「うんうん」なんて頷いて何かぶつぶつ言った後で。


「いっそなのはさんとフェイトさんが交際始めたって事にしたらどうですか?」
「は?」
「えっ?」
「はーん。シャーリー考えたなぁ。」


ぽかんとしたままの私となのはを置いてけぼりに、はやてとシャーリーは息ピッタリに「でしょう?」とか頷き合っていて、私となのはは暫く呆然として顔を見合わせたのだった。






──つまりシャーリーとはやての考えている事は、こういう事。


私もなのはも、どうやらある程度の好意を寄せられているらしい。そうして身近な人間が時たま質問にあったり紹介をお願いをされたり若干困ったことがあるわけで。

そんな2人が交際を始めたとなれば周囲への困ったことが少し減るのでは。なんて。つまり付き合ったふりをすれば、2人とも恋人がいるという事になり余計な質問などをする人が減るのでは、というお話。私となのはの意見はそこにはなくて、なんていうか否応なしに「そういう事で」という事になり。



「………どうする?フェイトちゃん。」


そんな風に言うなのはに「どうしよう…?」なんて返したりして。

結局、そんな経緯があり、私となのはは試しに「恋人同士」という演技をする羽目になったのだった。まぁ、はやてもシャーリーもきっとすぐに飽きるっていうかこの話自体すぐに忘れると思うからその間だけ。








そんなわけで始まった偽の恋人生活。私となのはの噂は瞬く間に局内に広がって、廊下でなのはとすれ違うたびにちょっとしたざわめきが起こったりすることが多くなった。そんなざわめきが起こるたびに私は落ち着かなくなるのだけど、なのははあんまり動じなくて時々苦笑していたり。

道を2人で歩けば遠巻きに視線を感じたりするし、なんだか落ち着かない気がするわけで。はやてとシャーリーに、歩くときは手を繋ぐように、なんて何故かそんな事を課せられているから、余計なのかもしれない。なんてなのはの右手にしっかり握られた自分の左手を見てそう思った。


「……なのは、視線とか気にならないの?」
「んー?あんまり気にならないかなぁ。ちょっと恥ずかしい気がするけど。手つなぐのとか、久しぶりだし。」
「そう?」
「小さい頃はいっつも繋いでたじゃない?なんだか懐かしいよね。フェイトちゃんの手、ちょっと大きくなった気がする。」
「そりゃ、そうだよ…。」


あれから何年経ってると思うの?と笑う。


「でもこっちを見てるのって女の人の方が多いからきっとフェイトちゃんのファンだった子がほとんどじゃないかな?」
「そんなことないと思うけど。」
「あるよ。だってミッドって同性婚が多いんでしょう?フェイトちゃん女の子に人気だもん。」
「…うーん。なのはは変に思う?その…」


故郷の星との違いについて聞くと、なのははちょっと考えるような顔をして「そうだなぁ」なんて続ける。


「地球では確かに同性婚はなかったけど、でも変じゃないと思うよ。」


だって、なんて続けて。


「自分が好きになった人だったら男の人も女の人も関係ないんじゃないかな?」


なのはらしい真っ直ぐな言葉。そう言ったなのははとても真っ直ぐで凛としてて、綺麗で何だか急に体が熱く感じた。私はこういうなのはの真っ直ぐなところが好きだ。偏見とかそういうのを持たない真っ直ぐな瞳。どうしてか、胸の奥がギュッとなった。ちょっとこそばゆいような恥ずかしいような。


「そ、そっか…。」
「フェイトちゃん何だか手、汗凄いけどもしかして調子悪かったりする?」
「え?そんなことない、けど…仕事のこと、考えてたからかな?」


手汗が凄いなんてちょっと恥ずかしくて咄嗟に吐いたのは変な嘘。


「ふぇ?」
「えと、手に汗握る時って、結構あるから…。戦闘とか。」


この言い訳は苦しかっただろうか…?苦笑で誤魔化してみるとなのはは私の方を見て、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ眉を寄せた。


「そんなに危ない仕事あるの?」
「……そんなに多くはないよ。」


なのはの心配が見て取れて、ほんの少し目を反らした。なのはは自分が昔大怪我をした事があるからか、結構な心配性だ。


「怪我とかしないように気を付けてね…?」


じゃないとクロノ君に怒られちゃうよ?なんて言ってほんの少し、私の手を握っているなのはの手に力が込められて、またしても胸の奥がギュッとなった気がした。


























「なのはちゃん、今日これから暇か?」
「ふぇ?……そうだね、今日はもう帰ろうかな。はやてちゃんは?」


フェイトちゃんとの偽の交際生活を強いられてからもうすぐ1週間。

これと言って普段と変わらず、ちょっとだけ一緒に居る時間が増えただけの私とフェイトちゃんは、相も変わらず日々を過ごしている。フェイトちゃんは未だに視線とかに慣れなくてそわそわしてる時があるけど。

そんな中、ちょっとだけ楽しそうなはやてちゃんが私の所にやって来た。てっきりご飯でも行こうとかそう言う事を言われるのかと思ったら、はやてちゃんは後ろ手に隠していた小さい封筒を差し出す。


「なぁに?これ。」
「じゃじゃーん!映画のチケットや。」
「…どうしたの?これ。」
「私とシャーリーからのプレゼント。」
「……。」


はやてちゃん曰く、私とフェイトちゃんが良く分からないこんな生活を続けてから色んな質問攻めを受けることが随分減ったみたいで、はやてちゃんはとても嬉しそうだった。……いや、嬉しさ半分と私とフェイトちゃんをからかってる楽しさ半分かな?そんな所だと思う。まったくもう。


「ありがと…。でもフェイトちゃん忙しいんじゃないかな?」
「シャーリーから既に連絡貰ってるから大丈夫や。」


フェイトちゃんの仕事の終わり時間まで調べてあるらしい。何だか抜け目ないな、なんてそんな所にちょっと感心した。


「もー。はやてちゃん、ちょっと楽しんでるでしょ。」
「ばれた?」
「うん。」
「いやぁ、2人とも違和感なく普段通りに過ごしてるから案外合ってるのかもなーなんてな。」
「合ってなかったら10年も親友やってないでしょ?」


全く、なんて言ってはやてちゃんから映画のチケットを受け取る。封を開けたらこれまた最近話題の恋愛映画。なんていうかベタ過ぎて苦笑した。私もフェイトちゃんも恋愛に興味がないからこんな事になってるっていうのに。…訂正。ちょっとだけ憧れとか、そういうのはあるけど。私は。同僚の子とかが「好きな人」のお話をしている時の表情とか、そう言うのを見ると恋って一体どんな気持ちなんだろうって思ったりする。……私には縁がなさそうだからほとんど諦めてるけど。


「フェイトちゃんはこういうの観ないんじゃないかな?」


とは言ったものの、捨てるわけにもいかなくて「勿体ないから行こうか」なんて笑うフェイトちゃんと一緒に、結局は映画館へと向かったのでした。


「意外と空いてるね…。」


来てみたら夜の映画館は殆ど貸切みたいな感じだった。


「うーん、夜も遅いもんね…。なのは明日仕事大丈夫?」
「うん。明日は午後からだから。」


フェイトちゃんは明日1日お休みだったみたいで「遅くなるから泊まってったら?」なんて気遣ってくれる言葉に甘えて、今晩はフェイトちゃんの家にお邪魔することになった。

はやてちゃんから貰ったチケットの映画は、なんていうかよくある恋愛映画。映画の主人公に感情移入して見れば少しは恋とかそういうの分かるかも知れない、なんて割と結構真剣に見てしまったりした。そういえばフェイトちゃんはどうなんだろう?なんて、ちょっと隣に座っているフェイトちゃんの反応が気になって覗き見る。


「……。」


隣のフェイトちゃんはやっぱりお仕事で疲れてるのかウトウトしていて私はちょっと苦笑を漏らした。お仕事で疲れてるのに無理して来てくれたのかな?なんて、そういう所がとってもフェイトちゃんらしいと思う。

それから念話でフェイトちゃんに寝ることを進めて、「でも」とか言ってたフェイトちゃんは最終的に静かに目を閉じた。私はそんなフェイトちゃんにちょっと安心してフェイトちゃんの寝顔を眺める。

伏せられた長い睫毛と、真っ直ぐ伸びた鼻筋。小さい頃から思っていた事だけどフェイトちゃんってとても綺麗な顔をしていると思う。こんなフェイトちゃんじゃあ、モテたりするのも仕方ないと思う。スクリーンの光に照らされるフェイトちゃんは本当に綺麗で、盗み見している事が、何だか恥ずかしくてちょっとだけ悪い事をしているような気になった。

時折薄っすら目を開けるフェイトちゃんと目が合って、慌てて逸らしたりして映画の内容をほとんど追えてなくて。どうしちゃったんだろう。私、ちょっと変かも知れない。なんて苦笑して意識を再び映画に戻そうと思って顔を正面にもどした。


「…っ」


けど油断した瞬間に、フェイトちゃんが肩に触れた。本当に疲れてたんだと思う。身体ごと私の方に寄せて、気が付いたら耳元にフェイトちゃんの頭があった。ほんの少し香る良い匂い。起こすのも憚られるし、どうしようかと思案して。


最終的に私は体を動かさないようにじっとして、ぎゅっと目を閉じていた。だから映画の後半は殆ど覚えてない。







「………本当にごめんね、なのは。」
「うぅん、私こそごめんね?フェイトちゃん、疲れてたんでしょう?」
「映画館なんて久々だったから…心地良くなっちゃって。」


申し訳なさそうに謝罪するフェイトちゃんは最終的に映画の最後まで動かなかった。それはそれで、フェイトちゃんが体を休めてくれてることは一番うれしいんだけど、それより私がなんだかぎこちない。


「うー…本当にごめん。」
「大丈夫だって。」


苦笑してそう言うとフェイトちゃんが息を吐く。


「やっぱりなのはの隣が一番落ち着くね。」
「ふぇっ?///」
「安心できるって言うか。」
「そう…?」


何だろう、いつも言われてるような事でも今日は少し変に感じる。恥ずかしいっていうのとは少し違うけど、でも近い感情を言うなら「恥ずかしい」だと思う。


「あ、手繋がなきゃかな?」


そう言って差し出された左手を数秒見て、フェイトちゃんを見て。フェイトちゃんは目が合うと不思議そうに「うん?」とか言っている。ので。


「……なのは?」


手を繋ぐというよりは、フェイトちゃんの指先にちょっとだけ控えめに指を絡めてみた。フェイトちゃんは最初だけ不思議そうにしていたけど、すぐに気にせず歩き出す。


──触れる指先がちょっとだけ熱い。





この訳の分からない戸惑いが恋なのだと知ったのはすぐ後のことだった。











FIN













みたいな(∫°ਊ°)∫













テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
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