missing-17

missingの続き。
全部書きあがってから更新とか言ってたんですが更新の期間空いちゃうのでとりあえず今夜2話連続で更新します。

けど!ずっと更新放置してた上に読み返したりもしてなくてもう管理者としては最低なわけで、何を言ってるかわけがわからねーぜ状態でおかしい箇所とか多々あると思いますwあったら教えてください。連休中に長編書き終わったらいいけどモンハンが邪魔をする…
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じわじわと体を蝕むような痛み。苦痛に喘ぐ声を押し殺して耐えれば、つい先ほど鎌にえぐられるように切られた裂傷はじわりじわりと消え失せた。この時をずっと待っていたのに、その瞬間はあっけなく、予測していたはずなのに動きが少し鈍かったせいで、彼を仕留め損ねてしまった。


「……ど、どういう事…なの?」


部屋に残された私となのはと、それから3人の友人たち。謝罪の言葉を呟いたなのはが気を失って少しして。

私の喘ぎが収まるのを待って小さく口を開いたのはアリサだった。


「どうって…。ちょっとした治癒魔法だよ。」
「嘘よ、だって今のは──…」
「…なのはちゃんの、魔力光…やよね?」


聡い3人の視線に、私は小さく息を吐く。急激な身体の修復の所為か、意識が遠のくような、朦朧としてきた感覚に小さく舌打ちをして、それから3人に目を向ける。3人と、気を失って支えられているなのはへ。この現状となのはの謝罪の意味からして。きっとこの3人があっさり真実に辿り着くのは想像に難くなかった。


「……ッ」


自分の血に濡れた服が気持ち悪くて、体が鉛みたいに重い。

ごめんなさい、と堰を切るように叫んだなのはの泣き顔。きっと記憶の封が切れてしまったのだろう。出来ればずっとそのまま思い出したりなんてして欲しくなかったのに、どうやら彼女は思い出してしまったらしい。

私に向かって何か言ってるアリサの姿がぎりぎり閉じかけた瞼の間に見えたけれど声は聞こえなくて、私はそのまま瞼を閉じた。


遠い昔の事を、思い出しながら。















missing-17













「彼女」に会ったのは、雪の降る寒い日の事だった。

その時私はまだ9歳で町の外れの汚い細道に居た。倒れていた、というのだろうか?問いかけられて目を開けた時、初めに見たのは綺麗な蒼い色。とてもとても綺麗な瞳だと思った。

それが彼女に出逢った一番最初の、幼少の頃の記憶だ。熱に浮かされて幻でも見たのかと思ったけれど、「大丈夫?」と頬に触れたその子のその手の温かさがとても優しくて心地良かったのを覚えてる。そのまま私は気を失って、そこで死んだのかと思ったのだけど。

次に目を覚ました時、とても驚いた。どうやら私は大変な人物にとんでもない場所に連れてこられたらしいと、一応年の割には聡かったと自負しているその頭で理解した。


「フェイトちゃん、具合どう?」


それから何日かして、完全に熱も下がって完治した私の所へとやって来たのはこの国のお姫様。私はなんて言葉を返せばいいのか分からなくて、ただ小さく頷いた。───当然、すぐさまそのお姫様の隣に居た偉そうな男に態度を改めさせられた。


「貴様、命を救っていただいて何だその態度は!」
「やめて。この子は私が勝手に連れてきたの。」
「し、しかし──…」


なんて、そんなやりとりを勝手に始めて、その子が指示するとその男は部屋を出ていって、部屋には私と彼女だけになった。


「どうして、私をここに連れて来たの?」
「えっと、何となく?」


いつの間にか着替えさせられた服は上質な物で、ついでにいうならば部屋だって客間のような造りの部屋。おおよそ私のような孤児に用意するようなものではなかった。けれど、そのお姫様は私の質問にほんの少し頬を染めて微笑してそんな風に言うわけで。だからその時はただの道楽か、或いは同情心とかそう言うのだと思っていたりした。



その後どうなったかというと、結果を簡単に言うと私はその姫様(名をなのはと言うらしい)に命じられて、姫様の従者として働くことになった。

私は勿論嫌だったけれど、でも私のような孤児が逆らうことも出来ずに渋々慣れない王宮で働くことになったのだった。最も、私を王宮のしかも従者に仕立てるということは様々な人間に反対されていたみたいだったけど。もちろん私自身もそう言った嫌がらせの類は数えきれないくらい受けたりした。



そうしてたその日も。私は相変わらず王宮の人々から好奇の視線を向けられていい加減うっとおしく思っていた。

王宮に来てからもう数か月。いい加減大人たちの嫌味や嘲笑には慣れたけれど、やっぱりここから出たいと思う自分が居た。時たま姫様が会いに来たりしてはくれたけど、その後にすぐ決まって大人の従者がやって来て私に小言を言っていく。私とその姫様を会わせたくないのなら、私に言わず直接姫様に言えばいいのになと、小さく胸中で悪態を吐いたりもした。


「フェイトちゃん、もう王宮には慣れた?」
「……お陰様で。」
「そっか…。アリサちゃんが、フェイトちゃんの剣の腕、物凄く褒めてたよ。」


クスクス笑いながらそう言う姫様は私よりも少し年上。だけど笑うと少しだけ子供っぽくて可愛いと思った。ここの大人は嫌いだけど、この姫様だけは私を好奇の視線では見ない。ついでにいえばこの姫様が懇意にしている近衛の少女たちも。


「あの。」
「うん?なぁに?」


私から彼女に話しかけることはほとんどなくて、だから私が数少なく話しかけるとき、彼女はいつも嬉しそうに身を乗り出して聞いてくれた。


「前にも聞いたけど、どうして私を拾ってきたの?」


生きてる意味もないような人間の私を、なんて小さく呟くとなのはは少しだけ悲しそうに眉を寄せて、目を閉じた。それから急に私の手を掴む。直接触れるのはあの雪の日以来で、慌てて手を引っ込めようとしたけど、でもしっかりつかまれた手は離されることはなかった。


「あ、あの…」
「生きる意味のない人なんていないの。」
「え?」


久方ぶりに触れた手の温かさが心地良かった。多分、そう易々と触れられる相手ではないのだけど。


「でも…私みたいな孤児なんて何のために生きているか正直よくわからないし…。」
「そんなことないよ?」
「えっ…」
「フェイトちゃんのその目は誰かの事を認めるためにあって。」


子供に話して聞かせるみたいにゆっくりと続けるなのはに、私は黙ったまま耳を傾ける。


「それからその声は誰かに想いを伝える為にあって。」


それはとても優しくて心地良い声で。


「そして、この手は誰かを守る為にあるの。」


それからなのはは私の手を握ったまま、「ね?」と微笑んだ。ね、と言って私を見る蒼い瞳。他の大人たちとは違う綺麗な瞳。そう言われた瞬間に、なんて言うか。

なのはが私に言ってくれた言葉は、今まで蔑まれてしか生きてこなくて何のために生きているのか分からなかったような人間には、とてもとても優しく甘美な言葉だったと思う。初めて「生きてて良い」と言われたような気持だった。



「……誰…か?」
「そう。大切な人。」
「大切な……?」
「うん。例えば、私とか。」
「えっ!?///」


なんちゃってね、なんて言うなのははいつもよりほんの少し大人びて見えた。

一国の姫としての重圧とか、大変なんだって近衛隊のアリサたちからも聞いた話があった。国を背負うという事の重さなんてただの孤児でしかない私には全然想像もつかない。ましてやなのはの抱える特別な力の事もこの時はまだ全然知らなくて。でも。


「……ありがとう。」


こんな気持ちは初めてだった。誰かに何かを言われて世界が変わるなんて。初めて自分を認めてくれた人。蔑むような目を向けず優しく触れてくれる人。生涯忘れないだろうと、そう思った。



──後から思えば、これが惹かれたっていう事なんだろう。



何があってもこの人を守ろうという小さな気持ちが沸いた。初めて温かさをくれた人。私という人間に生きる意味を教えてくれた人。この人が国という重圧につぶされてしまわないようにもっと強くなりたいと、浅はかにもそう思った。


















Continue...
















テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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