せんせー

なのフェイ(ˊᗜˋ*)
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「───あ、フェイト先生だ。」
「本当だ。」


後に続けて「恰好良いね」なんて黄色い声でささめくクラスメイトの言葉に、ちらりと視線を向ける。窓の外、見れば長い金髪を揺らしてヒールを鳴らして歩く教員の姿があった。何となく私はその姿を視線で追って、そうして何となく小さく息を吐いたのだった。













「……なのはちゃん、もう帰る?」
「なのは、ぼーっとしてると置いてくわよ?」
「ふぇ?あ、うん。」


授業が終わった放課後。

不意に声を掛けられて、ぼんやりしていた私は慌てて鞄に荷物を詰め込んだ。声を掛けてきたのは幼馴染のすずかちゃんとアリサちゃん。2人はいつの間にか帰る準備万端で、急いで私も立ち上がる。それから2人は私の帰る準備が完了するのを待って歩き出した。


「それにしても相変わらず人気よね。」
「ん?」
「フェイト先生の話?」
「…あぁ。」


通い慣れた道を歩きながら、最初に口を開いたのはアリサちゃんで、その補足をするように口を開いたのはすずかちゃんだった。その言葉に、なるほどと私は小さく頷く。


「フェイトちゃん、ちょっと抜けてるっていうか…本人があんなんだからね。」


もう少し自覚してほしいよね、と続ける。


「なのはちゃん、心配?」
「……。」


くすっと笑って私を見るすずかちゃんに、私はほんのちょっと唇を尖らせた。


「別に…。フェイトちゃんからしたら生徒は子供なんだってさ。」


なんて言いながら、つい先日そう言われた言葉を思い出した。

この学校の、カリスマっていうのはちょっと言い過ぎだと思うけど、そんな人気の存在の先生である彼女「フェイト先生」は、実は私と一緒に住んでいる。……っていったらちょっといかがわしい感じがしてしまうかもしれないんだけど。詳しくお話するとちょっと事情があって、私は今現在フェイト先生こと、フェイトちゃんに預かられているというわけ。


「一緒に暮らし始めて何年になるんだっけ?」
「んー?中学校に上がる年だったから、5年かなぁ?」


フェイト先生の家族と、私の家族がちょっと仲が良くて私の家族が海外に出張にいくとかそういった理由があって。最終的に学校に通うに都合が良いからとかそんなわけでフェイトちゃんの暮らすマンションで一緒に生活と言うか養われるような感じになって5年。いつからかフェイトちゃんに想いを寄せるようになった私は、まぁ、告白…というか。そういう話を何度かしているのだけど、さっきも言った通り「子供」なんて言ってあまりまともに相手にはしてくれない。


「もうそろそろ振り向いてくれてもいいと思うんだけどなぁ。」


アリサちゃんとすずかちゃん、どちらに言うでもなくぽつりと呟いた。


「そりゃ中学校の時はまだ子供だったかもしれないけど、もう結構胸も大きくなったし…。」


結構成長したつもりなんだけど未だに子ども扱いされるのがちょっと嫌。少しくらい私の事を意識してくれてもいいと思うんだけどな。なんてそこまで言うと、アリサちゃんが溜息。


「なのはちゃん、頑張ってるもんね。」


微笑してそう言うすずかちゃんと、呆れ気味に溜息を吐くアリサちゃん。


「てゆーか完全無欠のフェイト先生って言われるくらいなんだからそうそうなのはに隙を見せるとは思えないけどね。」
「完全無欠なのは学校でだけだもん。」


学校ではどこからどう見ても完璧で隙のないようなフェイトちゃん。だけど家に帰ると全くの別人だと思う。


「私が居ないとお洗濯も出来ないしご飯も食べないし。部屋はすぐ散らかすし。」
「そうなの?」
「………多分見たらびっくりすると思うよ。」
「何だかあんまり見たくないね。」


意外だわ、なんてちょっと苦笑気味にそう言う2人と帰り道で別れて、私は夕飯の買い物をして家へと帰ったのでした。













「ただいま。」
「おかえりなさい。フェイトちゃん。」
「うん。あ、ありがとう。」


帰って来たフェイトちゃんを玄関先まで出迎えて、玄関先で上着を預かるとフェイトちゃんはお礼を言って、それから「良い匂いがする」とか言って靴を脱いだ。こんなやり取り普通に新婚さんっぽいと思うんだけど。前にそう言ったら鼻で笑われたっけ。


「今日シチューにしたの。」


お肉が安かったから。なんて言うと、フェイトちゃんはクスッと笑う。


「主婦っぽいね。」
「……じゃあフェイトちゃんが旦那さん?」


そう切り返すとフェイトちゃんは一瞬何か言いかけて。


「お鍋。火、強いんじゃない?」


なんて言って小さく笑う。まるで相手にされてなくてちょっとだけムカついて、私はキッチンに戻る前に脛を蹴った。


「ねー、フェイトちゃん。」
「うん?」
「あとで宿題見てくれる?」
「いいけど、私が教えたらズルっぽくない?」


それから少しして、キッチンに向きながら「宿題見て』と言った私にフェイトちゃんは「ズルくない?」なんて言う。


「答えじゃなくてやり方見て貰うくらいならズルじゃな…ちょっと!洋服ちゃんと洗濯物と一緒にしておいてよぉ!」
「あ、ごめん。」
「それとスーツ皺になっちゃうからハンガーに掛けてっ!」
「え。どこの?」
「もーっ」

答えを教えて貰うわけじゃないからズルじゃないんじゃない?なんて言おうとしながら振り向くとフェイトちゃんは着替えながら、脱いだ服をその辺に散らかしている始末。スーツもシャツもだらしなくその辺に放り投げて、だらしない。学校の完全無欠とか言われてる姿は見る影もないくらい。「もう」と息を吐きながらキッチンを後にして、私はフェイトちゃんの脱ぎ散らかした服を拾い上げる。


「貸して。スーツ。」
「うん。───…ごめん。」


もう正直言うと散らかすフェイトちゃんの服とかを片付けるのはおてのものなので、あっという間に服を片付けて、ついでにフェイトちゃんが淹れ途中だったインスタントコーヒーまで淹れてあげた。


「これで良し。」
「ありがとう。次からはちゃんと片付けるよ。」


絶対嘘だ。とか思いながらもよろしくね、と言う私。普段学校ではあまりしない眼鏡を掛けて、フェイトちゃんは明日の授業に使う資料を作るらしく、ソファーに腰かけてパソコンを開いてちょっとだけ真面目な顔。

普段だらしなくて全く家ではダメな人なのに、そういう顔をしてるときだけは格好良くてずるいなぁ、って思う。


「……あ。」


そんな姿を見ていて。なんとなくフェイトちゃんがちょっと薄着な事に気が付いて。部屋からフェイトちゃんの上着を持ってきて、後ろからその背中に掛けてあげた。フェイトちゃんって実はすぐ風邪とかひくし、風邪をひかれたら困るなと思って。

けど、フェイトちゃんは。


「……ありがとう。」
「なに?」


ちょっとだけ驚いた顔をして振り向いた。言っておくけど画面の中は見てないよ?なんて咄嗟に言うけどフェイトちゃんは「別に見られちゃダメなやつじゃないよ」なんて言って。


「なのはって良いお嫁さんになりそうだね。」


それからそんな風に笑う。そう言ってくれるのは嬉しいけど。


「じゃあフェイトちゃんお嫁さんに貰ってくれる?」


なんて。いつもの切り返しって感じでいつも通りの言い問答。どうせ「子供趣味はないから」とか言われるに決まってる私の諦め半分なそんなやり取り。

なんだけど。


「……フェイトちゃん?」
「いや、なんでもない。」


なんだけど、フェイトちゃんの顔が少しだけ赤かった。とても珍しいものを見た気になった。


「え?なになに?もしかして意識した?」
「してない。」


してない。なんて口を結んでパソコンに向き合う。けど、顔が赤いし耳まで赤い。


「えー。絶対それ意識してるでしょ!」
「し、してないったら。」
「絶対してる!だって顔赤いもんっ」
「こ、こら!抱き着かない!」
「ふぇーいとーせーんせー」
「ちょっ…あっお鍋!吹きこぼれてる!」
「ふぇっ?」


そう言えばお鍋の火を点けっぱなしだった事に気が付いて小さく舌打ちをした。折角フェイトちゃんが折れる所だったかもしれないのに。慌てて火を止めて戻るともうフェイトちゃんは書類を読みふけってとても真剣な顔。


「フェイトちゃん、先にお風呂入る?」
「ん。もう少し書類読むから、先に良いよ。」
「はーい。」


さっきの慌てようはほんの一瞬だったなと、残念に思いながら私は大人しく夕飯の準備をする。それからお風呂に入る準備。

そんな私の少し後ろのソファーで。真剣に書類を読むフェイトちゃんの手元、その書類が逆さまになっている事には気が付かなかった。










(ˊᗜˋ*)

家でだらしなくてなのはちゃんなしでは何もできないフェイト先生・・・


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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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