ぱろ

吸血鬼ネタ本当好きだなぁ、私。と思いました。

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「───…はぁ…。広い学校だ。」


感嘆のため息と共に、私はやや嘆き気味にそう小さく呟く。

私の名前はフェイト・T・H。

とある事情で、私は住んでいたところを引っ越してきた訳なのだけど、私が今日からお世話になるその学園は、全寮制の広大な敷地を誇る学園で。つまるところ、私はその敷地内で迷子になっていた。


「なんで…はやて迎えに来てくれるって言ったくせに。」


ぶちぶちと、誰も居ないところで独り言のように文句を垂れてみた。ちなみにこの学園と、それからそこに通うことになった私には少し特殊な事情がある。

まぁ、その「特殊」についてはまた後で説明しよう。ちなみにはやて、という人物はこの学園の理事長に当たる存在だ。年は私とそう変わらないけれど、その「特殊」絡みで訳あって理事長をやっている。


「んー…広すぎる…。」


学園の敷地内には入ったはずなのに、誰も居ないし建物も見えない。森の中のようなそんな場所で、もはや無事にはやてのところに辿りつける気がしなくて、私は持たされていた携帯端末で、そのはやてに助けを依頼しようとして。


「……あ。」


そこで、人に出逢った。木の下で、昼寝…なのだろうか?動く気配なく、木に体を預けて目を閉じている女の子。ぴくりともしないので、肩には鳥が止まってる始末。亜麻色の綺麗な髪をした、とても可愛い女の子だった。これも学校の敷地内だからだろうか。普通ならこんなところで寝てる女の子いないもんね。


「起こさないように…しよ…」


その子の着ている制服を見て、判断したのはそんなこと。その子が着ているのは、漆黒の制服。

この学園の話を聞いた時の事を思い出していた。



私がやってきたこの学園には、少しだけ特殊な制度がある。
あ、それよりも先に世界の説明をした方が良いかな。

この世界の少し特殊な生き物の話。

この世界には、人類が2種類いる。厳密にいうと、人間のほかに少し特殊な生き物がいる。この言い方はまるで人類が中心な言い方だからあまり好きではないのだけど。人間をもう少し強くした生き物。というよりは人間よりはるか昔から存在していたと言われている吸血鬼。

文字にすると、こう悪辣な生き物を想像するけれど、実際は人間とほとんど変わらない容姿をしていて、けれど人間よりも強く、美しく、そして気高い。

ずっと昔、人間と吸血鬼は争っていたけれど、今では共存している。まぁ、ごく一部そうではない者も居るけれど。

そうしてこの学園はそんな共存のための学び舎というわけ。

吸血鬼は「血」を必要とする生き物で、人間の中にはその吸血鬼に「血」を与える役割を担った人たちが居る。それは人間の中でも、またちょっと特殊な「血」を持つ人で、やっぱりそれができるのはごく僅か。

要約すると吸血鬼に「血」を与えることができるのは「使役者」と呼ばれる特殊な血脈と力を持った人で、その「使役者」に「血」を与えられた吸血鬼はその使役者の「守護者」となるのがこの世界の慣わし。というかなんというか。つまり、この学校はその関係性を生み出すための学園だ。

ここで「使役者」と「守護者」の関係を築かせて、世に送るっていうそんな仕組みを担った学園というわけ。「使役者」は一歩間違うと、吸血鬼の餌食とされることがあるから。ごく一部の、共存を好しとしない吸血鬼たちによって。

だから「使役者」は「守護者」をここで見つけて、自分を守るというわけ。守護者は見返りとしてその使役者の「血」を半永久的に与えられる確約が得られるから。守護者は使役者を独占したがるし、つまりこの制度はイーブンな関係性にあるわけで。


私はそんな学園にやってきた。どちら側としてきたのかと問われれば答えは「使役者」側になる。そういう血脈の、少し特殊な「血」を持ち合わせているので。


それから、この学園の制度の目印。

「使役者」は真っ白な制服に袖を通すのが習わしで、逆に「守護者」は真っ黒な制服に袖を通す。一目で人間と吸血鬼が分かるように。そこで気の合う相手を見つけあう、そんなところ。


「……。」


そんなわけで、この目の前で昼寝している女の子は前者の通り、吸血鬼ということになるわけで。吸血鬼って悪辣な名前からは想像できないような可愛い女の子なのだけど、私は吸血鬼があんまり得意ではない。だから、起こさないようにその場を後にしようとしたのだけど。


「何処行くの?」
「ぅえっ?」
「──…迷子?」


くすくすと、どうやらすでに目を覚ましていたらしいその女の子は陽気に笑うと「もしかして迷子?」なんて笑う。さっきまで閉じられていた瞳はとても綺麗な青い色だった。空のような、海のような。


「えっと……。」
「見慣れない子だね、どっちに行きたいの?」


少しだけ身を起してそう聞くその子にしどろもどろになりながら、私は「理事長のところに」とだけたどたどしく答える。その子はこぼれた亜麻色の髪をひと房耳にかけて、ゆっくりと立ち上がる。私と同じくらいか、少し私より低い身長。片側に結った髪がとても綺麗だった。


「理事長…はやてちゃんの所かー。もしかして編入生?」
「う、うん…。今日から、です。」
「へぇー…。」


後ろ手に組んで上から下まで遠慮なく見られて、なんとなくどうして良いかわからなくて、そわそわ視線を巡らせる私にその子は少しだけ可笑しそうに笑う。笑い顔が印象的な、明るい子だ。


「案内してあげたいところだけど、私授業サボってるのはやてちゃんに見つかるとものすごく怒られちゃうからなぁ──…」
「いえ、方向だけ教えてもらえれば自分で行くので!」


大丈夫です、なんて言うとその子はまた可笑しそうに笑って建物の方向を教えてくれた。それから「敬語なんて使わなくていいよ」なんて言って「またね」と手振る。フレンドリーな人だな、なんて思いながら一礼してその場所を去った。黒い制服だから間違いなくあの子は吸血鬼なのだけど、なんだか少しだけ拍子抜けしたような気もする。もっともあんな子ばかりではないのだろうけど。






「おー、フェイトちゃん遅かったなぁ。」


そんなこんなでやっとの思いで理事長であるはやてのいる場所に辿りついてみれば、はやてはとても暇そうに「待ちくたびれた」なんて言いながら少し高級そうな椅子に腰かけて私を歓迎した。


「酷いよはやて!迎えに来てくれるって言ってたのに!」


おかげで迷ったじゃないか。そう言うとこれでも忙しい身なのだと、少しだけ苦笑交じりに言い訳するわけで。


「途中で道を教えてくれた子が居たから良かったけど。」
「ほぉ、それってどっちの子やった?」
「黒い制服。吸血鬼。」
「…さよか。」


そんなやり取りの上で、改めて真っ白な制服を渡された。「使役者」の制服。


「フェイトちゃん、前にも言うたし自分が一番わかってると思うんやけど。」
「うん。」
「テスタロッサの姓だけは伏せとき。」
「もちろんそうするよ。……少し特殊だしね。」


私の名前、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの、旧姓「テスタロッサ」は少しだけ特殊な血脈。いろんな説明を省略して、つまり簡単に言えば「美味しい血」と言うこと。だから、その名前に吸血鬼は釣られる。私は小さいころから散々な目にあってきた。だから吸血鬼があまり得意ではない。


「万が一のために、護衛にシグナムをつけるけどな。」
「えっ、いいよ…別に。」
「駄目や。フェイトちゃんが呼んだらすぐに出ていけるようにはしておくから。シグナムも、頼むな?」


そう言って、部屋にいる寡黙そうな女性に声をかけた。はやては「使役者」だ。しかも少し特殊で、これも血脈なのだけど、1人で4人の吸血鬼を使役している。普通は1人で1人を使役するから、4人って言うのはとても特殊だ。

シグナムはその4人のリーダー的存在で、私もいろいろお世話になっている。鍛えてもらったり、そういうところで。


「とりあえず学園内案内しよか。」
「はやてが直々に案内してくれるんだ?」
「まー、フェイトちゃんが開いてやったら、その辺サービスせなね。」


笑いながら案内してくれるはやての後ろをついて廊下を歩く。なるほど国に認められた機関だけあってとても良い施設だった。


「あ。」


そんな広大な学園内を案内されながら少しだけ時間が経って。不意に窓から見知った子を見つけた。まだ学園に来てそんなに時間が経ってないのにこの広大な敷地内で同じ人に2度も会うなんて結構すごいんじゃないかな、なんて窓の階下、見つけた黒い制服に思わず声を漏らしたのだけど。

どうやら1人ではないみたいだった。


「さっき道を教えてくれた子だ。」
「ほぉー?どれどれ……あぁ、なのはちゃんか。」


さっきの子、どうやら名前はなのはと言うらしい。はやての知り合いだったようで。


「はやて知ってる子なの?」
「知ってるも何も、有名やよなのはちゃん。」
「そうなの?」
「彼女はこの学園の女王や。」
「───…は?」


女王という敬称に眉を寄せた。あんまりにも印象にそぐわない敬称だったから。


「彼女は純血の血統やし、力も半端ない。」
「えっ…そ、そうは見えなかったけど……」


吸血鬼の中にも力関係がある。純血か、そうでないか。魔力が強いか、弱いか。そういった力関係の中で彼女はかなり上位に位置しているらしかった。


「何より、あー…ほら。」
「え?」


あちゃー、なんて顔を押えて窓の外を見るはやてに、私も階下を覗き込む。


「う、わ…」


一緒にいるのは白い制服。首筋に顔を埋めるようにしている体勢から容易に想像できるその行為。どうやら吸血の現場を覗いてしまったらしい。見て、ちょっと恥ずかしくなった。怖いとかより先に。見てはいけないものを見てしまったような。


「食事中、だったね…。」
「なのはちゃんは…あー…手癖がちょっと、なぁ。」
「……手癖?」
「せや。契約するわけでもなく、誰かれ構わず吸血する。」


通常「使役者」と「守護者」は吸血関係になるにあたって、契約というものをするらしい。のだけど、はやて曰く、彼女はその契約に首を縦に振らないらしい。だけど彼女は女王的存在で、「使役者」候補の人間たちは彼女に憧れ契約せずとも「血」を与えるんだとか。


「つまり、モテるってことか。」


話を聞いて、ぽんっと手を叩く私に。


「そんなところやけど…なのはちゃん…あの子、少し渇えててな。」
「ふぅん…。でもお互いあげたくて血をあげてて、欲しくて貰ってるんだったら良いんじゃない?この関係イーブンなわけだし。」


自分の「血」をどうするかは使役者の自由だし。なんて言う私にはやてはため息をついて「それもそうやね」なんてちょっとだけ力なく笑ったのだった。

それにしても遠目に見た彼女が最初に会った印象と全然違くて少しだけ驚いた。笑った顔がとても印象的だったのに、遠くから見た彼女はとても冷たい顔をしていたから。別人かと思うくらいに。


「フェイトちゃん、とりあえずフェイトちゃんは「守護者」が見つかるまで名前明かしたらあかんからな?」
「分かってるよ。……ありがと、はやて。」


テスタロッサの血は、吸血鬼にとって毒である。
甘美な毒。力を与え、そして酔わせる。



そんなわけで。

誰が言ったか知らないけど。
そんな噂があるくらい、ちょっと特殊な血をもつ私。


それが新しい生活の幕開けだった。













FIN







あー、なんか説明くどくてサーセン(・ヮ・)ww


何番煎じかよくわからない設定で。
こう、渇えてるなのはちゃんと、真っ白なフェイトちゃんを書きたかった。。。

病んでるなのはちゃん……。

この後、フェイトちゃんが見てない時に窓の下からフェイトちゃんを見てるなのはちゃん。

フェイトちゃんの前では明るい顔を見せるなのはちゃんだけど手癖が悪いというか色んな人の「血」を吸ったりしてて。普段ドライな顔してるけどフェイトちゃんにだけ別の顔を見せるなのはちゃんとかそういうのすき。フェイトちゃんの首筋に牙を立てたくて仕方ないけど、でも出来なくてほかの子の血を吸うけど全然潤わなくて困ったちゃんななのはちゃんを書きたかったんですが、余白が足りないので(略)。

普段のイメージだと制服の色とか逆な気もするんですがたまになのはちゃんが黒でフェイトちゃんが白って言うのもいいなぁって思いまして(略)。


フェイトちゃんに首ったけだから手癖が悪いなのはちゃんも悪くないっていうか。
フェイトちゃん狂いななのはちゃん好きです。








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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