黒白2

黒白(再掲載)の2話目です。
気付いてる方ももしかしたらいらっしゃるかもなんですが、ちょこちょこ書き加えとかしていますw
前に考えていたプロットを少し変更しましたンゴ(ӦωӦ)

ハッピーな感じに終われたら良いなって思います(°∀°)★ちなみに書き加えとかしつつ書いたので、なんか日本語変だったり誤字とかあったらごめんなさいw雰囲気で読んでください←



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「────は?」



部屋に設えられた上品な皮のソファに寝転がる私。そんな私にに掛けられた言葉に低く、それから酷く不機嫌な声を上げた。体を上げるのも億劫で緩慢に視線だけを向けると私の視界の先には会議から帰って来たばかりのスカリエッティが、何故か試験管片手に書類をテーブルの上に置いた所で。


「だからね、新しい任務を命じられたのさ。」
「……それは知ってるよ。」


私が聞きたいのはその後言ったこと。

そう言うとスカリエッティは勿体ぶるようにテーブルに用意されたワインを試験管に注ぐ。どうやら試験管で飲むらしい、相変わらず変態だと思ったけれど口にするのも面倒なのでそのまま黙る事にした。むしろこれは彼らしい飲み方かもしれない。


「だから。」


それから試験管に注いだワインを一気に飲み干すと、ちょっと拗ねたようなふりをしてテーブルの上の書類を指差す。なんというか、私がソファに寝そべっていて、スカリエッティが立っているので見下ろされた形になるのが不快だ。

そんな私の不快さを感じ取ったのか、少し嬉しそうな薄ら笑いを浮かべてスカリエッティは口を開いた。


「次の任務に、どういうわけか天使様もついてくるらしいんだよ。」
「………どうして?」
「さぁ。最も、向こうのレジアス中将も凄く反対してたけどね?」


天使側のね、なんて言ったその名前に、私は小さく眉を寄せた。静かにふつふつと、背中から湧き上がるような気持ちを思い出して、だけど鎮めようと押えて。それからゆっくりとソファから起き上がる。


「ははぁ、そういえば君がこちら側へ来た事に彼は少し関係していたっけ。」


何処か楽しげに、知っているくせにわざとそう言うスカリエッティを無視して起き上がると、私もワインを飲むためにグラスへと手を伸ばす。そんな私に構わずスカリエッティは珍しく饒舌に言葉を続けた。私が動くまで。


「最も、キミが滅される前に堕天してくれて良かったけれど。だってキミ───」


そこまで言いかけて、スカリエッティは口を閉じた。瞬時に自身の首筋に押し当てられた私の刀に驚く事もなく、何処か嬉しそうに、薄気味悪い視線を向けたまま静かに「やっぱりキミには悪魔の方が似合ってるね」と微笑む。

それからその顔に毒気を抜かれたというか、どうでも良くなって私は腰の鞘に刀を戻すとソファに腰を下ろした。


「それで、どういう任務なの?」
「えー?自分で読んでよ、書類。」


気持ち悪く駄々っ子みたいな声を上げてスカリエッティは試験管に2杯目のワインを注ぐ。私は自分のグラスをスカリエッティに差し出して書類に目をやった。



“ 本任務に天使数名の同行を ”



そう記載してある文章に、眉を寄せた。天使なんて連れて行っても邪魔になるだけなのにな、なんて。最も戦闘に慣れている天使部隊も居るけれど、連れていくその天使たちはどうやら別らしい。



「それで、スカリエッティは何て言ったの?この案件について。」
「え?特に何も。」
「…………役立たず。」


スカリエッティに向かって溜息を吐くと、私は書類をテーブルの上に投げ捨てた。

任務の内容は犯罪者の確保。少し大きなグループを組織している犯罪者で、指名手配書には「生死を問わず」の記載があった。書類を読んでもこの任務に天使を同行する必要性がさっぱり感じられなくて、眉を寄せた。正直言うとやっぱり邪魔になるだけだと思う。


「ちなみにね、天使が同行する原因になったのはキミだよ。」


無言で押し黙る私に掛けられた言葉に視線を向けるとスカリエッティは私にグラスを寄越しながら私の肩を指差す。今日の任務で怪我をした場所を。


「キミが怪我をしたからね、万が一のための回復要員だって。試験的に。」
「いらないよそんなの。」
「もう決まっちゃったし。」


3杯目の試験管ワインを飲み干したスカリエッティを無視して自分のグラスのワインを飲み干すと、コートを羽織って立ち上がる。


「私が抗議してくる。」
「……そんなに天使と一緒が嫌かい?」


そう言うスカリエッティの言葉に少し押し黙って、私は当たり前だと言うように頷いた。


「天使なんて任務の邪魔だしやりにくいでしょ。処罰の瞬間なんて見せる物じゃない。それに、私は堕天した悪魔だしやりにくい。……それに、私は出世したい。最初に会った時に言ったはずだよ。」


だから下手に天使なんて連れて行って任務に失敗したくない。


「ならこの仕事、他の隊に回したら良いじゃないか。」


この任務自体キミが行かなくちゃいけない理由はないよ、と相変わらず神経を逆撫でするようなスカリエッティを無視して、私は部屋を出た。出る途中で「キミのそんなところが好きなんだよね、僕」とか呟いたスカリエッティは少し気持ち悪いので無視をして。









それから足早に歩いてやって来た本部の部屋の扉の前で立ち止まり、扉をノックした。───すると、部屋の中には数人の偉人が居た。大天使長と、対になる悪魔の長たち。仮面をしていて顔は見えないけれど、彼らは天使並びに悪魔の最高権力者とも言われている。

部屋に入ると早速要件を問われて、私は今回の任務への天使の同行に異議を唱えた。


「先ほど頂いた書類の件です。本任務への天使同行の必要性を感じません。」
「………もう決定したことだ。」


だけど返答は直ぐで。一蹴。まさにそれだった。

もともと私は浄化される天使だったけれど、脱走して堕天した身だからあまり快く思われていないのは知っている。あぁ、ちなみに「浄化」というのは存在を消されるという意味。天使が悪いことをすると、罪を清めるするために魂から全てを滅するんだって。私はその直前にスカリエッティに助けられて逃げたんだ。もう随分と昔の話だけど。


「ですが──…」
「要件はそれだけかね?」


瞬時に考えを戻し、異論を唱えようとして。もう一度、言葉を挟む間もなく私の異議は一蹴された。


「……はい。失礼致しました。」


結局それ以上言っても無駄だと悟った私は、そのまま言葉を飲み込んで部屋を後にすることにした。頭の固い上層連中には何を言っても無駄だ。なら、なるべく今回の任務は早く終わらせようと決めて。


もう一度一礼して扉を開けると、扉の前に丁度ノックしよう手を構えている人物が立っていた。

立っていたのは大柄な男。天使と言うには些かどうかと思う容姿のその人物は私と視線が合うと眉を寄せる。私はそんな目の前の人物を無視して何の感情も浮かべないまま、その人物の横をすり抜けて外へ出た。その人物も、何事もなかった風を装って、汗を浮かべたままで扉の向こう側に消えた。






レジアス・ゲイズ。



床に足が張り付いたように動かなくなった。恐らく彼も私と同じように本部の人間に異論を唱えに来たのだろう。ならきっと彼も一蹴されてすぐに部屋を出てくるはず。


「そこで、何をしている。」



やはり彼も異議は直ぐに一蹴されたんだろう、考えている間にすぐに背後の部屋から出てきたレジアスが震えたような声を気丈に抑えて、低く呟いた。

声を掛けられたのはほかでもない私で。


「何もしていませんよ、レジアスさん…あぁ、今は中将でしたか?」


そう返して静かに微笑すると、レジアスは不安さを孕んだ瞳でその図体を少しだけ引いた。


「…悪魔としての…生活はどうだ。」
「お陰様で。順調にやっていますよ。」


少しだけ笑うとレジアスがまた眉を寄せる。


「……ちゃんと約束守ってくれてます?」
「あぁ…」


真っ直ぐ伸びる通路から、天使達が来るのが見えて私はそのまま言葉を止めた。一歩後ろに身を引いた私に少し息を吐くレジアス。



「一つだけ。」


ギリ、と自分の腕を強く掴んで。囁く。


「……約束、あの日の契約。ちゃんと守ってくださいね?」




低く囁くと、私はレジアスの顔も見ずにそのままその場所を後にした。天使達がここに来る前に何処かに行ってしまおうと、遠回りをして。







何かを守るはずだった私は、守る物に視線を向ける事が出来なくなった。天使だった頃とは全然違う自分になったことに、自分でも気づいていた。だけど私にはもうそんなことはどうでもよくて。








誰も憎んではいけない。
全ての者に平等の愛を。





そんな天使の常套句。天使だった頃のことなんて私には過去で。あの時、素直に浄化されようと思っていた自分が今では酷く馬鹿らしく思えた。だからやっぱり、私には悪魔が似合うんだと思う。それとも、堕天した時点で、私の中の何かが欠落したか。


いずれにせよ、今は。私は後悔なんてしていない。














テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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