またかよ!!なネタ

意外と要望が多かったので続いてみた。けどなんか、ごめんなさいw
コメントお返事今度します~!

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バタバタと、風にローブをなびかせたその目の前の人物はどこか冷めた紅い瞳を静かに動かして、緩やかに鎌の形状のその武器を振る。緩やかな動きなのに、私は反応が遅れた。それは私だけじゃなくて、シグナムさんも、はやてちゃんも。

死んだとされるその人物がそこに現れたことに驚きを隠せず、そのせいで反応が遅れたと言ったら違いないのだけど、だけどそれ以上に彼女は速かった。無感情の表情のまま、容易く私たちの間合いに侵入して、鎌を振り下ろす。


「……ッ、く」


咄嗟に杖でその吸血鬼の鎌を弾くはやてちゃんだけど、重い一撃を受けてはやてちゃんにしては珍しく、顔を顰めた。


「な、なんでや!フェイトちゃんっ!」
「………。」
「え…?──…ッう、ぐ」


呼びかけるはやてちゃんのお腹を蹴り飛ばして。飛ばされたはやてちゃんを受け止めるように支えるシグナムさん。息を整えるはやてちゃんと対照的に息ひとつ乱さずその目の前の吸血鬼は視線を巡らせた。


「もう、私は生きてない。」


そう言って、緩やかに今度は。


「ッ…」


視線をこっちへと向けて、その視界に私を認めた。真っ直ぐに私を見る紅い瞳は何を考えているのか分からなくて、少しだけ恐怖を抱く。今まで戦った吸血鬼とはわけが違う。だって彼女は、元機動六課随一の、吸血鬼殲滅部隊の隊長。


「随分とひよこを連れてきたね。…はやて。」


可哀想に。と付け足して。ゆるゆると鎌を今度は剣の状態に変化させた。大きな大剣を緩やかに構えて、真っ直ぐこちらを向く。今にも心臓が跳ねそうなほどの緊張を感じて、大きく息を吸って、止めた。怖いけれど、このままじゃきっとやられる。それも一撃で。集中して相手の動向のどんな些細な事も見逃しちゃいけないと、直感で分かった。


「でも……良い目をしてる。」


ふ、と静かに。微かにその表情に穏やかさを感じた気がした次の瞬間。風を切るように、瞬足で目の前に距離を縮めたその彼女。次の瞬間振り下ろされた剣をレイジングハートで受け止めるのが精一杯で、瞬時に剣を跳ね飛ばして後ろに間合いを取った。一撃受けただけなのに、極限の緊張からか手は汗で滲んでいて、背中を静かに汗が伝う。


「あーぁ、何を遊んでいるんだい?フェイト。何なら僕も手伝って──」
「必要ない。」
「あ、そう。」


残念、なんて言って。もう一人の吸血鬼は何処か気味悪く笑う。そんな吸血鬼にはひと目もくれず、大きな大剣を片手に構え、易々と間合いに詰めた彼女と何度も杖を交える。尋常じゃないその速さに、私はついていくのがやっとで、彼女の攻撃を受ける度に腕に痺れが走る。

そんな状況でも、間近で見る彼女はとても美しくて、彼女の姿に意識を奪われそうになる度に、頭を振った。


「…う、くッ」


目の前に振り上げられる剣をレイジングハートで受けて、その瞬間に放たれる雷撃を避ける。何とかギリギリで躱せる攻撃。次の瞬間にはシグナムさんが吸血鬼の彼女の後ろから、剣を振り下ろす。けど、寸でのところで彼女は顔色一つ変えずに、ギリギリの距離で躱して。その避けた瞬間に、ほんの少しだけ彼女の口角が上がったような気がした。

易々と攻撃を避けて、シグナムさんを剣の柄を使って弾き飛ばす。そんな攻防戦の中、彼女と私の距離がうんと近くなった。それは単に彼女が今まで以上の速度で私と間合いを詰めたからで、さっきまでの速度は全然本気じゃなかったのだと理解した。鼻先が付くくらいの至近距離。その至近距離で。


「合図したら後ろに飛んで。」
「───ぇ?」
「飛んだら三秒後に砲撃。位置は今君が居る場所より少し左。」


抑揚のない、感情のない声。その言葉の意味を理解できなかったけど、だけど彼女の言う通りにした方が良いと直感が告げる。信じるとか、信じないとかそういうのはよくわからないけど。


「今っ!」


剣で弾き飛ばされて、それを合図と跳躍力に変えて、弾け飛ぶようにして後ろに下がる。瞬間、私がさっきまで立っていた場所にもう一人の吸血鬼の剣が振り下ろされる。


「おやおや…中々に素早い。」


そこからきっかり三秒後、魔力を展開して砲弾を放つ。彼女に言われた通り、さっき居た位置から少し左にずれた位置、もう一人の吸血鬼が立っている位置。でも、その吸血鬼は私の砲弾なんてものともせずに、剣を持った手と反対の手で防御壁を展開した。容易く私の砲弾を弾いて「残念だったね」なんて言うと同時に。


「はぁッ!」


呼気と共に、下から振り上げられた大剣。振り上げた両手と同時に金髪が風に舞って、靡く。──それから、弾ける飛沫と空に飛ばされた剣。そして。


「一体どういうつもりなのかな?フェイト。」


見事に切り上げられ吹き飛ばされた腕を、空中でキャッチして。私たちと少しだっけ距離をとる。片腕が切り落とされたにもかかわらず顔色一つ変えずにそう吸血鬼が言った。一緒にやって来たもう一人の吸血鬼の彼女に向かって。彼女もまた顔色一つ変えずに、静かにもう一人の吸血鬼を見たままで。


「手元が狂っただけだよ。スカリエッティ。」
「へぇ。」
「本当だったらその首を跳ね上げたかったけど…それは私には出来ない。」
「僕を殺したかったのかい?」


それは残念だね、と静かに笑う。まったく意図がつかめなくて二人を交互に見ていると、いつの間にかはやてちゃんとシグナムさんがやって来て、静かに武器を構えていた。


「ったく、フェイトちゃんももうちょい優しく蹴ってや。」
「………そんな余裕はなかった。ちゃんと避けてって言ったよ。私。」


ごめん、と紡いだ言葉に、ようやく私は理解した。彼女はこちら側の人間なのだと。それははやてちゃんが一番先に気が付いたんだと思う。恐らく、蹴られたときに。


「折角外にだしてあげたのにこの仕打ちは酷いんじゃないかな?フェイト。」
「外に出る機会を得られたことには感謝してるよ。スカリエッティ。」


静かに剣を構えたままの彼女に。


「おかげで私は帰れる。」
「───人間じゃないのに?」


クククと嘲り笑うようにそう言って、続ける。そう言われた彼女は、私の隣で少しだけ表情を暗くしたような気がした。


「君を逃がしたなんて知られたら、クアットロに怒られてしまう。だから勘弁してくれないかな?フェイト。君は彼女の一番のお気に入りだからね。」


スカリエッティと呼ばれた吸血鬼は、静かに笑うと「今なら僕の腕を落としたことは内緒にしてあげるよ」と笑う。クアットロという人物の名前を耳にして少しだけ、彼女の表情が変わった。強張るような、緊張したような顔。


「もう折檻されるのは嫌だろう…?」


折檻。その言葉に、少しだけ、彼女の表情が変わる。それは初めて彼女に見つけた恐怖めいた色。彼女が吸血鬼にされて、この数年。一体どんな目にあってきたのか。それは想像に難くない。人間から吸血鬼にされて、どんな思いを抱いているのか。


「…4対1で、勝ち目があるなら、ですけど。」


沸いたのは多分怒りだと思う。だから、普段より低い声が出た。二人の会話に割って入るようにそう言って、静かにレイジングハートを構えた私の隣で、彼女が少しだけ驚いたような顔をして、少しだけ微笑した気がした。


「スカリエッティ。確かに私には貴方の一族を殺すことはできない。…けど、殺すのは私じゃない。」


ゆらりと剣を構えて。はっきりとした言葉。真っ直ぐに、穏やかに凛とした声。


「んー、興ざめだ。残念。今日の所は大人しく引き下がるとしよう。腕も切られたことだし。」


また迎えに来るとしよう。なんて微笑みを向けてそう告げて。彼は一度の跳躍で、うんと距離を取って、そこから消えた。瞬間、体から力が抜ける。ほっとした、というか助かった、というか。

それははやてちゃん達にも同じだったみたいで、はやてちゃんはそれよりも真っ直ぐに、彼女の所へと向かう。


「フェイトちゃん、怪我は?」
「……それ私の台詞だよ。蹴ったところ、大丈夫だった?」


加減できなくてごめん、と力なく笑う。どこか儚さを思わせるような笑みだった。


「それから君も。……大丈夫?」
「は、はいっ。その…ありがとうございました!」
「なのはちゃんも散々な初陣やったね。」


ごめんな、なんて言うはやてちゃんに少しだけ驚いた表情。


「へぇ、君…初陣だったんだ。それは中々…。」
「この子はなのはちゃん。機動六課でも期待の新人やよ。フェイトちゃん。」
「……私はフェイト。まぁ、色々とややこしい話は後にしよう。」


宜しくね、なのは。と。そういうと同時に、少しだけ眉を潜めた。苦しそうな表情。フェイトと名乗った元隊長である彼女は「ごめん」と苦しそうに笑って、そのまま崩れ落ちる。シグナムさんに支えられるように担がれて、「一先ず戻ろう」って言うはやてちゃんの指示通り彼女を連れて、局へと戻ったのでした。
















「………ッ」



軋むような身体の痛みに、目が覚めた。目を開けて最初に見えたのは天井。昨日まで見上げていた天井ではなく、懐かしい見覚えの天井だった。私がかつて人間だった頃に過ごして居た場所。


「目ぇ、覚めたか?」
「───…うん。」


どのくらい寝てた?と聞くと丸二日とかえってきて少しだけ苦笑した。そんなに寝ていたのかと。大した外傷もないのに恥ずかしいなと。


「まずは、お帰り。フェイトちゃん。」
「……ただいま、とは…言っていいのか分からないけど。ありがとう。」


部屋を見渡すと、どうやらこの部屋には私とはやてだけみたいだった。はやてには、一先ずここ数年の話をしないといけないだろうと、そう息を吐く。どこから話せばいいのか、少し思案して。


「吸血鬼が、ここに居て良いのかな…?」


最初に出たのはこんな言葉だった。だってここは吸血鬼を殲滅するための部隊。そんなのは、私が一番よく知っていた。


「なに阿呆な事言ってるん。フェイトちゃんはフェイトちゃんや。殲滅部隊元一番隊長。これ以上の戦力ないやろ?」
「でも。……私はもう、昔とは違う。」


一度死にかけて、やつらの血を飲まされて。死なない化け物に変わった。体中の細胞が。血を求める吸血鬼に変わった。一度も人間の血を飲んだことはないけれど、渇きを抑えきれず、奴等の血を飲んだことがある。屈辱に涙して、もう戻れないと理解した。

淡々と話す私に、はやては「そっか」と笑う。昔と変わらない笑みだった。


「それでも、私はフェイトちゃんが生きてて嬉しい。フェイトちゃんは、今でもフェイトちゃんやよ。それにもしかしたらフェイトちゃんを元に戻す方法、あるかもしれん。」
「……相変わらず楽天家だね。」
「何事もポジティブに考えんと。その間フェイトちゃんの世話はなのはちゃんに任せたいと思ってるんよ。」


なのは、という名前に先日の少女の事を思い出した。初陣とは思えぬ見事な戦闘意識。瞳の輝き。芯の強さ。殲滅部隊にとってきっとこれから要となる存在だろう。


「……この間の子?」
「せや。呼んであるからそろそろ来ると思うんやけど。」
「なら、お願いがあるんだけど。はやて。」
「ん?」
「あの子、私が育てても良い?私の側に、置いて欲しい。」
「言うたやろ?フェイトちゃんのお世話をしばらく任せるって。」
「……ありがと。」


最も、なのはちゃんが嫌って言ったらダメやけど。と笑った時、部屋に控えめなノックが数回。扉が開いて、真新しい隊服に袖を通した彼女がやって来た。戦闘時とは少し違った雰囲気。まだ子供のような雰囲気。



「───ってことで、暫くフェイトちゃんについて欲しいんよ。」
「は、はい。」
「そう畏まらなくていいよ、なのは。」
「う…えっと、その前になんて呼んだら良いですか?」
「え?……フェイトで良いよ。あと敬語もいらないよ。」


一通り説明した後。はやてに話しかけるみたいにしてよ、と笑うと少しだけ困惑した顔を浮かべて。それからなのはは「はい」と視線を巡らせてから、そう返事をした。

そんなやり取りを見て安心したのか、はやては「ほんなら私は忙しいから行くな」なんて言って部屋を出て行って。部屋には私となのはが残されて、なのはは少しだけ緊張しているみたいだった。


「そう緊張しなくていいよ。」
「うぅ…。」
「まず最初に言っておくね。なのは。」
「な、なぁに?」


緊張の取れないなのはを前に。これだけは最初に言っておこうと決めたこと。


「私はこの通り、人間じゃなくなった。」
「………。」
「倒すべき吸血鬼に成り果てて、血に飢える獣同然。」
「そんなこと!」
「…だから。もし、私が誰かを襲おうとするなら、その時は躊躇いなく私を殺してくれていい。」


出来るだけ穏やかな声音でそう続けると何か言いかけたなのはを静止して。


「とはいえ、私は殲滅部隊にとってはまだ使える所があるはず。だから、吸血鬼を根絶やしにするまでできたら死にたくない。」


だから、と続ける。


「だから、一時的に殺すというか。そう簡単に死ねない身体だからね。これを使ってほしい。はやてにはもう言ってある。」
「……これは?」


茶色い皮に包まれた、純銀のナイフを彼女に手渡す。彼女はいわば、私の見張り役だ。はやてにそういう意図はないにしても、私にはそういう意図がある。吸血鬼になって人を襲うくらいなら死んだ方がましだ。


「純銀製のナイフ。吸血鬼には多大な効果がある。……ただし、純血には効果はあまりないけど。」
「そんなの───…」
「嫌とは言わせないよ。これは命令だ。」


彼女の上官としての。もう隊長の地位はなくても、彼女より私の方が上。そんな風に思っているつもりはないけど、ここだけはそういうことにしたかった。


「嫌なことを頼んでごめんね。でも、私はこれでもここの隊長としてやって来たからには、それなりに精神力も強い方だと思ってるから、だからそう簡単にそんな事にはならないよ。」


だから安心していいよ、と笑うと何故かなのはは少しだけ泣きそうな顔をした。


「どうしても血を飲まないとダメなの?」
「………。」


明確な答えはあげなかった。けど私の表情で察した聡いなのはは、少しだけ考えるような仕草をして。


「例えば、定期的に誰かの血を──…飲むとか。」
「そんなこと」
「例えば、私の血を定期的に提供すれば苦しくはならないんでしょう?」
「……馬鹿なことを言うんじゃない。」
「でも」
「私は誰の血も飲まない。」


少しだけ苦笑して言うとなのはは何か言いたげな顔をして、それから言葉を飲み込む。


「吸血鬼はね。」
「え?」
「──とても、残酷だよ。私はずっと軟禁されてたからね、少しだけ気がやんでるのかも知れないけれど。」


静かに息を吐いて。


「彼らを殲滅したい。……でも、私の始祖にあたる彼ら、スカリエッティの一族に刃を向けられてもとどめはさせない。悔しいけどね。」


力なく笑って強く握った私の手に、なのはが遠慮がちに手を添える。暖かくて、戦っていた時の強さなんて伺わせないほど柔らかく華奢な手だった。


「私が──…。」


声にはならなかったけど微かに「解放してあげる」と言った気がして。ほんの少し心臓が跳ねた気がした。実戦はほぼ新人同然なはずのなのはなのに、どうしてか。彼女になら出来そうな気がして、この子なら救ってくれるのではないかと、一握の希望が沸く。元より、私は彼女を育てたいといった時点で、そういう風に利用したいと思っていたのが本音。だけど、今は屠られるなら彼女が良いと思ってしまった。




「……じゃあ、君にお願いしようかな。」




利用するつもりじゃない。けど、この子が良いと、思った。ほんの少しの欲。吸血鬼における人への執着は、あまり良いものではないと分かっている。所有欲とは違うけれど、「欲しい」と思う気持ち。手元に置きたいと思うそれは、吸血鬼において危険な感情。


それは渇きに飢えた時、真っ先にそれが欲しくなる相手に近い。



その時、私はまだ「その事」に気が付いていなかった。








FIN




続かない!

軟禁されてクアットロに折檻されてたフェイトさん。みたいな。折檻と言ってもあれですね、傷つけられて傷が再生するのを繰り返されてたみたいな。痛みに耐えるフェイトさんに悦びを得ていたクアットロさんみたいな。あと渇きに負けて屈辱にまみれて血を飲むフェイトさんを見て喜んでたみたいな。


渇きを究極に我慢して自分で自分を傷つけるフェイトさんとかたまにみてみたい。自虐的なフェイトさん見たい。


ノシノシ












テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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