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黒白8

なんてこったい!!

私すっかり完結させてたと思ってたんだけどどこでどうしてそんな勘違いをしたのかね!
大変申し訳ございませんでした。急いで書いてみました。

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微かな眠りの中で、羽に何かが触れた。片方がなくなった、残りの羽はいつもより数倍、感覚が敏感で。何者かに触れられたその感覚にすぐに気が付いたけど、眠さと疲れが私の反応を鈍らせる。

優しく撫でるその手に、暫く微睡んで。だけどようやく気が付く。悪魔の中で私の羽に触れるような人物はそうは居ない。治療の為に触れるならギンガくらいだろう。何故勝手に部屋に入ったのかと少しだけ叱咤しようとして。


目を開けて視線を向けた先。


「……な、のは?」


そこには思いもしない人物が立っていた。青い瞳に不安と心配を溜め込んで、びくりと震えて私の羽から手を退ける。そういえば気が付く。その触れ方の懐かしさに。そう、今更ながらに。なのはは私の視線に気が付いて、すぐに背中を向けた。


「ご、ごめんなさい。…スカリエッティさんが、通してくれたから。」
「スカリエッティがここに…?」
「怪我の様子…心配だっただけだから。──…もう行くね。」


逃げるように部屋を後にするなのはに、言いかけた言葉を飲み込んだ。なんて言えばいいのか分からなくて。どうすればいいのかすら分からなくて。ズキズキと痛む背中に、まともな思考が働かなくて、なのはが出て言った矢先、タイミングを見計らったようにスカリエッティが入って来た。きっと外で見ていたのだろう。なのはが出ていくのを。それか待っていたんだと思う、そんなタイミング。


「あーぁ、フェイト。それはないんじゃないかな。」
「……なにが。」


ちりちりと思考が上手くまとまらなくて、スカリエッティの言葉に頭を抑える。スカリエッティは相変わらず不快な笑みを浮かべたまま、私のベットの横へと立った。


「あの子。泣いていたよ。」
「………。」


分かっている。そんなの。それよりも、先に聞きたいことがあった。


「ねぇ、スカリエッティ。」
「なんだい?」
「教えて欲しいんだ。」


じわじわと痛む背中の激痛を感じながら。あの時、ギリギリの意識の向こうに見た光景。


「……銃を持てるのは、悪魔の中では最高ランクに位置する長だけだったと、そう心得ているんだけど。」
「うん。」


スカリエッティが持っていたのは間違いなく。


「……スカリエッティは、どうして銃を持っていたのか。」


あの時。と静かに口にしてスカリエッティの返答を待つ。けどスカリエッティは少しだけ息を吐いてそれからおどけたように言う。


「ちょっと失敬したんだよ、悪魔長様から。」


くすくす笑って、それから「僕が持っているわけないだろう?」なんて、吐いたのはそんな嘘。それが嘘だなんて、私じゃなくたって分かっただろう。


「…スカリエッティ。」


それ以上は言わなかった。ただそこで言葉を止めて彼の顔を見れば「やれやれ」とため息。


「目ざといね、君も。てっきり意識を失っていたと思ったんだけど。」
「舐めないでよ。」
「全く驚嘆するよ。ククク…」


それから開き直ったスカリエッティは「黙っていた悪かったよ」と薄ら笑いを浮かべた。特に驚くこともなく、そりゃあ少しは驚いたけれど、大方納得がいったので、私は特に咎めるでもなく小さく息を吐く。


「そう。」
「ばれたなら、仕方がないね。」
「……良く長にまでなれたよね。その性格で。」


仕事もろくにしないくせに。と、悪態つく私にスカリエッティは少しだけ微笑を消して、それから一歩、私に歩を近づけた。


「覚えているかな、フェイト。」
「え?」
「君を堕天に誘ったあの日の事を。」


忘れるはずもない、私が堕天した日。


「なんて言ったか。君は覚えているかい?」


スカリエッティの言う言葉の真意を測りかねて、私は眉を寄せた。


「天使における出世は、労や努力などそう言ったものを認められたときにはじめてそれを認められること。」


教育を施すかのような丁寧な物言いに、私はスカリエッティの言いたいことを汲み取れず、続きを促す。


「だけど。」


言っただろう?なんて続けて。


「悪魔における出世とは、上官を殺して這い上がる事が最も手っ取り早い。」
「………。」


それは、その言葉はよく覚えている。


彼女に触れることが罪にならない世界でもう一度。出世して覆してやろうと、心に決めた。法があるのなら、法を崩すことのできる地位まで這い上がると。その為には何も厭わないと決めた。どんな仕事でもこなしてきた。代わりに彼女からはずいぶん離れてしまって、とてもとても彼女には近づけなくなったけれど。


「何が、言いたいの?」
「簡単な話だ。出世したまえ、フェイト。」
「は?」


そう言って両手を広げて。


「僕を討てば、君は悪魔の長となれる。そうしたら君は──…」


あの日願った事を叶えられる、と。何を言うかと思えば、スカリエッティが言ったのはそんな台詞で。


「なんで…?」


スカリエッティが何をしたいのか、まったくわからなかった。何を考えているのかすら。変な奴だとは思っていたけど、ここまで変な奴だと正直頭がおかしいとしか言えない。あながちそれは間違ってはいないのだけど。


「言っただろう?僕は面白いものが好きでね。」


つまらないものは嫌いなのさ、なんて。理由にならない言葉。


「ちょっと今の生活に飽きたんだよねぇ。」
「………馬鹿、なの?」
「失礼な物言いだね。」


そう言って、ベッドわきの椅子に腰かけて。


「長っていう地位まで行くと、大体なんでも出来るんだよ。数人しかいない地位だけにね。」


だから君も願いを叶えられる。なんて。言うのはそんな事で。


「どうしてスカリエッティがそこまでするのさ。」


私の為に、なんて言葉は言わなかった。気持ち悪かったから。


「さぁ。……強いて言えば、君は僕によく似ていたからかな。」
「冗談でしょ。」
「とはいえ、君は僕の言うとおりに僕を討てば、後任は間違いなく君だ。」


喜ばしい事だろう?なんて胡散臭い笑顔。まったくスカリエッティが何を考えているか分からなかったけど、あまりの事に背中の痛みを少しだけ忘れた。それから、もう一度深く息を吐く。


「生憎だけど、私はそんな事しないよ。」
「へぇ、どうしてだい?」
「……なんとなくむかつくから。」


スカリエッティに遠慮のない物言いをすると、なんだか残念そうに、だけど胡散臭く笑う。


「言われた通りにするのは嫌だ。」
「やれやれ。まったく君は──…」
「でも。」
「うん?」


でも。何だか少しだけ目が覚めた気がした。


「私は私のやり方でのし上がる。悪魔長のポスト、もう一つくらい空けられるでしょ。」
「へぇ。」
「スカリエッティには、補佐してもらいたい。」
「僕の方が先輩なのに?」
「…うるさいな。」


人を蹴落として上るのも、悪くないとは思ってた。だけど。やっぱり、なんだか気持ちが悪い。私は私のやり方でのし上がる。スカリエッティの後任よりは、スカリエッティに補佐してほしいというのが正直な本音。嫌な奴だし気持ち悪いけれど、彼にはいて欲しい。なら。


「少しくらい協力してよ。」


こういうのをコネと言うのかも知れない。が、まぁそれはどうでもいいとして。「協力してよ」とぶっきらぼうに言うとスカリエッティは「いつだって協力しているじゃないか」と言うわけで。


「それよりも。」
「ん?」
「あの子、追わなくていいのかい?」


泣いていたようだけど。と続けた言葉に、急に落ち着かなくなる。


「でも…」


追ってどうしたらいいか分からない。彼女に何て言えばいいかも。急に、さっきまでの吹っ切れた気持ちが言いようのないもどかしさを覚える。なのはが部屋を出て行ってからだいぶ時が経っていて、今更な気もする。


「どうでも良いけれど、そろそろ決着をつけて着たらどうだい?」
「え。」
「自己犠牲は美しいかもしれないけど、置いて行かれた方の身にもなってみたまえ。」
「……で、も。」


言い淀む私に溜息。


「言っておくがね、フェイト。悪魔が天使に何か悪戯したところで悪魔には罪にならない。悪魔の罪を決めるのは悪魔だからね。」


だから、と薄ら笑い。


「彼女の身に、例えば僕らの中の誰かが何か悪戯したところで罪にはならない。だから、僕は知らないよ?」


彼女の身に何か起きても、なんて嫌な笑みに私は考えるより先にベッドから跳ね上がった。上着に袖を通して、一目散に部屋の外。おいて行ったスカリエッティの「君は何も考えないで行動したほうが良い」なんて声は聞こえないふりをして、無視をした。








それからあちこち捜し歩いて、ほんの少しだけ貧血気味な気がした。背中はズキズキ痛むし、心なしか熱も出てきた気がする。あぁ、まったく。なんて悪態つきながらひたすら彼女を探して歩く。


「…ここに居たの。」


そうしたら、彼女は案外近くに居たようで、散々遠回りした挙句一番最初に見れば良かったと、大広間の様な場所に皆集まる様子を見て小さく舌打ちをした。見れば数人。見覚えのある顔。



「帰ろうとしたところ悪いんだけど。」


今にも泣きだしそうな顔のその天使の腕を捕まえて。


「ちょっと借りていくよ。」


見知った天使2人にそうとだけ言って、私は彼女を捕まえて、ちょっとだけ乱暴に手を引いて歩く。この後彼女に何を言えばいいかもどうすればいいかも全然考えてないし、考えもまとまらないし、何より痛みと熱で意識も朦朧。


それでも、掴んだ手だけは離さなくて。


私は、なのはを自室へと連れ込んだ。部屋にはすでにスカリエッティは居なくなっていて。私となのはの二人きり。なのはは何も言わず、私に背中を向けたまま目も合わせようとしなくて。



私は、そんななのはの背中に静かに口を開いたのだった。















続く





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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