なのへい

なのへいへいへいへい(*‘∀‘)

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「──ええか?フェイトちゃん。」
「分かってるよ、はやて。大丈夫だって。」


こつこつと歩く私の隣に並んで歩くはやてに苦笑しながらそう言うと隣ではやてが深い溜息を吐いた。


「本当に分かってるん?こんなとこまで来て。」
「大丈夫だよ。目立たない。数日で帰る。…でしょ?」
「……はぁ。」


ここに来る前に約束した事を復習するように繰り返す。

それは、なんていうか。条件だった。ウミナリという国の、学校に数日間留学する為の。

私の名前はフェイト・T・ハラオウン。これでも実はアルハザードという大国の王族だ。ちなみにはやては私の側近というか、付き人というか、お世話役というか、まぁそんな感じ。幼馴染で親友という位置。だからこんな場所にまで一緒に来てくれたわけで。


「ちなみにフェイトちゃんはほとんど魔法も使えない落ちこぼれ設定な?」
「……は?」
「この学校は魔力値でクラス分けされてるんよ。」


うん、とはやての説明に首を縦に振って頷く。


「悪いけど、私らのクラスは一番下のクラスにしたから。」
「……なんで?」
「言ったやろ?目立たない。」


魔力値というのは、各々個人で持つ魔力のレベル。それが高い、低いと個人差は激しく、学校ではランク分けされて授業を受けたりもする。そんなわけで、私とはやての転入先はどうやら一番下のランクのクラスに決められたらしい。

手渡された制服の刺繍に刻まれた「F」という文字を見て、仕方ないかと苦笑した。ランクが高いとある程度の注目は避けられない。…が、低ければその逆という、そんな理由に。


「フェイトちゃんはただでさえ目立つんやから。大人しくしててな?」
「はいはい。分かってるよ。目的を果たしたらすぐ帰るから。」
「くれぐれも魔法は使わないように。…使ったら一発でバレるからな。」
「大丈夫だってば。」


心配性だねはやては。なんて笑いながら、不意に視界の隅に、とある人の影が入った。


「おー、やっぱ目立つなぁ。」
「……そうだね。横の2人が付き人なのかな?」


それは数人の取り巻きに囲まれて歩く少女の姿。物腰も柔らかく学校のクラスはA。魔力が高ければそれなりに注目も浴びるし取り巻きも多くはなるだろう。それになんといっても彼女はこのウミナリという国のお姫様だ。だから、普通よりその取り巻きも多い。


「目立つね。……あ、ちょっと横通ってみようか。」
「は?なんで?」
「別に。横通るだけだよ。」
「あぁっ、もう。」


わざとついさっき受け取ったばかりの「F」と刻まれた制服に袖を通して。隣で何か言いたげなはやてのことを無視して、その取り巻きの集団の横を素通りした。通り際にほんの少し、そのお姫様の視線を感じたけど一度も目を合わさず。単純にもう少し近くで顔を見たかっただけっていうのもある。

あとは、少しだけ試したかった。

わざと彼女の隣を素通りするときに、貰いたての学生手帳なるものを通路に落として。




「…ちょっと待って。」


案の定、なのかな。その集団の横を通り過ぎて少しして、後ろから声を掛けられた。

本当は彼女の取り巻きの誰かが拾ってくるだろうと思っていたのだけど、呼ばれて振り向いた先に居たのは取り巻きどころか本命のお姫様。まさか彼女が直々に拾って追いかけてくれるとは。

声を掛けられた隣ではやてが死にそうな顔をしていた気がしたけど気が付かないふりをして「なんでしょう?」なんて。


「これ。落としましたよ。」


そう聞いた私に、私の学生手帳を持って微笑むその子。

名前は確か、高町なのは。ウミナリというこの国の次女の姫だったかな。屈託なく微笑む彼女から手帳を受け取ってお礼を言った。


「ありがとうございます。」


わざと制服の「F」と言う文字が見えるように。その反応を見るために。


「もしかして、転入生?」
「えっ…うん。あ、いや。そうです、けど…」


拍子抜けして、口から出たのは間抜けな返事。そんな私の言葉に「やっぱり」なんて。近くで見た彼女の瞳は青く澄んでいてとても綺麗だった。雰囲気も、とても柔らかい。


「見かけない子だなって思ったの。何か分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。」


そう言って笑って。それからすぐに後ろから呼び戻されて。まだ何か言いたそうな顔をしていたけど、すぐに集団の中に戻っていった。取り巻きが多いのも存外大変そうだな、なんてことを思いながら、今しがた彼女から手渡されたばかりの手帳へと視線を落とす。


「ふぅん。…なのは、ねぇ。」


公女というだけあって「F」クラスの私でも分け隔てなく差別なく話しかけてくれるらしい。第一印象は悪くないかな、なんてポケットに手帳をしまい込んで、そんな事を思う。だけど、彼女の全てが分かったわけではない。私がウミナリというこの国の学校にわざわざ身分を隠して留学なんて形で来た目的は、彼女の事を知る事。遠目に、去っていく集団に囲まれた彼女の背中を見送る。


「ねぇ、はやてはどう思っ──…痛ッ!」


素直に隣で見ていたはやてに感想を聞こうと思ってはやての方を振り向いて。突然顔面にチョップが飛んできた。しかも結構本気の。


「痛いよ!何するの!」
「それはこっちの台詞や!何してんの!目立つな言ったやろ!」
「べ、別に目立ってないじゃない。」


鼻をさすりながら、やや涙目で訴える。はやては私の勝手な行動に怒ってるみたい。まぁ、彼女と接触するなんて悪かったかも知れないけど。うんと遠くに行った集団をぼんやり視線で追って「ごめん」と謝罪した。


「よりによって彼女と──…まぁ、ええけど。」
「ごめんって。もうしないから。遠くから様子を見るだけにするよ。」
「バレたら大変なんやから、勘弁してな?」


静かに目立たない生徒として彼女を見て、自分の国に帰る。それが本来の目的。


「ごめんごめん。Fクラスの人間にも分け隔てなく話しかけてくれるような子なのか確認したかっただけだよ。」
「はぁ。これからは極力目立たず落ちこぼれっぽい演技でもしててな?頼むから。」
「はいはい。気を付けるよ。」
「頼むわ本当。…アルハザードの王子様がお忍びで学校に留学なんてバレたらどーなることやら。」


深く溜息を吐いて。


「それも自分の許嫁をこっそり見るためやなんて。なんやいやらしい。」
「………親が勝手に決めたことだからね。」


何事も自分で確かなければ気が済まないんだよ、と続ける。そう、高町なのはという彼女は、親が勝手に決めた私の許嫁だ。近い将来、私は彼女と結婚することになっている。だから。


「どんな子なのか見ておきたかったの。」
「…もう、頼むから遠くから見といて。」
「はいはい。」


かくして、私は数日間の留学の間に彼女の事を知ろうと思ったわけで。今後は彼女と関わらないように遠くから観察して、数日後には国に帰る。そんな予定なわけで、反対方向へ歩いていく集団に、私は背を向けたのだった。



だから、だいぶ離れた所からこちらを見るそのお姫様の視線に、私は全く気が付かなかった。
















◇FIN











みたいな。

なんか陰湿な王子だな。フェイトちゃんw
翌日から何故かやたらフェイトちゃんに絡んでくるなのはちゃんとかね。
実はフェイトちゃんが自分の許嫁と知らずに惹かれて悩むなのはちゃんとかね。
落ちこぼれクラスとかの確執とかね。



続きはWEBで。







テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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