SS短編 に

この前のやつの続きっぽやーつ。
今日めっちゃ寒いですね!指先が凍ってる気がする!
っていうかもう10月かいな!

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「フェイトちゃん、いる…?」


コンコン、と控えめにノックをした後に。やっぱり控えめに、彼女の執務室のドアを開けた。はやてちゃんに頼まれた書類を持ってやって来たその部屋で、主であるフェイトちゃんはソファーに座ったまま静かに寝息を立てていた。

不用心だなぁ、なんて少し苦笑が漏れる。

フェイトちゃんに「好き」と言われて何の返事も返せないまま、いつも通りを装ってもう1週間。「返事は良いから」なんて言われたって、なぁなぁにしたままで居るのも悪いと思う。だけど、私はフェイトちゃんに、なんて答えを返すつもりなんだろう。


「……。」


目の前で静かに寝息を立てるフェイトちゃん。近くでまじまじと寝顔を見て、思う。とても綺麗な人だと。小さいころからずっとそばで見てきた。そんなフェイトちゃんが私にそんな気持ちを抱いていたなんて、思いもしなかった。


嫌なはずなんて無い。絶対にそれは無い。じゃあどうなのかって言われたら結局、答えは分からない。好きか嫌いかの二択なら、もちろん好き。だけど。


「……あ、れ…?」


まじまじフェイトちゃんの事を眺めていたら。不意にうっすらとフェイトちゃんが瞼を開いて、その奥の紅い瞳と目が合ってしまった。こんなに至近距離でまじまじフェイトちゃんを見ていたなんてバレたら少し恥ずかしい気がして。


「……なのは?」


けど、フェイトちゃんはそんなことは特に気にしていなかったみたいで、見られていたということよりも私がこの部屋に居ることに首を捻った。まだ少しだけ、寝ぼけているような雰囲気で。


「あ、えと…起こしちゃってごめん。これ、頼まれたの。」


慌てて取り繕うように手に持った書類をひらひらさせるとフェイトちゃんは「あぁ」なんて少しだけ柔く微笑んでソファーから立ち上がって、小さく伸びをした。


「ごめんね、折角来てくれたのに。──…コーヒーでも、飲む?インスタントで悪いけど。」


シャーリーは留守だから、シャーリーみたいに上手に淹れられるか分からないけどね。なんて笑って、手にはカップが二つ。


「じゃあ、お願いしようかな。」


ソファーに座ったまま、コーヒーを淹れるフェイトちゃんの後姿をぼんやりと眺めて、さっきまでの思考を再び巡らせる。あれ以来初めてフェイトちゃんと二人きりになるけど、フェイトちゃんが普通にしてくれてるからか、特に気まずくなんてならなくて。私はフェイトちゃんの気持ちに甘んじてしまっている。それが、自分では許せないんだけど。

カチャカチャと、スプーンで混ぜる音がしてコーヒーの香り。フェイトちゃんは私の為にコーヒーにミルクと砂糖を入れてくれたみたいだった。私の好みなんてフェイトちゃんはきっと何でも知っているだろう。だけど、フェイトちゃんはどうなんだろう。


「少し熱いかもしれないから、気を付けてね。」
「ん。ありがと。」


そう言ってコーヒーを受け取って、私はフェイトちゃんに書類を手渡した。フェイトちゃんは私の事なんてきっと何でも知っているけど、私はフェイトちゃんの事を何でも知っているのかな?……ううん、フェイトちゃんが私に寄せている想いを知らなかったこともあるし、きっと他にも知らないことがあるんだろう。


「……なのは、何か悩み事?」


少しだけ、面白くない気がした。それは単に、彼女の事なら何でも知っていたいって気持ちがあるからだと思う。なんて、そんな事を考えていたからかな。ちょっとだけ眉間にしわが寄った私に、隣に座ったフェイトちゃんが心配そうな目を向ける。


「うぅん、悩み事とかそう言うのはないんだけど…えっと…」


なんて言ったらいいんだろう。フェイトちゃんの話を聞きたいって言うのとはちょっと違う気がして言いよどむ私を前に、フェイトちゃんはどこか落ち着いた表情をしてカップに口をつけて。


「この間の話の事かな…?」


それから少しだけ困ったように笑って、子供に「仕方ないなぁ」なんて言うみたいな顔をした。


「なのは、ごめんね。」
「えっ?」
「……この間の話。」


コン、とテーブルの上にカップを置いて静かに目を伏せる。


「その、忘れてくれて良いんだ。知っておいて欲しいって言ったのは勿論そうなんだけど。──…本当に、返事が欲しいわけじゃないから。」


そう言ってちょっとだけ頬をひと掻きして、それから続ける。


「なんていうか、なのはに言ったのはその…けじめというか。好きだったことがあるって事を、言っておきたかっただけで。」


ただの自己満足だね、ごめん。なんて笑うフェイトちゃんに。


「あの、ね…?」


何でか、真っ直ぐ顔を見ることはかなわなくて、膝の上でぎゅっと手を握ったまま紡ぐ。フェイトちゃんは静かに私の言葉の続きを待っていた。


「ちょ、ちょっとだけ…待って欲しいの。」
「え?」


返事は良いって言われたって、返事をしないままでいるなんて私には無理。その相手がフェイトちゃんなら、なおさら。ちゃんと返事がしたいって気持ちを悟ったのか、フェイトちゃんはまた、ちょっとだけ柔く笑う。それから「いいよ」と言って立ち上がって、私の髪を撫でた。


「良いよ。答えが出るまで、少しだけ待ってる。」


でも、と続けて。


「無理に返事をしようとしなくていいから。私の中ではもう、一つのけじめはつけたから、なのははなのはの気持ちが分かった時に教えてくれる?」


気長に待つよ、なんて。言ったのはそんな言葉。


「それって、私ずるくない?」
「……そんな事ないよ。ちゃんと悩んで返事をくれるそういう所、なのはらしいし。」
「フェイトちゃんは、それでいいの?」
「あまりに返事が遅くて他に好きな人が出来たら、その時はその人と付き合うから大丈夫。」
「えぇっ?なにそれっ!」


冗談めかして笑うフェイトちゃんに思わず立ち上がる。けど、それって当然の事で。フェイトちゃんは私の気持ちを軽くする冗談だったみたいだけど、その時の事を想像してみたらそれはそれで嫌だった。私って我儘だなぁ、なんて思う。

仮にフェイトちゃんが他の人と付き合ったとしたら。私はその時どんな気持ちになるんだろう。


「ね、フェイトちゃんはいつから──…」
「なのはの事が好きだったかって質問?」
「…う。」


狼狽する私に対して何処か余裕のフェイトちゃん。普通、立場が逆だったりするんじゃないの?とか思いながら、頷くとフェイトちゃんは「もう忘れちゃった」なんて答えにならない答えをくれた。


「もうずっと前だったから、下手したら出逢った頃くらいじゃないかな?」
「……ぜ、全然気づかなかった。」
「そりゃあ、隠してたもの。」


くすくす笑ってフェイトちゃんは「あの頃は思春期だったしね」なんて。


「で、でもフェイトちゃんモテたじゃない。」
「そんなことはないけど…。」
「だからその時他の人と付き合おうとか、そう言うのも思わなかったの?」
「………えっと、どうかな。」


ちょっとだけ視線が泳いで苦笑で濁す。こういう時のフェイトちゃんは大体何か隠してるとき。


「え、もしかして誰かと付き合ったりしたことあるの?」
「……いや、付き合ったというか…」


はっきり否定はしないんだ。なんてちょっとムッとして、だけど何も言えなくて。フェイトちゃんはどうやら色々と私に隠し事があるみたい。なんだか胸に小さなしこりが出来た気がした。


「……まぁ、昔の話だし。」
「私はフェイトちゃんに隠し事なんてないのに。」


むぅ、と眉を寄せるとフェイトちゃんは少しだけ困ったように笑って「ごめんね」なんて言う。でも結局は私には何か言うことなんて出来ないんだよね。だから、胸がすっごくもやもやするけど仕方ない。だって私には何も言う資格がない。


「…ね、フェイトちゃんはさ。」
「うん。」


ソファーに座ったままの私と、書類を片手に窓際に寄りかかるフェイトちゃん。フェイトちゃんは書類を読むようなふりをして、だけどちゃんと私の言葉に耳を傾けてくれていた。


「……私のこと、その…好きでいてくれて」
「うん。」
「その。どうしたいのかなって。」
「え?」


やっぱり恋人っぽい事をしたいとかそう言うの思ったりするの?と沸いた疑問。こんな事、返事を保留にしたままで根掘り葉掘り聞いていいものか迷うけど。


「キスとかそういうことしたいとか…思ったり、するの…?」


私と、なんて。迷いに迷って出た質問は思いのほか直球なそんな質問。


「えっ…」


私のそんな言葉にフェイトちゃんは書類から顔を上げて、目が合って数秒。ほんの少し、フェイトちゃんの顔が赤く染まった。そんなフェイトちゃんの顔を見て、自分のとんでもない質問に気が付く。というかなんというか。


「あ、えと…違うの、そう言うのが聞きたいわけじゃなくて。」


なんてことを聞いてしまったんだろう。ほんの少し頬を赤く染めたフェイトちゃんの反応で分かってしまったような気がしなくもない。


「あぁ、私午後も教導あるんだった。」
「あ、うん…書類ありがとうね。はやてにも、今度会ったら伝えておいて。」
「うん!コーヒーごちそうさま!えと、…またね?」
「……うん。」


そんなこんなで逃げるようにフェイトちゃんの執務室を出てしまった。結局フェイトちゃんに付き合った人が居たのかどうかは聞けなかったけど。それはあんまり聞きたくないし、またいつか機会があったら聞いてみようかな、なんて。それよりも。

少し頬を染めたフェイトちゃんの顔が、脳裏をよぎる。


「……フェイトちゃんと…」


キス。…もし恋人になったとしたら、当然そう言うこともするんだろうけど。


「…考えられない。」


想像もつかないなぁ、なんて。だけど想像しかけて、頭を振った。そもそも私はフェイトちゃんの事をどう思ってるんだろう。またしても、最初の思考を繰り返して振出しに戻る展開。それって、私が恋愛方面に無頓着だったせいで恋愛思考が低いせいもあるかも知れないんだけど。でも少なくとも、「ただの親友」よりは大きな気持ちがあると思う。明らかに違う気持ちが。


「うーん……」


だけど、私一人でどれだけ考えてみても。私の答えが出るのは、もう少し先の事みたいだった。
















続…?





続くかわからないけど。
根掘り葉掘り聞くのはやめようって思うなのはさんだった。
そうしてユーノ君に相談したりしてまたひと騒動起きたりなんだりで今日は寒い!











テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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