こういうの(なのフェイSS)

ずっと書きたかった(´ω`)こういう話。(長いです)
最後はなのはちゃん目線です。
なんかこういうの書きたかったのでちょっと書いてみました。

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世界の中心が何処であるかは分からないが、世界の東方にはかつてウミナリという国があった。緑に溢れ、水に潤い、あまねく大地は人々に様々な恵みを与え、「平和」という言葉がよく似合う国だった。

ここに綴る話は、その国の末姫とその国に尽くす神官になる筈だった、少女の話。引き裂かれ、奪われたものを取り戻す話。



























「何してるの?」


今朝も早い時刻。まだ太陽が昇りきる前の早朝に、祈りを捧げにやってきた神殿で、耳慣れた声が聞こえた。そんな声に小さく苦笑をして、フェイトはやれやれと息を吐く。


「…なのはこそ、何をしているの?」


ここは神殿だよ?と。

まだ早朝で、祈りを捧げる時間。その声の主は、今質問しているのは自分なのにと、フェイトのその質問に対して少しだけ眉を寄せた。フェイトはこの国を支える神官としての修行を積んでいる身。

神官といえば、どの国でも存在を重んじられる存在で。国の未来を占い、将来を左右する大事な立場だった。



「また国王に叱られるよ?」


神殿に忍び込んだその少女はそう言われると、ほんの少し肩をすくませる。同時に、二つに結んだツインテールまで、しゅんとしおれたような気がして。そんななのはの愛らしさに、フェイトは笑みを漏らす。


「なのははお姫様なんだから、ちゃんと言いつけを守らなくちゃ。」


なのはと呼ばれたその少女は少しだけむくれて、「フェイトちゃんのところは良いって言われてるもん」なんて言って、小さく反撃をした。


神殿に忍び込んできた悪戯な少女の名はなのは。この国の末の姫ということになる。…が、当の本人に王族としての淑やかさは未だ無く、日夜城を抜け出して神殿へと遊びに来る始末。

幸いにも神殿は王宮の庭先のような位置なので、衛兵の目の届く範囲。お咎めはあまりなかった。



「そう。じゃあ、ゆっくりしておいで。」


4つ年上のフェイトはなのはを妹のように可愛がっており、なのはもまたフェイトにとてもよく懐いていた。傍から見ればそれは幼い恋人同士のようにも見え、王族と神官の婚約はさほど珍しくもない。

当の本人たちにその意思はあったかどうか分からないが、周りの人間は自然とそうなるのだろうと。恐らくは王でさえそう思っていたし、そう望んでいたかもしれない。それは自然と未来を約束された、許嫁のように。






「ねぇ、フェイトちゃん。」
「うん?どうしたの?」


そんな今朝の祈りの時間を終え、書き物をしているフェイトの後ろで。フェイトの背中にもたれるように体を預けて座るなのはが口を開く。フェイトは時たまなのはに構ってやりながら、自分の仕事を進めていた。


「フェイトちゃんは将来は神官になるんでしょう?」
「うん。そうだね。それにはもっと勉強しなくちゃだけど。」
「神官様は星を読んだりして、未来が見えるって本当?」
「うん。ある程度の占いでしかないけどね。私も少しは星読み出来るようになったんだ。」


なにか見てほしい未来があるのかな?なんて。

姉妹をあやすように言うフェイトに、なのはがほんの少しだけ言い淀んで蒼い瞳を向けた。なのはがこんな顔をするのはとても珍しくて、何か嫌なことでもあったのかとフェイトはそっとなのはの前髪に手を伸ばす。


「どうしたの?嫌な夢でも見た?」


どうやらこれが要件だったのか、今朝早くから来ていたなのはに優しく諭すように問うてみた。

気が付けば今朝から結構な時間が経っていて、今日は昼食を一緒にとることになりそうだと考えて。それならば、たまには自分の部屋で話を聞きながら昼食を食べようかと提案しようとして、手が触れた。

それよりは掴まれているというほうが近いだろうか、なのはの手がフェイトの服の袖を少しだけ遠慮がちに掴んでいた。

普段おてんばななのはにしては珍しいその仕草に、フェイトはいよいよもって心配になるのだが。



「……な、なのは?」


見てみれば、蒼い瞳は何処か泳いで落ち着きが無く、何か躊躇いがちで、ほんの少し頬はピンク色。


「えと…。」
「うん?」


子供ながらに医学も少しはかじっているフェイトは訝しく眉を寄せた。どうやら風邪や体調不良という訳ではないらしい。


「あのね。」
「うん。」


それならば、フェイトはなのはが言い出せるまで待つ事にした。

星読みと呼ばれる魔力を使った未来予知。出来るのは神官として修行を積んだ者だけと言われている。魔力を持つ人間は特殊で、魔力を扱えるのは王族並びに神官、またはごく一部の人間だけだった。

最も、魔力を持つから神官になれるともいうのだが。


魔法の事はさておき、フェイトが暫し待つとようやく踏ん切りがついたのか、相変わらずほんのりと頬を染めたままでなのはが口を開く。


「私と、フェイトちゃんが」
「…?私となのはが、どうしたの?」
「将来、結婚するって。」
「えっ」


大臣たちが言ってた。なんてぼそぼそと言う声。

なのはが告げた話はそんな言葉だった。恐らくは何処かで聞いてきたのだろう。9歳という子供ながらにも「結婚」という意味は分かっているようで。ちらりとフェイトの顔を見て、何も言わないフェイトになのははほんの少し不安そうな顔を見せる。


「そっかー。神官と王族の婚儀って結構多いもんね。」


が、当のフェイトは「それは考えてなかったな」なんて笑うだけ。

なにせなのははまだ9歳で、フェイトは13歳。早いといえばそうだし、だけど王族の相手を選出する時期としては決して早すぎるわけではない。仲睦まじい2人の姿を見て誰かが言った冗談か、或いは。


「……ん?」


じっとフェイトの顔を見たままで、言葉を待つなのはに、フェイトは少しだけ笑う。普段のおてんば娘は一体どこへ行ってしまったのかと。


「フェイトちゃんは、その。」


どう思ってるの?なんて。子供ながらにたどたどしく聞くなのはが気になっているのはどうやらそのフェイトの反応のようだった。


「どうって……」


暫し瞬いて、それからくすっと笑う。

恥ずかしそうにもじもじと身をすくませるなのははあまりに新鮮で、それ以前にまだ子供っぽくて(もちろんフェイトも子供のうちに入るのだが。)だから、ちょっとませたなのはの様子に、思わず笑みが漏れたわけで。


「なのはは?」
「ふぇっ」
「なのははどう思うの?」


子供ながらにも、4つ年下の姫がこんなにも愛しいと思う。後々そうなって欲しくはあった気持ち。フェイトにとってはこれほど嬉しい事などなかった。ましてやそんななのはの反応を見せられたらなおさら。

聞いた質問に、逆に質問で返されてなのはは一瞬狼狽えて、辺りを見回す。特に神殿には誰もいないという訳ではないが、さほど気にする程近くには人気はない。そうして辺りを見回してから。


「フェイトちゃんがどうしてもって、言うなら。」


頬を染めたまま、仕方ないからという態度を装った子供らしさに、のフェイトは吹き出しそうになった。

それは恐らく、恥じらいを隠した精一杯の幼い姫の強がり。フェイトはもう少し意地悪したい気持ちにもなったがあまり意地悪して泣かせるわけにもいくまいと、精一杯のなのはの強がりを甘んじて受けることにしたのだった。


「なら、私はなのはが良いな。将来のお嫁さん。」


幼いながらの精一杯。それはフェイトにも同じことで、なのはよりも少し年上なだけで、その手の経験などは皆無。頬をひとかきして、そう告げるとなのははとても嬉しそうに微笑んで、「じゃあいいよ」などと言う。

それは幼い恋人たちの、淡い約束だった。


もちろん今のが正式な約束ではない。単純な、子供の淡い口約束。だけど、2人には大切な約束だった。


「最も…なのはにはもっと良い相手が出てきちゃうかもしれないけど。」


王族とはそういうものだというひとつの認識。他所の王族との婚姻は神官などとの婚姻より遥かに多い。別に不安に思うとか疑うとか言った訳ではないが、ポツリと呟いたフェイトの台詞になのはが眉を釣り上げる。


「その時は私がフェイトちゃんじゃなきゃやだって言うの。」


だから大丈夫なの、なんて。子供っぽいそんな一言。書き物をしていた手を止めて、フェイトは笑う。盲目的に恋をしている訳ではないが、子供ながらにも2人とも互いに認めているのは互いだけで、幼いながらに意思は固く。幼さゆえかも知れないが。単純に、フェイトはそれが嬉しかった。



「なのは、お昼は?」
「んー。」
「そういえば今日は何か勉強するんじゃなかった?」
「んー。」


最初の返事より、ちょっと口ごもった返事。勉強があまり好きではないなのはに苦笑してフェイトは立ち上がる。…と、つられるように書物を読みふけっていたなのはも顔を上げた。


「なのは、ちょっとおいで。」
「うん?」


見せたいものがあるんだ。なんて。慕うフェイトにそんなことを言われれば、行かないわけにはいかない。素早く立ち上がって、読みふけっていた書物を投げ出して。フェイトの後をついて歩く。

神殿から出た陽のもとで、太陽に照らされた薄金が、なのははとても好きだった。柔く、優しく見つめる紅い瞳も。幼いながらに恋心を抱いていた。いつも何かを優しく教えてくれる少し年上の神官。

ついて行った先、そこには少しだけ広い庭園があった。綺麗に手入れされた庭。勿論王城の庭園には及ばないが、けれど可憐な、小さな庭。


「こんなとこ、あったんだ…」


自分の城なのに、なにせ広大な敷地。幼いなのはにはまだまだ知らないことがたくさんあった。ここもその一つ。最も、知る人間は限られているが。


「ここは私の庭。」
「え?」
「少し前に、王が…なのはのお父さんがくれたんだ。」


好きにして良いと言ってくださった。そう嬉しそうに笑うフェイトに、なんだかなのはは複雑で。というのも、フェイトにプレゼントした父が羨ましかったというところ。フェイトを喜ばせてあげたいという欲求が幼いながらにもなのはにあって、それを簡単にやってのけた父に少しだけ嫉妬というものをした。


「1番になのはに教えようと思ってたんだ。」


けど、次の一言で単純にもそんなモヤモヤした気持ちは消え失せた。「1番」という言葉を強調したのはフェイトがなのはの心情に気がついたからかも知れないのだが。

庭の中を数歩、歩いて。果樹の細木に触れて。


「実がなったら、教えようと思って。」


そう言って伸ばした先のフェイトの手元には黄色い果実。楕円型の、フェイトの髪の色にも似た果実。


「わぁ、美味しそう。」
「…ふふっ、酸っぱいよ?これは。」
「ふぇ。」


一つもぎ取って、なのはへと。果実を手渡す。ほんとりと香る柑橘の香りに、なのはの頬が緩む。


「酸っぱそう。」
「檸檬はね、食べるのには向かないかな。」


くすっと笑うと少しだけ、フェイトが真面目な顔をして、それからなのはの前髪に触れた。その細木は他国からとったもので、どうやらこの国にはまだ馴染みがないのだと、フェイトは優しく教える。


「この国はとても、良い国だね。」
「うん。」


まだ幼いながらに、博識なフェイトは様々な国の情勢を知り尽くしている。当然、他の国の情勢を憂う事もある。


「なのはの暮らす国が、これからもずっとこんな風に平和だったら良いね。」
「フェイトちゃんがそうしてくれるんじゃないの?」


そう導くのは神官。なんの疑いもなくそう聞いたなのはに面食らったフェイトが、思わず笑う。なのははどうしてフェイトが笑ったか分からず怪訝そうな顔をした。


「そうだね。その為には、なのはも勉強しなくちゃ。なのはもね。」
「うぇ…」
「なのはは聡いはずなのにどうして勉強が嫌いなのかな…」
「放っておいてよ…」
「だめだよ、そんなの。」


そう言ってくすっと笑う。
そんな風にして、2人は幼い時を平和な時を過ごしていた。










事件が起きたのは、それからすぐ後のこと。その数日後の夜のことだった。


突如として起きたその事件。

事の細かいことを、フェイトは何も知らない。



その日、聞こえた悲鳴でフェイトは目を覚ました。



「な、なに…?」


下弦の月が、儚く照らす夜。目を覚ましたフェイトは悲鳴の聞こえた方向へと駆け出す。聞こえたのは悲鳴と、馬の蹄の音だった。聞きなれない乱暴な蹄の音に乱れる心を落ち着けながら、駆け出す。普段持ったことのない、けれど何かがあった時の為にと渡された剣を持って。

王の元へ。なのはの元へ。


なぜか胸騒ぎがした。




「…は、……はぁっ…」


城には火がかけられ、夜なのに明るかった。焦げ臭さに口元を抑えて、慣れない剣を握る。暴動かと思ったが潤ったこの国に限ってありえない。では?思考を巡らせている間に、城内から何人かの人影が現たる。

見たところ平民ではない、恐らく兵士。それは、この国の者ではなかった。



「あの紋は……アルハザード…?」


見覚えのある紋。それは隣国のアルハザードと呼ばれる大国のものだった。国交も特に何事もなく行われていた隣国の行いに、眉を顰めるがそれよりも。引きずられるようにして連れて行かれそうになるなのはの姿を見つけて、思わず駆け出した。

大人が複数人。味方はない。到底敵うはずないと、頭では十分に理解していた。ましてや、フェイトは普段剣を握る事がない。相手は兵士。しかも自分はまだ子供だ。


「なのは!!!!」


それでも、出て行かず見過ごす事など出来なかった。

大切ななのはを、こんな輩に連れて行かれるなど。呼んだ声に反応するように、数人の兵士が剣を握る。


「フェイトちゃんっ!!」


泣きながら引きずられるなのはに、叫ぶ。


「待ってて、いま、助ける、から!」


戦い方など知らない。神官として知識をたくさんつけてきた。少しだけなら剣を握った事がある。でも、暴力は嫌いだった。


「なのはを、離せ!!」


精一杯の吼え。が、体の大きさも倍以上あるその兵士はフェイトのその言葉に耳を貸しはしなかった。すぐに追っ手が来るからか、なのはを攫うことだけが目的なのか。握った剣をしまう仕草。なら、時間を稼げは自国の兵士が助けに来るかと剣を向ける。時間を稼ぐ為に。


「フェイトちゃん!助け、て…っ!」


泣きながら助けを求めるなのはに、胸が締め付けられる。剣の持ち方もよく分からないまま、フェイトは兵士に向かって駆け出した。勢いよく振るった剣は兵士には届かず、大きく空振りし、地面の土に傷をつける。フェイトは体のバランスを崩して無様に膝をついたが、そんな事に構ってはいられなかった。


「なのはを!…離せぇ!」


もう一度。立ち上がり振りかざした剣は今度は当たった。敵の兵士が抜いた剣に。弾かれて、踏ん張って、もう一度構えた拍子に、今度は兵士の剣が動く。

何か言ったが、言葉は耳に届かなかった。自分に降り降ろされる鈍く光る剣から目が離せなくて、辛うじて、咄嗟に差し出した剣で受ける。力の差は歴然、思い一撃に両手が痺れた。握った剣を手放してしまいたくなるほどに。こうしている間にも、なのはは別の兵士に担ぎ込まれて、無理やり馬に乗せられてしまう。


「なのは!!」


なのはが連れて行かれる。視界が涙で滲んだ。自分の無力さに。それでも、足掻かなければと、もう一度。剣を持ち上げようとして。


「う、ぁッ」


肩から胸、だろうか。鈍く、何かが骨にぶつかった気がした。重い何かが。途端に身体から血の気が引いて、何かが溢れ出して、フェイトは両膝をついた。

不思議と痛みはなく、視線だけはなのはを追う。なのはを馬に無理やり乗せた兵士が一言二言、今しがた自分に刃を振りかざした兵士に向かって告げて、血に濡れた剣を持つ目の前の兵士がフェイトを一瞥して、背を向けた。


「フェイト、ちゃん!!!」


なのはが泣いているのがわかった。それだけで、頭に血がのぼる。地面についている膝をあげて、もう一度剣に手を伸ばし、剣を支えにして立つ。時折ヒュッとなる風の音が自分の呼吸音だとは気付かなかった。


「フェイトちゃん!だめ!もう良いよ!」


ポタポタと地面に滴る血を見て、ようやく先程は自分が斬られたのだと気が付いた。肩から胸へ。致命傷に思える傷。熱を持っているのか燃えているように熱い。


「なの、は」


ヒュッとなる呼吸に、血が混じり咽せる。


「フェイトちゃん!もう助けなくていい!」


死んじゃうよ、と泣きじゃくりながら言うなのはに、なんで?と首を捻った所で、もう一度。今度は背中に激痛を感じた。意識も朦朧に、今度こそ地面に膝をつき、そのまま地面に顔を埋める。背中に走った激痛に歯を食いしばりながら、地面の草を掴んだ。


「フェイトちゃん!!!!」


音で分かる、なのはを乗せた馬が走り出す音。遠ざかる声。地面に爪を立てて、顔を上げればその集団は既に、遥か遠くに去っていて。


「う、ぐッ」


視界が涙で滲んで、ほんの少し血と土の香りを感じた。余りにも自分が無力で、惨めで。なのはを救えなかったことに、地面に深く爪を立てる。血と一緒に命が流れ出ていく感覚を味わいながら、唇を噛んだ。


「なの…はッ…、ぁ…」


ほんの少し前まで一緒に笑っていたのに。

暴力は嫌いだった。簡単に人を傷付けてしまうから。だから、神官として勉学に励んだ。この国を守る為に。なのはを守る為に。なのに。あまりにも、無力。


攫われたなのはを、今すぐに追いたいのに。指先にも感覚を感じなくて、フェイトは咽ぶ力も無く、辛うじて呼吸を繰り返す。もう恐らくはこのまま死ぬのだろうと、土に爪を立てたまま、涙と血を流し尽くして死ぬのだろうと目を閉じて、そのまま意識を手放した。


「……の…は」


助けてあげられなくてごめん。と、力なく。
その言葉は声になったかどうかはよく分からなかった。






─────…



────…


































───八年後











コツコツと、聞きなれた音に、ひそかに眉を寄せた。この場所に連れてこられてもう幾度季節が巡ったか覚えていない。数えるのをやめたから。


「今日のご機嫌は如何かな?お姫様。」


嫌な声に話しかけられて、聞こえないふりをして無視をした。

それはいつもの事なので、無視されたことすら気にならないこの国の王は、私の顔を一目見て、満足そうに笑って去っていく。


あの日、あの夜、無理やり攫われて連れてこられて。たどり着いた場所は、私が住む国の隣国、アルハザードという国だった。どうして、とか何故、とか。たくさん言ったし、たくさん泣いた。帰りたいと何度懇願してもウミナリに帰してはくれず、やがては懇願することもやめた。




私、高町なのはは今年で17歳になる。


アルハザードという大国の大きな城に幽閉されたまま。思い出すのはいつだって彼女の事だった。私より少し年上で、いつも優しくて、頭が良くて、綺麗だった。彼女があの後どうなったのか、私は分からない。ずっとずっと、考えても、何もわからなくて。


生きているか分からない。きっとあの怪我では───…。


もうどれほど泣いたか分からない。この国の王は私を妃にするといっていた。ウミナリという国土が欲しいと言っていた。その為に私が攫われたのだとも。

ウミナリに居る王が、父が何度も私を返すように交渉しているっていう噂も聞いたけど、きっとどんな条件でも、この国の王はそんなことはしないと思う。私を人質にしたままずっとウミナリという国を脅かすに違いない。国の情勢だとか、そういうのはよく分からないけど。


もっと他の国の事を沢山学んでおくべきだった。


「ちゃんと勉強しなくちゃだめだよ」と優しく笑った彼女が恋しくて、胸が痛くて。思い出しては、自分の体に小さく爪を立てる。このまま何もできず、幽閉されたまま自国の不利になる事しか出来ないのかと憂いて目を閉じた。


「───…フェイトちゃん…」


声にして呼んだ、大切な人の名前はそのまま部屋に反響して、消えた。


あの日、あの時。自分が彼女に「助けて」なんて言わなければ。悔やんでも悔やみきれない後悔と、自責の念。


「……、…」


今度は声にならない大きさでもう一度名を呼んでみる。
自分にしか聞こえないような音。


月に向かって、おまじないのように唱えるその名前。


どうにもできないこの身のもどかしさに、私は静かに、唇を噛んだ。
















































FIN.








「貴方の慰み者になるくらいだったら、私は舌を噛んで死にます。」的ななのはちゃんと。
「あの日土に爪を立てたあの感触を、私は生涯忘れないだろう。」的なフェイトちゃん、みたいな。



なのはちゃんを奪われた弱かったフェイトちゃんが謎の一団に命を救われて、血のにじむ努力と生活をしていて、数年後にめっちゃ強くなってて助けに行く…みたいな(略)。こんなベタな話をずっと書きたかった。


檸檬の花言葉は「愛の忠誠」「心からの思慕」「熱情」だそうな。この辺はどうでも良いのですが。


フェイトちゃんは実は生きてて、でもなのはちゃんはフェイトちゃんは死んでるって思いこんでて、みたいな。虫も殺せないような優しい神官だったフェイトちゃんはシグナムさんに鍛え上げられて立派な騎士になりました、みたいな。






全然続かないけど(・ヮ・)ネ





み た い な (∫°ਊ°)∫







テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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