続いてみた。

前に書いたこういうの(なのフェイSS)の続きもの。
※ベタ展開。

あ、そう言えばサイトにツイッターさんリンクしなおしてみましたwサイトはなかなか更新しないくせにツイッターには居るクズというのがばれてしまいますね(˘ω˘≡˘ω˘)w

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「──…、いて…。」


じわりと、腕の裂傷に血が滲む。痛みに慣れすぎたこの身体では、滲んだその血に特に大きな反応もせず、右手に握られた鈍く光る長刀の血を拭って、静かに腰鞘に納めた。今宵は満月で月がとても綺麗で。


「───…なのは。」


月を見上げながら、フェイトは小さく名を紡ぐ。その名前は、ずっと昔から大切にしてきたたった一人の少女の名前。幼い日に奪われた、自分の大切な姫の名前だった。










 -I give you my word.-










「あーぁー、また怪我して。」


もうちょっと効率よくできるくせに。と続けて、フェイトの側へ寄って来たその少女は黒いフードを少しだけずらし、フェイトの腕を持ち上げて怪我の具合を確認する。フェイトはされるままに黙ってその様子を見ていた。


「フェイトちゃん、痛くないん?」
「…そんなには。心配かけて、ごめん。」
「ええよ。分かってるなら。」
「早く、終わらせたかったから。」


そう言って視線を向けた先には無数の兵士の残骸があった。


「それよりはやて、城まであとどのくらい…?」


はやてと呼ばれたその少女はフェイトのその言葉に「またか」と小さく息を吐いて少しの苦笑を浮かべた。


「まだまだやよ。もうちょっとだけ我慢してな?城には何人か私らの味方も居る。ちゃんとなのはちゃんも無事や。」


その言葉を聞いて、さっきまでの戦闘の所為か少しだけ殺気立っていたフェイトの纏う空気が柔らかくなった。

幼い頃住んでいたウミナリという国に賊が侵入して、フェイトの大切なたった一人の少女を攫ってから、八年という年月が経っていた。あの日、あの夜致命傷を負っていたフェイトを助けたのははやてと名乗る少女が引き連れた一団で。

聞いたところによると彼女はウミナリの王が呼んだ、アルハザードとは反対の隣国ミッドチルダの若き指導者。彼女の引き連れる騎士数名に命を救われ、フェイトは彼女に懇願し、一緒になのはを助ける為に旅を続けていた。


「それより手当しよう。……ギンガ呼んでくるから。」
「……うん。」


命を救われて、当初はなのはの所に行くと聞かず暴れたフェイトだったが、少し時が経つにつれて当初の落ち着きを取り戻し、そしてはやての騎士に剣術を教えてくれと懇願するようになり、血の滲む努力と持ち前の能力の末に今では大人の兵士数人でも敵わないほどの騎士になった。それは単に、なのはを救うというただ一つの目的のために。怪我も死も厭わない少しだけ危うい騎士。


「フェイトさん、怪我をしたって聞いたんですけど…」
「……ん、いつもごめんねギンガ。ちょっとかすり傷。」


そう言って腕の裂傷を見せると、ギンガと呼ばれた少女がフェイトの腕に治療を施す。甲斐甲斐しく薬を塗って、包帯を巻く一連の動作。フェイトが武器を握るようになってから何度こうして手当てをしたか。思い返してギンガは小さくため息を吐いた。


「フェイトさん、あんまり無茶すると身体、もちませんよ…?」
「うん。…そうだね。気を付けるよ。」


薄く笑って、ありがとう。なんて。ギンガに妹のように接するフェイトは、敵と刃を交える姿とは全く違う。穏やかでいて、優しい。ただ一度、武器を手にすると鬼人の如く敵をなぎ倒す。容赦ないその様子から、千人斬りなどという二つ名がついたこともあった。


「ちゃんと眠れてます…?」


心配そうに伸ばされたギンガの手を、柔く受け取とると、ほんの少しギンガの頬が染まった気がした。そんな仕草が時々、フェイトに大切な彼女を思い起こさせる。


「相変わらずフェイトちゃんはギンガには甘いなぁ。」
「……そ?」


水を差すようにやって来たはやてに、フェイトは少しだけ苦笑して。ギンガはというと、見られたことに羞恥心を抱いたのか恥ずかしそうにそそくさとその場を去ってしまった。そんなギンガの背中に「おやすみ」と言って、フェイトは小さく息を吐く。


「今夜は星が多いね…。」
「フェイトちゃん、シグナムが怒っとったよ?…あれくらいで怪我をしてって。」
「見誤っただけだよ。その分早く片が付いたでしょ。」


シグナムと呼ばれる、フェイトの武術の師でもある名を出されてフェイトは少しだけ唇を尖らせた。腕はほぼ互角であるはずなのに、一向にシグナムはフェイトの腕を認めようとしない。それがちょっとだけ複雑で、だけど何処か嬉しくもあって。そんな関係性。


「……急ぎすぎだって、分かってるんだけど。」


ほんの少しして、口を開いたのはフェイトだった。大きめの石に腰を掛けたまま、木に寄りかかるはやてに言い訳するように紡ぐ声は何処か震えているような気がして、はやては黙って耳を向けた。


「でも、震える。」


あの時の自分に、今ほどの力があればなのはは連れていかれたりしなかった。それは過信であるかも知れないけれど、フェイトはずっと、後悔をし続けていて。踏みにじられた者の恥辱を、フェイトはよく知っていた。


「早く助けたい。……それだけ。」


自分はどうなってもいいからと、小さく続けられた言葉にはやては眉を寄せる。どれだけの努力と苦痛を味わってきたのか。この八年共に歩んできたはやてにはよく分かっていて、だからこそ、眉を寄せた。


「フェイトちゃんのそういうとこ、あんま良くないなぁ。」
「……なに、急に。」
「なぁ、フェイトちゃん。」
「うん?」
「ギンガのこと、どー思ってるん?」
「………妹みたいに思ってるよ。」


昔のなのはを彷彿とさせるところがたまにある。そう言うと、はやては困ったように頬をひと掻きした。


「なぁ、なのはちゃんの事は私らに任せて、フェイトちゃんは──…」


ギンガと過ごしたらどうかと。そう言おうとして、はやては口を閉じた。少しだけ苦笑したフェイトの笑顔が儚くて、なんとなく。


「出来ないって知ってるくせに。」
「……そう、やな。」
「ギンガは可愛いと思うよ。…だけど、そう言う風には見れない。」


きっぱりと言い切ったフェイトにはやては「堪忍」と苦笑した。


「フェイトちゃんの気持ち知ってて、ごめんな。」
「うぅん。……ありがとう。」
「それにしても昔はあんなに泣き虫だったのになぁ。虫も殺せないような顔して。」


それが今では、と笑って。


「千人斬りの鬼て言われてるって知ってた?」
「……千人も殺してないよ…。」
「噂には尾ひれやらなんやらつくもんやよ。」


悪びれなく笑うはやてに幾度となく救われた。なのはを助ける為に力を貸してくれるはやての条件を、思い出す。


「ねぇ、はやて。」
「ん?」
「なのはを助ける為に力を貸してくれる条件、覚えてる?」
「…なんや急に。勿論覚えてるよ。」


それは、無事になのはを助けたら、フェイトはミッドチルダの騎士に就くという条件。藁にも縋る思いでその条件にフェイトは首を縦に振った。


「ちゃんと約束は守るから──…だから、」
「分かってる。それで、なんやけど。」


そこまで言って、急にはやての表情から緩みが消えた。


「なのはちゃんが17歳になったら、アルハザードの王がなのはちゃんと婚儀をあげるって。」


そうウミナリに知らせが届いたらしい。そう言ったはやての言葉に、フェイトの纏う空気が変わる。殺気立つともまた違う、沸々と沸く怒り。


「けど、まだ時間はあるから。それに、計画もある。」


そんなフェイトの空気を和らげるように、はやてが少しだけ笑った。


「言うたやろ?城に仲間がおるって。」


はやて曰く、アルハザードの城に仲間を送り込んでいるようで。


「その二人は私の国の巫女でな?…あ、フェイトちゃんみたいに言うと神官っていうんかな。とにかく、なのはちゃんと接触してるはずやから…」
「………うん。」


だがしかし、そうのんびりとはしていられない。なのはに指一本でも触れようものなら、きっと容赦しない。フェイトは静かに息を吐いて、ゆっくりと立ち上がる。


「私さ…」
「うん?」
「なのはを助ける為なら何人殺そうと、誰をどれだけ傷つけようと構わない。」
「……うん。」
「そんな私を、なのはは──…」


どう思うだろうか。不意にそんな思いがよぎる。

もちろんこの場合、なのはを助けることがフェイトの中の最優先で、だからそんな感情は二の次で。なのに、時々不安に駆られる。そんなフェイトに少しだけはやては苦笑を漏らした。


「そんなはず無いやろ?…そんな阿呆な心配してないで、体調整えててな?」


そう言ってはやてはフェイトにウインクして。


「近々、派手に仕掛ける予定やから。」
「……うん。分かった。」


いよいよかと、フェイトは目を閉じる。先ほどまでの不安など忘れたように。


「フェイトちゃんがまた怪我したらフェイトちゃん出撃禁止にするからな?」


冗談めかしてそんなふうに言うはやてに苦笑を浮かべて、フェイトはゆっくりと歩を進めた。夜は更けて、ほんの少し月が翳る。


“誰をどれだけ傷つけようと。”


フェイトは目を閉じる。それは勿論、邪魔をするものはという意味であったのだが、その「誰」に一番当てはまる者は自分でもあった。たとえ腕を失っても、足を失っても。残ったものが自分の首だけになったとしても。



八年前守れなかった、奪われた大切なものを取り戻すために。
フェイトは星々に静かに祈り、そして乞い願う。



「─…待ってて、なのは。」



もうすぐ行くからと。

小さく呟いた言葉は夜空に消え、フェイトは夜空の星に手を伸ばした。
































「──…ん…。」


誰かに呼ばれたような気がして、目が覚めた。少し冷える風が頬を掠めて、私は少しだけ身をよじり、綺麗に設えられたその部屋のベッドで体を丸める。

けれどなかなか寝付けなくて、ベッドから出て、鏡に映った自分と目が合った。攫われて連れてこられて八年。いつの間にか子供ではなく女に近づいた、膨らみを帯びた身体に小さく爪を立てる。

それから、こんな夜更けに部屋に近づく足音が聞こえてとても嫌気がした。


扉には内鍵がかけられているから不用意に部屋に入られることは無い。最も城の主である彼が強引に事を起こせば簡単に扉は壊れてしまうけど。


「おや。…まだ起きていたのかい。」
「……。」


猫を撫でるような嫌な声。返事をするのも嫌で、黙っていると彼は少しだけ薄気味悪い声で笑う。


「相変わらず無口なのは良いけれど、疲れないかい?僕たちは近々夫婦になるというのに。」


別に彼は私に執着しているわけではない。それは知ってる。ただ玩具にして面白がっているだけ。私と、私の国を。それがひどく許せなかった。


「……そういえば君が時々口にする…なんだったかな?」
「え…」
「あぁ、フェイトという子だったか。…ククク。」


不意に彼が口にしたその名前に、心臓が跳ねた。思わず駆けて、ドアに近づく。どうして彼が、彼女の名を知っているのかは知らないけれど、何でもいいから、どんなことでもいいからフェイトちゃんの事を知りたかった。


「何か…知ってるの?」
「おやおや。今日は随分積極的に話すね。夜も深いというのに。」
「いいから!…どうしてあなたが彼女の事を─…」
「ふむ。……いま彼女がどうしてるのか、知りたいのかな?」


それなら仕方ない、なんて演技を交えた物言いをして。彼は私に条件を突きつけた。


「明日の晩餐に私の婚約者として出席してもらおう。」
「…は?」
「そしたら私は、君の大切なフェイトという人物の話を教えてあげよう。」


どうかな?なんて白々しい言葉。王の婚約者として晩餐に出る。それは見世物にされるということだった。絶対に嫌だと、何度も断って来たそれ。だけど彼女の事が何かわかるなら。彼女が生きているなら。


「………分かり、ました。」


私は、耐えることを選んだ。何でもいいから、彼女が生きているなら、どんなことでも知りたくて。小さく苦痛を飲み込んだような私の変事に、この国の王は可笑しそうに笑う。薄気味悪い甲高い声で。満足そうに笑って「楽しみだ」と言って。


そうして、去っていく。恥辱とか、そう言うのはどうでもよくなった。ただ彼女が生きているのかも知れないという期待に、今は震えそうになって。明日の晩餐の事を考えると鬱めいた気持ちにしかならないけど、それでも良かった。


諦めた彼女の生死。


淡い期待を持たされて、玩具にされているとも知らずに。



「フェイトちゃん──…会いたい、よ。」



ずっと我慢していた気持ちが、抑え込んでいた気持ちが涙と一緒に零れた。





















FIN.






まだまだ再会しませんね(^o^≡^o^)


我慢して美しく着飾って晩餐に出て大臣とかに見世物にされる恥辱に耐えたなのはちゃん。そんななのはちゃんに約束のフェイトちゃんの事を聞かれて「うっそぴょーん」並のくそ絶望をあげるアルハザードの王様なのでした。期待を抱かせて「てかきっと死んでるでしょそいつ」的な絶望を与えられたなのはさんの涙的な。そんなことがあってすっかり憂いた表情をするなのはさんとか。











気が向いたら続けようかなくらいの心意気…(´・ヮ・`)
もう寒くてかなわん……。


バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄









テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
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初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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