ぷらちな何ぐらむの話。

クリスマス関係ない(ノ)°ω°(ヾ)
クリスマスという言葉を無理やりねじ込んだけど。
ヤマなしオチなし!ぐだぐたしちゃった…

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「………。」

ふと目が覚めた深夜。ちらりと時計を見れば現在の時刻は深夜3時を回ったところだった。もう一度眠ろうと目を閉じても睡魔はやってこなくて。私は小さく息を吐く。眠れない夜に私が考えている事と言えば、それは大抵の場合彼女の事。隣で静かに寝息を立てるなのはに視線を向けた。

今日はクリスマスイブ。恋人であるなのはと一緒に過ごして、とても満たされた幸せな日だった。なのはの手料理も美味しかったし、何より一緒に過ごす時間は格別で。もうなのはと恋人同士になって随分経つ。なのに、私はまだ大事なことを果たせていない。

───事の発端ははやてが私に言った一言だった。













「──…え。」

数週間前、私が長期の航行から帰航したその日の事。なのはと会う前にちょっとした仕事の用ではやてに会って、少しだけした世間話。そんな時に、ふとはやてが思い出したように言った。

「せやから、プロポーズとかしないん?」

そう、それはそんな一言だった。

「ぷ、プロポーズって…」

まだ早くない?そう言おうとした言葉はその先を予測したはやてに遮られる。

「まだ早いなんて思ってるん?」
「…う。」

ちっちっち、なんて付け足して。はやてはまるで人生の先輩の如く言葉を続けた。私の知る限り、そういった経験をはやてがしているとは思えないんだけど。

「あのなぁ、フェイトちゃん。フェイトちゃんは知らんやろうけど、フェイトちゃんいない間のなのはちゃんの人気っぷりと言ったら─…」
「えっ」

眉間に人差し指を当てて。

「なのはちゃんはガードも固いし正直フェイトちゃん以外眼中にないから全然心配なんて無いやろうけど…で、も!やっぱりいつ何時何が起こるか分からんのが乙女心や。」
「……。」

はやての瞳には、少しだけ顔面を蒼白にした私の情けない顔が映っていたかもしれない。私が居ない間に誰かがなのはにアプローチを。想像すると少し嫌な気分になった。もちろんなのはの事は信じているけれど。

「それに、なのはちゃんにだってそう言う願望はあるんよ?」
「……なのはに、結婚願望…?」

仕事一筋ななのはだし、私だって仕事が忙しいし。そういうのはもう少し仕事とかが落ち着いてからって思ってた。事実、そう言っていたのはなのはだ。

だから、おいそれとうっかりプロポーズなんてしてなのはに首を横に振られたら…と考えて、自分の顔の蒼白さが一段と酷くなった気がした。

「言うてもほぼ通い妻しとるみたいやけど…」
「……。」

通い妻という言葉に少しだけ顔面の赤みが戻る。

「どうすればいいかな…。」

結婚まではまだ早くとも、確かに婚約くらいはした方が良いんだろうか。それよりも先に指輪とか渡すべきなんだろうか。あぁ、でもなのは教導中に指輪とかするかな、なんて悶々と考えている私の頭上にはやての手刀が飛び込んできた。

「痛ッ…はやて、なにするの。」

その身長差でやられるとほとんど額に当たるんだけど。なんて続けるとはやては私の言葉を無視して口を開く。

「つべこべ言わず指輪でも何でも買ってびしっと何か言うたらええんよ。」
「な、何かって…でも、うん…そうだね。」

航行に出たらなのはとは離れ離れ。きっと寂しい思いとか、不安な思いとかさせちゃってるかもしれない。指輪を渡してなんか格好いい事を言えたら、なんて。何を言ったらいいか分からないけど。

殆ど一緒に住んでいるようなものだし。「一生に住もう」っていうのはまたちょっと違うかもしれないし。でもそれなりのけじめくらいはつけるべきだろう、なんて考える。

「ちょっと、考えてみようかな。」
「プロポーズするならやっぱクリスマスやろ。」
「……も、もうちょっと考える時間あっても良いんじゃない?」
「へたれた事言うてないで、ほらほらなのはちゃん待ってるんやないの?」
「あ、うん……」

ぺし、なんて書類で追い払うように背中を押されて。そこで私ははやてと別れたのだった。それが数週間前。











隣に眠るなのはの寝顔を見つめながら、そんな事を思い出しながら。

ちらりと指輪をしまった引き出しの方へ視線を向ける。なのはの指のサイズなんてずっと前から分かっていたので、2、3回お店に通ってなのはに渡す指輪を買った。……のは良いんだけど、それから一向に話を切り出せず、指輪も渡せず気が付けばクリスマスイブという一大イベントも終わってしまった。私があまりにもぐずぐずしていたせいなんだけど。

果たして一体、なんて言えば良いんだろうか。色んな本を読んだりして、定番の台詞というものを見てみたんだけど、なんだかこう、違うような。そういうのじゃなくて、ありのままの気持ちを言ったらいいんだと思うんだけど、でも。それじゃつまらないだろうか?なんて悩みに悩んで、毎晩こんなに考え事をしていて私は寝不足極まりない。


「ん…。」

なんて悶々悩んでいると、不意に寝返りを打ったなのはが私の方に身を寄せて、それから少しだけ薄らと目を開けた。

暗闇でなのはと目が合う。なのははまだまどろみの中に居るみたいでちょっとだけ目を擦って「眠れないの?」なんて聞く。

「ごめん、起こしちゃった?」
「ど…したの?」
「うぅん、何でもない……明日話すよ。」

おやすみ、と囁いてなのはの肩に布団をかけて。身を寄せてくるなのはを受け入れるようにして、私もそのまま目を閉じたのだった。













「ね、フェイトちゃん。」
「うん?」

少し遅い翌日の朝。教導隊の制服にしっかりと身を包んだなのはが襟元のタイを鏡の前で直しながら、こちらを向く。

私も私でシャツに袖を通しなが ら「なに?」なんて返した。なのははタイを直し終えて、何故か私のシャツのボタンへと手を伸ばす。どうやら着替えの手伝いをしてくれるみたいだった。

「昨日の夜、なんだったの?」

私のシャツのボタンを閉じながら、ちょっとだけ上目遣い。何の話をしているのか分からなくて、それ以上になのはの上目遣いにいちいちドキドキしながら「昨日ってなんだっけ?」と尋ねる。結果、なのはは「もう」と唇を尖らせたわけで。

「夜。…明日になったら話すって言ってたでしょ?」
「あ……。」

せっせと私のシャツを襟元まで閉じて、次いで私のタイを拾い上げて襟元で結ぶ。子供じゃないんだから自分でできるよって言ってもなのははそれを譲ってはくれなかった 。

「あ、えと…また今度でも…」

別に大した話じゃないから、なんて。逃げ腰の私の口から転がり出た言葉はそんな言葉だった。そう、別に急いでいるわけじゃない。ただ、クリスマスだしなんだかロマンチックかなって、この間までは思っていただけで。いざクリスマスになるとそんな考えは怖気づいて逃げた。が、目の前の恋人は逃げることは許してくれないらしい。

「気になるから言ってよ。」

さらりとそんな風に言ってのけて「朝ごはんの準備しながらでも良い?」なんて続けて。そう続けたまま、その足でキッチンへ向かってせっせと朝ごはんの支度に勤しむ。どうしよう、完璧にそんな雰囲気ではなくなってしまった。

「えと。」

大した話じゃないんだ、なんて言う情けない私に何を思ったのかなのはは「ふぅん」なんて言って、少し何か考えるような顔。

「ほんと?」
「え?」
「本当に大した話じゃないの?」
「えっと…」

何だか見透かしたような顔。見透かされてるような気がして、どこか落ち着かなくなる。そうこうしてる間にテーブルには朝食が並んで、なのはは「ご飯食べよう」なんて言って私に手招き。

手招きされるままにすごすごと、テーブルに向かって席について。結局大事な話をできないまま、朝食を食べることにした。なのになのははどこか上機嫌で。

「な、なのは。」
「ふぇ?」
「あのさ…」

言い淀む私の言葉を待って、なのはが箸を置く。それから「なぁに?」なんて、頬杖ついて私の言葉を待つ。あぁ、きっとなのはは私が言いたい事を分かっているんだろう。とても楽しそうだから。

「あの…」

対して、私は相変わらず。箸を持ったまま、なのはの顔と箸の先を交互に見て、それから、息を止めて。意を決して、小さく呟いた。

「…結婚、する?」

なんとも格好のつかない、そんな言葉。言った後でとても後悔した。やっぱりもっと格好のいい言葉を言えば良かったと。…思ったんだけど、それよりもなのはの反応が無くて。不安になってちらりと伺う先。

「なのは…?」

相変わらず頬杖をついたまま、なのははにこりと微笑んだまま私の方を見ているだけ。聞こえなかった?いや、そんなはずはないよね?と思ってもう一度声を掛けようかと思った矢先。

「フェイトちゃん、結婚したいの?」
「えっ…」

頬杖ついて、そんな質問。あれ、なのははしたくないの?なんて一瞬、変な汗が出る。

「…はい。」

そんなのも束の間で、「はい」という声の後、右手で頬杖ついたままなのはが左手を私に差し出す。相変わらず上機嫌のまま、ひらひらと左手を翳して。呆然とする私に、なのはは少し呆れた顔。


「フェイトちゃん、ごはん冷めちゃう。」


左手を差し出したまま、薬指をくいくいと動かして。それから、上機嫌な顔のままそんな風に言ったのだった。なんだか情けない、そんなプロポーズ。




本当はもっと格好良く言いたかった、なんてぼやく私に、なのはは笑いながら「フェイトちゃんが格好良く出来るまで待ってたらおばあちゃんになっちゃう」なんて言ったのは後日の話で。

私ってそんなにキマらないだろうか、なんて肩を落としたのは余談である。











fin







キマらない。
だけど滅茶苦茶格好良いフェイトさん。
みたいな。



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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