I notice you 2

久々の更新になってしまいました。
なのはちゃんがユーノ君と付き合いだした話の続き。ベタな感じ web拍手 by FC2






「フェイトちゃん、最近忙しいの?」
「……えと、ちょっと調べたいものがあって。」


今週に入って、フェイトちゃんはとても忙しいみたいでなかなか会う機会がない。二言目には「ユーノとは会わないの?」なんてユーノ君と会うことをすすめてくる。もちろんユーノ君とは会ったりしているけど、私はフェイトちゃんにも会いたいわけで。そう思って通信を繋いで捕まえた彼女。


「ん…じゃあ、また今度かな。」


最終的にそう言って、ちょっとだけ肩を竦めて見せると、フェイトちゃんは慌てたように視線をうろつかせて。


「えっと…来週。来週なら、少し時間作れると思うんだ。」


だから来週なら。子供を宥めるみたいに言うフェイトちゃんが可笑しくて、ちょっとだけ笑った。ユーノ君と付き合い始めたら、ユーノ君と会う時間が増えた。それと正反対に、フェイトちゃんと会う時間が減った。ユーノ君とはそう頻繁に会っているわけじゃないけど、誘われて時間が作れればご飯を食べに行ったりとか、そんな感じだった。フェイトちゃんが相手だったら、フェイトちゃんの家に行ったりとかするんだけど。


「じゃあ来週ならいい?」
「うん。来週ならそんなに忙しくないと思うから。」
「ほんと?約束ね?」
「…うん。約束。」


少し強引かも知れないけど約束を取り付けて、そのまま忙しそうなフェイトちゃんと通信が切れた。通信を切ると部屋は静寂に包まれて、そんな静寂に少しだけ寂しさを感じて小さく息を吐く。


「……。」


なんていうか。あんまり深く考えて居なかったけど、生活が変わった。フェイトちゃんに会う時間が減ったことで、少しだけ、なんだか心細くなった気がする。とはいえ折角恋人ができたのだから、ユーノ君と一緒に過ごせばいいのだけど。多忙なユーノ君に頼るわけにもいかず、トレーニングルームで過ごしたり、家で退屈に過ごしたりする時間が増えた。


「なんやなのはちゃん、暇そうやね。」
「あ。はやてちゃん。どうしたの?珍しいね。」


そんな中、手をひらひらとさせてやって来たのははやてちゃんで。はやてちゃんは「通りがかったから」なんて言って、次いでお茶でもどう?なんて言うわけで。正直言えば暇を持て余していたし、なんとなく寂しい気もして。私ははやてちゃんの誘いに甘んじて、はやてちゃんとラウンジへと向かったのでした。
















「…はぁ。」


誰も居ない執務室。なのはと通信を切って、少しして。私はやや大きめな溜息を吐いた。

仕事が忙しいのかと聞かれたら、まぁそれはある。けど、なのはの誘いを断るほどの仕事なわけじゃない。肩を竦めて見せたなのはのことを思い出して、なんとなく罪悪感が湧いた。


「……。」


なのはとユーノが付き合い始めて、なんとなく、私はなのはと距離を置くようになった。ほんの少し。もちろんユーノに気を遣ってることもあるけど、何よりも。私が、距離をおきたかった。理由はたくさん。

なのはとユーノが付き合い始めた。これで良かったと思っている気持ちのどこか裏側で、密かに嫉妬する自分が居て、そんな自分を知りたくなくて蓋をする。なんだかここ数日、昔の夢を見ることが増えた。それは子供の頃の夢で、あまり良い夢では無い。


「あの。」


くしゃりと前髪をかきあげた拍子に声を掛けられて、思わず肩が跳ねた。声を掛けられた先、声の主は良く知る人物で。声の主は「ノックしたんですけど」と申し訳なさそうに言った。


「あ、ごめん…考え事してて。えと、どうしたの?ギンガ。」
「はやてさんに書類を渡すよう頼まれまして。」
「あぁ、わざわざありがとう。言ってくれたら私が取りに行ったのに…。ごめんね、ギンガ。」


はやてに書類を頼まれたらしく、私のところへやって来たギンガは少しだけ心配そうな顔をした。


「いえ、私が来たくてここに来たので、気にしないでください。」


それから少しだけはにかんだような顔をして、そう続ける。ギンガは昔私が窮地を救った事があって、何かと交流があった。恩義を感じているのか、特に私に気を遣ってくれるわけで。


「いつもありがとう。」
「いえ、あの…」


何か言いたげな顔をしたギンガに首を捻る。ギンガは少しだけ言い淀んで、申し訳なさそうに眉を寄せた。


「大丈夫、ですか?」
「うん?」


言葉の意図が掴めず、「何が?」と問おうとして。


「なのはさんと、その、ユーノ司書長の事……」


言いにくそうにそう言ったギンガに暫し言葉を失う。それはどういう意味で言ってるのか。聞くまでもなく明確だった。ギンガは知っているらしい。私の、なのはに寄せるこの気持ちを。…正直驚いた。


「……あ、あのっ。出過ぎたことを言って、すいません。」
「え?あ、いや…ちょっと驚いただけだよ。」


そんなにわかりやすい態度をとった覚えは無いんだけど、と苦笑をこぼす。


「そんなに分かりやすかったのかなって。」


年下のギンガにあっさり見透かされたこの気持ちが少し、恥ずかしい。そう言うと、ギンガは少しだけ言葉を躊躇って。それから紡いだ。


「……見てたから、気付いたんです。」
「…。」
「フェイトさんがなのはさんを見ていたその分、見ていたから分かるんですよ。」


やんわりと言うギンガ。

ギンガが、私を。

何となく、気にしないようにしていたけど、そんな予感はしなくもなかった。なんて自意識過剰だろうか。言葉に迷う私に、続けて口を開いたのはギンガだった。


「本当はこんな風に、言うつもりは無かったんですけど。」


どちらかというとそれは、恋というよりは憧れに近い感情だとギンガは笑う。


「でも、引いてばっかりでも駄目かなって。」
「え、と…」
「せっかくのチャンスですし。フェイトさん押しに弱そうだし。だから、少しだけ考えてみてくれません?」


子供みたいに笑うギンガはどうしてか、何だか少し楽しそうだった。


「いや、でも…私は……」


そこまで言って、言葉に詰まる。どうしても、私にはやっぱりなのはなんだと思った。ギンガには申し訳なく思う。けど、そんな風に言われても、ギンガの事をそんな風に見ることは難しくて。なのはが私を好きになってくれるはずなんてないのに、諦めのつかない情のない自分がいた。


「別に今すぐ答えが欲しい訳じゃないですよ?」
「えと、…うん…そう、なんだけど…」
「少しだけ考えて欲しいだけです。可能性の話ですよ。」
「考えても、変わらないかもよ?」


それでも良いの?と続ける。


「期待持たせるだけ持たせて、ギンガの気持ちに応えられるかも分からない。保証もない。それって嫌じゃない…?」


狡くはないだろうか?そこまで言うとギンガは少しだけ可笑しそうに笑った。


「良いんです。チャンスがあるなら何でも前向きに前進あるのみです。浅ましいかも知れませんが。」
「……そんな事ないよ。そういう前向きなところ、少しなのはに似てる。…あ、こんな言い方、酷いね。」


自分の失言に気が付いて謝罪すると、ギンガはまた可笑しそうに笑う。


「いいえ。いったでしょう?なのはさんに似てるってことすら、私にはチャンスなんです。」


私を勇気付けるような言い方でギンガは笑った。どこまでがギンガの本心か分からない。けど、彼女のおかげで少しだけ。気持ちが軽くなったような気がした。


「…敵わないな。」


なにをどう考えても、私はきっとなのは以外の人を好きになる事は無いと思う。ギンガもそれを分かってて、気休めの気遣いなんだと思う。勿論、ギンガの気持ちに嘘は無いと思うけど。


「私はきっとギンガの気持ちには応えられないよ。」


それでも良いなら。


そう言って、私は静かに瞳を閉じた。折角だからお茶でもどうですか?なんで微笑むギンガに連れられて、「奢るよ」なんて言いながら席を立つ。


向かった先に誰か居る可能性なんて予想せず、少し笑いながら、ギンガの話に耳を傾けながら。


私はギンガに連れられて、ラウンジへと向かったのだった。



















続く






テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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