ちょこれーとの日

パロにしようと思ってたけど時間なかったので。
なんていうかありきたりな話になってしまいました。ずっと考えてたdoubtを近々再連載したいと思いますが、もう少しの間ブログが亀更新になると思うます。

今月は多忙ゆえご容赦ください\(^o^)/
すいましぇん!

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「……はぁ。」


ほんの少し胸がざわつく本日の午後。どうしてざわついているのかといえば、理由は極めて簡単だった。


「なんやフェイトちゃんため息なんてついて。チョコレート貰いすぎて胃でも悪くしたん?」
「……いや、そんなに貰ってないし…そうじゃなくて。」


茶化すように言うはやてを小さく睨んで、それからため息をつく。別にはやてが言うほどに沢山のチョコレートをもらっているわけじゃない。ただ、そうじゃなくて。


「なのはちゃんに怒られた、とか?」
「え?」


ラウンジでうじうじと項垂れる私に、コーヒーを飲みながら可笑しそうにニヤニヤ笑うはやてが言う。そんなはやてなに今一度睨みを効かせるけれど、はやてにはあまり効果はなかった。…まぁ、そんなの元から分かってるんだけどね。

…そうじゃなくて。


「いっぱいチョコ貰うフェイトちゃんにやきもちとか、ないん?中学の時とかはあったやん?」
「……残念ながら、もうなのははそんなことでやきもちとか妬いたりしないみたい。」


ふ、と小さく苦笑の息を漏らしてコーヒーの入ったカップを口元へ運ぶ。少しだけ冷めたコーヒーが喉元を過ぎてから。


「むしろ反対。…なんていうか。」


数日前のなのはのことを思い出す。恋人たちの特別な日に、どうして私はこんなにも憂鬱な気持ちなのか。











「───え?」
「だからぁ、ちゃんと誰にチョコレート貰ったか数えておいてね?」
「う、うん…」
「ちゃんとお礼しなきゃなんだから。最もフェイトちゃんはそういうのしっかりしてるから大丈夫だと思うけど。買い物大変でしょう?」


やきもたなんて皆無みたいで。むしろもう、慣れたというか。そんな風に少しだけ頬を染めて嬉しそうに笑ったなのははそう言って、それから少しだけ考えるような仕草をした。


「私もそろそろ準備しなきゃなぁ。」


唇に指をあてて、カレンダーを見る。件のバレンタインデーの催し。毎年毎年、なのはは教導隊の後輩やら皆にチョコレートを用意している。


「……買い物、手伝うよ。」
「ありがと。フェイトちゃん。」













そんなわけで。


「え、つまりなんなん、フェイトちゃんはなのはちゃんが他の人にあげる義理チョコに嫉妬してるん?」
「………。」


沈黙は肯定。つまりそういうことだ。この憂鬱の原因は、なのはが今頃笑顔でチョコレート(義理)を配り歩いていると思うと、我ながら心が狭いというか器が小さいかと思うけど、ちょっともやもやするからで。


「成程なぁー。ちなみにフェイトちゃんにはちゃんと手作りなんやろ?」
「ん?うん…。」


小さく頷いた私に、そんならええやんなんて呆れたようにはやては呆れたため息。まぁ、確かにそうなのだけど。


「なんていうか、なのはは優しいから、その。」
「うん?」
「どの子に対しても真剣にチョコを選んだりしてて、どこか楽しそうで。いや、勿論なのはが楽しそうなのは嬉しいんだけど。」


だけどちょっと。


「はーん。つまりあれか。フェイトちゃんは悶々しとるのに、なのはちゃんは全然で余計に不安みたいな?」
「ぐっ…。」


図星を突かれて肩を落とす。私はこんなにやきもきしているのになのはは全然気にしてないから余計不安になる負の連鎖。でもこんな格好悪いことなのはには言えないし。それに少し恥ずかしい。


「なんや、完全無欠のフェイト執務官にもそんな一面が…。って昔からか。」


阿呆らし、なんて言いながらはやては冷め切ったコーヒーを飲み干す。


「我ながら情けないのは分かってるんだけど。」
「まぁフェイトちゃんらしいんやない?…それに、なのはちゃんも、それが分かっててやってる節あるしなぁ。」
「え?どういう……」


ククク、と声を殺して笑うはやてには何か思うところがあるらしくて、私は首を捻る。次いで「どういうこと?」と聞こうとして。


「あっフェイトさん!」
「え?」


名前を呼ばれて向いた先、顔見知りの女の子。確かよくなのはと一緒に歩いている子だ。なのはの後輩だったかな?


「えと…?」


何か用?と言いかけて目の前にチョコレート。包みから出して、無邪気に「はいどうぞ」なんて言うわけで。視界の端ではやてがニヤニヤこっちを見ているのが見えた。


「あ、いや…えっと…」


何の躊躇いもないあたり多分色んな人にあげてるんだろうけど。さすがに公共の場のラウンジで「あーん」とかされるのもちょっと…なんて戸惑ってるうちに「じゃあ先に八神部隊長どうぞ」なんて言って、気が付いたら目の前のはやてが遠慮なくその子のチョコに食らいついていた。


「ん、美味しいなぁ。自分で作ったん?」
「はい。」


レシピの話なんかしながら盛り上がっていた。なんだか躊躇ってた私が少し馬鹿みたいだった。気にしすぎなんだろうか。「フェイトちゃんも貰ってあげないと」なんて促されて。


「ん、うん。」


差し出されたそのチョコレートに口を開く。瞬間、目が合った。斜向かい、ちょうどラウンジにやってきたなのはと。目が合ってお互いにお互いを認識して、なのはは少しだけ瞳を瞬く。別に悪いことをしているわけじゃないんだけど、何故か背中を冷汗が走る。


「あ、いたいたフェイトちゃん。」


けど、なのはは特に気にしない様子で教導隊の後輩の子(私にチョコレートを食べさせている)に挨拶して、この場に加わる。今度は程なくしてその後輩の子が他にも配る予定があるからとラウンジを後にした。


「な、なのは」
「うん?あ、フェイトちゃん今日はお仕事早く終わりそう?」
「え、うん。もう今日はそんなにすることもないし…」


はやてとお茶なんてしてるくらいだし。そう言うとなのはは「じゃあご飯作って待ってようっと」なんて微笑んでそれだけ言って、私とはやてに「またね」なんて言って早々とラウンジを去る。どうやら帰りの時間が知りたかったみたい。


「はーやだやだ。」
「え?」
「目の前で親友のそんなイチャイチャしてるの見たくない」
「い、今のは普通でしょ!」


なんてはやての茶化す冗談を真に受けながら。私もはやても早々に切り上げてお互いの仕事に戻る。その後は残務処理だけして、夕方には仕事を終えて、帰宅の途についたのだった。






















「──でね?結局その子が勝っちゃったんだけど…」
「へぇ…凄いね。なのは嬉しそう。」
「そ、そうかな?でも成長が目に見えると教えてる身としては嬉しいよね。……あ、チョコレート食べる?」


その日の夜。夕飯を終えたひと時。なのはは楽しそうに今日あった出来事を話していて、私はそれを隣で聞く。いつもなのはは楽しそうで、教導隊の子たちの成長を喜んでいて。私もそれが嬉しくて幸せなわけで。そんな中、なのはが今年もチョコレートをくれた。


「美味しくできてるといいんだけど。」


ほんの少し頬を染めて、チョコレートを手に隣に座る。


「はい、フェイトちゃん。」


ハッピーバレンタイン。なんて。


「ありがとう。えっと食べていいの?」
「食べてくれないの?」


くすくす笑って、ラッピングを解くように促されて。出てきたのは綺麗に形どられたチョコレート。なのはは昔から料理上手だし、毎年毎年くれるチョコレートは本当においしい。


「美味しそうだね。」
「あんまり見た目は凝ってないんだけど味は自信あるよ。」


隣で微笑んで見ているなのはに何だかちょっとだけ照れながら、箱からチョコレートを摘みあげる。本当は少し食べるのが勿体ないくらいなんだけど。


「そういえば。」
「え?なに?」


不意に思い出したようになのはが呟く。その言葉に手が止まった。


「そういえば…フェイトちゃん知ってる?」
「?」


なんでか、ちょっとだけ艶っぽい声。


「あのね、チョコレートには媚薬の効果があるんだって。」


知ってた?なんて、視線を向けられて。思わず息を飲む。少しだけ微笑んだなのはは「ちょっと聞いたの」なんて言うわけで、それから「そんなはずないのにね。」なんて。まぁ、チョコレートにそんな効果があったなら、世の中は結構大変なことになっているだろう。だから、物理的な効果ではないのだと思うんだけど。


「えーと…」
「食べないの?それ。」
「あ、うん…た、食べるよ。」
「ほら、はやく食べてみて?」


囁くような艶めいた色っぽい声に変な汗がにじむ。


「な、なんか怒ってる?」
「……。」


恐る恐るそう聞くと、ほんのちょっと、なのはの艶っぽい雰囲気が薄れた。それから一変して、子供っぽい拗ねた顔。


「怒ってるわけじゃないけど…。あんまりあーゆーことしないでよね。」
「うぇ?」
「……今日。ラウンジであーんしてもらってたでしょ?」
「してもらってたわけじゃなくて、あれは…」


慌てたように言い訳する私に少しだけ呆れた顔のなのはは、小さくため息をついて。


「あっ…」


私の手を掴んで、私が手に持ったチョコレートを攫った。指先に微かになのはの唇が触れて、ほんの少し心臓が跳ねた。


「わ、私が貰ったのに…。」


咄嗟に隠すようにそんな非難めいた事を言う。と、なのはは私の手を掴んだまま、私の指先についたココアパウダーを舌先で舐めた。


「……美味しい。」


綺麗に微笑んで、そう言うなのはとの距離が縮む。寄ってきたのはなのはで、私は片手でチョコレートを持っていて、もう片方の手をなのはに拘束されたまま。


「な、なのは。離してくれないと、チョコ…食べられないんだけど…?」
「じゃあ、食べさせてあげようか?」
「えっ」


どう?なんて囁くようななのはの問いかけに。





首を縦に振る以外の動作を出来なかった。













おててで食べさせたのか、それとも口うつしだったのか。





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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